映画:幼な子われらに生まれ

「幼な子われらに生まれ」のネタバレあらすじと結末

幼な子われらに生まれの紹介:2017年8月26日公開の日本映画。直木賞作家・重松清の同名作を『繕い裁つ人』の三島有紀子監督が映画化した人間ドラマ。血のつながらない家族が苦悩しながらもさまざまな出来事を乗り越え、少しずつ本当の家族になろうと姿をつづる。浅野忠信が再婚相手の連れ子との関係に悩む男を、その妻を田中麗奈、妻の元夫を宮藤官九郎が演じる。

あらすじ動画

幼な子われらに生まれの主な出演者

田中信(浅野忠信)、田中奈苗(田中麗奈)、薫(南沙良)、沙織(鎌田らい樹)、恵理子(新井美羽)、江崎(水澤紳吾)、課長(池田成志)、沢田(宮藤官九郎)、友佳(寺島しのぶ)

幼な子われらに生まれのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①信と奈苗はバツイチ同士で再婚、奈苗の連れ子の娘・薫と恵理子との関係もそれなりに良好。信の前妻・友佳は信との娘・沙織を連れて江崎と再婚、そちらも良好だった。奈苗の妊娠が発覚し、信は異分子を入れたくないと悩む。薫は反発し、実の父・沢田に会いたいと言い始めた。 ②育ての親の江崎が末期がんになるが、沙織は泣けないと悩む。しかし死に際し沙織は号泣。薫の願いどおりに沢田との約束を取り付けたが、薫は約束をすっぽかす。薫の態度は軟化、長期休暇のみ祖母宅で過ごすことに。

【起】- 幼な子われらに生まれのあらすじ1

サラリーマンの中年男性・田中信は、小学6年生の実の娘・沙織と遊園地で遊びました。
沙織を見ながら、信は何度も「ほんとに大きくなったねえ」と繰り返します。
沙織から「薫ちゃんだってそうでしょ」と指摘された信は、「毎日会ってると分からないものだ」と答えました。
観覧車の中で、信は沙織に「もし弟か妹ができたら、どうする?」と質問します。
沙織はそれを、自分の母・友佳が子どもを産んだらというふうに解釈しました。
「お母さん、もう40だよ」と苦笑しながらも、「私が『余り』になっちゃうんだ。でもお父さんは私を絶対、『余り』になんかしない!」と沙織は断言します。
その言葉を聞きながら、信は複雑な心境になりました…。

信は前妻・友佳とのあいだに、沙織という実の娘を儲けています。
前妻の友佳は信との離婚後、6年前に江崎という男性と再婚していました。
信は4年前に、同じくバツイチの女性・奈苗と再婚します。
奈苗は前夫・沢田との間に、2人の娘を儲けていました。薫と恵理子です。
薫は沙織と同じ12歳で、恵理子はまだ幼稚園生でした。
物ごころつく前に再婚したため、下の娘・恵理子は信のことを実の父親と思っています。
恵理子が小学生にあがるときに、真相を話そうと信と奈苗は決めていました。
離婚後も信は沙織と定期的に面会していますが、それを奈苗は快く思っていません。
後ろめたさも手伝い、面会日には信は、ケーキを家族に買って帰宅します。

信が沙織に「もし弟か妹ができたら、どうする」という質問をしたのには、理由がありました。
このたび、信の現在の妻・奈苗が妊娠したのです。
沙織にとって、義理の弟か妹ができるのでした。奈苗の子どもたち、薫と恵理子にとっても同様です。
一度結婚に失敗した信は、慎重に行動していました。
現在は仕事よりも家庭を優先し、家族との時間を大事にしています。
連れ子である薫や恵理子にも、充分な愛情を注いでいるつもりでした。
奈苗の妊娠は、信にとっては計算外でした。そうでなくてもバツイチ同士の再婚で、ツギハギだらけの家族なのに、これ以上ややこしい要素を入れたくないのです。
しかし奈苗は中絶など毛頭考えておらず、産むと決めていました。そんな奈苗の様子を見ると、信は強く言えないのです。

ケーキを持って帰宅した信は、現妻の奈苗が薫と恵理子に妊娠を告げたと知り、困ったと思いました。信としては、言うタイミングを図ろうと思っていた矢先のことです。
幼稚園生の恵理子は無邪気に喜んでいますが、思春期に突入しかけている薫は、相当なショックを受けていました。
薫は露骨に反抗的な態度を取るようになります。その矛先は信だけでなく、実の母・奈苗にも向けられました。

課長に出向リストに名前が入っていると聞かされた信は、それでもいいと思います。
出向は片道切符で、本社に戻れる保証は皆無でした。
家族との時間を大切に思う信は、課長にそう答えます。
直後から信は、出向先でデスクワークとは全く違う仕事に就きました。
倉庫の中で機械を見ながら商品を探すという、軽作業です。今までとは勝手が違い、信は戸惑います。

【承】- 幼な子われらに生まれのあらすじ2

4年前に再婚した時、薫は小学2年生でした。
最初は「おじさん」呼びだったのですが、ようやく最近、信のことを「お父さん」と呼び始めた時に、妊娠発覚です。
反抗的な態度を取る薫は、恵理子に信が本当の父親ではないと言うぞと脅します。
駄目だと制した信に対し、薫は「ねえ、私も命令していいかな。お父さんに会わせてよ、本当のお父さんに」と答え、信は絶句しました。

職場に母から電話をもらった信は、奈苗が子どもたちだけでなく信の母親にも、妊娠を報告したと知ります。
信の母は、孫が増えることを喜んでいました。信は、奈苗から外堀を固められているように感じ、圧迫されます。
仕事の要領の悪さを職場で指摘された信は、成績が悪いと給料が下がるかもしれないと聞かされました。対照的に、作業の効率が上がると給料アップも見込めます。
中年になって初めて行なう信は、軽作業に戸惑うばかりでした。

8月の沙織の面会を延期させてくれと前妻・友佳に電話で切り出された信は、事情を聞くために久しぶりに友佳と会います。
友佳とは久しく会っていませんでした。
友佳は大学の准教授をしており、再婚した夫・江崎はメンタルクリニックを経営する教授です。
友佳から、その再婚相手の江崎が末期がんだと聞かされた信は、驚きました。
背中が痛いのを筋肉痛だと思った江崎は、病院に行くのが遅れ、5月の末に受診した時には全身に転移していました。9月までもたないそうです。
実の子のように沙織を育てた江崎のそばに、沙織を置いておきたいという友佳の配慮に、信はうなずきました。
ところが信の様子を見て、友佳は苛立ちます。
「聞かないのね。全然興味ないのね。理由ばっかり聞いて、気持ちは聞かない」と責められた信は、そのとおりだと気付きました。黙り込むしかありません。

へとへとに疲れて帰宅した信は、産む気まんまんの妻・奈苗の姿と、反発して「このうちやだ。関係ない人と一緒にいたくない」と訴える薫を見て、家でも疲弊します。
薫は繰り返し、実の父に会わせろと言い始めました。奈苗もそれに驚きます。
というのも、奈苗の前夫・沢田は子どもに愛情を持たない男でした。
次女の恵理子の泣き声に苛立った沢田は、奈苗や薫に暴力を振るいました。暴力と沢田のギャンブルが離婚の原因です。
長女の薫は歯を折られ、それがきっかけでしばらく大人の男性が苦手でした。外にも出られない状態だった薫ですが、信には笑顔を見せるようになり、それが再婚の糸口になります。

「赤の他人と一緒にいるより、本当のパパといる方がいいに決まってるでしょ」と言われた信は、思い切って沢田に会わせたほうがいいのではないかと考え始めます。

【転】- 幼な子われらに生まれのあらすじ3

さらに薫は、自室に鍵をつけたいと要求し、南京錠を買ってきました。
鍵を見た奈苗は「このままじゃこの家、おかしくなっちゃうじゃない」と言いますが、信は思わず「もともとおかしかったんだ」と口に出してしまいます。
薫は妹の恵理子に、「赤ちゃんが出来たらパパに捨てられる」ということばを吹き込みました。それを知った信は薫を平手打ちしますが、薫はそれでも反発していました。

お祭りで手に入れた金魚を埋める時、恵理子が妹の絵を一緒に埋めてくれと言います。
お腹の子どもが、男の子だと判明したのだそうです。
部屋に戻った信は、妻の奈苗から「妊娠高血圧症」「高齢出産」という相談を受け、「じゃあ、もう堕ろすしかないでしょう。別れよう」と言います。
奈苗の全面的によっかかってくる姿勢が、信には鬱陶しいのです。

奈苗の前夫・沢田に会った信は、薫と会ってくれと頼みました。沢田は露骨に嫌います。
沢田は、そもそも結婚に向いていなかったとぼやきました。べったりと依存してくる奈苗の態度も、気に入らなかったと口にします。
薫と会うのと交換条件に、10万円を沢田は要求しました。
信は「もし薫が一緒に暮らしたいと言ったらどうしますか」と聞き、沢田は「あと40万、上乗せしてくれたら、前向きに考えましょか」と答えます。
ATMで50万円引き出そうかと悩んだ信は、結局10万円だけ沢田に渡しました。
その代わりに、薫とデパートで日曜に会う約束を、沢田に取りつけます。

信の家の近くに沙織が来ていました。すがって泣く沙織に、信は驚きます。
沙織は、育ての親・江崎が死ぬことにあまり悲しくないことを自覚し、申し訳ないと感じていました。そのことを、実の父である信には、抵抗なく話せます。
喫茶店で話を聞いている時、大きな落雷があり、直後に大停電が起きました。
停電は復旧したものの、沙織の携帯に母・友佳から江崎の危篤の知らせが入ります。
電車が止まっているので、信は車で送ろうと考えました。
ところが車は直前まで奈苗と恵理子が使っており、2人も同行することになります。

車中で恵理子が、沙織に信との関係を聞きました。恵理子を気遣った沙織は「お友だち」と答えます。
恵理子は沙織に、「弟が生まれるんだよ」と話しました。
間接的に聞かされた沙織は、「教えてくれないなんて、みずくさいな、親子なのに」と信に皮肉を言います。
義理の弟ができるというショックを受けたまま病院へ駆け込む沙織の後ろ姿を見て、奈苗が「一緒に行ってあげなさいよ」と信に声をかけました。
「お友だちなんでしょ」という妻の言葉にあと押しされて、信は沙織のあとを追います。

【結】- 幼な子われらに生まれのあらすじ4

病室へ向かいながら、沙織は信に「私、泣ける。お父さん(江崎)ともっと一緒にいたい。私のお父さんに会って。会ってほしいの」と言って、信を病室まで連れていきます。
(沙織にとっては「お父さん」=「育ての親、江崎」、「パパ」=「実の父、信」)
病室に入った沙織は、信と繋いでいた手を放すと江崎のところへ駆け付け、江崎の手を強く握って泣き出しました。
信も「沙織を育ててくれて、ありがとうございます。大好きでいてくれて、ありがとうございます」と言い、頭を下げました。そして病室を去ります。
帰りの車中、信は沙織と自分との関係を恵理子に話そうとしました。
ところがそれよりも早く、恵理子は「だからえり(本名は恵理子だが、俗称で「えり」と呼ばれている)と沙織ちゃんは、お友だちなんでしょ」と言います。
苦笑した信は、「ピンポーン(正解だ)」と答えます。

薫が実の父・沢田と会いに、デパートへ行きました。
信は家で見送ったものの、気がかりでデパートに行こうと言います。
デパートの入り口で妻・奈苗と別れた信と恵理子は、屋上へ向かいました。そこに沢田と薫がいるはずでした。
ところが待ち合わせ場所には薫は来ておらず、正装した沢田がぽつんとベンチに座っています。
沢田は実の娘との再会に緊張して、それなりにきちんと対応するつもりのようでした。
すっぽかされた沢田は放心し、少し安心もしているようでした。
待つ間、薫とのよい思い出を意外と覚えていたと信に告げた沢田は、引き取る話はなしにしようと言います。
下の娘・恵理子を眺めたのち、沢田は去っていきました。薫のために用意したプレゼントを、信は沢田から受け取ります。

帰宅すると、薫は家にいました。
薫は「楽しかったよ。もうサイコー」と言いますが、信は薫に沢田から託されたプレゼントを渡します。
薫は信が居間を去ってから、プレゼントの袋を開けました。中には花を持った白いゴリラのぬいぐるみと、「かおるちゃんへ」という拙い沢田のメッセージカードが添えられていました。

戻ってきた信が薫に、「薫、パパ、前言ったよな。ウソついちゃいけないよって。約束守りなさいよって。薫、それ、できなかったんでしょ。どういう気持ちになるか、分かったでしょ」と言います。
薫はもう反抗しませんでした。代わりに、すすり泣きます。
信は薫の肩を抱きました。
(薫も態度が軟化した)

1人カラオケをしてストレス解消をしようとした信は、奈苗がカラオケルームで1人カラオケしているのを見つけます。
奈苗は熱唱していました。信は部屋の外で、笑って拍手を送ります。
(口には出さないものの、奈苗も不満をため込んでいた模様)

クリスマスシーズン。奈苗が産気づきます。
薫は結局、中学卒業後までは、長期休暇だけ母方の祖母宅で過ごすことに決まりました。
待合室で待つ信と恵理子のところへ、薫がやってきて、信をまっすぐ見つめます。
その時、赤ん坊が生まれました。
薫の視線を受け止めた信は、視線を赤ん坊に移します…。

みんなの感想

ライターの感想

非常に扱いづらい題材を、扱った内容。バツイチ同士の再婚、血の繋がりのない親子の、あやうい絆を描いた内容。
小学6年生だったらなおさら、母の妊娠を知ったときの動揺は大きかろうと、たやすく想像がつく(原作では小4設定)。
薫の言葉がいちいち「刺さる」。こういうこと言いそう~、と思う内容なのだ。
重松清ワールドだなという着地点。
綺麗な終わらせ方(円満解決という意味)をしない代わりに、破綻もしない。
白黒つけたい人にとっては、もやもやが残る作品かもしれない。
しかし答えが出ない問題は、世の中に山ほどあろう。納得の結末。

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