映画:愛を綴る女

「愛を綴る女」のネタバレあらすじと結末

愛を綴る女の紹介:2016年にフランス・ベルギー・カナダ合作で製作されたヒューマンドラマ。ミレーナ・アグスの小説「祖母の手帖」を映画化した作品で、オスカー女優のマリオン・コティヤールがヒロインを演じた。望まぬ結婚をした少女の運命的な恋と、その意外な結末を描いていく。

あらすじ動画

愛を綴る女の主な出演者

ガブリエル(マリオン・コティヤール)、アンドレ・ソヴァージュ(ルイ・ガレル)、ジョゼ(アレックス・ブレンデミュール)

愛を綴る女のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 愛を綴る女のあらすじ1

愛を綴る女のシーン1 舞台は1950年代、南フランスの田舎町。ここで暮らす美しい少女ガブリエルは、町の教師の男性に一途な恋心を抱いていました。夢見がちな彼女は男性への思いを日々募らせ、ついにある夜、思いを打ち明けました。しかし、男性には妻がおり、ガブリエルの愛の告白を断りました。ショックを受けたガブリエルはヒステリーを起こし、男性に暴力を振るってしまい、一騒動起こしてしまいます。

この騒動以来、ガブリエルは情緒不安定になり、部屋に引きこもりがちになってしまいます。ガブリエルの両親はそんな娘を早くどこかへ嫁がせて厄介払いしようと考えるようになりました。広大な農場を持っていたガブリエルの家では、多くの外国人労働者を雇っており、その中には、ジョゼという名の物静かなスペイン人がいました。

ある日、ガブリエルが家でピアノを弾いていたときのことだった。ジョゼはその様子を物陰から優しく見つめていました。ガブリエルの母親はこのジョゼの姿を見逃さず、彼にガブリエルをもらってもらおうと考えつきました。ガブリエルを妻にしてくれれば、独立して働くための支援を惜しみなくする…ガブリエルの母親はそう言って二人の縁談を進めていきました。

ジョゼはガブリエルの美しさに惹かれていましたが、対するガブリエルはジョゼに興味を抱いていませんでした。ジョゼにはスペイン内戦で家族を失った悲劇的な過去がありましたが、ガブリエルはそんなことを気にかける様子も見せません。結婚を前にして、ガブリエルは「絶対に愛さない」とジョゼに宣言、ジョゼもまた「俺も愛してない」と返答しました。

その後二人は結婚、町を出ました。ジョゼはガブリエルの両親の支援を受け、海沿いの町に工務店を開業しました。ジョゼはガブリエルを抱かない代わりに、暇を見つけては近くの街まで行って娼婦を買う日々を繰り返すようになっていきました。ガブリエルはジョゼに気持ちを許すことはありませんでしたが、そんなある日、ガブリエルは娼婦のようなメイクと衣装でジョゼの前に現れました。ガブリエルは金を払えば私を抱いてもいいと語り、ジョゼは初めてガブリエルを抱きました。

それからしばらくして、ガブリエルは女性器から出血していることに気づきました。病院に行くと、ガブリエルは妊娠していたことにすら気づかず、流産していたことが判明します。その原因となったのは腎臓結石だといい、これを完治しなければ妊娠は難しいといいます。特に子どもを望んでいないガブリエルは治療を断ろうとしますが、ジョゼは子どもが欲しいと言って治療を望みました。自己主張が少ないこの夫が珍しく強い口調で子どもが欲しいと語ったことに驚くガブリエル。医者の勧めに応じて、ガブリエルはアルプスの温泉療養所に行くこととなりました。ジョゼはガブリエルの治療のために惜しげもなく金を出す考えでしたが、それでもなおガブリエルはジョゼへの態度を改めようとはしませんでした。

【承】- 愛を綴る女のあらすじ2

愛を綴る女のシーン2 ガブリエルは療養所でぼんやりとした毎日を過ごしていました。しかし、ある男性との出会いをきっかけに、療養所での日々は少しずつ変化していきました。その男性の名前はアンドレ、インドシナ戦争で負傷した将校で、顔立ちが整った若者でした。仲の良い看護婦に話を聞くと、アンドレは尿毒症も患い、つらい痛みに耐えているといいます。彼には妻子はおらず、アジア系の兵士が付き添っていました。この兵士がいないとき、ガブリエルがなにかとアンドレの身の回りを世話するようになっていきました。アンドレとはたわいもない会話しかしませんでしたが、すぐにガブリエルは彼の虜となり、療養所で過ごす時間が楽しく感じられるようになっていきました。

アンドレは基本的に部屋に引きこもっていましたが、ある日病院内のホールに現れ、ピアノを弾いたことがありました。曲目はチャイコフスキーの「舟歌」。すぐにアンドレは体調を崩し、演奏をやめてしまいましたが、ガブリエルはその音色に聞き惚れていました。

それから間もなく、ジョゼが見舞いに訪れ、ガブリエルは所内のレストランで食事をともにしました。ジョゼが泊りがけで見舞いに来たというのに、ガブリエルは相変わらず意地悪な態度をとってジョゼを不快にさせました。ジョゼは怒ってレストランを出て、バルコニーでタバコを吸って気晴らしをしました。

その夜のことでした。ガブリエルがアンドレの部屋を訪れると、アンドレがひどく苦しんでいました。ガブリエルはそんなアンドレに寄り添い、優しく抱きしめました。その翌日、アンドレはリヨンに搬送されることとなりました。ガブリエルは突然の別れに絶望し、それからしばらくは暗い毎日を送りました。

そんなある日、突然アンドレが再び療養所に入所しました。療養所を不在にしている間、アンドレはリヨンで人工透析を受けていたといいます。ガブリエルはアンドレとの再会を喜び、より親密な関係になっていきました。アルプスの山を背景にして一緒に写真を撮ったり、森の中を散策したり…ガブリエルはアンドレと過ごす時間を心から喜びますが、それに対して、アンドレは人妻であるガブリエルと親しくすることに負い目を感じていました。アンドレがその気持ちを打ち明けると、ガブリエルは絶望し、アンドレと距離を取ろうとしました。

ところが、ある日突然アンドレがガブリエルの前に姿を現しました。アンドレは何も言わずにガブリエルを抱き始め、ガブリエルもまたそんなアンドレを受け入れました。

しかし、この情事の直後にガブリエルの退院が突然決まってしまいます。アンドレとの別れをひどく悲しむガブリエル。そんなガブリエルに、アンドレは除隊手続きを済ませたら、また会おうと語りかけました。アンドレは悲しむガブリエルを抱きしめ、手紙で連絡し合うことを約束しました。

【転】- 愛を綴る女のあらすじ3

愛を綴る女のシーン3 退院が決まると、ジョゼはすぐにガブリエルを迎えに来ました。ガブリエルがいない間に立派な新居が完成し、ジョゼはガブリエルのためにピアノを買っておいてくれていましたが、ガブリエルは特別な反応を示しませんでした。

それから間もなく、ガブリエルの妊娠が発覚しました。お腹の子どもはアンドレとの子どもでしたが、家族はそうとも知らずこの知らせを祝福してくれました。

そんなある夜、ガブリエルはジョゼにアンドレとの仲を告白して、彼とともに生きていくつもりであることを打ち明けました。ジョゼは突然の告白に激怒して声を荒げますが、ガブリエルはひるむことはありませんでした。

ガブリエルはジョゼの前でも堂々とアンドレへの手紙を綴りました。しかし、何通もの手紙をリヨンにあるアンドレの住まいに出しても、アンドレから返信が来ることはありませんでした。病状が悪化してしまったのか、はたまた、再び戦地に送られてしまったのか…ガブリエルはアンドレを思うあまり、少しずつ精神の均衡を失っていきました。

それからしばらくして、ガブリエルがアンドレに出した手紙がまとめて返送されてきました。大きな衝撃を受け、ヒステリックになるガブリエル。海辺で暴れるガブリエルをジョゼは懸命になだめ、優しく抱きしめるのでした。

ほどなくして、ガブリエルは息子を出産しました。実の息子のように子どもに接し、健やかな家庭を与えてくれるジョゼに、ガブリエルは少しずつ態度を軟化させていきました。ガブリエルは自分が不幸ではないと考えられるようになっていましたが、時折ラジオで流れるインドシナ戦争のニュースや、チャイコフスキーの「舟歌」の音色は、ガブリエルにアンドレとの日々を思い出させました。

ガブリエルは息子にピアノを習わせ、いつか「舟歌」を弾いて欲しいと望むようになりました。しかし、ジョゼは過剰なピアノ練習が息子の負担になっているのではないかと心配していました。ジョゼの心配をよそに、息子はピアノの技術をぐんぐん上達させました。

ある日、ガブリエルの両親がやってきたとき、息子はピアノを演奏し、祖父母を喜ばせました。このとき、ガブリエルの母はガブリエルが息子に対して冷淡ではないかと気がかりに感じました。ガブリエルの母がこの違和感をジョゼに打ち明けると、ジョゼは「愛情表現を教わらなかったからです」とガブリエルを擁護しました。ガブリエルの母はジョゼの痛烈な言葉に不快感を覚えましたが、何か反論することはありませんでした。

【結】- 愛を綴る女のあらすじ4

愛を綴る女のシーン2 それから間もなく、息子がリヨンで行われるピアノの大会に出場することが決まり、ガブリエルとジョゼも同行することとなりました。その大会会場へ向かう道中でのことでした。ガブリエルはアンドレの住所の通りを見つけ、突然車を降りてしまいました。ガブリエルはアンドレの住まいを見つけますが、そこにはあのアジア系の兵士しかいませんでした。ガブリエルはアンドレの近況を尋ねますが、兵士からは意外な言葉が返ってきました。アンドレは療養所からリヨンに搬送されて間もなく亡くなったというのです。リヨンに行った後アンドレは療養所に戻ってきたとガブリエルは反論しますが、兵士はその主張を否定しました。ガブリエルは思いがけない事実に大きなショックを受け、茫然自失となってしまいました。

結局、ガブリエルは息子の演奏に間に合わず、ジョゼたちと合流してすぐにリヨンを発つこととなりました。その夜、息子が後部座席で寝たのを見計らって、ガブリエルは療養所にジョゼが見舞いに来た日について確認しました。すると、ジョゼはあのときアンドレと話をしたことを打ち明けてきました。ガブリエルに意地悪なことを言われ、バルコニーに出るとそこにちょうどアンドレも現れたといいます。アンドレはたわいもない会話をジョゼとする中で、レストランにいるガブリエルを指差してこう言いました。「別の人生で会えば愛しただろう。だが、そんな気力さえ残ってない」…ジョゼは複雑な表情を浮かべながら、ガブリエルが自分の妻だとアンドレに教えました。

その夜、宿で眠れなかったジョゼは真夜中にひそかにガブリエルの部屋に忍び込んだといいます。眠るガブリエルを抱こうとするジョゼ。すると、ガブリエルも目を覚まし、ジョゼの体を受け入れました。しかし、当のガブリエルはこのときの記憶を失っていました。

深夜に家に着くと、ガブリエルはアンドレと一緒に撮った写真を見返しました。すると、そこにはアンドレの姿はなく、ガブリエルだけが映っていました。それは、アンドレと過ごした日々が幻であったことを意味していました。

ガブリエルが外に出ると、ジョゼは夜が明けて間もない海を眺めていました。ガブリエルはそんなジョゼに「なぜ黙っていたの?」と尋ねました。ジョゼの返答はシンプルでした。「君に生きて欲しくて」…優しい眼差しでそう語るジョゼをガブリエルはただ見つめ返すのでした。

その後、二人は旅に出ました。草原を越えた先に見えてきた街を見て、ガブリエルは「あそこね?」とジョゼに語りかけました。自然に囲まれ、白い家々が連なる小さな街を見ながら、ガブリエルは嬉しそうに「あなたの故郷ね」と口にしました。

みんなの感想

ライターの感想

ヒロインの療養所の恋が実は幻だったという結末には驚かされました。そして何より感動的なのは、ヒロインを思いやる夫の愛です。振り返ってみると、一つ一つの描写にきちんと深い意味があったことに気づかされました。また、幅広い年代を演じたマリオン・コティヤールの演技力も素晴らしく、前半では少女独特の無邪気さを見せ、後半では貫禄のある母親になりきるなど、器用に演じ分けています。改めてこの女優の演技力が再確認される作品でした。

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