映画:春なれや

「春なれや」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

春なれやの紹介:2016年の製作。国内での劇場公開後、2018年に外山文治監督の短編作品集として『わさび』と共にソフト化。キャストは同監督作『燦燦-さんさん-』主演の吉行和子、若手注目俳優の村上虹郎ほか。主題歌はCoccoが担当した。桜の咲く季節、老人ホームを抜け出した女性が警察で保護される。どうしても行きたい場所があると彼女が言うので、たまたま出会った青年は道を案内することになり…。

あらすじ動画

春なれやの主な出演者

三浦小春(吉行和子)、西村幹夫(村上虹郎)、巡査(篠原篤)、小春の少女時代(石崎なつみ)、小春の初恋相手(辻井彰太)

春なれやのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 春なれやのあらすじ1

季節は春。
70代半ばの小春は、ある日見知らぬ交番へ迷い込みます。名前も住所も名乗らない小春は、ただ「連れて行って欲しいところがある」と巡査に申し出ました。困り顔の巡査は、小春の要望には応えてくれず、迷い人としての手続きを始めます。そこで小春は交番を飛び出し、向かいにある旅館で働く青年・幹夫に声を掛けました。ある中学校へ連れって言って欲しいと突然頼んできた小春に幹夫は驚きながらも、道を案内することにしました。

小春が探している中学校は、幹夫の姉が学生だったころにすでに廃校になっていました。敷地に入ることも出来ないのではないかとの不安を抱えながら、2人は散り始めの桜並木を歩きます。
若さゆえ漠然とした考えを戸惑いを呟いた幹夫に、小春は「永遠ってないのよ」とたしなめます。さらに小春は、ソメイヨシノは60年しか生きられないという言い伝えを幹夫に知らせ、それでも桜の木を見るために中学校まで行くのだと言い切りました。「暇つぶしの時間なんかないわよ、私もあんたも」との小春の言葉に気持ちが引き締まったのか、幹夫は小春を自転車の後ろに乗せて、目的地へ急ぎだしました。

【承】- 春なれやのあらすじ2

小春は中学を卒業する時、初恋相手の少年と共に校舎の横に桜の苗木を植えました。その時に少年から、ソメイヨシノは60年しか咲くことができないと聞かされ、2人は60年後に会って確かめ合う約束を交わしたのです。その後小春も少年もどんな運命を辿ったのかは分かりませんが、約束から60年が経ちました。待ち合わせる相手はいなくとも、小春は桜の木を見に行くために、現在暮らしている山奥にある介護施設を抜け出し、必死にここまでやって来たのです。

中学校へ向かう途中で、小春は行くことを断念しようとします。きっと桜は咲いているから、もういいと小春が言い出し、約束していた小遣いを幹夫に渡しました。ところが、せっかくここまで来たのに…と幹夫の方が躊躇います。ぐずり始めた小春に幹夫は、自分が代わりに見に行ってきて、咲いていても咲いていなくても、“咲いていた”と報告すると言って、1人で進み始めました。すると小春は、まるで置いてけぼりの子供のように、幹夫の後ろをついてきたのです。

【転】- 春なれやのあらすじ3

いよいよ中学校へ到着します。60年前は苗木だった桜は大木となり、今でも立派に花を咲かせていました。嬉しくなった小春は、思わず桜の幹に抱きつき、当時に思いを馳せます。

長年思い続けて来た目的を果たした小春は、これまでの経緯を幹夫に語り始めます。施設では毎日1人、1人と入所者が亡くなっていく姿を目の当たりにした小春は、永遠など無いのだと突きつけられました。そして命のあるうちに桜を見るために、何度も失敗をしながら施設を必死に脱走したのです。「この桜が咲いていたら、私たちの宿命に一矢報いるんじゃないかと夢見ていた。宿命も春には及ばず…」との小春のつぶやきに、幹夫は静かに耳を傾けました。

【結】- 春なれやのあらすじ4

桜のそばから去るのを名残惜しそうな小春に、「来年もまた来ればいいじゃないですか」と幹夫が優しく声をかけます。小春は折れた桜の枝を拾い、大切そうに持って思い出の地を後にしました。
帰路の途中。小春の言葉や想いが心の琴線に触れたのか、幹夫は「来年は1人で見に来てください。俺、ここにいないかもしれないんで」と、何かを思い立ったように発言します。それを聞いた小春は「そう」と、どこか嬉しそうに答えるのでした。

小春は無事に施設に帰り、また日常の生活に戻りました。静かな暮らしの再開です。小春は施設にある大きな桜の木に思いを託すように、「来年もまた咲くわね」と話しかけました。

みんなの感想

ライターの感想

どうしてこうも日本人にとって桜とは特別なものなのかと考えさせられました。春の象徴である桜は希望を与えてくれるからでしょうか。いや、それだけではないような…。この答えが出ないのと同様に、作品も謎のままで終わりました。短編映画らしく多くを語らない分、深い世界が広がっていく感覚があり、想像を張り巡らせました。一筆箋に散文をしたためたような美しい作品でした。

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