「春琴抄(2008年)」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

春琴抄(2008年)の紹介:2008年製作の日本映画。目の不自由な美しい娘と、彼女に献身的に仕える使用人との究極の純愛を描いた文芸ドラマ。これまで何度も映画化されてきた文豪・谷崎潤一郎の同名小説を、『青いうた のど自慢 青春編』の金田敬監督が美しい映像で現代によみがえらせた。女主人を襲った悲劇に悩み苦しむ佐助を、テレビドラマ「オトコマエ!」の斎藤工が熱演。春琴に『少林老女』の長澤奈央がふんするほか、テレビドラマ「ケータイ捜査官7」の松田悟志など、注目の若手俳優が顔をそろえる。

あらすじ動画

春琴抄(2008年)の主な出演者

斎藤工(佐助) 長澤奈央(鵙屋春琴) 松田悟志(利太郎) 沢木ルカ(里内テル) 川島朋子 真日龍子 嶋尾康史

春琴抄(2008年)のネタバレあらすじ

【起】– 春琴抄(2008年)のあらすじ1

春琴抄(2008年)のシーン1

画像引用元:YouTube / 春琴抄(2008年)トレーラー映像

大阪道修町。江戸時代末期から明治初頭にかけて。

真っ暗な闇夜のなかで、幼い少年が手探りでなにかを探しています。戸棚を開けた少年は、なかみを物色し始めました。どうやら少年は闇に乗じて、屋敷に物盗りに入ったようです。

その少年の耳に鈴の音が聞こえたような気がしました。そのくらい少年にとって衝撃的な出来事が起こったのです。天井から光が差し込んできたかのように、ひと筋の光が照らしたのは観音様でした。少年は観音様の神々しさに目を奪われ、それしか見えないように思えていました。少年は、のちに佐助と呼ばれるようになります…。(映画タイトル)

佐助は物盗りに入ったところを、屋敷の者に捕まりました。見つかったときに佐助が握っていたのは、高さ二十センチメートルほどの観音様の像でした。大人によって庭に取り押さえられた佐助は、そのときに廊下を通りかかった屋敷のお嬢様・琴(こと)に免じて許されました。琴のとりなしで丁稚(でっち)となった佐助は、のちに「春琴(しゅんきん)」と呼ばれる琴の身の回りの世話を献身的に行ないます。

春琴は佐助が初めてお目にかかったときから、眼病で失明していました。琴や三味線に秀でていた春琴は、長じて三味線と琴の奏者として独立しました。しかしそれ以外の身の回りの世話は、すべて丁稚の佐助にさせています。

大人になった佐助が、森のなかを歩いています。佐助は木の枝を開けてなかにいる芋虫を捕らえると、持っていた小さな箱に入れました。生きたまま芋虫を持ち帰ります。

春琴は大阪道修町の薬種商・鵙屋(もずや)の次女でした。家は長女である姉が旦那をもらって継いでおり、春琴は別に屋敷を持たせてもらっていました。春琴はそこに丁稚の佐助とともに暮らしています。

屋敷に戻ってきた佐助は、土間に正座をして石臼に実を入れると挽きました。芋虫はすり鉢に入れて擦り、混ぜ合わせてウグイスの餌を作ります。

佐助がウグイスの餌を作っているところへ、少女の里内テルがあいさつにやってきました。本家の指示で、テルも奉公としてやってきたのです。テルは佐助に、なにをしているところかと聞きました。佐助は、ウグイスの餌を作っているのだと答えます。

春琴が飼っているのは野生の藪ウグイスなどではなく、大事に育てた名鳥でした。春琴は「天鼓(てんこ)」という名前をつけて、尾が生えない頃から啼き方を教えて育てたウスイスです。そこらにいる並のウグイスではないと、佐助はテルに言いました。

テルは春琴のもとに仕えるにあたり、「あない(あんな)身の上やから」と同情するようなことばを吐きました。それを聞きとがめた佐助は、自分は一度たりとそのように思ったことがないと言い返します。テルはそれを聞いてわが身を反省しました。

佐助は作った餌を持ってウグイスのところへ行くと、別のカゴに移し替えて餌をやり、ウグイスの糞を採取しました。

畳の空拭き掃除をし、琴を出して調律をします。テルは、佐助に注意されたとおり「へえ」という返事を素早くこたえる練習をしていました。

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