映画:暗黒街のふたり

「暗黒街のふたり」のネタバレあらすじと結末

暗黒街のふたりの紹介:1973年にフランス・イタリア合作で製作された人間ドラマ。保護司の力を借りながら社会復帰を目指す元犯罪者の悲劇を描いていく。主演を務めたアラン・ドロンは製作にも名を連ねた。

あらすじ動画

暗黒街のふたりの主な出演者

カズヌーブ(ジャン・ギャバン)、ジノ(アラン・ドロン)、ルシー(ミムジー・ファーマー)、ゴワトロー(ミシェル・ブーケ)

暗黒街のふたりのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 暗黒街のふたりのあらすじ1

私は法の正義を信じていた。
だが、その裏側を見てしまった。
司法機関があり、訴訟がある。
だが、裁判自体が茶番劇だったら、正義は…

舞台はフランス、引退間近の保護司カズヌーブが心の中でこうつぶやきながら刑務所を後にする場面から、物語は始まります。法を信じてきたカズヌーブがこの考えに至ったのには、きっかけがありました。それは、カズヌーブが長年面倒を見てきた青年ジノが仮出所したことから始まりました。

銀行強盗の罪を犯したジノはカズヌーブの助けを得て更正し、出所後は真面目に生きていこうと心に決めていました。ジノは長年待ってくれていた妻と再び生活し始め、昔の犯罪仲間が会いにきても話を聞こうともしませんでした。カズヌーブもジノと家族ぐるみで交流し、ジノを支えようと考えていました。

ところが、ジノがようやく社会復帰の足がかりをつかんだ矢先に、ある悲劇が起こります。ジノと妻は不幸な交通事故に遭い、妻が帰らぬ人となってしまったのです。カズヌーブはジノが悲しみから立ち直れるよう全力でサポートをし、これまで以上に温かく接するようになりました。ジノにひそかに思いを寄せるカズヌーブの娘イブリンの献身もあり、ジノは徐々に元気を取り戻していきました。

ジノは印刷工場で真面目に働いて工場主から信頼を獲得し、やがて恋人にも恵まれるようになりました。恋人の名前はルシー、銀行で働く美しい女性でした。その一方で、ジノの社会復帰を快く思わない人物もいました。それは、過去にジノを逮捕したゴワトロー警部でした。ゴワトローはジノが必ず再び犯罪に手を染めるとにらみ、過剰な監視を行うようになっていきました。その手始めとして、ゴワトローはジノと接点を持つ人物に次々とジノの過去を暴露して回りました。

【承】- 暗黒街のふたりのあらすじ2

それからまもなく、ルシーに自分の過去を伝えて欲しいとジノから依頼を受け、カズヌーブはルシーと話をする機会を持ちました。しかし、いざ話をしてみると、すでにルシーはジノの犯罪歴を知っていました。ルシーの話によれば、警察の人間が突然現れ、ジノの過去を教えてきたといいます。カズヌーブは、ルシーがジノの過去を知ってもなお彼を慕う気持ちがあることに安心しつつ、ジノの周りを警察が嗅ぎまわっていることを心配し始めました。

その後も、ゴワトローの監視は続き、ジノにとって苛立ちを抑える日々が続きました。そんなある日、ジノの前に昔の仲間が現れ、強盗話に誘ってきました。ジノはすぐにその誘いを断りますが、その場面はゴワトローに目撃されていました。

それからすぐ、ゴワトローはジノの身を拘束しました。昔の仲間に会い、銀行員のルシーに接近したというだけで、ゴワトローはジノが銀行強盗の計画を立てていると決めつけ、ジノの反論を許そうとはしませんでした。ジノが拘束されている間、ゴワトローはジノの家を捜索し、そこでジノの昔の仲間マルセルの住処が書かれたメモを見つけました。ゴワトローはジノを陥れようと、そのメモを利用することを考えつきました。

カズヌーブの働きでジノはすぐに解放されましたが、ゴワトローの執拗な監視でジノの精神は不安定になっていました。ジノはカズヌーブが言う正義を信じられなくなり、これ以上犯罪の意思がないと証言することを拒否してしまいます。それでもルシーはジノを愛し続け、彼の子どもを産み、幸せな家庭を築きたいと望んでいました。ルシーの望みを聞き、落ち着きを取り戻すジノでしたが、ゴワトローの追跡はさらにエスカレートしていきました。

ある日、ジノはゴワトローがルシーの職場にまで押しかける姿を目撃し、激しい怒りに駆られました。しかし、ゴワトローに暴力を振るうわけにはいかず、ジノはやむなく近くにあった廃材を破壊し始めました。廃材業者はそんなジノの異様な姿に唖然としていましたが、ジノは気にする様子はありませんでした。

【転】- 暗黒街のふたりのあらすじ3

その後、ジノが銀行に向かうと、ゴワトローが更衣室までルシーを追いかけまわす場面に出くわしました。「消えろ、殺すぞ」と言ってルシーとともに更衣室を後にするジノ。しかし、この言葉はゴワトローにまた一つジノを追い詰める材料を与えることに繋がってしまいます。

その後、ゴワトローはマルセルたちを逮捕しました。銃撃戦でマルセルは重傷を負っていましたが、ゴワトローは容赦なく尋問を開始。ゴワトローはジノが持っていたメモを見せ、ジノがマルセルたちを密告したと嘘をついて揺さぶりをかけてマルセルの証言を得ようと試みました。しかし、医師から制止され、ゴワトローの思惑は失敗に終わりました。

その後、ゴワトローはジノの留守を狙ってルシーを訪ねました。ゴワトローはマルセルとジノの関係についてルシーの証言を得ようとしますが、ルシーは同行を拒否しました。しかし、ゴワトローはしつこく、なかなか帰ろうとしません。ゴワトローはやがてジノとの関係を銀行にバラすと脅迫口調に変わり、「しかし君は美人だな」と言ってルシーの顔に触れようとしました。そのときでした。陰から二人の様子を伺っていたジノが飛び出し、ゴワトローに襲いかかったのです。ジノの怒りは頂点に達し、そのままゴワトローの首を絞めて殺してしまいました。

ジノのゴワトロー殺しはすぐに報道され、カズヌーブはただちにジノの面会に向かいました。しかし、面会でジノとカズヌーブはただ互いの目を見合うだけで、両者とも口を開くことはありませんでした。

それからまもなく、ジノの裁判が開かれました。ジノの弁護士は警察の異常な捜索が原因と主張しますが、ジノにとって不利な材料が揃いすぎていました。廃材置き場での器物破損や、ゴワトローへの脅迫など、ジノの暴力性を示す証拠が次々と提出され、ルシーや印刷工場主のジノを擁護する言葉は重要な証言とみなされませんでした。

【結】- 暗黒街のふたりのあらすじ4

そんな中、カズヌーブも証言台に立ちました。カズヌーブは、今回の事件はジノの過去にこだわりすぎたゆえに起きたものだと主張し、「双方が不幸な偶然の犠牲者」と語りました。法は寛容であるべきとカズヌーブは訴えましたが、ジノが冷酷な殺人者という印象をぬぐうことはできませんでした。

圧倒的に不利な状況の中、ジノの弁護士は最終弁論に臨みました。弁護士は今回の事件と昨今問題になっている服役囚の自殺問題を結びつけ、刑務所の体質と警察の行きすぎた捜査を痛烈に批判しました。さらに、フランスがいまだに処刑方法としてギロチンを使用していることを取り上げ、「私たちフランス人は恥じるべきなのです」と語ると、傍聴席からは拍手が聞こえてきました。しかし、このとき陪審員は居眠りをしており、この弁護士の熱意が届くことはついにありませんでした。

陪審員が下した判決は、ジノの死刑でした。カズヌーブらはただちに上告するも棄却されてしまい、残された手段は大統領への嘆願のみとなりました。カズヌーブらは最後の望みをかけて大統領に嘆願書を提出、それから72時間後、大統領から返事が届きました。カズヌーブは中身を確認すると、無言でジノが待つ刑務所へ向かいました。

カズヌーブが刑務所に着いてすぐ、ジノは刑務官から嘆願の却下を伝えられました。ジノが言葉を失う中、ただちに処刑の準備が開始されました。ジノは神父の最後の祈りを拒否すると、カズヌーブに近づきこう言いました。「怖い」…カズヌーブは下を向いたまま、何も返答はしませんでした。

処刑までの手順はとても事務的なものでした。ジノを椅子に座らせたまま、刑務官はジノの手足を縛り、シャツの襟をはさみで切っていきました。その後、ジノに一杯の酒を与え、タバコを数秒吸わせると、ジノの目の前にあったカーテンが開かれました。そこには、ギロチンがありました。ジノは思わず後ろを振り返り、カズヌーブの目を見つめますが、すぐにギロチン台に運ばれ、首をはねられました。

「この壁の中に、まだギロチンが存在する」…カズヌーブはそう心の中でつぶやきながら、刑務所を後にしました。

みんなの感想

ライターの感想

ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの共演作というと「地下室のメロディー」が思い出されますが、あちらがクールなギャングコンビだったのに対して、本作は人間ドラマ色が強く、二人の名優はより複雑で重厚な関係性を見せてくれています。特に記憶に残ったのは、二人の目の演技です。ジャン・ギャバンの鋭いまなざしに対して、アラン・ドロンはすがるような目をしており、物語の悲劇性が引き立つ印象的な場面だと思いました。

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