「最後の忠臣蔵」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(2件)

ヒューマンドラマ

最後の忠臣蔵の紹介:2010年製作の日本映画。池宮彰一郎の同名小説をテレビドラマ「北の国から」の杉田成道が映像化した時代劇。“忠臣蔵”として有名な赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件で生き残っていた男2人の物語を追う。事件前夜に逃亡した瀬尾孫左衛門に役所広司、大石内蔵助よりとある命を受けた寺坂吉右衛門役に佐藤浩市。男たちに課せられた宿命を生々しく映し出す。

最後の忠臣蔵の主な出演者

瀬尾孫左衛門(役所広司)、寺坂吉右衛門(佐藤浩市)、大石内蔵助(片岡仁左衛門)、可音(桜庭ななみ)、可音〔幼少期〕(北村沙羅)、茶屋修一郎(山本耕史)、茅野きわ(風吹ジュン)、奥野将監(田中邦衛)、進藤長保(伊武雅刀)、茶屋四郎次郎(笈田ヨシ)、ゆう(安田成美)、吉良上野介(福本清三)、松明(荒木悠司)、月岡治右衛門(柴俊夫)

最後の忠臣蔵のネタバレあらすじ

【起】– 最後の忠臣蔵のあらすじ1

最後の忠臣蔵のシーン1

画像引用元:YouTube / 最後の忠臣蔵トレーラー映像

〝この世のなごり 夜もなごり 死に行く身を たとふれば

あたしが原の道の霜 一足づつに 消えて行く

夢の夢こそ 哀れなれ〟(人形浄瑠璃『曽根崎心中』)

海辺を歩く寺坂吉右衛門は、四十七士の生き残りです。吉右衛門は砂に足を取られながらも、歩を進めていました。前方の浜辺に小さな漁船と、それを取り巻いて荷下ろしする人を見ると、吉右衛門は駆け寄って声をかけます。吉右衛門が呼びかけたのは、四十七士の遺族、茅野きわでした。吉右衛門はきわに挨拶します。

吉右衛門はこの十六年間、亡き赤穂浪士の遺族を訪ね歩いていました。「大石様から」と言うと、内蔵助から託された小判をきわに渡します。きわはありがたくいただくと、仏壇に供えて手を合わせました。その後に、吉右衛門は討ち入りで死んだはずではないのかと、質問を口にします。吉右衛門はそれに答えて、十六年前のことを話します…。

…十六年前の討ち入りの日。それは歴史上でも有名な赤穂事件のことです。主君である浅野内匠頭の仇(かたき)を討つために、大石内蔵助以下四十七士が吉良邸へ討ち入りに行ったのです。主君の仇をとった彼らは、切腹を言い渡されて全員亡くなったはずでした。きわの指摘するとおりです。

しかし実際は、泉岳寺へ向かう途中に吉右衛門は内蔵助に、伝令として離れるよう命ぜられていました。「討ち入りの生き証人として、真実を伝えよ。そして、一統の遺族の後々の暮らしを助けてくれ」と内蔵助にじきじきに頼まれていたのでした…。

きわにそのことを話した吉右衛門は、墓に手を合わせると来月に十七回忌法要があることを告げて去ります。

海辺から移動し京都入りした吉右衛門は、昔の親友である瀬尾孫左衛門の姿を見つけました。思わず吉右衛門は駆け寄ろうとしますが、吉右衛門が近づいたときには孫左衛門の乗った駕籠は去ったあとでした。

駕籠を拾った孫左衛門は、師匠・ゆうのところへ琴の稽古に出かけた可音(かね)の迎えに行きます。部屋から聞こえる琴の音は上達しており、今では師匠のゆうと聞き間違えるほどでした。孫左衛門は可音を連れ帰ります。

孫左衛門は十六歳になる可音を、山奥の小さな家でわが子のように育てていました。ときおりふもとへおりては長崎・島原出身の元遊女・ゆうのところで稽古をつけてもらいますが、あとはひっそりと山奥で暮らしています。

孫左衛門の姿を見かけた吉右衛門は、内蔵助の又従兄弟にあたる進藤長保のところへ顔を出しました。進藤は吉右衛門の労をねぎらうと、十七回忌法要まで屋敷に滞在するよう言いつけます。法要の打ち合わせのついでに、吉右衛門は孫左衛門の話をします。

孫左衛門は三代にわたっての、大石家の用人でした。内蔵助を主君と慕っていた孫左衛門は、若くして妻を失い、子もおらず主君と共に命を全うするであろうと思われていました。しかし討ち入りの前夜に逐電(ちくでん 逃げて姿を消すこと)し、以降は杳として行方が知れずでした。進藤に聞いてみましたが、やはり吉右衛門同様に進藤も詳細を知らないままでした。

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