映画:永遠に僕のもの

「永遠に僕のもの」のネタバレあらすじと結末

永遠に僕のものの紹介:2018年のアルゼンチン・スペインの合作で、日本公開は2019年。かつてアルゼンチンを震撼させた連続殺人犯がいた。実在する天使のような美貌の犯人のパーソナリティに脚色して贈るクライムムービー。主演は今作が映画初出演となる話題のロレンソ・フェロ。監督は俊英ルイス・オルデガ、プロデュースは巨匠ペドロ・アルモドバル。美少年カルリートスは罪の意識もなく盗みを働いていた。学校で出会ったラモンと共に窃盗を始めたカルリートスだったが、満たされない感情により凶悪さを増していくのだった。

あらすじ動画

永遠に僕のものの主な出演者

カルリートス(ロレンソ・フェロ)、ラモン(チノ・ダリン)、ホセ(ダニエル・ファネゴ)、オーロラ(セシリア・ロス)、エクター(ルイス・ニェッコ)

永遠に僕のもののネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 永遠に僕のもののあらすじ1

1971年ブエノスアイレス。
17歳のカルリートスは、真面目で模範的な両親のもと中流家庭で育ちました。不自由のない生活を送っていたカルリートスですが「僕は生まれつきの泥棒。“他人のもの”など存在しない」と豪語するほど、いとも簡単に窃盗を繰り返す日々。今日も留守の豪邸に侵入すると、呑気にひと口酒をごくりとやって、レコードをかけて陽気に踊る余裕。まるで遊ぶように軽やかに盗みを働くのです。盗んだバイクで帰宅したカルリートスを不審に思った母のオーロラに問われても、彼は「借りたもの」と答えるのでした。それはまさに常套句。短期間ながら、少年院も経験したカルリートスの悪行が続いていると両親は把握していましたが、直接指摘することはなく、やり直せると信じて息子を工業専門学校へ転校させました。

転校先に初登校したカルリートスは、野性的な雰囲気の同級生ラモンに一目で魅かれます。カルリートスはラモンの気を引くために、彼を挑発してあえて殴られました。物や金に固執しないカルリートスは、盗んだ物を誰かにプレゼントすることをモットーとしていて、ラモンにも高価なライターを渡しました。作戦はまんまと成功。ブロンドの巻き髪に、白い肌、少女のような美貌のカルリートスが、盗みはお手の物だと主張するので、ラモンはそのギャップに驚きつつも、すぐに彼を気に入りました。
ラモンの家は父のホセを中心とした泥棒稼業で、早速カルリートスは家に招かれます。凄みのある容貌のホセの下着から覗いて見える睾丸に、カルリートスは目を奪われました。さらに拳銃を一発撃たせて貰ったカルリートスは興奮し、もっと撃ちたいと乞います。銃弾は値が張るためにホセから断られると、カルリートスは警備の甘い銃砲店に盗みに入ることを持ち掛けました。罪の意識が無いカルリートスの肝っ玉の大きさを買ったホセは、3人でチームを組むことにしました。

いざ銃砲店に侵入したカルリートスは事前の計画を翻し、大量に銃や銃弾を盗みました。大胆すぎる彼の行動に、ホセは「一緒にやるならルールに従え」と忠告します。薬物中毒でもあるホセは、逮捕されることに異常に敏感になっていました。その反面、カルリートスが盗みの天才だと見込み大儲けを企みます。そこでカルリートスとラモンの偽造身分証を用意。カルリートスは、盗んだ拳銃を腹に隠し持つようになりました。

【承】- 永遠に僕のもののあらすじ2

次のターゲットは、資産家の老人宅です。屋敷に潜入したカルリートスは、在宅していた老人に遭遇した瞬間、咄嗟に発砲しました。それでも淡々としているカルリートス。老人が死に際に縋るように見た不気味な絵を持ち帰ると、自室に飾る図太さでした。翌朝起床しないカルリートスを起こしに行ったオーロラは、ベッドで銃を発見します。ところがカルリートスは、動揺もせず「本物の銃をママに向けると思う?」とオーロラに銃口を向けました。オーロラは狼狽することしか出来ませんでした。

ラモンの家で寝泊まりを始めたカルリートスは、ホセに老人を銃殺したことを問いつめられます。しかしカルリートスは「“僕たち”がやった。3人でチームだ」と飄々と答えました。彼が危険人物だと感じたホセは、家には置いておけないと焦ります。それでもマイペースなカルリートスは、その妖しい魅力でラモンの母のアナさえも欲情させますが、彼は女性に興味を示すことはありませんでした。

カルリートスとラモンはホテル住まいを始めます。ある夜宝石店へ忍び込むと、カルリートスはイヤリングを耳に当て、ガラスに映った自分に見とれました。待たされて苛立ったラモンでしたが、カルリートスの姿に思わず「マリリンモンローみたい」と呟きます。銃を構えた2人をガラスに映して「ゲバラとカストロ」とラモンが言うと、「エビータとペロン」とすぐにカルリートスがいい直しました。その言葉に動揺したラモンは、慌てて宝石をかき集めます。急ぐラモンを余所にカルリートスは、店の金庫を裏側から焼いて開けると言い出しました。ラモンに拒まれたカルリートスは、ムッとします。そして仕返しなのか興味なのか、カルリートスはホテルで眠るラモンの股間に、盗んだ宝石をかき集めて眺めるのでした。

盗品を高値で転売するため、カルリートスとラモンは美術収集家のフェデリカが現れるバーに行きます。フェデリカに絵を売却するには、ゲイの彼に性的サービスをしなくてはなりません。フェデリカと話すラモンを見たバーテンが、ラモンをゲイだと誤解し、店外で交渉するよう忠告しました。キレたラモンはバーテンを酒の瓶で殴ると、カルリートスは興奮して発狂します。ラモンはバーテンへの復讐を誓いました。

【転】- 永遠に僕のもののあらすじ3

フェデリカの家に移動したラモンとカルリートス。すっかりフェデリカに気に入られたラモンは、1人だけ部屋に連れていかれました。カルリートスが部屋を覗き見すると、性的サービスするはずのラモンがフェデリカに施されていて、カルリートスはおもしろくありません。そのうえ情事を終えたラモンは、フェデリカに演技の勉強をするよう勧められ、テレビ出演も交渉してくれると嬉しそうに報告します。有名になったら足を洗うと言い始めたラモンに、カルリートスは「僕を1人にするの?」と拗ねました。
2人は仕返しをするためにバーに戻ります。するとカルリートスは、奥の部屋で寝ていたバーテン2人を見つけ、躊躇うこともなく二丁拳銃で2人を同時に射殺しました。理由はラモンを殴った相手だから…。

その後ラモンは約束通りテレビ出演を果たします。恋の歌を歌うラモンをテレビ越しに見たカルリートスは、自分に歌われていると妄想し、ほくそ笑みました。テレビに出たラモンは上機嫌でしたが、顔がばれるのを不安視した両親からは不評です。一方のカルリートスは「裏社会の人には芸術は分からない」と上から目線で言い放ち、ラモンを理解する素振りを見せました。

ある日の窃盗帰り、カルリートスとラモンは検問に遭遇します。ラモンが身分証を不携帯だったため、取り調べを受けることに。車を降りた瞬間にカルリートスは、抜かりなく腹に隠していた銃を捨てました。2人は連行されます。カルリートスはラモンの身分証を自分が取りに行くことを警察官に交渉します。警官に賄賂を渡すために、まずは実家に隠していた金を取りに行ったカルリートスでしたが、署の前で警官に睨まれると、ラモンを見捨てその場から去りました。
ホテルに戻れなくなったカルリートスは、実家に帰ります。オーロラはただ息子を抱きしめました。旅行にでも行こうと切り出したオーロラに、カルリートスは貯めておいた大金を差し出します。警察に通報すると父のエクターに言われたカルリートスは、「そしたら3人でムショ行きだ」とあっけらかんと反論しました。悩んだ末にエクターは、自宅の庭に札束を埋めました。

【結】- 永遠に僕のもののあらすじ4

ラモンは留置所で出会ったミゲルという男と新たにコンビを組み、カルリートスはその様子を悔しそうに眺めました。2人の間に割って入るように現れたカルリートスは、フェデリカが保釈金を支払ってラモンが釈放されたこと、2人でパリへ行く約束をしていることをミゲルから聞き嫉妬します。結局カルリートスは、またラモンに同行することに。ラモンとミゲルが牛乳の輸送車から強盗するのを傍観していたカルリートスでしたが、輸送車の運転手がこちらに銃を向けた途端に、相手に何発も銃を撃ち込むのでした。
予定外の事態に陥り一行はラモンの家に引き揚げますが、ホセもアナもカルリートスには冷たい態度で、証拠隠滅のために車を燃やすよう指示しました。カルリートスは1人で行動を強いられたことに激しい怒りを覚えます。後日。ラモンを助手席に乗せて車を走らせたカルリートスは、故意に衝突事故を起こし、ラモンは帰らぬ人となりました。カルリートスは大怪我を負いながらも生き延びます。以前からホセの割り前が不服だったミゲルに誘われたカルリートスは、2人でコンビを組むことにしました。

カルリートスはかつてラモンと強盗に入った宝石店へ今度はミゲルと押し入ります。店では警備員を雇っていましたが、うたた寝中の警備員が目を覚ました途端にカルリートスは相手の額を打ち抜きました。そして今回こそと、金庫をバーナーで焼き始めます。しかし中身は空っぽで、カルリートスの作業を見ていなかったミゲルから、1人でせしめたと疑われました。憤慨したカルリートスはミゲルを銃殺した後、バーナーで彼の顔を炙りました。
翌日カルリートスはミゲルと警備員の殺害容疑で逮捕され、11件の殺人と、40件以上の強盗を自白しました。信じがたい凶悪な犯罪の数々はロンブローゾの犯人説を覆すもので、世間はカルリートスの容貌に騒然となります。“黒い天使”、“ブロンドの天使”などと謳われたカルリートスは、国中の話題になりました。

精神障害を主張すれば終身刑を免れると両親から説得されたカルリートスですが、悪びれることもなく「普通の人でも出来ると思う」と答えました。そのうえしぶとい彼は、わざとスプーンを飲んで手術に持ち込み、麻酔が効いたフリをすると看守がトイレに行った隙に脱走しました。逃げる汽車の中で、カルリートスは涙を零しました。
カルリートスは空き家となったラモンの家に身を潜めました。ラモンのベッドで寝たカルリートスは、翌朝悪夢で目を覚まします。まだ回線が繋がっていた電話で、カルリートスは実家に連絡します。電話に出たオーロラの様子がおかしいと感じながらも、カルリートスは「会いたい」と甘えました。僅かな食料を漁り、残されたラジオをつけたカルリートス。いつかの窃盗中に聞いたお気に入りの曲が流れてきて、リズムに合わせて踊り始めます。家の周囲を大勢の機動隊が囲んでることも知らずに…。

みんなの感想

ライターの感想

犯罪劇ながら終始優美さを感じさせるのは、アルモドバルがプロデュースとのことで納得です。音楽の妙、作品の映像美とロレンソ・フェロのただならぬ魔性さに引き込まれる半面、殺人犯をこんなに美化してもよいのだろうかと不安も感じました。
モデルになった殺人犯・カルロスと劇中のカルリートスは本質を変えたそうですが、実際のオーロラも本来の姿とは違ったのではないかと感じます。映画のように息子に愛情があったならば、これ程までの凶悪な事件は起きなかったのではないでしょうか。カルリートスが手に入れられなかったのは、いつでも愛だったのではないかと…。
カルリートスが窃盗や殺人を犯す心理を知りたいと思っていたものの、その辺りは描かれていませんでした。しかしよくよく考えれば、カルリートスの心情なんて常人に分かる訳ないのですよね。サイコパスそのものだから。

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