「男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花」のネタバレあらすじと結末の感想

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花の紹介:1980年公開の日本映画。『男はつらいよ』シリーズの25作目。歌手のリリーが沖縄で倒れたという知らせを聞き、寅次郎が駆け付ける。寅次郎の看病の甲斐あって、リリーの病状はよくなるのだが…。やきもきする回。

予告動画

男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花の主な出演者

車寅次郎(渥美清)、諏訪さくら(倍賞千恵子)、車竜造(下條正巳)、御前様(笠智衆)、諏訪博(前田吟)、車つね(三崎千恵子)、たこ社長(太宰久雄)、満男(中村はやと)、源公(佐藤蛾次郎)、リリー(浅丘ルリ子)、国頭高志(江藤潤)、山里かおり(新垣すずこ)、国頭フミ(間好子)、国頭富子(金城富美江)、知念医師(津嘉山正種)

男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①かつて『とらや』とも馴染みの歌手・リリーが博と再会、リリーは寅次郎のことを懐かしく思う。沖縄県那覇市でリリーが倒れて入院、寅次郎はそれを知り、初めて飛行機に乗って沖縄へ降り立った。寅次郎の看病の甲斐あり、リリーは元気になる。 ②ところがリリーが元気になった途端、寅次郎はふらふらし始めた。リリーは結婚を考え始めるのだが、寅次郎の態度が煮え切らない。仕方ない縁なのだと、リリーは思って寅次郎の元を去った。

【起】- 男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花のあらすじ1

〝私、生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、
人呼んで、フーテンの寅と発(はっ)します。

♪どうせ俺(おい)らはやくざな男
わかっちゃいるんだ妹よ
いつかお前の喜ぶような
偉い兄貴になりたくて
奮闘努力のかいもなく
今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる
陽が落ちる

ドブに落ちても根のある奴は
いつかは蓮(はちす)の花と咲く
意地は張っても心の中じゃ
泣いているんだ兄さんは
目方(めかた)で男が売れるなら
こんな苦労も
こんな苦労もかけまいに
かけまいに♪〟

…車寅次郎は16歳の時に家を出て、以降はその日暮らしの生活をしています。
職業はテキ屋で、何かを叩き売りしたり、人相見をしたりするものです。
ベージュのジャケット、ズボン、同じ色の帽子を着用し、背広の中は白いシャツに腹巻きを巻いています。
寅次郎には、年齢の離れた妹・さくらがいました。さくらとは異母兄妹です。
寅次郎の父は他界し、さくらは「おいちゃん」こと叔父夫婦の経営する老舗『とらや』という和菓子屋で働いていました。
さくらは『とらや』の裏手にある印刷工場の博と恋仲になり、結婚します。
さくら夫婦たちには満男という息子も生まれ、すくすくと成長していますが、寅次郎は相変わらずふらふらしていました(映画『男はつらいよ』シリーズ参照)…。

…拍子木の音。
昨今、この界隈ではねずみ小僧・寅吉が出るそうです。
居眠りをしている警備・源公の目を盗み、寅吉が千両箱を盗みました。
捕り物が吹く笛が聞こえると、ねずみ小僧は義賊なので、おさくこと、さくらたちは「逃げられますように」と拝みます。
そこへ寅吉が忍びこんできました。さくらと博の貧しい暮らしを見て、小判を何枚か渡します。
おさくは寅吉を見て、生き別れの兄ではないかと思いますが、追っ手が迫って寅吉は逃げました。
追いつめられた寅吉は屋根の上で、縄で縛られながらも仁義を切ります。
その後、縄を解いて高らかに笑う…そんな夢を、寅次郎は見ました。

…起きた寅次郎の耳に、捕り物の笛がまだ聞こえています。
それは、チャンバラごっこをする子どもたちの笛でした。

1980年、春。
『とらや』にヨモギの仕入れがやってきました。
ひところは江戸川に山ほどヨモギが生えていたのですが、最近では仕入れないと駄目なのです。
新緑の季節だという話題になり、箱根にでも旅行に行くかという話が出ました。
たこ社長が戻って来ると、税務署に帳簿をごまかしていたのがばれ、追徴金を払わねばならないとぼやきます。
博は、受注していたキャバレーのホステス募集のチラシができたので、配達に出かけました。

そのチラシを届けに行く最中、博は意外な人物と再会します。
それはかつて馴染みのキャバレーの歌手・リリーでした(『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』)。
再会を喜んだものの、リリーは痩せていて、顔色もすぐれませんでした。
博は『とらや』へ夕食を食べに来いと誘いますが、リリーは今日の仕事が終わったら、夜には大阪に向けて発たねばならないそうです。大阪の後は、九州を巡ると言って去りました。

【承】- 男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花のあらすじ2

帰宅した博は、『とらや』でリリーと会ったことを話します。
そこへちょうど、寅次郎から電話がかかってきました。寅次郎は上州(群馬県)から長距離電話をかけてきており、これから新潟、酒田、秋田…と、北上していくと話します。
博がリリーと会った話をすると、寅次郎は思い出しました。
そこで電話が切れてしまうのですが、寅次郎はリリーのことが少し気にかかります。

ひと月後。
寅次郎が『とらや』へ戻ってきました。
ところがその日にかぎって、『とらや』のおいちゃん夫婦、博とさくら、満男は臨時休業をして、水元公園にアヤメ見物に行こうとしている時でした。
箱根へ旅行はできないので、近場で済ませようという話になったのです。
寅次郎がピクニックのことを知って拗ねかけますが、そこへ速達が舞いこみました。
口論をしかけていた寅次郎たちは、届いた速達がリリーのもので、しかも血を吐いて病院に担ぎこまれたという内容だったために、喧嘩も忘れます。
手紙には「もう一度寅次郎と会いたかった」と書かれており、それを聞いた寅次郎は、矢も盾もたまらず出ていき、さくらに止められました。行き先を知らないからです。

さてリリーが倒れた場所ですが、沖縄県那覇市でした。『とらや』のメンバーは頭を抱えます。
陸路、海路で行くとなると、何日もかかります。
たこ社長が「飛行機なら3時間だ」と言いますが、飛行機と聞くと寅次郎はおじけづきました。「嫌なものは嫌。絶対に乗らない」と言い出します。
その後、商店街のみんなが総動員で寅次郎を説得し、飛行機は安全と言い聞かせました。御前様まで駆り出されて、説得に当たり、やっと寅次郎を納得させます。

翌日、たこ社長の社用車を使って博とさくらが寅次郎を連れ、空港まで行きました。
覚悟を決めたはずなのですが、いざジェット機を前にすると、また寅次郎が乗りたくないと言い出します。プロペラがないものには乗れないと言い、博がジェット機の仕組みについて必死で説明します。
ところが…美人のスチュワーデスさんたちが大勢通りかかり、「ご一緒しませんか」と声をかけると、あっさり寅次郎は飛行機に乗り込みました。

それでも勇気を振り絞ったからか、寅次郎はよぼよぼで手を引かれながら、沖縄に降り立ちます。車椅子に乗せられ、バスまで移動しました。
リリーの入院する病院へ駆け込んだ寅次郎は、手を握って「こんなに皺くちゃになっちまって」と嘆きますが、手を握っていた相手は老婆でした。リリーはそのお向かいのベッドにいます。
リリーは寅次郎がはせ参じたことに、感激しました。
その日から寅次郎は、かいがいしくリリーの世話を焼きます。
さくらには無事沖縄についたこと、リリーの看病をしていることを、手紙で知らせました。

リリーの主治医は内科の知念先生という男性医師です。
リリーは生きる気力を失っており、このままだとよくならないとされていました。

【転】- 男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花のあらすじ3

ところが寅次郎がやってきてから、リリーは知念医師の言うことを聞くようになり、医者からも寅次郎は感謝されます。
寅次郎は安宿をとり、そこの受付を代わりに務めたりなどして過ごしました。

やがてリリーは退院し、沖縄で静養しはじめたという知らせが、リリーから『とらや』
に届きます。
それを読んだ『とらや』の一同は「…寅次郎は?」と不思議に思いました。
追伸で、寅次郎がいっしょにいると知った一同は、びっくり仰天しました。同棲かと首をかしげます。

…『とらや』のメンバーが思うような「同棲」ではありませんでした。
リリーは漁師町の「おかあさん」こと国頭フミのところへ厄介になっており、そこの離れに住まわせてもらっていました。
フミには、息子の高志、娘の富子がいます。その高志の部屋で、寅次郎は寝起きしていました。

リリーは今回の件があって、寅次郎と所帯を持つ(夫婦になる)ことを夢見始めます。
娘の富子が「夫婦なのか」と聞いたこともあり、その話をわざと寅次郎に聞かせて、反応を見ました。
寅次郎の方はというと、リリーが心配で駆け付けたのですが、リリーの具合がよくなるに従って、次第に元の調子に戻り始めます。
なんといっても沖縄は南国なので、暑いです。
涼しさを求めた寅次郎は、魚を水族館に運ぶ高志にくっついて行き、水族館のクーラーに当たりました。
イルカと飼育員の山里かおりのショーに見とれ、かおりの休憩時間にへらへらと談笑しています。

寅次郎が飼育員と談笑しているのを見た高志は、気分を害しました。
高志はリリーにひそかに思いを寄せており、リリーが寅次郎を好きなことも知っています。
そのために、リリーの思い人の寅次郎がへらへらしているのが、よけい許せませんでした。
やがて元気になったリリーが、職探しをしようとします。
高志が車で連れて行くと、リリーはキャバレーを見て回り、歌の仕事がないかと探していました。
沖縄は物価が安くて暮らしやすいと聞いていましたが、それでも2ステージで8000円だと衣装代にもなりやしないとリリーはぼやき、高志はやきもきします。

リリーの気持ちも知らず、寅次郎は休みの水族館へ行っていました。
水族館の定休日なのでプールの水を抜き、イルカの身体を洗っています。
それを見た寅次郎は、魚が死ぬとあわてました。
イルカを魚と思っている寅次郎に、かおりは哺乳類だと訂正します。

いつまでもふらふらしている寅次郎を見た高志は、リリーに思わず「あんな人と結婚するんですか? リリーさんにはふさわしくない。もっと頼りがいのある人がいい」と言いました。
帰ってきた寅次郎に対し、リリーは翌日から働くと言います。
寅次郎は「酔っ払ったアメリカ兵に歌を聞かせるのか」と怒りますが、収入のあてなどないのです。
寅次郎はリリーに貯金があったと指摘しますが、「遣っちゃったのよ」とリリーは答えました。

【結】- 男はつらいよ25寅次郎ハイビスカスの花のあらすじ4

それならば、なんとかして(具体的に案があるわけではない)寅次郎が食わせてやると言うと、リリーは「男に食わしてもらうなんてまっぴら。夫婦だったら別よ」と言います。
現在のような、中途半端な状態が嫌で、リリーが口にした言葉でした。
ところが寅次郎は「お互い所帯なんか持つ柄かよ」と笑ってごまかしたため、寅次郎とリリーは口論になります。
それを高志がかばったことで、寅次郎は高志とリリーの仲を疑いました。
気を悪くした高志が去り、寅次郎もいたたまれなくなって、席を外します。

翌朝、寅次郎が起きると、もうリリーはいませんでした。
東京に戻ったと聞いた寅次郎は、沖縄にいる義理もなくなり、いてもたってもいられず、船に飛び乗ります。

『とらや』では、長らく寅次郎が戻らないので、「寅次郎はこのままリリーと一緒になれば、幸福になれるのではないか」という意見でまとまっていました。
そこへ行き倒れが発生したとかで、見物人が走っていきます。
終戦後はよくいた、という話をしていると、行き倒れとは寅次郎でした。『とらや』に担架で担ぎ込まれます。

長旅の疲れと、三日三晩飲まず食わずで移動したことによる、栄養失調でした。
寅次郎は島伝いで鹿児島まで渡り、そこから列車で東京まで移動してきたのです。
空腹の寅次郎におばちゃんがうなぎを用意しますが、さくらが「まずおかゆか、おもゆから」と言いました。
うなぎは下げようとした先から、寅次郎ががっついていました。
ほかにも寿司などの出前を取ってもらい、寅次郎は復活します。

元気になったところで、『とらや』のメンバーは寅次郎に、リリーとの仲について質問しました。
寅次郎は「10日ほど前に、リリーに沖縄で置いてけぼりにされた」と言います。
同棲説がまことしやかに流れていましたが、寅次郎は毅然と否定しました。リリーは離れで、寅次郎は息子の部屋で寝起きしていたと言います。

喧嘩になった理由を聞かれた寅次郎は、リリーとのやりとりを再現しました。
それを聞いた『とらや』の連中は、リリーの気持ちを理解します。
このうえは、リリーを探して一緒になれとみんなが言いました。寅次郎も、その気になります。

そう言っている時に、『とらや』へリリーが現れました。
リリーは寅次郎を見て、無事に『とらや』へ戻っていると知り、安心します。
リリーは『とらや』に、ハイビスカスの鉢を土産として持ってきていました。
沖縄での暮らしが楽しかったと、寅次郎とリリーは話し合います。おままごとのような生活で、ゴーヤチャンプルーやミミガーの刺身を、寅次郎はリリーの手料理で食べていました。
会話の最中、寅次郎がリリーに「俺と所帯を持つか」と言います。みんなはどきっとし、固唾を呑んで答えを待ちました。
リリーは「冗談でしょ。あたしたち、夢見てたのよ」と笑って流します。

あとでさくらはリリーに、兄の発言は本気だったのだと言いました。
リリーもそれを知っていました。それを分かったうえで、「ああいうしかなかった」と言います。
リリーは寅次郎に「あたしがまた病気になったら、来てくれる?」と聞きました。
寅次郎がうなずくのを聞いて、リリーは去ります。
寅次郎もすぐに、旅に出ました。

『とらや』ではその後、法事がいとなまれます。
沖縄からは高志が、寅次郎とリリーがいちどきにいなくなったので寂しいと、書き送っていました。
寅次郎は旅の道中で、リリーが乗るバンドのバスと出会います。
草津へ行くというリリーにくっついて、寅次郎も移動しました。

みんなの感想

ライターの感想

うわあ、シリーズ中、最高の作品であり、ある意味において最終作であるともいえよう。
せっかくの両思いなのに、それでも結ばれない…切ない作品。
浅丘ルリ子がすごく細い。病的なほどに細いなあと思ってたら、病気で倒れたという映画の展開。
リリーが結婚を求めたときには、寅次郎は照れて応じられない。
腹をくくった寅次郎がプロポーズしたときには、リリーは応じない。
両思いなのに結ばれないという話が、なんとももどかしく、悲しくもある。

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