「男はつらいよ40サラダ記念日」のネタバレあらすじと結末の感想

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日の紹介:1988年公開の日本映画。『男はつらいよ』シリーズの40作目。長野の小諸で老女・キクエと出会った寅次郎。キクエは入院を嫌い、自宅で死にたがるが、女医の真知子が困っているのを見かねた寅次郎は、キクエを説得して入院させる。真知子には大学生の姪・由紀もいて…。

予告動画

男はつらいよ40サラダ記念日の主な出演者

車寅次郎(渥美清)、諏訪さくら(倍賞千恵子)、車竜造(下條正巳)、御前様(笠智衆)、諏訪博(前田吟)、車つね(三崎千恵子)、たこ社長(太宰久雄)、満男(吉岡秀隆)、源公(佐藤蛾次郎)、あけみ(美保純)、原田真知子(三田佳子)、由紀(三田寛子)、尾崎茂(尾美としのり)、中込キクエ(鈴木光枝)、富永教授(三國一朗)、八重子(奈良岡朋子)

男はつらいよ40サラダ記念日のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①長野・小諸で親しくなった老女・キクエを入院させた寅次郎は、女医の真知子と親しくなる。真知子は夫と死に別れており、寅次郎は真知子に胸をときめかせる。真知子には早稲田大に通う姪の由紀がおり、短歌を詠むのが趣味。 ②キクエの危篤を聞き寅次郎が駆け付けるが、キクエは亡くなった。真知子は家で死なせたかったと悔やみ、寅次郎は旅に出る。由紀は『サラダ記念日』という本を出すことになった。

【起】- 男はつらいよ40サラダ記念日のあらすじ1

〝私、生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、
人呼んで、フーテンの寅と発(はっ)します。

♪どうせ俺(おい)らはやくざな兄貴
わかっちゃいるんだ妹よ
いつかお前の喜ぶような
偉い兄貴になりたくて
奮闘努力のかいもなく
今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる
陽が落ちる

ドブに落ちても根のある奴は
いつかは蓮(はちす)の花と咲く
意地は張っても心の中じゃ
泣いているんだ兄さんは
目方(めかた)で男が売れるなら
こんな苦労も
こんな苦労もかけまいに
かけまいに♪〟

…車寅次郎は16歳の時に家を出て、以降はその日暮らしの生活をしています。
職業はテキ屋で、何かを叩き売りしたり、人相見をしたりするものです。
ベージュのジャケット、ズボン、同じ色の帽子を着用し、背広の中は水色のシャツに腹巻きを巻いています。
寅次郎には、年齢の離れた妹・さくらがいました。さくらとは異母兄妹です。
寅次郎の父は他界し、さくらは「おいちゃん」こと叔父夫婦の経営する老舗『とらや』という和菓子屋で働いていました。
さくらは『とらや』の裏手にある印刷工場の博と恋仲になり、結婚します。
さくら夫婦たちには満男という息子も生まれ、すくすくと成長しています。
その後、『とらや』は『くるま菓子舗』、通称『くるまや』と名を変えました。
しかし、寅次郎だけは相変わらずふらふらしていました(映画『男はつらいよ』シリーズ参照)…。

…さくらへ、旅先の寅次郎から手紙が届きます。
しばらく無沙汰している寅次郎は、もうすぐ秋がくるから南へ移動すると書いていました。
旅ガラスの寅次郎は、甥っ子の満男にはこんな生き方にならないようにと、願っています。
居眠りから目覚めた寅次郎は、車掌にビールを振る舞おうとして、周囲の者の笑いを誘います…。

1988年、秋。

『とらや』が『くるまや』に変わりました。厳密には『くるま菓子舗』ですが、電話の応対では『くるまや』と言っています。
『くるまや』では店員として、若い関西出身の青年・三平を雇い始めました。

前回、大学へ進学したくないと言っていた満男ですが、その後は「痴呆の小さな大学へ行きたい」と考えを改めています。
寅次郎の手紙を見た満男は、「大学を落ちたら、伯父さんの弟子になるかな」と洩らしました。

寅次郎は、長野県の小諸市にいました。
駅で会った老女・中込キクエに気に入られた寅次郎は、家に来いと誘われます。老女の息子は東京で所帯を持ち、孫もおらず、キクエは孤独でした。
寅次郎はキクエの家に行き、2人で楽しく過ごします。
その折に、キクエが寅次郎の背後にある隣室の仏壇のほうを手招きし、「死んだ夫がそこにいる」と言い出したので、幽霊がこわい寅次郎は怯えました。
別に耄碌しているわけではなく、キクエにとって亡き夫は、時折現れるいい幽霊なのだそうです。
しかし怖い寅次郎は、その夜、仏壇から声が聞こえた気がして、びびりました。

翌朝。
小諸病院の女性医師・原田真知子が、キクエを迎えにきます。
キクエは病を患っており、真知子は入院を勧めていました。
しかし年老いたキクエは死を覚悟しており、「この家で死にたい。病院では死にたくない」と言います。
寅次郎が同行すると言うと、しぶしぶキクエは重い腰をあげました。
キクエは車に乗り込んだあと、しばらく家を見て「これが、へえ、見納めだ」と言って泣きました。

キクエを病院に入院させたものの、真知子も迷っていました。
本人の意思を尊重し、死に場所くらいは自分で決めさせるべきではないかと院長に進言しますが、相手にされません。
入院のどたばたで、寅次郎は朝食も抜きでした。
キクエがそれを真知子に指摘し、真知子は寅次郎を食事に誘います。
その後キクエは寅次郎に、真知子が夫と死別しているから、慰めてやってくれと声をかけました。

【承】- 男はつらいよ40サラダ記念日のあらすじ2

真知子は、自宅が病院の近所だからと家に誘います。
真知子の家に行くと、真知子の姪・由紀が遊びに来ていました。由紀は東京の早稲田大学に進学しているのですが、よく真知子のところへやってくるそうです。
真知子の家は、窓から山々が見える景色のいいところでした。
その景色を見た由紀は「雲白く遊子悲しむ」という、島崎藤村の詩を引用しますが、学のない寅次郎は「勇士」と勘違いし、真知子と由紀の笑いを誘います。

由紀が早稲田大学生と知った寅次郎は、博の家に電話をし、満男に代わってもらいます。
満男が出たところで由紀にかわり、大学生からのアドバイスを授けました。
由紀は国文学の勉強をしているそうです。
夜になったので、寅次郎は真知子の家を辞しました。
真知子から、「あなたみたいな楽しい人との出会い、うれしかった」と言われ、寅次郎は有頂天になります。

姪の由紀は単に遊びにきただけではなく、真知子に見合い話を持ってきていました。真知子は嫌がります。
真知子は今流行の、細面が嫌いなのだそうです。死んだ夫・和男は四角い顔をしていました。そういえば寅次郎も、四角い顔です。

翌日、寅次郎はキクエの見舞いに行った後、東京へ帰りました。それを聞いた真知子は残念に思います。
帰宅すると、姪の由紀も書き置きして去っていました。


〝ため息を どうするわけでもないけれど
少し厚めに ハム切ってみる〟
(今回は『サラダ記念日』とあるとおり、俵万智の歌を局所に使っている)


柴又では、たこ社長が地上げ屋対策に『この土地は絶対に売りません』という看板をつけていました。
『くるまや』では三平を正規雇用にして、保険や手当てなどの手続きをしています。
『くるまや』の後継者の話をしている時に、寅次郎が戻ってきました。
新しい従業員の三平を『くるまや』連は紹介しますが、寅次郎はえらくおとなしい対応です。

夜。
寅次郎が「雲白く遊子悲しむ」と呟くと、満男が島崎藤村の千曲川旅情の詩だと気付きます。
寅次郎は、小諸であった出来事を話しました。老女・キクエの家にお邪魔したこと、翌朝キクエを医者に引き渡したことを、寅次郎は『くるまや』連に話します。
『くるまや』連は、いつ美人の話題が出るのかと思ったら「医者が翌日迎えにきた。おしまい」となりました。肩すかしをくらいます。
それでも、寅次郎の様子がおかしいことに、『くるまや』連は首をかしげました。
満男が「答えは早稲田だ」と言い出します。(早稲田の由紀のアドバイスを乞うたから)
満男の発言を裏打ちするように、寅次郎が二階から降りて来て、早稲田大学への行き方を尋ねました。

翌日。
早稲田大学へ出向いた寅次郎は、通りすがりの青年2人を捕まえて「由紀」のことを聞きます。
しかし「由紀」という名だけでは、それ以上分かりようもありません。寅次郎も、早稲田に何万人もの学生が通っていると知らず、目を丸くします。
茂ら青年2人は学生名簿を調べてくれ、原田由紀という女性を見つけました。次に出席するであろう教室まで案内してくれます。

【転】- 男はつらいよ40サラダ記念日のあらすじ3

教室で突っ伏して寝ていた寅次郎は、いつのまにか講義が始まっていたのを知りました。
学生にまじって講義を聞くものの、チンプンカンプンです。
思わず横にいる女子学生に「分かる?」と聞き、おしゃべりをしたとして教授に注意されました。教授のしゃべっていることが皆目理解できないと、寅次郎は素直に発言します。
教授は「インダストリアル・レボリューション(産業革命)」についてなのだと言うのですが、英語にされると寅次郎は分かりません。
教授はそのうちに「ワット」という単語を出しました。
それを聞いた寅次郎は、「ワット」と呼ばれた青年・島田良介のことだと思い、教授と話が噛みあいません(第20作の映画『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』で出てきた青年)。
勢いで寅次郎が、良介の話を始めました。『とらや』の二階が良介のガス自殺未遂で吹き飛んだことや、良介の恋の相手・幸子の話を始め、大学生だけでなく教授まで聞き入ります。

その頃、講義に遅刻した由紀がキャンパス内を足早に歩いており、「ゆきちゃーん」と声をかけられたことから、由紀探しの青年・茂が存在に気づきます。
寅次郎が由紀を探していたことを茂が話し、由紀は講義室へ急ぎました。
このことがきっかけで、茂と由紀は親しくなります。
由紀が教室に入った頃、授業が終わりのチャイムが鳴ります。
大学生や教授まで寅次郎の話を聞き、笑って解散するのを、由紀は驚いて見守りました。

由紀は母の実家、つまりは祖母宅から大学へ通っています。真知子の母の家です。
由紀は寅次郎に、真知子の電話番号を教えました。真知子の亡き夫が、寅次郎のように四角い顔だったと聞き、寅次郎は喜びます。
帰り道、先ほどの教授と会った寅次郎は、一緒に飲みにいきました。


〝寅さんが 早稲田の杜(もり)にあらわれて
やさしくなった 午後の教室〟


病院から1週間の休みをもらい、真知子が母の実家を訪れました。真知子は母に、幼い息子を預かってもらっています。
母から再婚を催促された真知子は嫌がりますが、由紀が戻って寅次郎の名前を出したことで、真知子の母は、真知子に恋人がいるのかと思いました。

『くるまや』では、寅次郎が電話をかけようかとそわそわしています。
他者に聞かれたくないので、外の公衆電話からかけようと小銭をさくらにせびり、「聞かれたくないことなの?」と言われました。
寅次郎は反発し、さくらの目の前で電話しますが、すぐ切って「留守だった」と言います。
直後、『くるまや』の電話が鳴りました。取った寅次郎は、電話の相手が真知子だと知り、態度が豹変します。
真知子から「会いたいから、今度の日曜に柴又に伺ってもいいかしら」と言われるにいたっては「お待ち申しております」と言い、電話を切りました。

源公と三平が駅まで迎えに行き、寅次郎は『くるまや』で客を出迎える準備をしている最中に、真知子がやってきます。
真知子だけでなく、姪の由紀、由紀と同じ大学生・茂も訪問しました。満男が帝釈天や矢切りの渡し、野菊の墓に案内します。
真知子たちが戻って来ると、寅次郎は居眠りをしていました。緊張しすぎて、昨夜、一睡もできなかったのだとみんなが言います。
由紀は茂を連れて江戸川へ行き、自分が作った短歌を見せました。

【結】- 男はつらいよ40サラダ記念日のあらすじ4

〝朝刊のようにあなたは現れて
はじまりという言葉かがやく〟


寅次郎は真知子をまじえ、キクエの夫の幽霊の話を聞かせます。
キクエの夫が亡くなったのは、8年前の秋の終わりだそうです。
野良仕事から帰ってきて「疲れた。布団で横になる」と言った夫は弱っており、キクエは思わず「死んだら寂しい」と口にしたそうです。
すると夫は「死んでも枕元に毎晩立ってやる」と約束しました。
そして実際に夫の死後、時折キクエは亡き夫を見るようになった…という話を寅次郎がすると、みんなはしんみりします。

真知子も自分の夫の話をしました。
真知子の夫・和男は学校の先生をしており、山が好きでした。夫と結婚した真知子は、山好きな夫に連れられて長野県の小諸で就職します。
夫は雪山で遭難し、遺体で発見されたのは1か月後だったそうです。「真知子ごめん」というメモがポケットに残されていました。

『くるまや』で楽しいひとときを過ごし、真知子たちは去ります。
去り際、寅次郎は真知子に「寅さんと話してるとね、私が一人の女ということを思い出すの」と言われ、寅次郎はどきまぎしました。


〝愛ひとつ 受けとめかねて帰る道
長針短針 重なる時刻〟


満男は寅次郎に、かねてからの疑問をぶつけました。
「なぜ大学へ行かなくちゃならないのか。なぜ勉強するんだろう」
寅次郎は満男に、「勉強した奴は、悩んだ時に、筋道を立てて考えることができる」と答えます。

茂と由紀の交際は順調でした。


〝バレンシアオレンジ しかもつぶ入りの
100パーセント果汁のように〟

〝文庫本 読んで私を待っている
背中見つけて少しくやしい〟

〝小春日の早稲田通りのチンドン屋
見ルナ見ルナというように行く〟

〝初めての口づけの夜と気がつけば
ぱたんと閉じてしまえり日記〟


真知子から由紀に連絡が入ります。
キクエの具合が悪く、息子・亮が病院へ詰めていました。キクエは病床で、寅次郎に会いたいと繰り返しているそうです。
由紀経由で寅次郎に知らせが入りました。
もう電車がない時刻だったので、寅次郎は由紀、茂と車で長野へ向かいます。

由紀の運転で病院へ駆け付けましたが、キクエは朝5時に亡くなっていました。
親族と真知子がいる霊安室へ行った寅次郎は、真知子が落ち込んでいると気付きます。
真知子は、「家で死にたい」と言っていたキクエを病院に入れたことを、悔いていました。
寅次郎は真知子を慰めます。

真知子は院長に仕事を辞めたいと訴えますが、院長は必死で引き留めました。
寅次郎はキクエの葬儀に出た後、早々に真知子の家を去ろうとします。
去る寅次郎を残念がった由紀は「サラダも作ったのに」と引き留めますが、寅次郎はひとくちつまんで、「うん、いい味だ」とだけ言って去りました。


〝寅さんが「この味いいね」と言ったから
師走六日はサラダ記念日〟


真知子から『くるまや』へ連絡が入り、寅次郎がそのまま旅に出たと、さくらは知ります。
真知子は、寅次郎の気分を損ねるようなことをしたのかと心配しますが、さくらがフォローしました。
電話を切った後、一同は寅次郎の失恋を思います。

…新年。
由紀の詠む短歌がよいので、たこ社長の工場で出版を手がけるそうです。
本のタイトルは『サラダ記念日』でした。さくらも博も、売れそうだと言います。

真知子は正月もなく働いていました。
それを由紀が、『くるまや』へ報告しています。
葉書の末尾には、短歌が詠まれていました。


〝旅立ってゆくのは いつも男にて
カッコよすぎる背中 見ている〟


寅次郎は長崎県の島原で、商売仲間のポンシュウと商売をしています。

みんなの感想

ライターの感想

今作品から、『とらや』が『くるまや』に変更、従業員の三平が加わるなど、変更点が多い。
もうひとつ。昭和最後の作品。おおー。時代の流れを感じる。
一斉を風靡した『サラダ記念日』にあやかった作品(笑)。
自宅で死にたいという老女・キクエが出てくるなど、内容的にも医学的な問題点に触れている。
三平の正式雇用の手続きなども、さりげなく出ていたり。
満男が成長し、毎回「深い質問」をするのは、いいなあ。
満男は以後「伯父さんだったらこういう時、いい答えを持っているのに」というように、確実に寅さんに傾倒していってる(笑)。

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