「男はつらいよ44寅次郎の告白」のネタバレあらすじと結末の感想

男はつらいよ 寅次郎の告白の紹介:1991年公開の日本映画。『男はつらいよ』シリーズの44作目。満男が思いを寄せる少女・泉の母・礼子に再婚話が持ち上がった。泉が家出をしたと知った満男は、絵ハガキを頼りに鳥取県へ行くが…。

予告動画

男はつらいよ44寅次郎の告白の主な出演者

車寅次郎(渥美清)、諏訪さくら(倍賞千恵子)、車竜造(下條正巳)、御前様(笠智衆)、諏訪博(前田吟)、車つね(三崎千恵子)、たこ社長(太宰久雄)、満男(吉岡秀隆)、源公(佐藤蛾次郎)、及川泉(後藤久美子)、聖子(吉田日出子)、及川礼子(夏木マリ)、礼子の恋人(津嘉山正種)

男はつらいよ44寅次郎の告白のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①高校3年の泉は就職活動のために上京、しかし目当ての会社は高卒採用をしていなかった。泉が就職したいのは、母・礼子の再婚話が持ち上がっていたから。泉は家出して鳥取へ。 ②鳥取で泉と会った寅次郎は満男とも合流し、昔馴染みの女性・聖子の料亭へ行く。泉は自分が不幸ではないと思い直し、母の再婚を祝福。

【起】- 男はつらいよ44寅次郎の告白のあらすじ1

〝私、生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、
人呼んで、フーテンの寅と発(はっ)します。

♪どうせ俺(おい)らはやくざな兄貴
わかっちゃいるんだ妹よ
いつかお前の喜ぶような
偉い兄貴になりたくて
奮闘努力のかいもなく
今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる
陽が落ちる

ドブに落ちても根のある奴は
いつかは蓮(はちす)の花と咲く
意地は張っても心の中じゃ
泣いているんだ兄さんは
目方(めかた)で男が売れるなら
こんな苦労も
こんな苦労もかけまいに
かけまいに♪〟

…車寅次郎は16歳の時に家を出て、以降はその日暮らしの生活をしています。
職業はテキ屋で、何かを叩き売りしたり、人相見をしたりするものです。
ベージュのジャケット、ズボン、同じ色の帽子を着用し、背広の中は水色のシャツに腹巻きを巻いています。
寅次郎には、年齢の離れた妹・さくらがいました。さくらとは異母兄妹です。
寅次郎の父は他界し、さくらは「おいちゃん」こと叔父夫婦の経営する老舗『とらや』という和菓子屋で働いていました。
さくらは『とらや』の裏手にある印刷工場の博と恋仲になり、結婚します。
さくら夫婦たちには満男という息子も生まれ、すくすくと成長しています。
その後、『とらや』は『くるま菓子舗』、通称『くるまや』と名を変えました。
しかし、寅次郎だけは相変わらずふらふらしていました(映画『男はつらいよ』シリーズ参照)…。


…川を眺めていると、寅次郎は自分の心まで少年時代に流されるように感じます。
思えば寅次郎は、江戸川のほとりで生まれ、江戸川で遊びながら育ったのです。
父親と喧嘩して家出をし、初めての旅に出た時も、寅次郎は川を見たものでした…。

目の前に流れる川を見ながら、感傷的になった寅次郎は、バスに乗り遅れてしまい、慌てました。

1991年、秋。
江戸川のほとりをジョギングして帰った博が、「秋だなあ」とさくらに言います。
今日は泉が名古屋から、満男に会いに来る日です。
満男は夕食を、『くるまや』でとることに決めました。

「泉が満男に会いに来る」と言いましたが、泉には本命の用件が別にあります。
高校3年生の泉は、大学進学をせず就職することに決めたそうです。
高校の先生が紹介してくれた、銀座の楽器屋さんに面接へ行くのが、泉の本命の用事でした。
満男は同級生の男友だちの誘いを断り、いそいそと帰宅します。

『くるまや』にたこ社長が顔を出すと、従業員の三平を工場にスカウトしようとします。
一時は余剰人員を抱えるほどでしたが、今では逆に、たこ社長の会社『朝日印刷』は人手不足でした。
ベテランの職工が、高齢で軒並み辞めてしまったのです。
新たに雇おうにも世間も売り手市場で、大企業の定年が60歳に延長されたため、とにかく誰も雇えていません。
(注:昔は55歳が定年でした!)
そんなところへ、寅次郎が『くるまや』へ戻ってきます。

【承】- 男はつらいよ44寅次郎の告白のあらすじ2

たこ社長を軽くいなした寅次郎は、三平に「サクラ」の仕事をしないかと持ちかけました。明日いちにちだけでいいそうです。
どんな仕事なのか三平が聞くと、寅次郎は「路地でカバンを抱いて泣く三平に寅次郎が声をかけ、ゾーリンゲンのカミソリを売るという仕事」と説明しました。
嘘はつけないと三平が断り、みんなもあきれます。
毒づいた寅次郎ですが、泉がやってくると聞くと、明日の仕事をキャンセルして付き合うと言い出しました。上機嫌になります。

泉を迎えた『くるまや』は、賑やかになりました。泉は寅次郎との再会を喜びます。
泉の就職先について、みんなはあれこれ想像しました。楽器屋の店員と聞いた寅次郎は、「上品でいいなあ」と言います。
旅館へ泊まる泉を満男が送っていきますが、寅次郎はそれを見ながら「長続きしそうにないな」と洩らしました。
人手不足を嘆くたこ社長に、寅次郎が「お前の会社など、どこにある」とバカにして、2人は喧嘩を始めます。

翌日。
満男は泉につきそい、山野楽器店へ行きました。
売り場主任の吉村は、高校教師の大町先生の紹介と聞いて、泉と満男を喫茶店に案内します。
吉村は泉に渋い顔をしました。
高卒での採用は今年都内の推薦のみで、基本的には高卒の採用推薦枠はないそうです。
吉村は泉に、短大には進学しないのかと打診しました。短大を卒業した時には、力になれると言います。
あるいは、アルバイトという身分であれば採用できると答えますが、泉は断りました。

あとで満男が泉に軽い気持ちでアルバイトを勧めますが、泉は「私の履歴書は不利なの」と言い出します。
親の都合ではありますが、高校時代だけで3回も転校し、しかも両親の離婚で片親の身分では、就職に不都合が生じると、泉は告げます。
家に問題がない満男は盲点を突かれ、泉に申し訳なく思いました。

帰宅した満男は、博とさくらに「大学を辞めるから、自分の学費を泉の短大の学費に充ててくれ」と言います。
博もさくらも反対しました。なによりも泉自身が受け取らないだろうと、2人は指摘します。
博とさくらは、泉は看護婦になればいいと提案しました。働きながら奨学金も貰え、何よりも制服が似合いそうだと言います。
満男は「そんな軽い気持ちで言うな」と怒り、博は素直に謝りました。

泉が高卒で働きたがったのには、理由がありました。
泉の母・礼子に、北野という恋人の男性ができたからなのです。
北野は礼子との間に再婚話が出ており、泉に話そうとしますが、泉は北野を突き飛ばして部屋にこもりました。ひとりで忍び泣きます。
そのまま泉は家出をし、鳥取県へ旅に出ました。

…寅次郎は、鳥取県で商売をしていました。
髪の毛を黄色く染めたサブという若者を雇っており、手紙の代筆をさせようとしますが、サブは寅次郎以上に漢字が分からない青年でした。
寅次郎は『くるまや』へぶどうを送りますが、半分くらいは腐ってしまっていました。たこ社長が貰います。

【転】- 男はつらいよ44寅次郎の告白のあらすじ3

泉から鳥取の絵ハガキを受け取った満男は、文面に「寂しい」と書かれているのを見て心配します。
気になった満男は、泉の名古屋の家に電話しました。母の礼子が出て、家出をしたことを告げます。
満男は泉から絵ハガキをもらったことを告げ、捜しに行くと告げました。
さくらは「やみくもに出かけても駄目だ」と制止しますが、満男は「もし泉から連絡があれば、鳥取砂丘で待っていると告げてくれ」と言って、すぐ出かけていきます。

泉は鳥取の高校のブラスバンド部の練習風景を見ながら、満男の楽しかった思い出を振り返っていました。
アンパンを買った店の老女が、泉を夕食に誘います。老女が一人暮らしと聞いて、泉も甘えることにしました。
豆腐を買いに行くお使いをした泉は、寅次郎とばったり出くわし、抱きついて泣きます。

泉について、寅次郎も老女宅にお邪魔しました。
疲れも手伝って、泉は座ったまま寝てしまいます。
老女が泊まっていけと言いますが、部屋は二つしかありません。
泉を二階に寝かせ、老女と寅次郎が一階に寝ようと老女が提案しますが、寅次郎は「女性とふたりきりなんて」と、川の字で寝るように言いました。

夜、目覚めた泉が寅次郎に話しかけました。母に再婚相手ができたことを、泉は告げます。
相手の男性もいい人物で、再婚してもいいと頭では理解しているのですが、心では拒否してしまうのだと、泉は話しました。
それを聞いた寅次郎は「えらいなあ」と言います。
寅次郎は、自分が芸者の子でさくらとは腹ちがいであることを明かし、自分を捨てた実母のことを「くそババア」と思っていたけれども、泉の話を聞いて、腹巻きでも送ってやりたくなったと言いました。
それを聞き、泉は救われます。

翌日。
満男も鳥取へ駆け付けようとしていると知った寅次郎は、泉を連れて鳥取砂丘へ行きました。満男とも合流します。
寅次郎は、満男と泉を昔馴染みの料理屋へ連れていきました。
満男は泉と寅次郎に会ったことを母・さくらに報告し、さくらは寅次郎も連れて帰って来いと言います。

寅次郎が案内した料理屋には、美人の女将・聖子がいました。
寅次郎は「昔、聖子のことが好きだったけれども、聖子は二枚目の板前と結婚した」と屈託なく話します。
今でもいるんだろうと話を振ると、聖子は「死んだ」と言いました。寅次郎は驚きます。
寅次郎が冗談で言った、夫の趣味の鮎釣りをしていて、1年半前に溺死したと聞いて、寅次郎は正座するとお悔やみの言葉を述べました。
すぐさま帰宅する予定だったのですが、寅次郎は聖子の夫の墓参りを優先し、そのために3人は泊まることになります。

女将の聖子は忙しく立ち働いており、解放されたのは夜中でした。聖子は寅次郎と呑み始めます。
満男と泉は、2階にいました。
泉は「自分は不幸せだと思って家出したけれども、旅先で親切な老女や、必死で探しに来てくれた満男のことを思うと、不幸せではないと思うようになった」と言います。

【結】- 男はつらいよ44寅次郎の告白のあらすじ4

寅次郎と聖子のことが気になった満男は、2階の階段の手すりから身を乗り出して、1階の様子を窺おうとしました。
寅次郎はいつも聖子と亭主の仲をからかっていましたが、聖子が言うには、結婚したものの亭主は浮気者だったそうです。
聖子は結婚を悔いており、「寅さんにしとけばよかった」と言いました。
聖子が寅次郎にしなだれかかった拍子に灯りが消えてしまい(聖子の方から寅次郎に迫っていた)、満男が身を乗り出しすぎて、手すりを壊して庭の池に落ち、大騒ぎになります。

翌日。
頭を打った満男は、念のため病院で手当てしてもらいました。
付き添った泉は帰り道、満男に「寅さんとあの女性(聖子)は結婚するの?」と質問します。
満男は「伯父さんはいつも、手の届かない女の人を好きになるのに、その人が近づいてくると逃げるんだ」と言いました(すごく正しい!)。
女性を花にたとえて満男は「男性には二種類の気持ちがある。花をそっと愛でておきたい気持ちと、摘んで奪い取って自分のものにしたい気持ち。伯父さんは前者だ」と言いました(これまた的確!)。
聖子は前日のことなど忘れたように、寅次郎と満男、泉を見送りました。寅次郎も聖子に「また2人で呑もうな」と笑って別れます。
満男と泉を見送った寅次郎は、また別の土地へ商売をしに行きました。
満男は車中で、泉の手を握ります。

名古屋に戻った泉は、母の礼子に「幸せになってもいいよ。私、もう大丈夫だから」と言いました。礼子はそれを聞いて、娘の成長に涙ぐみます。

満男も『くるまや』へ戻ってきました。
旅先での寅次郎の様子を聞きたがる博やさくらに対し、満男は「ハプニングがあって、いつものパターンでした、以上」と話を早々に切り上げてしまいます(はぐらかした)。

麒麟堂の息子の結婚式があり、おいちゃんとたこ社長が礼服で出かけて行きました。
見送りながらため息をついたおばちゃんは、「寅はいつ結婚するのかねえ」と言っていると、『くるまや』に寅次郎から電話があります。
「詳細は満男から聞いたろ」と寅次郎は言いますが、さくらは「聞いていない」と答えました。
それを聞いた寅次郎は、満男も告げ口せずに黙る年齢に成長したかと、感慨ぶかく思います。

…新年。
満男は男友だち2人と共に、横浜へ遊びに出かけようとします。
ところが満男が出かけようとすると、道の向こう側から泉がやってきました。それを見た満男は友だちを袖にし、泉といそいそと家に戻ります。

世の中で一番美しいものは恋だと思うのに、恋している姿はぶざまだと満男は思います。
かつての満男は、寅次郎が女性に恋をする姿を見てバカにしていましたが、恋を知った今、もう寅次郎を笑えないと満男は考えます。
むしろ、寅次郎の生きざまはすばらしいのではないか…そう、満男は思いました。

そんなことを柴又で満男が考えていることを知らない寅次郎は、旅の先で商売をしています。
先に雇った若者・サブが婚約者を連れて、挨拶にきました…。

みんなの感想

ライターの感想

満男の恋が主体になってから、なんかすごく哲学的な色彩に!
今回も満男の目から、寅次郎の女性に対しての接し方を教わった。満男、賢い。
伯父の姿を見て少しずつ成長していく満男。いやあ、本当に今作品は名セリフが多い。
満男だけでなく、泉にも寅次郎はいい影響を与えていると思う。
鳥取砂丘の景色も綺麗。

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