映画:男はつらいよ5望郷篇

「男はつらいよ5望郷篇」のネタバレあらすじと結末

男はつらいよ 望郷篇の紹介:1970年公開の日本映画。『男はつらいよ』シリーズの5作目。当初は本作でシリーズを完結させる予定で、テレビドラマでさくら役を演じた長山藍子がマドンナとして、団子屋のおばちゃん役を演じた杉山とく子がマドンナの母役、博役を演じた井川比佐志が恋敵を演じるなど、作品を締めくくるため以前のキャストを総動員させたが、本作があまりの人気にシリーズは延長されることになった。

あらすじ動画

男はつらいよ5望郷篇の主な出演者

車寅次郎(渥美清)、諏訪さくら(倍賞千恵子)、車つね(三崎千恵子)、諏訪博(前田吟)、川又登(津坂匡章)、お澄(風見章子)、タコ社長〔桂梅太郎〕(太宰久雄)、源公(佐藤蛾次郎)、諏訪満男(中村はやと)、御前様(笠智衆)、車竜造(森川信)、三浦富子(杉山とく子)、木村剛(井川比佐志)、三浦節子(長山藍子)

男はつらいよ5望郷篇のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①道南を仕切る政吉親分が瀕死に、札幌に降り立った寅次郎は生き別れの息子に会いたいと聞き、政吉の息子・澄夫を探す。SL機関士の澄夫は身勝手な父の言い分を固辞、政吉は孤独な死を迎えた。 ②地道に働こうと決意した寅次郎は豆腐屋の節子を見染め、そこで働き始める。ところが節子には決まった相手がいた。失恋した寅次郎は再び旅に出た。

【起】- 男はつらいよ5望郷篇のあらすじ1

〝私、生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、
人呼んで、フーテンの寅と発(はっ)します。

♪どうせ俺(おい)らはやくざな男
わかっちゃいるんだ妹よ
いつかお前の喜ぶような
偉い兄貴になりたくて
奮闘努力のかいもなく
今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる
陽が落ちる♪〟

…車寅次郎は16歳の時に家を出て、以降はその日暮らしの生活をしています。
職業はテキ屋で、何かを叩き売りしたり、人相見をしたりするものです。
ベージュのジャケット、ズボン、同じ色の帽子を着用し、背広の中は白いシャツに腹巻きを巻いています。
寅次郎には、年齢の離れた妹・さくらがいました。さくらとは異母兄妹です。
寅次郎の父は他界し、さくらは「おいちゃん」こと叔父夫婦の経営する老舗『とらや』という和菓子屋で働いていました。
さくらは『とらや』の裏手にある印刷工場の博と恋仲になり、結婚します。
さくら夫婦たちには満男という息子も生まれますが、寅次郎は相変わらずふらふらしていました(映画『男はつらいよ』シリーズ参照)…。

…寅次郎の叔父、通称:おいちゃんが瀕死だと聞きつけ、寅次郎が駆け付けます。
声をかけるとおいちゃんは「あとのことは頼む」と言い、息を引き取りました。
寅次郎はおいちゃんの死を嘆きます…。

そんな夢を見た寅次郎は、旅館の人に起こされました。
夏なのに長雨が続く寅次郎は「テキ屋を殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の3日も降りゃいい」とぼやきます。

柴又ではおいちゃんが、暑さで「死んだほうがまし」とぼやいていました。
上野まで戻った寅次郎が、『とらや』に電話をかけてきました。
冗談でおばちゃんが「息をしているだけだ」と大げさにおいちゃんが弱っているように聞かせると、寅次郎が「やっぱり」と焦って駆け付けます。
寅次郎は早合点して、いろいろ手配をしていました。
昼寝をしているおいちゃんを見て、瀕死状態だと一瞬勘違いしましたが、起きたおいちゃんを見て元気だと知り、まずいと思います。
寅次郎の手配で、寺の御前様、井上葬儀店までやってきて、おいちゃんが気を悪くしました。寅次郎と叔父はもめます。

柴又にいる寅次郎のところへ登が来て、道南を仕切る政吉親分(竜岡政吉)の容態が悪いと知らせました。

【承】- 男はつらいよ5望郷篇のあらすじ2

政吉親分には、寅次郎は14~15年前にお世話になっています。
北海道・札幌に登と行った寅次郎は、瀕死の政吉が息子に会いたいと言うのを聞き、かなえてやりたいと思いました。
跡取りの息子ではなく、函館の女中に生ませた子・石田澄夫という青年です。

澄夫を探すと、国鉄の機関士になっていました。澄夫に父の危篤を伝えますが、勤務中だと断られます。
澄夫が乗るデゴイチ(D51系列のSL機関車)をタクシーで追いかけた寅次郎と登は、停車駅、小沢駅で説得しました。ところが澄夫は聞き入れません。

澄夫は母に内緒で、小学1年生の時にこっそり父に会いに行ったことがあるそうです。
その頃、赤線(昔々の売春宿)地域に父がおり、父は女の人を殴っていました。
それを見た澄夫は父が鬼に見えたそうです。
帰りの電車賃がなく、レール沿いに歩いて帰ったと話す澄夫の話を聞いた寅次郎は、とぼとぼと線路沿いを歩く少年の姿を思い描き、切なくなりました。

澄夫の母は、その5年後、澄夫が小学6年の時に亡くなったそうです。
母が死んだ時にもなしのつぶてだった父が、自分が死にそうな時にだけ会いたいという連絡を寄越すなんて身勝手だという澄夫に、寅次郎は反論できませんでした。
「息子は転勤していなかったと言ってくれ」と澄夫は言うと、またSLに乗って去ります。

病院に電話をかけると、政吉親分はもう亡くなっていました。
登と寅次郎は小沢駅の旅館で、しんみりします。
寅次郎は、昼間に見た「額に汗して働く澄夫」の姿が忘れられませんでした。
このままぶらぶらとした身の上だと駄目だと考えた寅次郎は、父のところへ帰れと登を甥立てます。
そして自分も、今度こそまっとうに生きようと決意しました。

御前様のいる題経寺に行った寅次郎は、まっとうに生きると御前様に宣言しました。
連絡を受け寺に向かったさくらも、寅次郎が今までになく真面目に考えつめていると知ります。
さくらは『とらや』に電話をかけ、兄・寅次郎が今までとまるで様子が異なるとおいちゃんたちに告げました。
叔父夫婦は半信半疑で迎えますが、本当に寅次郎は殊勝に考えており、「額に汗して働く」と連呼します。

【転】- 男はつらいよ5望郷篇のあらすじ3

「地道に、額に汗して油にまみれて働く」
そう連呼するものの、なかなか寅次郎の勤め先は決まりません。何かと言うと、寅次郎がいろいろと注文をつけます。
仕事を終えた博の姿が、ちょうどSL機関士の澄夫に重なって見えました。寅次郎はそれを見て、たこ社長の会社で働くと勝手に決めてしまいます。

翌日。
「労働に行く」と言った寅次郎ですが、やはり普通の仕事は向いていませんでした。
印刷会社を飛びだした寅次郎は、そのまま寿司屋やてんぷらやを回りますが、あいにくと働き口がありません。
口先だけで、職一つ就けなかった寅次郎は、ボートで寝ていてそのまま流されました。
妹・さくらが自転車で探しますが、寅次郎はぱったりといなくなります。

いなくなった寅次郎から、郵便の荷物が届きました。油揚げが入っているのですが、中身は腐っています。
添えられた手紙に「一生ここで地道に暮らすかもしれない」と書かれていたので、妹のさくらは住所を頼りに訪問しました。
寅次郎は、千葉県の浦安にいました。豆腐屋『三七十屋』の店先で、せっせと油揚げを揚げています。
さくらを見た寅次郎は、「本当に文字通り油と汗にまみれて働いているだろう」と言って、屈託なく笑いました。

店はおかみさん・三浦富子が経営しています。夫なきあと、おかみさんが豆腐屋をやっているそうです。
寅次郎と話したさくらは、何か魂胆があるのではないかと考えました。
妹の予感は当たり、やがて富子の娘・節子が帰宅します。寅次郎はこの節子目当てに、物置に住み込んで働いているのです。
それでも、寅次郎なりに必死で働いているのを見たさくらは、水を差すのもなんなのでその日は辞去しました。
ただ帰り際、寅次郎に「考えることも地道にね。あんまり飛躍しないでよ」と、釘をさすことは忘れません。

さくらの帰った後、母・富子と娘・節子は、寅次郎の噂をします。
寅次郎の話では『とらや』が小さな店のような感じでしたが、本当は老舗の名店で、しかも妹のさくらがあんなにしっかりしているのだから「ああ見えて、育ちがいいのかも」と言いました。
それを聞いた寅次郎は、有頂天になります。

【結】- 男はつらいよ5望郷篇のあらすじ4

寅次郎は豆腐屋で今までになく、精を出して働きました。
豆腐を作り、油揚げをあげては、自転車で売り歩きます。
寺の御前様にクビにされた源公を縁日で見かけた寅次郎は、豆腐屋に連れて帰りました。
源公の世話を焼きつつ、寅次郎は説教します。

その夜、母・富子と娘・節子が口論していました。話の内容までは聞こえないものの、言い争う声を寅次郎は聞きます。
しばらくすると、節子が寅次郎のいる物置へやってきました。
節子は寅次郎に「どうして結婚しなかったの?」と聞き、「ずっとうちの店にいてくれないかしら」と打診します。
それを聞いた寅次郎は、遠回しのプロポーズだと勘違いしました。
嬉しく思った寅次郎はうなずき、節子が「これで安心できる」と言ったことに気付きません。

寅次郎はさくらに電話をかけ、「所帯を持つかも」と言い出します。
さくらはまた兄が暴走しているのではないかと、心配しました。
豆腐屋では、寅次郎がこれからもずっと働き続けると聞いて、母・富子が喜んでビールを出します。
ちゃぶ台を囲むところへ、いつも豆腐を買いに来る男性・木村剛が顔を出しました。
すっかり自分の家のようにふるまう寅次郎は、木村が国鉄の機関士と聞くと感心します。
富子が木村のことを「これから親戚になる」と言うのを聞いた寅次郎は、驚きました。

節子は木村と交際していましたが、母の富子がひとりで豆腐屋をきりもりできるか心配で、今まで結婚できずにいたのです。
ところが寅次郎が店の手伝いをしてくれると聞き、節子は安心したのです。
ちょうど木村が群馬県の高崎に転勤になるのを機会に、結婚すると言いました。
それを聞いた寅次郎は落胆します。

翌朝、寅次郎は消えていました。源公に「残って仕事をしろ」と命じたそうです。
節子は驚いて、『とらや』に電話しました。
『とらや』ではちょうど「今日明日あたり、振られて帰ってきそう」と噂していたので、案の定だと思いました。
おばちゃんが「振られたんだよ」と話したタイミングで寅次郎が顔を出し、たこ社長が追い打ちをかけたことで、寅次郎は『とらや』からも去ります。

妹のさくらに「やっぱり地道な暮らしは駄目だったよ。お前は幸せに暮らせよ」と言った寅次郎は、葛飾花火大会を背に、立ち去りました。
さくらのところへ節子が来て、寅次郎から葉書が届いたと知らせます。

同じ頃、寅次郎は旅の空の下、登と再会し、仁義を切っていました(名乗ってあいさつをする)。
その後、寅次郎と登は一緒に旅に出て去っていきます。

みんなの感想

ライターの感想

確かに、ここでいっぺん締めようとしたんだなというのがよく判る作品。
寅次郎が改悛し、まっとうに生きようとする話。
SL機関士の澄夫のエピソードが、うまい具合にいきている。
ラスト、節子の結婚相手がSL機関士となれば、もう頭が上がるまい(笑)。
パターンが読めていてもなお、見せるだけの内容。

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