「百万円と苦虫女」のネタバレあらすじと結末の感想

ヒューマンドラマ

町百万円と苦虫女の紹介:2008年公開の日本映画。監督・脚本はタナダユキ。主演は蒼井優。前科持ちになってしまった主人公が、100万円を貯めるごとに各地を転々とする姿を描いたロードムービー。

予告動画

百万円と苦虫女の主な出演者

佐藤鈴子(蒼井優)、鈴子の父(矢島健一)、鈴子の母(キムラ緑子)、鈴子の弟・佐藤拓也(齋藤隆成)、リコ(平岩紙)、浜田武(弓削智久)、ユウキ(竹財輝之助)、藤井絹(佐々木すみれ江)、藤井春夫(ピエール瀧)、中島亮平(森山未來)、宮本ともよ(悠城早矢)

百万円と苦虫女のネタバレあらすじ

【起】- 百万円と苦虫女のあらすじ1

21歳の佐藤鈴子は、短大卒業後に就職浪人となります。
あるとき鈴子は、バイト仲間のリコにルームシェアの誘いを受けます。無事に住む部屋を決めた鈴子でしたが、突然リコの彼氏である浜田武もルームシェアに加わることを告げられます。ところが引っ越しの当日、武と別れたリコは部屋に来ませんでした。こうして鈴子は、武と2人で住むことになります。
ある日、鈴子は捨て子猫を拾い、飼い主を見つけるまで世話をすることにします。エサを買いに行った鈴子が部屋に戻ると、そこにいるのは武だけでした。武が子猫を勝手に捨ててしまったのです。鈴子が近くを探し回ると、子猫は道路で息絶えていました。
怒った鈴子は武の荷物を全て処分して、部屋を出て行きます。武は荷物の中に100万円が入ったバッグがあったと言い張り、警察に通報します。
警察は2人の間に肉体関係があれば、民事として取り扱うと言いますが、鈴子は「なかった」と正直に答えます。こうして鈴子は器物損壊罪で拘置所に収監されて、前科者となりました。

無事出所した鈴子でしたが、中学受験を控える弟の拓也からなじられます。
家庭内不和によって苛立ちが頂点に達した鈴子は、100万円貯まったら家を出て行くと宣言します。自分の知らない土地で新しい生活を始めて、そこで100万円を貯めたら、またほかの場所へ旅立つことを決心するのでした。
あるとき鈴子は、町で同級生と遭遇し、前科者になったことをからかわれます。鈴子は同級生を突き飛ばし、スーパーで買った豆腐を投げつけて反撃します。
それを偶然見ていた拓也は、鈴子を見直します。実は拓也は小学校でいじめを受けており、同級生と違う中学校へ行くために勉強をしていたのです。拓也は鈴子が引っ越したら、手紙のやりとりをするために住所を教えてほしいと頼みます。

【承】- 百万円と苦虫女のあらすじ2

100万円を貯めた鈴子は、別の町に引っ越し、海の家で働き始めます。
鈴子はかき氷を作るのが上手く、オーナーから絶賛されます。そして、海の家に遊びに来た若い男のユウキからアプローチされるのでした。
ある日、ユウキはバーベキューと花火をするパーティーに鈴子を誘います。渋々参加することになった鈴子でしたが、そこで見た目がチャラいユウキの真面目な人柄を垣間見ます。しかし、帰り道鈴子はユウキから「ソウルメイトにならないか」と言われて、困惑します。
他人と距離を置きたい鈴子は、100万円を貯めて次の町へと引っ越していくのでした。

次に鈴子は、喫茶店のマスターからの紹介で、桃農家で住み込みのアルバイトを始めます。収穫作業の手伝いをする鈴子は、またもや桃のもぎ取りの技術の高さを賞賛されます。
桃農家には藤井春夫という長男がおり、朝鈴子を起こすために部屋まで入ってくる無神経な男でした。また、風呂に入っている最中に湯加減の確認をしにきたりして、鈴子を悩ませます。
あるとき、鈴子は過疎化が進む村のために、「桃娘」というキャンペーンガールになってほしいと頼まれます。春夫は嫌なら断ってもいいと気遣いますが、村長たちに強引に決められてしまうのでした。
鈴子は辞退したいと伝えますが、すでに全国テレビの取材も決定していると告げられます。村人たちは桃娘の企画を何としてでも推し進めようとしますが、鈴子は「自分には前科がある」と告白して、その場から逃げ出します。
鈴子を非難する村人たちに対して、春夫は「嫌がる子に桃娘をやらせるな。インターネット販売などで桃を売る方法はある」と意見します。鈴子は収穫の途中でバイトを辞めることになりますが、春夫はそんな彼女に桃をプレゼントします。
鈴子は桃をかじりながら、村を去るのでした。

【転】- 百万円と苦虫女のあらすじ3

鈴子が新たな放浪先として選んだのは、東京から近い地方都市でした。さっそく不動産屋に行った鈴子は、アパートの保証人の欄に拓也の名前を書きます。
鈴子はホームセンターにあるガーデニングコーナーで仕事を始めます。花の種類がわからない鈴子は、お客さんの質問に答えられず、栄養剤と殺虫剤を間違えて売ったりします。上司に怒られてばかりの鈴子をサポートしてくれたのが、同僚で大学生の中島亮平でした。
職場の飲み会に誘われた鈴子は、嫌々参加することになりますが、メンバーたちは鈴子がわからない話で盛り上がります。見かねた中島は、大学の講義があると言って、鈴子を一緒に連れ出してくれます。

ある日、スーパーで買い物をしていた鈴子は、中島とばったり会います。
カフェでお茶をすることになり、そこで鈴子は刑事告訴されて前科者になったこと、100万円を貯めたらほかの場所に引っ越すことを、中島に打ち明けます。中島は自分探しの旅なのかと尋ねますが、鈴子は「自分を探したくないから引っ越しを続ける」と本音を語り、お金を置いて店を出ます。
自転車で追いかけてきた中島は、鈴子に「好きだ」と告白します。中島のことが気になっていた鈴子は、自分の気持ちを素直に伝えるのでした。そして、中島は夕飯を作ってほしいと頼み、鈴子とぎこちなく手をつなぎます。
中島は自分のアパートに着くなり、汚い部屋を慌てて片付け始めます。中島はベランダで小さな家庭菜園をやっており、それを見た鈴子は初めて笑顔を見せます。中島は鈴子にキスをして、その夜男女の関係となるのでした。

その後、ホームセンターに宮本ともよという新人が入ってきます。
彼女は中島の大学の後輩で、鈴子は親しげに話す2人のことが気になって仕方がありません。それ以来、心なしか鈴子に対する中島の態度が素っ気なくなったのです。

【結】- 百万円と苦虫女のあらすじ4

ある晩、中島の家に遊びに行った鈴子は、「5万円貸して」と頼まれます。鈴子はお金を貸しますが、それから中島は頻繁に借金の申し込みをするようになります。
デートのお茶代や映画代も、全て鈴子が支払うようになったのです。しまいには、中島が宮本と2人でお茶をしているところに鉢合わせ、「お金がないから1万円貸して」と言われてしまいます。
お金目的だと察した鈴子は、ある夜中島の家に行き、自分のどういうところを好きなのかと尋ねます。中島はしどろもどろになりながら、かわいい、落ち着くなどと言いますが、鈴子は「私がお金を持っているからでしょ」と問います。中島は質問に答えません。耐えられなくなった鈴子は、疲れたと言って中島に別れを告げるのでした。

アパートに戻ると、拓也から手紙が届いていました。
手紙には、机の上に花瓶を置かれていたことに怒った拓也が、いじめっ子に反撃して怪我を負わせ、児童相談所へ連れて行かれたことが書かれていました。両親は転校を勧めますが、拓也は中学受験をあきらめて、いじめっ子たちと同じ中学校に通うことを決心したのです。それは、以前同級生に立ち向かった鈴子を見習ってのことでした。
手紙を読んだ鈴子は涙を流します。そして、「これからは自分の足で立って、ちゃんと生きていこうと思う」と拓也に手紙を出します。

アパートを引き払った鈴子は、バイト先にも辞める意思を伝えに行きます。そこで中島は、これまで鈴子に借りていたお金を全て返します。
鈴子が去ったあと、中島が鈴子にお金を借りていたのは、100万円を溜めて出て行ってほしくなかったからだと発覚します。宮本に背中を押された中島は、自転車で鈴子を追いかけます。
中島は駅に到着しますが、途中でドーナツを買いに行った鈴子とすれ違ってしまい、落胆します。中島が駅を出て行くと、今度は鈴子が駅にやってきます。鈴子はドーナツをくわえながら、トランクを抱えて階段を登ります。
そして振り返って「来るわけないか」とこぼし、別の町を目指す場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

自分を上手くさらけ出せず、自信が持てないばかりに周囲の人々と向き合えず、逃げる手段しか取れない鈴子の姿には、個人的に共感しました。おしゃべりな主人公ではありませんが、鈴子がその時々に感じていることが手に取るように理解できました(そんな気がします)。「100万円を貯めたら引っ越す」というのは一見変わったモットーですが、そこに彼女の意思の強さが感じられて、「この人と友達になりたいな」と思ってしまいました。切ない後味を残すラストでしたが、本作にふさわしい「苦虫」具合ですし、成長した鈴子は次に向かう町で幸せな生活を手に入れられそうな気がします。

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