「神のゆらぎ」のネタバレあらすじと結末の感想

ヒューマンドラマ

神のゆらぎの紹介:2014年製作のカナダのヒューマンドラマ。カナダを舞台に、生と死をテーマに男女の群像劇が繰り広げられる。「Mommy/マミー」でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した新進気鋭の映画監督グザヴィエ・ドランが、宗教上の戒律から白血病治療を拒む青年を熱演している。

予告動画

神のゆらぎの主な出演者

エティエンヌ(グザヴィエ・ドラン)、エヴァリン(アンヌ・ドルヴァル)、マーティン(ロビン・オベール)、ジュリー・ボドリー(マリリン・キャストンゲ)、レイモンド(ジュリアン・プーラン)、シモン(ガブリエル・サブーリン)、ルイーズの夫(ギルバート・シコッテ)、ルイーズ(ルイーズ・ターコット)

神のゆらぎのネタバレあらすじ

【起】- 神のゆらぎのあらすじ1

舞台となるのは、カナダのフランス語圏のとある街。婚約中の若者二人。不倫関係にある老齢カップル。アル中の妻とギャンブル狂いの夫。そして、ドラッグを密輸する男…これら7人の男女の群像劇が交互に描かれていきます。

まず登場するのは、エティエンヌとジュリーです。二人はエホバの証人の熱心な信者で、一か月後に結婚を控えていました。そんな中、白血病という病魔がエティエンヌを襲います。看護師のジュリーは治療するよう説得しますが、エティエンヌはこれを固辞。「その魂、つまりその血を伴う肉をたべてはならない」。聖書に書かれたこの御言葉を守るために、エティエンヌは治療に不可欠な輸血を拒否していたのです。ジュリーはエティエンヌの気持ちを尊重してそれ以上の説得をやめますが、日に日にエティエンヌの容態は悪化していくばかり。そんなある日、街で飛行機墜落事故が起きます。唯一の生存者である男性は重態で、ジュリーは懸命に治療にあたります。

舞台は変わり、街のカジノのバーにマーティンという男が現れました。キューバでのバカンスから戻ったばかりのマーティンは、老いたバーテンダーのレイモンドに南の国のすばらしさを伝えました。その話を聞いたレイモンドは、同じカジノで働く同僚で不倫相手のルイーズにキューバ旅行を持ち掛けるのでした。

舞台は街の空港に変わり、一人の中年男性がベネズエラから入国しました。男の名前はシモンといい、カナダ帰国の目的はドラッグの密輸でした。しかし、シモンには密輸の他に姪のカリーヌに会うという重要な目的もありました。

【承】- 神のゆらぎのあらすじ2

バーを後にしたマーティンはカジノでギャンブルを楽しみ始めました。その頃、マーティンの妻エヴァリンは夫との次なる旅行に向けて準備していました。二人は今夜飛行機に乗り、再びキューバでのバカンスを楽しむ計画でした。マーティンはギャンブル中毒、エヴァリンはアルコール中毒で、不安定な二人はバカンスを繰り返すことでしか夫婦関係を維持できずにいたのです。しかし、エヴァリンは夫のいぬ間に酒を大量に飲み、マーティンもまた妻には内緒でギャンブルに興じていました。

一方、シモンは密輸の依頼者が警察に捕まってしまい、行き場所を失っていました。シモンは仲違いしていた兄の元に身を寄せますが、すぐ追い出されてしまいます。

場面は再び墜落事故の生存者の治療が行われる病院へと移ります。ジュリーはこの患者の治療を通して、エティエンヌを救いたいという気持ちが再び大きくなっていました。しかし、エティエンヌだけでなく、エティエンヌの両親やエホバの証人の友人も輸血に強い拒否感を示しており、ジュリーは恋人の命を救う方法を見いだせずにいました。

【転】- 神のゆらぎのあらすじ3

映画は老齢カップルのレイモンドとルイーズの物語に移ります。レイモンドは妻に別れを告げ、キューバに旅行すべくルイーズの自宅へと向かいました。しかし、ルイーズは不在で、レイモンドは不運にもルイーズの夫と鉢合わせしてしまいます。ルイーズの夫に不倫に気づかれてしまいますが、それでも二人はキューバ行きを決意するのでした。

一方、ジュリーは休暇を利用してエホバの証人の仲間とともに勧誘活動をしていました。ジュリーたちがある家を訪れると、一人の男が出てきました。それは、ルイーズの夫でした。ルイーズの夫に「飛行機が落ちるのは全能の神が存在しないからだ」と辛らつな言葉をジュリーたちは浴びせられてしまいます。その言葉を聞いたジュリーは、青く大きな瞳を見開き呆然としてしまうのでした。

その後、ジュリーがエティエンヌの元を訪れると、彼は人知れず涙を流していました。ジュリーの存在に気づき、エティエンヌは彼女にキスをしますが、その最中に激しく吐血してしまいます。エティエンヌの死は確実に近づきつつありました。

映画は再びシモンの物語に移ります。シモンは密輸組織からなんとか報酬を得て、再び兄の元を訪れていました。シモンは空港で働く兄の助けで、今夜キューバに発つ飛行機で逃亡することとなりました。その後、シモンは兄の娘のカリーヌの元を訪れ報酬の金を手渡しました。そして、シモンはかつて山小屋でカリーヌにしたことを深く詫びますが、カリーヌは同意の上だったと答え、気にする様子を見せません。カリーヌはシモンともっと語り合いたいと望んでいましたが、シモンは黙ってカリーヌの前から姿を消してしまうのでした。

【結】- 神のゆらぎのあらすじ4

映画はジュリーの物語に移ります。ジュリーもまた輸血の可否を迫られていました。飛行機の生存者の血液型は非常に珍しいOマイナスで、ジュリーも血液型と同じだったのです。一度は拒んだものの、ジュリーは教会から排斥されることを覚悟で輸血に臨みました。

それと同じ頃、生存者の妻が身元確認のため病院を訪れていました。その女性は、エヴァリンでした。エヴァリンもまた同じ飛行機に乗り込むはずでしたが、直前で搭乗をキャンセルしたといいます。エヴァリンはマーティンが仕事と偽りギャンブルに興じていたことを知って深い失望を覚え、空港で落ち合ったマーティンに別れを切り出していたのです。しかし、身元確認した結果、生存者の男性はマーティンではありませんでした。

そして、物語は墜落した飛行機の離陸直前の場面に移ります。搭乗口には、レイモンドとルイーズ、そしてシモンの姿がありました。同じ頃、マーティンは妻との別れでキューバに向かう必要がなくなり、空港を後にしていました。シモンの兄が手配したチケットは、このマーティンの席だったのです。シモンは近くに座るレイモンドがひどく緊張していることに気づきました。ルイーズはそんなレイモンドのことを気遣い、搭乗キャンセルの手続きに向かっていました。そんなレイモンドにシモンは「うまくいくさ」と励ましの言葉をかけました。すると、レイモンドは腹を決め飛行機に乗ることを決意。キャンセルの手続きをするルイーズを止め、二人は搭乗ゲートに向かって行きました。そして、シモンもまた兄の案内を受け、搭乗ゲートを通過していきました。

映画は再びジュリーの物語に。ジュリーはエティエンヌに再び治療を受けるよう再び説得していました。しかし、エティエンヌは御言葉に従うと繰り返すばかり。そんなエティエンヌにジュリーは輸血したことを告白し、家から出て行くことを告げます。衝撃的な告白に涙を流しながらも、ジュリーにキスをするエティエンヌ。しかし、その数分後にはジュリーはエティエンヌから心無い言葉を浴びせられてしまいます。ジュリーは誰にも見送られることなく、エティエンヌの家を後にするのでした。

この悲しい別れから間もなく、ジュリーがバスに乗っていると、エホバの証人の友人がジュリーにある事実を知らせてきました。それは、エティエンヌが死んだという知らせでした。「飛行機が落ちるのは全能の神が存在しないからだ」。バスに揺られながら、ジュリーはあの言葉を思い出し、ただただ茫然とするのでした。

みんなの感想

ライターの感想

本作の原題は「奇跡」を意味するラテン語であり、そのタイトルが示す通り、8人の男女の群像劇が神の気まぐれとも思えるような一つの奇跡に結びついていく様はとてもドラマティックです。神の存在を疑いたくもなるようで、逆に信じずにはいられずになる不思議な作品で、「神のゆらぎ」というタイトルは実に的を射たすばらしい邦題だと思いました。

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