「継承盃」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

継承盃の紹介:1992年製作の日本映画。やくざ社会の伝統的な「継承式」を題材に、その裏側での男たちの悲喜劇を描く、新しいかたちのやくざ映画。脚本は、「略奪愛」の松田寛夫、監督は「ゴジラVSキングギドラ」の大森一樹、撮影は「赤と黒の熱情」の仙元誠三がそれぞれ担当。

あらすじ動画

継承盃の主な出演者

吉成正一:真田広之 門田恵:古手川祐子 門田大作:緒形拳 花村利光:梅宮辰夫 堂場英吉:芦田伸介 千田忠:隆大介 繁田強三:川谷拓三 平瀬幹夫:湯江健幸 雁金厳:内田朝雄 谷地森金次:品川隆二 吉成の父:名古屋章 鹿内孝 遠藤:大竹まこと 金融会社社長:上田耕一 黒部進 繁田の妻:羽野晶紀 千原しのぶ 阿知波悟美 若山騎一郎

継承盃のネタバレあらすじ

【起】– 継承盃のあらすじ1

継承盃のシーン1

画像引用元:YouTube / 継承盃トレーラー映像

〝この作品はフィクションであり、実在のものとは関係ありません〟の文字。

【東京】

1992年のはじめ、真冬の雪が降る夜に関東堂場一家の屋敷には幹部が集まっていました。幹部の前で堂場一家の親分・堂場英吉が引退を切り出します。

堂場は自分の跡目を継ぐ者として、花村組の組長・花村利光を指名しました。花村は謹んで受けます。

代替わりの披露をどうするかという話になりますが、花村は暴対法成立でうるさい昨今、そうした式はしたくないと言います。しかし引退の花道を飾りたい堂場が怒りました。「誰に遠慮する必要がある」と怒鳴ったあと、よろよろとよろけた堂場をみんなが支えます。

少々時代遅れかもしれませんが、堂場のために代替わりの「継承式」を行なうことになりました。花村は、自身の傘下の千田組組長・千田忠にその役目を言いつけます。

【式日決定 七月吉日

臨時上納金 決定】

千田は早速、動き始めました。継承式の日取りは1992年7月に決定し、臨時上納金をおさめさせることも決まります。

【式場 決定】

【取持人 決定】

【媒酌人 決定】

式場は翠山荘という場所を押さえました。

取持人(とりもちにん)とは結婚式における仲人にあたり、ヤクザの盃事では重要な役割を担います。

媒酌人とは結婚式における神主にあたり、式典の一切を仕切る立役者です。千田は奔走してそれらをひとつひとつ決めていきました。

(映画タイトル)

媒酌人として決まっていたのは、雁金(かりがね)巌でした。継承式に向けて準備は着々と進み、書上(かきあげ あとで説明)もできあがっていました。

ところが継承式を4日後に控えたその日、雁金が救急車で運ばれます。雁金の一報を聞いた千田が駆け付けると「ただの検査じゃ」と雁金はごまかしますが、千田は焦りました。雁金が駄目だったときのために、媒酌人の「控え役(代役)」を立てる必要ができたと思います。

しかし…ヤクザというプライドの高い連中に控え役などという役目を頼むのは、角が立ちます。困った千田は自分の子分の繁田強三に命令しました。繁田が所属しているのは常州梅ヶ崎だったことを思い出した千田は、梅ヶ崎の親分に話をつけろと命じます。

【継承式 三日前】

ぶつぶつ文句を言いながら、繁田は車に乗っていました。運転しているのは繁田の子分の吉成(よしなり)正一です。

梅ヶ崎の総長は、門田(もんでん)大作という、若い頃はめっぽう喧嘩が強い人物でした。昔気質のヤクザで、それがゆえに時代についていけずに子分にも去られた人物でした。「御支度金」という名目の大金を包んで、繁田と正一は茨城県の土浦に向かいます。

田舎道には馬を曳いている農夫がいました。正一の携帯を借りて繁田が門田に電話をかけて、午後1時には必ず顔を出すという約束を交わします。

ところが直後に運転をミスして車は脇道の地蔵に突っ込み、繁田は大ケガを負います。千田に指示を仰いだ正一は、「なんとしても媒酌人の控え役を決めて連れて来い」と言われて、繁田をその場に置いて門田のところへ急ぎます。

農夫の馬を借りて駆った正一は電車に乗り込むと、そこから携帯で繁田への救急車を呼びました。レンタカー屋に行って車を借りると、梅ヶ崎一家の家を探します。

道が判らない正一は、川でしじみを採る女性に道を聞きますが、女性は梅ヶ崎の名を聞くと答えませんでした。愛想がないと思いながら、正一は家を探します。

ようやく見つけた梅ヶ崎の家に行くと、玄関近くにいた男性が門田でした。正一は繁田が事故でケガをしてそのために来られなくなったことを、ベラベラまくしたてます。根っからのヤクザではないと見抜かれて、正一は証券会社のセールスマンだったことを認めました。

そこへ先ほど川でしじみを採っていた女性が帰宅しました。その女性は門田の妻・恵でした。父娘ほど年齢の離れた夫婦に、正一は驚きます。

正一は門田が怒らないかハラハラしながら、来訪の目的を切り出しました。堂場が引退して花村に跡目を譲る継承式の媒酌人・雁金が入院して、控え役が必要なのだと話すと、門田は黙って席を立っていきました。正一は困惑します。

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