映画:羊と鋼の森

「羊と鋼の森」のネタバレあらすじと結末

羊と鋼の森の紹介:2018年6月8日公開の日本映画。2016年の第13回本屋大賞に輝くなど、数々の賞を受賞した宮下奈都の同名小説を、山崎賢人主演で映画化した青春ストーリー。将来の夢をもっていなかった一人の少年が、高校で出会ったピアノ調律師に感銘を受けて、調律の世界に足を踏み入れ、ピアノに関わる人々と出会い、成長していく。

あらすじ動画

羊と鋼の森の主な出演者

外村直樹(山﨑賢人)、柳伸二(鈴木亮平)、佐倉和音(上白石萌音)、佐倉由仁(上白石萌歌)、北川みずき(堀内敬子)、濱野絵里(仲里依紗)、上条真人(城田優)、南隆志(森永悠希)、外村雅樹(佐野勇斗)、秋野匡史(光石研)、外村キヨ(吉行和子)、板鳥宗一郎(三浦友和)

羊と鋼の森のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①板鳥の調律にあこがれた外村は調律師になり、故郷の町で働き始めるが、調律の上達方法に悩む。先輩調律師の柳に同行・見学した外村は、それでも少しずつ調律師になっていく。 ②担当する佐倉家の姉妹がピアノを弾けなくなり、責任を感じた外村は調律をあきらめかける。祖母の葬儀で帰京した外村は、不和だった弟と和解して穏やかな気持ちで戻り、再び調律師の道を目指した。

【起】- 羊と鋼の森のあらすじ1

羊と鋼の森のシーン1 北海道。

高校生の外村直樹は17歳のとき、運命的な出会いをします。
それは、調律師・板鳥宗一郎との出会いでした。

学校の先生に「お客さんを案内してくれ」と言われた外村は、板鳥を連れて体育館のピアノのところへ連れていきます。
案内して終わり…のはずでしたが、去りかけた外村の足は、板鳥が鳴らすピアノの音に反応して止まりました。
板鳥がピアノを鳴らすたびに、外村は自分が幼少期から慣れ親しんだ、北海道の森のイメージを思い浮かべます。
外村の家は、祖父の代から林業で生活している、森と縁のある家でした。

板鳥は外村に、「いい羊がいい音を作る。今じゃこんないいハンマーは作れません」と話しかけました。
板鳥は体育館のピアノの調律を頼まれた、調律師でした。
板鳥は、鍵盤から伸びた先にある、フェルトでできたハンマーを見せて、「このハンマーが、鋼の弦を叩いて音が鳴る」と教えます。
フェルト(羊の毛)と鋼によって作られる音を聞くたびに、外村は北海道の森をイメージしました。
森に足を踏み入れているような気がした外村は、調律師になりたいという夢を抱きます。


自分の夢を持った外村は、両親や弟、祖母に調律師になりたい夢を話しました。
その際に「ピアノは世界とつながっている。ぼくは、世界へいくんだ」と発言したことが、外村の弟・雅樹の気に障ります。
学業に秀でた雅樹は「なにその世界って」と、外村を嘲笑する発言をしました。両親も雅樹と同意見です。
疎外感を味わっていた外村は、高校を卒業すると上京し、2年間、調律学校で学びました。
調律師の資格を取った後、外村は北海道へ戻り、ひとり暮らしをしながら、故郷の町の楽器店に就職します。
同じころ、弟は札幌の大学へ進学していました。


外村が就職したのは、「江藤楽器店」でした。
その店には外村が調律師をめざすきっかけになった、板鳥がいます。
ほかにも、女性の北川みずき、元ピアニストの中年男性・秋野匡史、若手の男性・柳伸二が職場の先輩としていました。
柳が外村の指導係になります。

外村は柳に付き添って、外回りの仕事を見学しました。
一般の家のピアノの調律をする際に、柳はどんな音を希望するか、顧客に必ず質問します。
「明るくのびやかな音」とリクエストされた柳は、そうなるよう一音一音確かめつつ、調律をしました。

柳のあとについて回った外村は、ほかにもピアニストをめざす姉妹・佐倉和音と由仁のピアノの調律を見学します。
ジャズピアノバーの上条は、注文をつけるのがうるさい割に、説明が曖昧でした。
それを詳しく聞き取った柳は、外村に「(仕事は客との)まず意思の疎通が大事」と教えます。

【承】- 羊と鋼の森のあらすじ2

羊と鋼の森のシーン2 ある日、柳は「彼女に指輪を渡す(プロポーズをする)」と言い、仕事の後に直帰しました。
柳を見送った外村を見つけ、由仁が「ピアノが大変なんです」と話しかけます。
外村が見に行くと、ハンマーの関節部分が硬くなっていただけでした。
問題はすぐに解決しますが、「微妙にちょっと落ち着かない」と言われた外村は、調律を試みます。
しかしまだ半人前の外村はピアニストをめざす姉妹の要望を叶えられず、夜までかかってしまいました。
かえって調律をだめにしてしまい、外村は柳に、翌朝一番に佐倉家の調律を依頼します。
姉妹に謝って辞去した外村は、調律師として自信を喪失しました。

夜半に事務所へ戻ってきた外村は、板鳥に「調律ってどうしたらうまくいくようになりますか」と質問します。
板鳥は、詩人の原民喜の詩を引用して、板鳥がめざす調律を答えました。
〝明るく静かに澄んで、懐かしい文体。少しは甘えているようでありながら、厳しく深いものを湛えている文体。夢のように美しいが、現実のようにたしかな文体〟
詩を暗唱した板鳥は、外村に調律器具(チューニングハンマー)を渡します。


仕事に慣れてきただろうと、外村は新規の顧客を担当することになりました。
外村が最初に行った家は、南という家でした。
ドアチャイムを鳴らすと、隆志という青年が扉を開けますが、無言で外村を家に上げます。
部屋の奥にはピアノがありますが、もう長いこと使われていないようでした。
音程がひどく狂っており、音も割れています。
外村は時間をもらうと隆志に告げ、丁寧に作業を開始しました。

アップライトピアノ(フレームや弦を鉛直方向に配置したもの。グランドピアノのように場所を取らないため、一般家庭に多く見られるピアノ)の本格的な調律を開始するために、ピアノをずらせた外村は、最後に行われた調律が、実に14年前だと知ります。
ひとつひとつ作業をこなすうちに、外村は南家であった出来事を、把握し始めました。
ピアノと壁の隙間には、まだ幼い隆志と両親が微笑する記念写真が落ちています。

少年時代の隆志は両親に囲まれ、幸福なものだったのでしょう。隆志が奏でる〝子犬のワルツ〟を両親が聞いて喜ぶ…そんな光景が外村の脳裏に浮かびます。
ところが不幸な事故で両親が他界し、絶望にうちひしがれた隆志は、幸福だった思い出とともに、ピアノを封印したのです。
家族の一員だった飼い犬もいなくなり、隆志は「ひとり」になりました。
外村は調律をしながら部屋の中を観察し、隆志の背景を読み取ります。

【転】- 羊と鋼の森のあらすじ3

羊と鋼の森のシーン3 調律が終わった外村は、隆志に試し弾きを頼みました。
隆志はおそるおそる鍵盤に触れ、子犬のワルツを弾き始めます。
最初はこわごわでしたが、ピアノでメロディを奏でるにつれ、かつて幸福だった両親と飼い犬とのかけがえのない時間が戻ってきたように、隆志は感じます。
外村の調律で、隆志は前向きに今を生きる決意を持ちました。


季節は廻ります。
佐倉家の姉妹が、ピアノコンクールに出ることになりました。
外村は、佐倉家の担当を任されます。

佐倉家の姉妹、和音と由仁は対照的なピアニストでした。
努力型の和音に対し、由仁は天真爛漫な天才型で、奏でる音も対照的です。
姉妹に対し、外村は「自分と弟・雅樹」との関係を重ねてしまい、努力型の姉・和音に肩入れしました。
外村は調律を、和音好みのものに寄せてしまいます。

同じ頃。
外村は受け持っていた担当、ジャズピアノバーの上条からダメ出しを受けました。
担当は外村から、柳に戻されます。
落胆する外村は柳に誘われて、クラブへ行きました。
柳はそこで仲間たちと、ドラムを演奏します。
クラブには柳の恋人・濱野絵里がおり、外村に若い頃の柳の話をしました。
柳はメトロノームの音を聞くことで、精神の安定を得ています。


ピアノコンクールの最中に、妹の由仁が演奏できなくなりました。むろん、コンクールの結果は駄目です。
由仁がピアノを弾けなくなったと知った外村は、自分のせいだと感じました。
自分が調律を、和音側に寄せてしまったからだと感じた外村は、それを柳に告げますが、柳は「お前にプロのピアニストをどうこうする力など、ない」と言下に否定します。

悪循環は続きます。
由仁がピアノを弾けなくなると、姉の和音もピアノに触れられなくなりました。
佐倉家のピアノに関わることを、外村は禁じられました。

その頃、大物ピアニストが来日してコンサートを開く話があり、そのピアノの調律を板鳥が依頼されます。
元ピアニストの秋野は、一流のピアニストの調律をしてこそ、調律師として一流とみなされるもので、一般家庭の調律をちまちましているだけでは、調律師としてまだまだ…という発言をし、柳たちと意見が対立しました。
佐倉家のことで自信をなくした外村は、祖母が倒れた知らせを受けて、板鳥から渡されたチューニングハンマーを置いて、実家へ戻ります。


祖母・キヨは他界し、外村は祖母の葬儀に出ました。
祖母を見送った後、外村は故郷の森をみながら、弟・雅樹と話をします。

【結】- 羊と鋼の森のあらすじ4

羊と鋼の森のシーン2 外村はずっと弟に対して、「弟のほうが優秀だ」というコンプレックスを抱いていましたが、弟の雅樹も実は兄の外村にコンプレックスを抱いていました。
雅樹は兄に対して「いつも飄々としている、余裕がある」という見方をしていました。
祖母・キヨが外村を自慢に思っていたことを挙げた雅樹は、外村と共に、祖母を偲びます。
弟がコンプレックスを抱いていたことを知らなかった外村は、みんな誰しも大なり小なり悩みを抱えているのだと知り、もう一度調律の世界へ挑戦しようと考え直しました。


町に戻った外村は、板鳥が調律するコンサートホールへ行きます。
板鳥はドイツ人のピアニストにリクエストを聞いて、いろんな方法を実践していました。外村はそれを見学します。
板鳥の奮闘の甲斐あって、コンサートは成功を収めました。
コンサートの後、板鳥に近づいた外村は、板鳥に差し出されたチューニングハンマーを受け取ります。
板鳥は終始無言でしたが、表情は優しいものでした。


由仁が楽器店へやってきて、「ピアノの演奏はできないけれども、好きな気持ちに変わりはない。あきらめない気持ちが大事」と言います。
由仁はそのように、弾けなくなったなりに前へ進もうとしていましたが、姉の和音はまだ尻ごみしていました。
和音のところへ柳が行き、ある提案をします…。

楽器店へ戻ってきた柳は、恋人の絵里と結婚することを仲間に告げました。
その披露宴の席で、和音にピアノを弾いてもらうと言います。
和音のピアノの調律を、柳は外村に頼みました。外村も受けます。

披露宴で演奏を依頼された和音は、もがきながらもピアノの練習を続けました。
その過程で、和音は「自分にはピアノしかない。ピアニストになりたい」という熱意を抱きます。
プロのピアニストになる宣言をした和音に対し、妹の由仁もピアノをあきらめたくないと言いました。
由仁は、調律師になる決意をします。


結婚式当日。
調律を任された外村は、広いパーティー会場で、いかに和音のピアノの音が通るか考えました。
パーティーの席だと、歓談の声でどうしてもピアノの音色の響きが、悪くなります。
遠くへ音を飛ばすために、板鳥がピアノの足をいじっていたことを思い出した外村は、同じことをしました。
遠くまで音が届くようになります。

披露宴で披露した和音のピアノは、列席した人たちの耳をとりこにしていました。
その様子を見て、外村は調律の極意を少し、つかんだように感じます。
一般家庭の調律をしながらも、コンサートチューナーを目指そうと考えた外村は、生まれ育った北海道の森をまた、イメージしました。

〝The Dreams of the Lambs(羊の夢)〟の曲(映画に寄せたピアノ曲)。

みんなの感想

ライターの感想

久石譲が音楽を担当しているだけあって、ピアノ曲がすばらしい。
有名なクラシックのピアノ曲が、次々に紡ぎだされる。
北海道の大自然(森)を描きながら進むストーリーは、決して派手ではないが、美しさと力強さを感じさせてくれる。
ピアニストを主人公にした題材のものは多くあれど、その名脇役、調律師を選んだところもユニークでグッド。
音楽に興味がある人には、一見の価値あり。

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