映画:聖者の谷

「聖者の谷」のネタバレあらすじ動画と結末

あらすじ動画

聖者の谷の主な出演者

グルザール(グルザール・アーメド・ブハット)、アフザル(モハメド・アフザル)、アシファ(ニーロファー・ハミッド)

聖者の谷のネタバレあらすじ

【起】- 聖者の谷のあらすじ1

パキスタンとの国境付近の地域インド・カシミール。この地域で観光シカラ(屋根の付いた小舟)の船頭をして生計を立てているグルザール。幼い頃に父を亡くし、以来雨漏りのひどい小屋程度の古い家に叔父と2人で暮らしてきました。生前父は幼いグルザールに、カシミールは聖者の谷だと言って教えましたが、彼はこの町で生きることに嫌気がさしています。もはや聖者はカシミールから姿を消したので、自分も消えると心に決めていました。

ある日グルザールは、結婚式のために泊りがけで叔父が出掛けるのを狙って家を出る決意をします。親友・アフザルと共に、ムンバイでもデリーでも、とにかく都会へ出ようとしていました。気持ちは逸りますが、アフザルに都会までのバス賃が無く、出発は次の日まで持ち越します。
翌朝2人はバス停に向かうため、ダル湖をボートで渡っていると、インド分離独立派のデモにより、政府から外出禁止令が発令されます。デモの過激化により政府が軍事行動を始め中心街で暴動が起こり、町の機能が完全に麻痺しました。1週間後のラマダン時には禁止令が一時解除される予定で、その間グルザールとアフザルは足止めを食らうことになります。2人は湖の付近で暇つぶしをすることにしました。
上司からハウスボートの客室に人がいないか確認するよう指示されたグルザールは、たった1人だけ女性客・アシファが残っているのを発見します。アシファに食事を届けることになったグルザールは、彼女が美人だということに気付きました。

【承】- 聖者の谷のあらすじ2

次の日もアシファに食事を提供したグルザールは僅かですが会話し、彼女は現在アメリカに留学中で、ダル湖の水質調査のために滞在していることを知りました。不法投棄と違法建築などにより、ダル湖や周辺地区は深刻な環境汚染に見舞われているのです。アシファに好意を持ち始めたグルザールは、調査のため湖へ出る彼女に、シカラで案内をすると申し出ますが頑なに断られます。頑固なアシファにグルザールは“タダ”でいいと説得し、アフザルも共にシカラをダル湖に出しました。調査中、アフザルはアシファの作業を邪魔し、大切な機材を湖へ落としてしまいます。グルザールは慌てて湖の中へ飛び込みますが、淀んだ水の中では見つけ出すことができませんでした。

市街地では暴動が続いていて、グルザールの知人3人も犠牲になりました。グルザールとアフザルも足止めを食らったままです。翌日もグルザールはアシファをダル湖へ案内し、穏やかな彼にアシファも徐々に心を開いていきます。一方、ガサツで態度の悪いアフザルをアシファは拒みました。事実、アフザルは金のために悪事も働いていて、グルザールにも強引に手伝わせていました。
アシファはグルザールと2人で調査へ向かいます。ダル湖周囲の住民がごみを平気で湖面に捨てたり、洗剤を使用し湖で洗濯する様子を見てアシファは心を痛めます。違法建築の家が立ち並ぶ光景にグルザールは、湖を埋め立てて家を建てるのは昔からの慣習だと当然のように話しました。「それでも湖は消えないし、消えるのも運命」とのグルザールの言葉に、アシファは悲しさを覚え会話を止めました。

【転】- 聖者の谷のあらすじ3

アシファはすっかりグルザールに心を許し、迎えに来た彼を部屋に通し、自分が書いた研究論文を読ませる程になりました。グルザールもまた調査の途中、休憩がてらお茶をしようと家に招待します。家にはここ数日間寝泊まりしているアフザルもいました。アシファが本棚に興味を示したので、グルザールはシカラのレースなどで貰った表彰状や自作の詩を朗読して聞かせると、彼女も熱心に耳を傾けます。
便所を借りたアシファは、排せつ物が湖にそのまま流される構造を見て記録写真を撮りました。便所を修理すると申し訳なさそうに言ったグルザールにアシファは、コンポストトイレ(排泄物を堆肥化するトイレ)の作り方を紙に記します。湖の汚染が止まるはずだと薦めるアシファでしたが、話を聞いていたアフザルが「殺人、暴動、外出禁止で毎日を生きるのに精一杯。カシミールが欲しいのはこれじゃない」と横槍を入れ、紙を投げつけました。

あくる日、アフザルに自身の恋心をからかわれたうえに、「アシファはお前を召使い以下の存在にしか思っていない」と言われたグルザールは怒って彼を湖へ落としました。ケンカも知らないグルザールの行動に、アフザルは驚き呆然とします。

【結】- 聖者の谷のあらすじ4

調査を中断し帰国するよう父から促されたアシファが、危険な市街地の方まで行きたいと言うので、グルザールはシカラで向かいます。グルザールはダル湖誕生の神話をアシファに聞かせ、幼い頃に行ったという閉院された寺院へ連れて行き、2人だけの静かな時間が流れました。
調査中に汚水を浴びたアシファは体調を崩します。グルザールは厳戒態勢の市街地で薬を求め、アシファに届けました。この後アフザルと仕事(闇仕事)に行くグルザールに「彼とは距離を置くべきね」とアシファが言うと、「あなたには関係ない」と言い捨てグルザールは町へ向かいました。彼にとってアフザルはかけがえのない存在なのです。
しかし騒ぎが続く町でグルザールは暴動に巻き込まれ、アフザルの安否が不明になります。夜も眠れないグルザールに翌朝アシファから連絡が来ますが、電話には出ませんでした。

アフザルは警察に拘束されているものの無事が判明します。ラマダンによる外出禁止令の一時解除も決まり、グルザールは明日こそ出発しようとします。安堵したグルザールは湖の蓮の花を持ってアシファに会いに行きますが、客室はもぬけの殻でした。部屋にはコンポストトイレの作り方を記した紙と、謝礼金が残されていて、置手紙には“遠く離れても心に残り続ける。さよならは決して言わない”と綴られていました。手紙を読んだグルザールは我に返ったように帰宅し、コンポストトイレを作り、叔父に指摘されていた屋根の雨漏りも修理しました。

グルザールは警察に保釈金を払いアフザルを解放させ、2人でデリー行きのバスに乗りました。バスはどんどん進みますが、思い悩んだ末グルザールはアフザルに別れを告げて、突然バスを降りました。聖者はいないし、この世に完璧はない。それをこの湖が物語っているのだとグルザールは悟ったのです。
グルザールはようやく町に戻れた叔父を迎えに行き、いつものように叔父の脚をマッサージしてやりました。そして何かを思いながら、雨漏りの無くなった家で眠りにつきました。

みんなの感想

ライターの感想

あらすじも全く知らず、予備知識ゼロで鑑賞しました。ドキュメンタリーかと感じるような自然な雰囲気の作品でした。監督はそれを狙って制作したようです。
劇映画ではありますが、インドの政治情勢やダル湖の汚染は紛れもない真実であり、特に湖の淀みはひどく映像に映し出される度に顔をしかめてしまいました。“いい人”のグルザールでさえ、アシファに指摘されるまで湖の汚染は当然だと思っていたと言うのもまた、世相を反映させているのでしょう。恋を失い、友人を捨ててでも町に残り、叔父の脚をマッサージするグルザールにぐっと来ました。彼のような人間がいれば、水質汚染も改善していくのかもしれません。
インド独立分離についても全く知りませんでした。映画とは歴史の教科書のごとく…。痛感です。

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