映画:誰も知らない

「誰も知らない」のネタバレあらすじと結末

誰も知らないの紹介:2004年に製作された是枝裕和監督によるヒューマンドラマ。実際に起きた事件を原案に、母親の家出により生活が困窮していく子どもたちの姿を描いていく。主人公を演じた柳楽優弥の演技は高く評価され、第57回カンヌ国際映画祭では史上最年少で男優賞を獲得した。

あらすじ動画

誰も知らないの主な出演者

明(柳楽優弥)、紗希(韓英恵)、けい子(YOU)、京子(北浦愛)、茂(木村飛影)、ゆき(清水萌々子)

誰も知らないのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 誰も知らないのあらすじ1

舞台は日本、首都圏のとある2DKのアパート。このアパートに、五人家族が引っ越してくることから、物語は始まります。家族の構成は、母親の福島けい子、長男の明、長女の京子、次女のゆき、次男の茂。子どもたちは皆父親が異なり、出生届が提出されていない無戸籍状態にありました。子どもが多いことを理由に大家に敬遠されることを恐れて、けい子は表向きでは明との二人暮らしを装い、他の子どもたちの存在をひた隠しにして生きてきました。以前住んでいたアパートを出ることになったのは、幼く遊び盛りの茂が騒ぎすぎたためでした。そのため、けい子は子どもたちにある約束を守らせました。大きい声で騒がないこと、ベランダを含め外に出ないこと、そして、家で勉強することでした。けい子は子どもたちに学習ドリルをやらせていれば小学校に行く必要がないと考えていました。しかし、小学校高学年の年齢の明や京子は、学校に行きたいという思いを抱き続けていました。

朝から晩まで仕事で家を空けるけい子の代わりに、明と京子は協力し合って家事をこなしました。学校に行けない不満はありながらも、二人は家族が笑顔で暮らす生活に満足していました。陽気なけい子は子どもたちをよく笑わせ、子どもたちもそんなけい子と過ごす時間を楽しみました。しかし、明はけい子が悩みを抱えていることも知っていました。眠るけい子が涙を流しているところを、明は目撃していたのです。

ある夜、けい子が酔っ払って帰ってきたときのことでした。けい子は上機嫌で子どもたちと戯れ、自分のマニキュアを京子に塗ってあげました。以前からけい子のマニキュアに憧れていた京子は、自分の爪が綺麗な赤に塗られていく様子に胸を躍らせていました。

その翌日、けい子は当面の生活費を置いて家を出て行きました。明は、以前からけい子が明に打ち明けていた男性の元に行ったと確信します。明は京子たちにそのことは伏せ、けい子がしばらく帰ってこないことだけを伝えました。

けい子がいない間、明はなんとか家計をやりくりしようとしますが、けい子が残したお金は家賃や光熱費でほとんど消えてしまいました。そこで、明はけい子の元恋人たちの元を訪ねて援助を募りますが、得られたのはごくわずかなお金でした。

【承】- 誰も知らないのあらすじ2

現金が尽きそうになる中、けい子が突然戻ってきました。しかし、すぐにまた出てってしまうといいます。子どもたちはけい子とのわずかな時間を楽しみますが、そんな中、京子がけい子のマニキュアを落としてしまいます。京子はけい子に叱りつけられ、ひどく落ち込んでしまいました。

けい子が再び家を出たとき、明は駅まで付き添うこととなり、二人は電車の時間まで喫茶店で過ごしました。その場で、明はけい子の身勝手さを批判しました。けい子は明の痛烈な言葉に怒り、「私は幸せになっちゃいけないの?」と反論しました。明はその言葉に何も言葉を返しませんでした。

クリスマスまでに戻ってくる、というけい子の言葉を信じて、子どもたちは普段の生活に戻りました。しかし、クリスマスになってもけい子が帰ってくることはありませんでした。けい子から送ってもらったお金のおかげで、なんとか生活は続けられましたが、クリスマスが過ぎてしばらく経ってもけい子は帰ってきません。そこで、明はけい子の勤務先に連絡を入れました。すると、予想外の言葉が返ってきました。けい子はすでに会社を辞めたというのです。

けい子に連絡をつける方法はまだ残されていました。けい子が現金を送った封筒に書かれていた依頼主の住所を基に、明は電話番号案内サービスで電話番号を調べました。明はすぐに電話をかけますが、電話の向こうからは「山本です」と話すけい子の声が聞こえてきました。明はあまりのショックに、何も言葉を返さず電話を切ってしまいました。

明はこのことを誰にも打ち明けず、京子たちがけい子を恋しく思う気持ちを紛らわせる方法を考え始めました。明はけい子から届いたと嘘をついてお年玉を配り、ゆきと茂を喜ばせました。しかし、お年玉の封筒に書かれた字はけい子のもとのは明らかに違っていました。京子はそのことにすぐ気づきますが、明にその理由を尋ねようとはしませんでした。

ある夜、明はけい子の帰りを待ちわびるゆきを外に連れ出しました。駅の前でけい子が現れるのを心待ちにするゆきでしたが、この日もけい子は帰ってくることはありませんでした。その帰り道、二人は東京モノレールが走っていく光景を目にしました。いつかモノレールに乗って羽田に行って飛行機を見よう、明はゆきにそう約束しました。

【転】- 誰も知らないのあらすじ3

春が近づいてきた頃、明は近くの商店街で知り合った同年代の少年二人と親しくなりました。明は二人と遊ぶ時間を楽しみ、やがて二人は家に遊びに来るようになりました。しかし、二人はやや不良の傾向がある子どもで、真夜中まで明の家でゲームをして入り浸り、なにかと明にモノを奢らせようとしてきました。京子たちはぞんざいに扱われ、家はひどく散らかっていきました。あるときは、少年の一人が明にコンビニで万引きを強要しようとしてきたこともありました。しかし、そのコンビニは明が親しくしている店だったため、明は万引きを拒否しました。

明と少年二人の関係はすぐに終わりを迎えました。春になり、二人が中学生になると、ぱったり交流が途絶えたのです。それでも明は二人とまた遊ぼうとしますが、二人の態度は冷たいものでした。二人は明の家を臭くて散らかっていると陰口を叩き、二度と明と遊ぶことはありませんでした。

悪友と過ごした時間で現金は少なくなり、家は散らかり放題となっていました。けい子からの仕送りも長いこと届いておらず、かといって明はけい子に連絡しようともしませんでした。しかし、お金を得ようにも明は就労できる年齢に達しておらず、役所に助けを求めれば四人が離れ離れになる可能性が高い…明がこの状況に頭を抱えていると、京子がお年玉のお金を渡してきました。明は京子がピアノを買うためにこつこつお金を貯めていたことを知っていただけに、明は京子の行いに心を打たれました。

この出来事をきっかけに、明はもう一度京子たちと向き合うことを決めました。けい子との約束を破り、明たちは外に出て思い思いに遊びました。そして、四人はたくさんの土を拾って、ベランダで植物を育て始めました。しかし、その矢先に電気が突然使えなくなりました。長い間料金を滞納していたため、電力会社に止められたのです。やがて水道も止まり、明たちは近くの公園の水道水を利用し、コンビニの廃棄弁当を恵んでもらう生活を送り始めました。髪は伸び放題、すりきれた服ばかり着て、明たちの生活水準が著しく低下していきました。

そんなある日、明は紗希という名の女子高生と親しくなりました。紗希は高校でひどいイジメに遭っており、明たちと過ごす時間に安らぎを覚えるようになっていきました。紗希は金がないと話す明のために、あるバイトに手を出しました。紗希はすぐにお金を持って明の前に現れました。男の人と一緒にカラオケを歌っただけ、と言って笑顔で紗希はお金を渡そうとしてきましたが、明は受け取りを拒否してその場から逃げてしまうのでした。この出来事以来、紗希とは疎遠になってしまい、明は京子たちに八つ当たりをすることが多くなっていきました。

【結】- 誰も知らないのあらすじ4

そんなある日、苛立った明はけい子がもう帰ってこないと冷たく言い放ち、家を出て行きました。近くの小学校のグラウンドをぼんやりと眺めていると、明は突然野球部の監督に試合に出るよう頼まれました。部員が休み、試合のメンバーが足りないといいます。明は戸惑いながらも試合に出場し、その年頃の少年にふさわしい時間を楽しむのでした。

その後家に帰ると、ゆきが倒れていました。京子の話によれば、椅子から転落してから目を覚まさないといいます。明はゆきが死んでしまったことに気づきました。明は残された数十円を持って公衆電話に行き、けい子に電話をかけました。しかし、出たのは男性でした。男性はけい子に繋ごうとしてくれましたが、その間に通話時間が超過してしまい、電話は切れてしまいました。

明は紗希に連絡を取り、以前紗希がくれようとしたお金を貸して欲しいと頼みました。明はそのお金でゆきの大好きなアポロチョコを買いました。家に戻ると、明はつい先ほどけい子から届いたという現金の封筒に気づきました。「みんなをヨロシクネ!頼りにしてるわよ」…封筒の中には、けい子からの短い手紙も入っていました。

明は紗希の手も借りて、ゆきをスーツケースに入れました。この家に引っ越してきたときも、ゆきは身を隠すためにスーツケースに入っていました。しかし、ゆきはスーツケースに入り切らず、明は一回り大きなスーツケース出して、ゆきを入れ直しました。その様子を見ながら、京子は「背伸びたんだね、ゆき」と呟きました。

その夜、明と紗希はゆきが入ったスーツケースを持って東京モノレールに乗り、羽田空港に向かいました。明と紗希は飛行機が見える草原にしばらく座り込んでいました。そして、草原の土を掘り、そこにゆきが入ったスーツケースを埋めました。作業が終わると、明は冷たくなった沙希の体を気持ち悪く感じた、と正直な気持ちを明かしました。言葉に詰まる明の手に、紗希は自分の手をそっと重ねました。

二人が家路についたのは朝方のことでした。その後も、明たちの生活は変わりませんでした。公園で水を汲み、廃棄弁当を食べる…紗希もその手伝いに加わりました。その帰り道、明たちの上空を飛行機が飛んで行きました。明は思わず空を見上げるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

子どもたちの演技がとても自然体で、それだけに終盤にかけての衰弱した様子が痛々しかったです。特に、母と妹弟たちとの間で苦しむ明を演じた柳楽優弥は喜びや怒りだけでなく、役柄独特の複雑な感情を繊細に表現し、強い印象を残しています。

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