「逆光の頃」のネタバレあらすじ動画と結末

逆光の頃の紹介:1989年に刊行されたタナカカツキの処女漫画を、日本映画界期待の監督小林啓一が2017年に映画化。キャストには小林監督作で2度目の主演となる高杉真宙、葵わかな、清水尋也らフレッシュな俳優が顔を揃えた。古都・京都を舞台に主人公の孝豊が、夢と現実や日常と非日常を行き来する姿を鮮やかに描き出した青春の物語。PG12指定。

あらすじ動画

逆光の頃の主な出演者

赤田孝豊(高杉真宙)、立花みこと(葵わかな)、公平(清水尋也)、小島(金子大地)、みことの父(桃月庵白酒)、五月(佐津川愛美)、孝豊の父(田中壮太郎)

逆光の頃のネタバレあらすじ

【起】- 逆光の頃のあらすじ1

京都で生まれ育った高2の孝豊は、のんびり屋の少年です。父は截金職人という伝統工芸士、姉の五月は若くして小料理屋を切盛りする女将ながら、孝豊自身は穏やかでごく平凡な日々を送っています。孝豊は幼馴染で同い年のみことに、密かに想いを寄せていました。

「僕は歪んだ瓦の上で」
孝豊には風変わりな習慣がありました。障子から零れる眩しい朝日を瞬きもせずにじっと見つめ、目を閉じて瞼の裏に焼かれた像を確かめます。そして再び目を開けて、像と像を重ね合わせるという行為を布団の中で行っていました。ある朝孝豊はこれをしているうちに、遅刻しそうになります。
慌てて学校に向かおうとすると、同級生の公平に遭遇します。バンド活動する公平はライブ前に練習させてもらうために、模試をサボって店へ向かっていました。孝豊は秀才の公平がすることは理解できないと思いつつも、学校へ行くのをやめて公平が出演するライブを見に行きました。

ライブ後も2人は学校へは行かず川原へ。孝豊はビールを飲んだ公平と川に入り、水を掛け合ってじゃれ合います。この時の公平にはある思いがよぎっていました。その日の夕方。孝豊はみこととバッタリ会います。模試を受けなかった孝豊を心配したみことは、回答用紙を持ってきてくれました。

【承】- 逆光の頃のあらすじ2

翌日孝豊は嫌々ながら模試を受けますが、教室には今日も公平の姿がありません。公平が活動しているライブハウスは京都という土地柄、周辺からクレームが多く、閉店に追い込まれました。才能を認められた公平は、店のマスターに東京行きを勧められ、突然学校を辞めて京都を離れたのです。

五山送り火の夜。孝豊は屋根の瓦の上から大文字送り火を眺め、公平のことを考えていました。孝豊は東京へ行った公平が羨ましくも、京都の街が好きだと実感しています。この地域では大文字焼を水面に映し、その水を一気に飲み干すとよいという言い伝えがあり、みことが屋根まで盃を持ってきてくれます。“この子もいるしなぁ“と孝豊は、京都にいる意味を心の中で感じるのでした。

【転】- 逆光の頃のあらすじ3

「銀河系星電気」
夏休み。孝豊は1日に30個の英単語を覚えると決めます。自分の部屋の暑さや様々な誘惑から逃れることと、試験会場と単語を覚えた場所が同じなら、テストの時に思い出しやすいだろうと考え、誰もいない教室で勉強することにしました。
勉強中の机にバドミントンのシャトルが飛んできます。奇遇にもバド部のみことがシャトルを回収に来て、孝豊がここで勉強していることを知りました。部員のもとへ戻ったみことを、孝豊は愛しそうに教室の窓から眺めました。

その夜。五月の小料理屋で飲んでいた父を迎えに行ったみことは、五月から孝豊がまだ帰宅しないことを聞かされます。その頃孝豊は教室で居眠りしてしまい、既に校内は真っ暗。そこにみことが迎えに来ました。その直後警備員が作業する音が聞こえて来て、孝豊は突然ひそひそ声に。融通が利かないと知られる警備員に、男女2人でいるところを見られると厄介だと孝豊が言うのです。そこで2人は校内に隠れることにしました。

階段の踊り場に移動した2人は、隠れ続けることに成功しました。もう帰ろうとした時、窓の外には大きく明るい月が。2人は座り込んで月に見とれ、宇宙のことやちっぽけな自分について語り合いました。しばらくの間、2人は黙りこんで月を仰ぎ、「そろそろ行こかと」孝豊が座り込んでいるみことに手を差し出すと、不思議ないたずらが起きたのです。それは静電気でした。
帰り道孝豊は朦朧としながらも、みことを家へ送りました。「今日覚えた英単語も夜空に落ちて行ったのは、そのせいかな」と孝豊は呟くのでした。

【結】- 逆光の頃のあらすじ4

「金の糸」
ある日孝豊がみことといると、不良の同級生の小島に2人の関係をからかわれます。何も言い返せない孝豊に「あんな奴、ポカン(パンチの素振り)と出来ひんの?」と、みことは怒って先に帰ってしまいました。

数日後の雨の日。気の弱い生徒から傘を奪おうとしていた小島を見かけた孝豊は、見て見ぬふりをします。しかしその途中で孝豊は、その昔この辺りで父が極道の輩数名を相手に、愛する女性を巡って喧嘩をしたという話を思い出しました。意を決した孝豊は、小島を追って喧嘩を持ちかけます。ほぼ防戦一方の孝豊でしたが、数発パンチを喰らった小島は退散しました。その様子を見ていたみことが駆け寄ります。「やられっぱなしだった」と嘆く孝豊の手を、みことがそっと握りました。

いつもぼんやりしている孝豊が、痣だらけで帰宅したのを見た父は、多くは尋ねずとも密かに微笑んで、初めて孝豊に截金の手ほどきをしました。金箔を限りなく細く切り、毛筋ほどになった糸を、ふのりと膠で仏像などに貼り付けて装飾文様を作る作業です。伝承工芸というものは、見えないところに命を削らないといけないのだと、父はちょっと男らしくなった孝豊に語って聞かせました。

数年後。高校を卒業した孝豊は、今日も布団の中で、障子から零れる眩しい光を見つめていました。またもやぼうっとした孝豊は、デートに遅刻します。四条大橋で待っていたのは、みことでした。
孝豊は、結局どんなにあの像を見つめていても、消えてしまうと気づき、瞼の裏に妬かれたこの像をずっと覚えておくことにしました。そして重ね合わせることにしたのです。いつかの自分と、ここにいる自分を。

みんなの感想

ライターの感想

原作は読んだことがありませんが、漫画のコマ割りのような風景が映像で表現されていて、原作の画や内容を大切に扱ったのだろうと感じました。
時間を交錯させることによって、登場人物の感情がより強く感じられ、その手法が巧妙だと思いました。ストーリーに大きな起伏はなく、何気ない日々が静かに綴られるので、この手の作風が苦手な人も多いかもしれませんが、青春の甘酸っぱさが丁寧に描かれていて(しかも詩的!)、隠れた良作だと思いました。
「逆光」とは現実的な意味だけではなく、青春そのものの比喩なのではないかと感じました。

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