「遠き落日」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

遠き落日の紹介:1992年製作の日本映画。世界的な細菌学の権威として広く知られる野口英世の一生を、その母シカとの関係を通して感動的に描いた伝記ドラマ。脚本は「ぼく東綺譚(1992)」の新藤兼人が執筆。監督は「白い手」の神山征二郎、撮影は同作の飯村雅彦がそれぞれ担当。

遠き落日の主な出演者

野口シカ:三田佳子 野口英世:三上博史(少年時代:藤田哲也) 小林栄:仲代達矢 山内ヨネ子:牧瀬里穂 八子留太郎:田村高廣 野口佐代助:河原崎長一郎 北里柴三郎:長門裕之 渡部鼎:山城新伍 二瓶タケ:馬渕晴子 二瓶連一郎:篠田三郎 小林栄の妻:小林哲子 メリー夫人:ジュリー・ドレフュス 八子弥四郎:尾美としのり 八子民:原知佐子 二瓶シズ:石野真子 血脇守之助:山本圭 松島屋クマ:岩本多代 松島屋長平:樋浦勉 石塚三郎:安藤一夫 堀:ベンガル 大学教授:仲谷昇 牧師:草薙幸二郎 下宿のおばさん:春川ますみ 井上博一、佐原健二、倉崎青児、藤本喜久子、野口ふみえ、尾羽智加子、酒井寿、伊澤麻里矢 ほか

遠き落日のネタバレあらすじ

【起】– 遠き落日のあらすじ1

〝この映画を母に捧ぐ〟の字。

【文久三年(一八六三年)】

十歳の少女・野口シカは、福島県耶麻郡猪苗代町の出身です。そこは磐梯山と猪苗代湖に挟まれた、貧しい農村でした。シカの家は貧しいので、近所の家で年季奉公をしていました。幼い赤子を背負ったシカは、子守をしながら雪のなか川で水くみをすると自分の家に運びました。働き者のシカが自宅の用事もしているのを見て、年長の女性が心配します。

シカは背負っていた赤ん坊を女性に託すと、今度は重石を運び始めました。それを見た家の息子・二瓶連一郎が手伝ってやると言います。連一郎は家の若旦那に当たりますが、シカとそう年齢が変わらない少年です。

【明治元年(一八六八年)】

戊辰戦争が起きていました。農作業をしていた十五歳のシカは、その界隈で銃撃戦が始まったので急いで避難します。

〝会津藩は賊軍の汚名を着せられ、圧倒的な東征軍の追討をうけて敗走した。〟

シカは銃弾から逃れて家のなかへ避難しました。そこへ連一郎がやってくると、シカをかばいながら二人で押し入れに入ります。シカも連一郎も助かります。

連一郎はシカに好意を寄せていました。縁談が進んだ連一郎は、シカを嫁にしたかったと話します。シカは連一郎の両親に世話になったと言い、恐れ多いことだと答えました。

連一郎が嫁をもらいます。またシカも、小桧山佐代助と結婚しました。

【明治九年十一月九日】

シカは男児を出産し、清作と名付けます。(映画タイトル)

シカと佐代助のあいだには、清作よりも上に長女のイヌがいました。

それから一年ほどあとのこと。おぶっていた清作を背中からおろしたシカは、清作が動き回らぬよう竹籠に入れると外に出て、畑に野菜を取りに行きます。赤ん坊の清作は竹籠から這い出ると、囲炉裏に近づきました。清作の泣き声が変わったと、シカもイヌも気づきました。駆け付けると清作が炉端に落ちており、左手に火傷を負っていました。シカは急いで清作の小さな手を舐めます。

夫の佐代助が帰宅すると、清作が火傷を負ったと知り病院へ連れて行けと言います。しかし佐代助が酒を飲み歩いて金がないため、医者には連れて行けませんでした。

【五年後】

清作の左手は焼けただれてしまい、拳を開くことができませんでした。そのまま成長した清作は、学校に通い始めます。シカは自分の不注意で清作にケガをさせたことを、深く悔いていました。シカは農作業だけでなくどじょう取りやエビ取りをして、家計を支えています。

夫の佐代助は相変わらず、飲んだくれていました。賭場で金を返せず捕まっている夫を、シカは迎えに行きます。

学校で清作は、その左手が原因でいじめられることもありました。帰り道に同級生に追われる清作を見たシカは、エビ取りを中断していじめっ子を追いかけました。松嶋屋の息子・大吉を平手打ちにして親元に連れて行き、文句を言います。「仲良くしてくんせ」とシカが頼んだこともあり、その後は大吉は清作に親切にします。

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