「闇金ドッグス5」のネタバレあらすじと結末の感想

闇金ドッグス5の紹介:2017年1月公開の日本映画。闇金業界を舞台に、欲望渦巻く赤裸々な人間模様に迫った『闇金ドッグス』シリーズの第5弾。契約社員として働きながら、認知症の母の面倒をみる沼岸が解雇され…。

予告動画

闇金ドッグス5の主な出演者

須藤司(青木玄徳)、沼岸光夫(菅原大吉)、沼岸の母(美谷和枝)、椿原まなみ(牧野ステテコ)、安本康之(蒲生純一)、ジョン・キビマキ(副島淳)、五条礼(荒木宏文)、安藤忠臣(山田裕貴)

闇金ドッグス5のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①司の戸籍上の妻・まなみが借金をして行方不明に。ツケが回ってきてあせった司はまなみと連絡を取る。 ②契約社員の修理工・沼岸は認知症の母を抱え生活に苦しむ。解雇された沼岸は徘徊する母のために就職活動もできず生活保護受給を頼むが、間に入った貧困ビジネスの五条に騙され8万円抜かれることに。 ③沼岸の事情を知った忠臣と司が、福祉課の安本と五条をぶつけて和解金200万を得る。司の妻・まなみの借金返済をして円満離婚、残りは沼岸に渡すつもりだったが沼岸は母を連れて無理心中した。

【起】- 闇金ドッグス5のあらすじ1

安藤忠臣は若くしてヤクザの組長でしたが、あることがきっかけで足を洗い、闇の金融業を営むことになりました(映画『闇金ドッグス』参照)。
東京の大都心の雑居ビルに事務所を構えて、『ラストファイナンス』の仕事を順調にこなしていました。元ホストの須藤司というアルバイト店員も雇い、10日で3割、通称:トサンの利息を取って金を貸していました(映画『闇金ドッグス2』『闇金ドッグス3』参照)。その後、事務所を引き払う必要に迫られた忠臣は、横浜に拠点を移し、完済した元債務者の不動産物件に賃料を払って事務所を借りました。利息もトイチ(10日で1割)に変更し、闇金業を続けています。
事務所で、司が忠臣に「ヤクザとカタギ、どっちのが楽なんすかね」と質問します。「闇金始めてから思うんすよね。カタギの方が、よっぽど鬼なんじゃないかと」と付け足します。
忠臣は「そいつら(債務者)からむしり取るのが、俺らの仕事だ」と言いました。
そこへ、黒人のアフロの男性ジョン・キビマキが現れました…(映画『闇金ドッグス4』のラストシーンより)。

ジョン・キビマキは英語でべらべらまくし立てますが、実はたいした英語はしゃべっていません。「マザーファッカー」「ファック」程度です。
キビマキは黒人男性という見てくれと、英語で関門を高くしていますが、実は日本語の方が上手ななんちゃって(?)外国人でした。自分の英語や外見が通用しないと分かると、忠臣と司に本性を見せます。
忠臣が借りている事務所の物件のオーナーは、忠臣の元債務者でもあるわけですが、このたび借金で飛んだ(行方をくらませた)そうです。
そこでキビマキの所属するドリーム金融が、抵当権の第4位を押さえていました。キビマキは占有屋のバイトです。
(占有屋とは…競売物件を別の人が落札しても、そこへ居座り続けることによって、立ち退き料を請求する人のこと。物件を所持している人と住んでいる人が別の場合には、法的な手続きが面倒になり、それを逆手にとって和解金を得ようとする手口が、実際にある)
キビマキがつちのこ組がケツ持ち(後ろ盾)の占有屋と知った忠臣と司は、自分たちの商売に支障がないとみて、商売を続けます。なので、キビマキがちょろちょろと、用もないのに事務所に顔を出します。

元ホストの司のところへ、ある日電話がかかってきました。「椿原司」と呼ばれた司は、現在の自分の名字が椿原だと知ります。
「現在の自分の名字が椿原だと知ります」とは、なんと他人事と思うかもしれませんが、事実です。司は幾度となく結婚と離婚を繰り返していました。結婚して(婿養子として)奥さんの名字に変わっては消費者金融に金を借り、そしてまた離婚…というふうに繰り返しているうちに、今の名字が何だったのか分からなくなっていたのです。
そうこうしているうちに忠臣と再会し、忠臣のところでアルバイトで闇金融業をするようになっていました。
最後に結婚したのは、椿原まなみという中年女性です。まなみとは結婚してから会っていませんでした。

司を呼び出したのは、東西中央銀行ファイナンスの前原という男です。前原は「奥さんに貸した金を返してほしい」と言いました。まなみは現在、前原と連絡がつかなくなっているそうです。
司は、まなみの借金を自分が返す必要がないと訴えますが、前原に「特例がある」と言われます。

【承】- 闇金ドッグス5のあらすじ2

借りた金が「生活の使用目的」の場合は、婚姻関係にある者に借金の返済義務が生じるそうです。
まなみが借り入れた金額は50万円でした。しかも2年前の借金です。
遅延金が19万7256円で、合計69万7256円の返済を求められた司は、まなみの携帯に泣き落としの電話を入れます。
一方で前原に返せないと訴えますが、前原は「顧問弁護委に相談する」と言い出しました。司の今度の相手・前原は闇金融ではなく、正規の銀行系のものなので、裁判に持ち込めるわけです。
「5年で時効になっても、借金がなくなるわけじゃないですからね」と前原に言われた司は、なんとかせねばと思います。

その頃、司はまなみと連絡がつきました。まなみと会った司は離婚してくれと頼みますが(離婚すれば司に返済の義務はないから)、まなみは「一緒に借金を返そう」と言い、司が断ると結婚詐欺で訴えてやると息巻きます。
困った…と思っていた矢先、司は忠臣に、結婚相手のまなみも加えて「ある作戦」に参加しないかと持ちかけられました(この話は後で、いったん話をおいておきます)。

…家電製品の修理会社に勤務する中年男性・沼岸光夫が、司のところへ3万円借りにきます。沼岸は司が女性相手に作った『ウィーメンダイヤル』に電話して、借金をしに来たのです。
元ホストで女性相手には口が回る司ですが、中年男性の沼岸には、どう接してよいのか戸惑います。それでも接客し、3万円貸し付けました。
沼岸の借金は遊びのせいではなく、生活費に困ってのものでした。沼岸には認知症の母がおり、母ひとり子ひとりで、安アパートで暮らしています。
認知症の母は正気に戻る時もありますが、奇行に走る時もあり、沼岸は働きながらも心配していました。
出先でエアコンの修理をしていても、母からの電話は必ず出るようにしており、修理の手が遅くて開店までにエアコンが直りそうにないとみた、修理先の飲食業経営の女性は怒ります。勤務先の則本社長に叱られて、消沈して帰宅した沼岸を待つのは、部屋の中で傘を差した母の介護です。部屋は荒れていますし、ごみ出しもできていません。
疲れ果てて目覚まし時計をかけて寝ても、母が勝手に時計を流しに移動させ、朝からハンバーグを作っています。
母のせいでこのところ、沼岸は遅刻ばかり繰り返していました。

ある日、「仕事ができないんだから、トイレ掃除くらいして帰れ」と言われた沼岸が残業をして帰ると、家に母がいませんでした。母に徘徊の症状が出てきたのです。
疲れて帰宅した沼岸は、必死で近所を捜索しますが、見つかりませんでした。そこへ警察から電話がかかり、母の保護を知らせます。
沼岸は母のことを大事に思っていました。母が無事に見つかったことを手放しで喜びますがこうして徐々に沼岸は疲れていきます。
そしてある日、勤務先の則本ライフサービスから懲戒解雇の通知を受けました。遅刻や勤務態度の悪さ(仕事中に母からの電話を取る)を指摘され、沼岸は無職になります。
契約社員だったので退職金も出ず、失業手当もありません。

【転】- 闇金ドッグス5のあらすじ3

このままだと生活が立ちゆかなくなると考えた沼岸ですが、母に下された診断は「要介護2」でした。もの忘れはあっても生活に支障はないというレベルで、週2回ヘルパーが入浴介助にやってくる程度です。
要介護3になれば、特別養護老人ホームに母を入れることができます。しかし要介護2だと、自分で母の面倒をみなければなりません。
無職になった沼岸の収入は、「母の年金、月5万」のみです。
沼岸は再就職に動きますが、なかなか採用が決まらないばかりか、母の面倒をみるので精一杯です。
忠臣に借金の返済を催促され、ヘルパーに「生活保護の申請をしたらどうですか」と言われた沼岸は、役所の福祉課に行ってみました。

福祉課のケースワーカーの男性・安本康之は「介護は働けない理由にはならない」と言い、沼岸は門前払いを食らいます。
落胆して帰る沼岸に、優しい声をかけてきた男性がいました。
NPO法人『すまいるエンドレス』の理事・五条礼と名乗った男性は、自分の指示通りに動けば必ず生活保護を受けられると言います。
沼岸は藁にもすがる思いで、五条のアドバイスに従いました。まず、五条が差し出した契約書にサインをします。
「通帳残高は1万円以下にしろ」「自分名義の資産、不動産や車がある場合にはすべて他人名義に変更しろ」「就職活動を頑張っている証として、不採用通知の束を用意して福祉課窓口に見せろ」「鬱病の診断があれば生活保護が受けやすくなる。精神科の通院記録をもらえ」
五条が懇意にしている精神科医を紹介してもらった沼岸は、鬱病患者の診断結果を出してもらいました。そして鬱病の演技を練習します。

五条の指導を受けた沼岸は、後日再び福祉課の安本を訪れ「白いワニが」「死にたい」などと窓口で言います。
安本は沼岸の家を訪問し、汚部屋と認知症の母を見て、すぐに生活保護の認定をしました。
沼岸に月16万1千円の支給が決まります。母の介護代込みで、およそ月20万かかるので、母の年金5万円を足すと、生活ができると沼岸は喜びました。
ところが…沼岸に渡された金は、たった8万円でした。沼岸名義の通帳は『すまいるエンドレス』が握っています。
最初に沼岸がサインした契約書には、小さな文字で「手数料として向こう10年間、50%を手数料としてすまいるエンドレスに支払う」という文字が書かれていました。
だまされたと思った沼岸は通報すると言いますが、五条に「不正受給に加担したとバレたら、お前は永久に生活保護を受けられなくなる」と言われ、泣き寝入りするしかありませんでした。

困った沼岸は忠臣のところへ行き、追加の融資を求めます。
生活保護の申請を受け、母の年金と足して月21万の収入があると言い、さらに日雇いの仕事をすれば月30万は稼げると言って、借金返済能力があるようにみせかけて借金します。
この頃から母の容態が悪化しました。夜に暴れるようになった母を、寝袋に入れて軟禁状態にした沼岸は、母との無理心中も考えます。工具のドライバーを手にして母に振りかぶろうとした時、忠臣からの借金取り立ての電話を受けて、急いで行方をくらまします。
ほとぼりが冷めた夜中に帰って行くと、電気代未払いで送電が止められていました。
懐中電灯をつけて母のそばに駆け寄った沼岸は、暗がりの中に忠臣と司がいることに気づき、悲鳴を上げます。

【結】- 闇金ドッグス5のあらすじ4

捕まった沼岸は、たらいの水に顔をつける拷問を受けながら「だまされたのは私です」と言って、『すまいるエンドレス』の話をしました。
話を聞いて同情した黒人・キビマキが1万円札を渡そうとしますが、忠臣が「それでこいつの明日が変わるのか」と止めます。
司は『すまいるエンドレス』の事務所に行き、貧困ビジネスであることを告げて、沼岸の通帳を返すよう要求しますが、五条は「そっちはそっちで甘い汁を吸え」とはねつけました。
忠臣は「福祉課の安本を罠にはめて、こちらの味方につけたうえで『すまいるエンドレス』にぶつけ、金を巻き上げろ」と言います。

福祉課の安本を罠にはめる作戦は、当初は美人局(つつもたせ 女性に誘惑させて、ベッドインしたところに介入し、金を巻き上げたり脅したりすること)にするつもりでした。
忠臣は司に指示し、司の戸籍上の妻・まなみを呼び出します。
ところがやってきた女性が中年で、あまり美人ではないのを見て、忠臣とキビマキは「美人局作戦、…無理かも…」と思います。
試しに、役所帰りの安本に、まなみがぶつかって転げた振りをしますが(これをきっかけにして、なんとか美人局作戦に持ち込みたかった)、ぶつかった相手がブスと知ると、安本は相手にせずに立ち去りました。美人局作戦は失敗に終わります。

何か方法はないかと安本を尾行した司は、思わぬ弱みを握りました。安本は女子高校生と援助交際をしていたのです。
ホテルに入る動画を撮影した司は、安本にそれを見せて脅しました。妻子のある安本はおびえます。
その安本を『すまいるエンドレス』に突入させ、五条から和解金という名の口止め料200万を受け取らせた司は、『すまいるエンドレス』の事務所下で金を回収した後、証拠の動画を消去します。
司と別れた安本は「この調子ならばまだ脅し取れるのではないか」と考えて、もう一度『すまいるエンドレス』に突入しました。「今度はパーセンテージを決めて、ウィンウィンの関係で…」と切り出す安本を殴った五条は、さっきの200万円も返せと要求します。
安本がもう金を持ってないことを知った五条は、司のところまで行きますが、司は返す義理はないと言いました。
五条の方も訴えるわけにいかず、手を引きます。

200万円の臨時収入がラストファイナンスに入りました。
忠臣は70万円をまなみに渡し、司はその金で離婚届にサインしてもらいます。まなみの借金も返済できます。
残りの金は、司が沼岸宅へ持って行きました。しかし沼岸宅は留守でした。
その頃、将来を憂えた沼岸は、母を連れて海に出かけました。並んでおにぎりを母に食べさせながら、沼岸は「もう、生きられない。ここで終わりにしようか」とつぶやきます。
母が「かあちゃんと、いこうか」と答えました。
沼岸は母の首を絞め、その後、母をおぶって海に入ります。入水自殺です。

沼岸母子の死を知った司は「俺がここまで追い込んだんですかね」と落胆しました。
忠臣は少し黙った後「借金、取りっぱぐれないでよかったじゃねーか」と言います。
それを聞いた黒人・キビマキが「おめーら絶対天国行けねーよ」と言いますが、忠臣は「生きてようが死んでようが、客は客だ」と返しました。
司は臨時収入の札束を机に叩きつけます。思わぬ収入でしたが、後味の悪いものでした。

みんなの感想

ライターの感想

シリーズ中、最もディープな内容。特にメインの、沼岸のほう。
司のサイドの事情は、まあどちらかというとガス抜き要素みたいな感じ。
沼岸が必死になって母の介護をするのに、報われずにどんどん追い込まれて行くさまは、あまりにも悲惨で見ていられない。
でもこういうケース、実際にありそう…そして、近い将来、こういう問題に悩まされるのだろうな、と思わせられる。
少子高齢化、就労形態の問題など、いろんな要素を含んでいて、考えさせられる内容。
  • akakabeさんの感想

    映画を見て気づきました。沼岸が追い込まれていく様は、京都の鴨川で実際にあった事件で、ほんの数年前の事件です。ありそうな事件と数々のレビューを見てきてびっくりしています。実際の事件と母親のセリフが同じであったりしています。事件の方は息子は生きていましたが、裁判では法廷で裁判官が涙する場面も見られたそうです。

    ほんのつまみ食いといった感じの映画が高評価される映画だったと思われ、事件の母親と息子さんに失礼な映画だと思いますがね。

  • 匿名さんの感想

    もう事件はありました

    世の中を知らないですね。

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