映画:青い犬

「青い犬」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

青い犬の紹介:2018年のフランスの短編映画。第9回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル選出作で、監督はジェレミー・トルイとファニー・リアタール。主人公の息子役に『太陽のめざめ』のロッド・パラド。強迫性障害のために外に出られず、家の中を青色に染めている父。そんな父を思う息子は、偶然出会った少女に触発されある行動に出る。

あらすじ動画

青い犬の主な出演者

エミール(ミシェル・ピション)、ヨアン(ロッド・パラド)、ソラヤ(マリアム・マカロウ)

青い犬のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 青い犬のあらすじ1

中年のエミールは強迫性障害を患い、家から一歩も出ることができません。赤や黄色など青以外の色は恐怖に感じ、家具や壁など家中を青く染め上げています。団地でエミールと2人で暮らす息子のヨアンは、父を支えつつもこの現実に悩み続けていました。

ある夜、青いサリーを纏った少女ソラヤが団地内を歩いていました。その鮮やかな青色に惹かれたヨアンは、思わず彼女を追いかけます。ヨアンが後をつけてくるのに気付いたソラヤは彼を撒いた後、背後から声を掛けました。「何か用?」とソラヤに問われたヨアンは、“青いから”と正直に理由を答えますが、彼女に不審がられ、ついて来ないで欲しいと乞われます。それでも諦めきれなかったヨアンは懲りずにソラヤを追って、青色に執着しているのは父親だと一方的に打ち明けました。実はヨアンは以前もソラヤを見かけていて、彼女も青色が好きなのではないかと思い、今日も追っていたのです。それを聞いたソラヤは「青色は神の色よ」と穏やかに微笑みました。

【承】- 青い犬のあらすじ2

ヨアンはエミールの薬を買いに出かけますが、すでに処方箋の期限は切れており、ぐったりしながら戻りました。ヨアンが帰宅すると、エミールが団地中に聞こえるほどの大音量で音楽をかけていたため、苛立って注意します。そのうえエミールは、とうとう白い飼い犬まで青く染めていました。いつもはエミールの味方であるヨアンも流石にその行為に呆れますが、「この子(犬)のため」だとエミールは真剣でした。

飼い犬は青く染まったままですが、ヨアンは仕方なく散歩に連れて行きます。青い犬を見かけた団地の住人はそれに軽蔑することもなく、むしろそうせざるを得ないエミールを案じてくれました。
しかし外に行けば青く塗られた犬を珍しがって、見知らぬ人が集まって来ます。散歩の途中でヨアンは、小学校に弟を迎えに来ていたソラヤと遭遇します。青い犬を見たソラヤは、ヨアンの言っていたことが真実だと納得しました。ヨアンの弟が青い犬を気に入り散歩をしたがったため、ヨアンとソラヤも一緒に歩くことに。

【転】- 青い犬のあらすじ3

明るいソラヤの人柄にヨアンは心を許し、自分の不運さを嘆いてみます。ソラヤは親身になってヨアンの話に耳を傾けました。一方のソラヤは、タミル族(南インドやスリランカを中心に生活する民族)のダンス教室に参加していることを話してくれます。ソラヤ自身はコモロ(インド洋コモロ諸島の連合国)人ですが、民族を越えて仲間と交流しているのです。ソラヤはミュージックビデオの話題を出したヨアンに、ダンス教室の撮影を依頼しました。

ダンスの練習は団地の屋上で行われています。練習場所へヨアンを連れて行ったソラヤは、エミールのためにとヒンドゥー教の神であるクリシュナのカードを渡しました。クリシュナは全身が青い色をしている神で、このカードを持っていればきっと助けてくれるからとお守りの代わりにくれたのです。
友人もおらず人と接する機会があまりないヨアンは、ソラヤやダンス教室の仲間たちと楽しい時間を過ごします。屋上で嬉しそうな表情を浮かべるヨアンを、エミールは部屋の窓から眺めていました。

【結】- 青い犬のあらすじ4

部屋に戻ったヨアンは、一緒に過ごしていたのがソラヤという名前の少女であること、またその名の意味が“星々の美しさ”という意味であることをエミールに報告しました。

翌朝。ソラヤから勇気をもらったヨアンは行動に出ます。ヨアンはエミールの顔に青い絵の具を塗り、「これで守られている」と励ましました。そしてエミールと共に部屋の外へ出てみたのです。久々にエミールの姿を見た団地の住人は、青色の顔を見ても否定などせず、むしろエミールの前進に安堵したように静かに頷いてくれました。
ヨアンはエミールを団地の屋上へ連れて行きます。屋上で待っていたソラヤやダンス教室の仲間たちが笑顔で迎えてくれ、踊りを披露しました。エミールもその輪の中に混じってみると、自然と体がリズムを取り始めます。一歩ずつ前に進み出したエミールの姿をヨアンが優しく見つめていました。

みんなの感想

ライターの感想

クールさと静かさを感じさせる青色にこだわった映像に対し、色で言えばピンクを想像させる人々の優しさ。この対比がとても美しくて印象的でした。青に塗られたワンちゃんは気の毒で、見ているのが辛かったですが…。
人種や病気に偏見も差別もなく、登場人物全てが愛に溢れていて、短い上映時間ながら心が温まりました。本来であれば父が子に与えるべき優しいまなざしを、息子のヨアンを演じたロッド・パラドが見事に醸し出していて心に残りました。

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