映画:黙秘(1995年)

「黙秘(1995年)」のネタバレあらすじと結末

黙秘(1995年)の紹介:2度にわたって殺人容疑を掛けられたメイドの母と名うての記者となった娘の確執を描いた1995年米の人間ドラマ。原作はホラーの巨匠S・キングの「ドロレス・クレイボーン」。製作/監督は「愛と青春の旅だち」のテイラー・ハックフォード。主演は「ミザリー」「フライド・グリーン・トマト」のキャシー・ベイツ。共演は「ルームメイト」「マシニスト」のジェニファー・ジェイソン・リーなど。

あらすじ動画

黙秘(1995年)の主な出演者

ドロレス・クレイボーン(キャシー・ベイツ)、セリーナ・セントジョージ(ジェニファー・ジェイソン・リー/少女時代:エレン・ミュース)、ヴェラ・ドノヴァン(ジュディ・パーフィット)、ジョン・マッケイ警部(クリストファー・プラマー)、ジョー・セントジョージ(デヴィッド・ストラザーン)、フランク・スタムショー巡査(ジョン・C・ライリー)、編集長ピーター(エリック・ボゴシアン)など。

黙秘(1995年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①メイン州の小島で大富豪の老女ヴェラが階段から転落死し、住み込みの中年メイド ドロレス・クレイボーンが容疑者とされる。②彼女には20年前に事故死したDV夫ジョーの殺害容疑で不起訴となった過去があり、当時判決を不服としたマッケイ警部は、その後も執拗につきまとい、過去の事件と合わせて殺害を認めろと迫る。③彼から事件を知らされた娘セリーナは急遽NYから戻るが、記者としての命運を賭けた大仕事を狙い、のっぴきならない状況にある一方で、ドロレスによる父殺しという疑念がぬぐえないまま心を病み反目している。④母娘は共に勝気で偏屈で頑固、そしてなにより孤独だが、老いたヴェラも同様で、各々の夫の死によりドロレスは娘と決裂し、ヴェラは莫大な財産を得た。その2人がなぜか長年寄り添い、辿り着いた終焉が今回の事件という結果になったのだ。⑤果たしてドロレスは夫やヴェラを殺害したのか、当時13歳だったセリーナは何を知っているのか、その真実は20年前の日蝕の日に隠されていたのだ…。

【起】- 黙秘(1995年)のあらすじ1

黙秘(1995年)のシーン1 メイン州の小島に佇む白亜の豪邸。その2階で「ドロレス!止めて!」という老女のうめき声と揉みあう音がして、老女がまっさかさまに階段を転げ落ちてきます。
老女はその屋敷の女主人ヴェラ・ドノヴァン、階段の上ではメイドの中年女ドロレス・クレイボーンが震えていました。
ドロレスは虫の息のヴェラを見てキッチンへと走り、鍋やナイフを取ろうとして失敗、結局大理石の重たいのし棒を持って戻り、まだ息のあるヴェラに向って振り上げます。しかし躊躇ううちに郵便配達がやってきて止められヴェラは絶命、ドロレスは張りつめた糸が切れたように泣き出します。

一方、NYで名うての新聞記者として活躍するドロレスの娘 セリーナ・セントジョージは、記事を削られて激怒し、編集長のピーターに「アリゾナの医療ミス事件のネタを押えてる!本になる記事だから取材させて!」と迫りますが受け流され「あなたと寝なくなったから?!」と喰ってかかっていました。
その時、セリーナ宛に「富豪の老女殺される 容疑者はメイドのドロレス・クレイボーン」という地方紙の記事がファックスで届きますが、マジックで大きく「君のお母さんでは?」というメッセージが添えられていました。

セリーナは急ぎ帰郷して町役場に行き、担当となったメイン州警察のジョン・マッケイ警部に「ドロレス・クレイボーンはどこ?娘だけど」と声を掛けます。
マッケイ警部は懐かしそうに微笑み「お母さんは2階にいる。日蝕のあった1975年、13歳の君と会った。お父さんが亡くなった時担当しててね、公聴会で」と言い、フランク・スタムショー巡査を呼びます。
彼女は、高校の同級生でもあったフランクと手短に挨拶をして2階に行こうとしますが、彼はファックスの件を知らず、送り主は分らずじまいでした。
また「お母さんは正式には逮捕前(重要参考人)だが、ヴェラの死因は転落死で、屋敷にいたのはドロレスだけ。マッケイ警部も昨夜着いたばかりで、週末までに事件を整理し、月曜に審理がある」と話し、警部は「新聞記事よりいささか厄介なんだ」と付け足します。

ドロレスは存外元気で、セリーナとはすぐに気づかず、ぼやきながら片づけをしていました。
母娘は15年ぶりの再会を果たしますが、ドロレスが嬉しそうにしている反面、セリーナは仏頂面でしぶしぶハグに応じます。
またドロレスは「勝手に娘を呼んだのね!」と怒り「弁護士は要らない」と言い捨てます。

母娘はドロレスの自宅に戻る事となりますが、審理までの4日間は島を出ないよう注意されます。その移動の間もドロレスは、からかった子供を怒鳴りつけ、警部には終始ケンカ腰でした。
セリーナは「全員を敵に回すつもり?」と呆れますが、「悪態をつくのが”よすが(=拠り所/手段)”でね」と聞き流されます。
車中で遠回しに滞在期間を聞かれたセリーナは「事件を追ってて月曜にはアリゾナに向いたい」と言い、「ヴェラは殺してない」と言い張るドロレスに「のし棒を振り上げるのを見た目撃者もいる!母さんは容疑者なのよ!」とブチキレます。

ドロレスの自宅は小さなボロ家で、長年ヴェラ邸の住み込みメイドだったため廃屋同然、罵詈雑言の落書きだらけで窓も割られていました。
また電気と水道はありますが火力は薪で、キッチンも給湯も薪を使っています。また電話は3年前に止められたきりで、セリーナはモーテルに移ると言い出しますが、モーテルはシーズンオフで休業中、町で唯一のデブローホテルも火事で焼失したと言われ、電話ついでに買い出しに出る事に。
その間ドロレスは、20年前の夫の事件を思い出し、幼いセリーナとの思い出に想いを馳せながら、セリーナの部屋で彼女のカバンを整理しますが、薬が異常に多い事に気づき、セリーナが酒を買って来た事にも眉を顰めます。

夜、セリーナは食事中にも酒とタバコをやりながら記事を書き続けています。
ドロレスはかまわず食事をしながら「あなたの記事は全てスクラップブックに取ってあって、意地悪女のヴェラでさえ感心してた。大した成功だわ」と誉めつつも「飲み過ぎよ。酔っぱらいはもうたくさん」とぼやきます。
この母娘にとって”飲んだくれ”の話題は亡き父を意味するタブーでした。
セリーナはなぜ父が酒に溺れたのかと聞き、「皆を”惨め”にしたかったのよ」というドロレスに「だから殺したの?」と聞きます。しかし憤然と席を立った彼女にあれこれと言い訳し「ヴェラを殺してないなら問題は無い、殺したなら罰を受けるだけ。ともかく私たちは感動的な親子の再会はできないのよ」と言いますが、ドロレスは上の空で夫の幻を見ていました。

彼女の夫ジョーはしがない漁師で、その日も仏頂面で帰宅し、セリーナには冗談好きの父親として接しますが、ドロレスには冷ややかで、ズボンの尻の穴を笑われてムカつき「お前のオヤジはうちの使用人だった、お高くとまるなよ」と言い、隙を見て太い棒きれで背中をぶん殴ったのです。
彼女は息もできないほどの激痛を何とか堪えますが、ジョーは知らんぷりでセリーナと宿題をしたり、デザートを食べたりしていました。
そして夜、TVの前でふんぞり返って酒を呷っていたジョーは、ようやく動けるようになったドロレスが皿を落とすのを見てイヤミを言い「”デカ尻で料理ベタ、口だけが達者な女”だから猟師仲間にはバカにされ、お袋も結婚に反対だった」とぼやいてミルク壺で殴られ、血とミルクまみれになります。
ドロレスは薪割り斧を構えて「動くと頭をブチ割るわよ!」と怒鳴り、睨み合いになりますが、起き出して来たセリーナには口を揃えて「何でもない」といい、追い返します。
彼女は、怒り心頭のジョーに斧をやって顔を突き出し「殺すならひと思いに殺して!でもセリーナには跡を見せないで!どんなに性根が曲った男でも私を殴るのはあれが最後!今度殴ったらどっちかが墓場行きよ!」と凄んだのです。
その話を聞いたセリーナは泣いて怒り、部屋を出て行きます。

翌朝、ドロレスは海辺にいたセリーナを探し出し声を掛けますが、彼女はほとんど寝ておらず「この先どうするの?お金はあるの?警部の言う通り弁護士を雇わなきゃ」とイラついていました。
ドロレスは「年金が出るし、まだ働けるから大丈夫。それよりお前の事が心配」と言い「お前には迷惑かもしれないけど、お前は私の可愛い娘だから」とその頬を撫でます。
セリーナはその荒れた手を憐れみますが、ドロレスは「人の一生は手に表れる…これが22年間ヴェラに仕えた手よ」とこぼします。

ドロレスがヴェラ邸に面接に行ったのは22年前の夏。ヴェラは自らを”気難しい女主人”といい屋敷のルールを聞かせ、ドロレスはそれに従い気に入られたのです。
ルールは無茶で身勝手、家事の全てに事細かく決まり事がありました。中でも大量のシーツの洗濯は、乾燥機は使用禁止、物干し場まで長い階段を何往復もしなければならない過酷なもので、冬には酷いアカギレができたそうです。なのに給料はたった週40ドル、夫妻の留守中は週1の掃除で週12ドルでした。
ヴェラの夫ジャックは、その屋敷ではひと夏暮らしただけでしたが、ヴェラを完全に無視し、その冬に交通事故死したのです。夫の莫大な財産を相続したヴェラは、町の屋敷を売ってヴェラ邸に永住、その時からドロレスはフルタイムのメイドとして仕える事に。
セリーナは冷たく「たった40ドルでそんな目に。辞めればよかったのに」と言いますが、ドロレスはその金を「ジョーに内緒で、セリーナが今後島を出られるようにとコツコツ貯金してた」と打ち明けます。

その日はマッケイ警部とフランクがやってきて、鑑識用にドロレスの髪の毛が欲しいと言われ、やむなく応じる事に。
警部に「パートメイドの『ヴェラを殺すと何度も脅してた』という証言は本当か?」と聞かれたドロレスは「1時間おきに脅してやりたかったわ」と笑い、ニヤついてメモを取る警部に「でも言うのとやるのは全然違うのよ。そう奥さんに言われなかった?」と鼻で嗤い「妻は12年前に骨癌で死んだ。病死だよ」と言い返されます。
セリーナは「警部を敵に回してどういうつもりなの?!」と怒りますが、ドロレスは「あいつは昔から敵よ。本当にあいつを憶えてないの?」と聞き返します。

1975年、ジョーの事件の際、母娘を尋問したのはマッケイ警部でした。
当時13歳だったセリーナは、デブローホテルでバイトしていましたが、その日に限って夜勤だったため、普段口うるさいドロレスがなぜ夜勤を許したかが問題となったのです。
その場には保安官もいましたが、セリーナはマッケイ警部に厳しく詰問され、泣きながら「日蝕の晩は満室で夜勤を頼まれた。倍の時給がもらえると言ったら許された」と答えるのが精いっぱいでした。
ジョーの事故は、不仲だったドロレスによる殺害事件だと睨んでいたマッケイ警部は、ドロレスがセリーナに犯行を見られたくないがために夜勤をさせたと言うのです。
しかし付き添っていたドロレスが「父親が事故死したばかりの娘を苛めるなんて!”事故”を”事件”にして残業代を稼ぐ気ね!」と激高、警部は怒ってセリーナ単独での尋問を望みますが止められ、不起訴となったのです。
「今更敵に回さなくったって、とっくに敵なのよ」…ドロレスはイラついて割れた窓を斧で叩き割ります。

一方、セリーナは折を見ては町のバーから編集長に電話をしていましたが、勝手に担当を代えられてブチ切れ、バーで酒を呷っていました。
そこにマッケイ警部がやってきて「同情するよ。”母親を守る娘”…彼女は丈夫だからあと50年は生きる。次の日蝕は1996年だから、今度も無罪放免なら死ぬ前にもう1回人殺しができる」と一人ごちます。
彼は良心とか同情、一人者で仕事が生きがいの似た者同士だなどと話しますがスルーされ、ついには「これまで担当した86件の事件のうち、解決してないのはあんたの母親の事件だけだ。今度は挙げるぞ」と言い出します。
セリーナは「ファックスを送ったのはあなたね?」と言い、「神はいかなる秘密をもお見逃しにならない」とうそぶく彼を罵り出て行きます。

【承】- 黙秘(1995年)のあらすじ2

黙秘(1995年)のシーン2 その晩、ドロレスは昔のように薪コンロで料理を作り「昔のあんたは料理も上手くて仕事から戻ると掃除も宿題も済ませてた」とぼやき、「美人で頭がいいのに、いい人はいないの?」と聞きますが「行きずりだけよ」と言われます。
そこに町の不良が車で乗り付け、ライフルを撃ちながら「人殺し!島から出てけ!今度こそ電気椅子だ!」と騒ぎますが、ドロレスが斧を振りかざして撃退します。
しかしセリーナは、父親の事件での嫌がらせを思い出してパニックになり、泣きながら大量に薬を飲み「10分待って!元通りになるから!」と叫んでいました。当時の彼女は、握り潰したクリスマス飾りのかけらで自らの首を切り裂いたのです。
ドロレスは「あの時は興奮しただけよ!おまえはちゃんと立ち直った!」と言いますが、セリーナは「神経がイカれてたのよ!戻って来るんじゃなかった!」と怒って家を飛び出しますが、車がぬかるみにはまって終わります。
そのライトの光で、ドロレスは捜索の日の事を思い出します。
「何をしたの、ママ!」「何もしてないわ。本当よ」…そう、静かな声で答えた事を。

翌日、2人はヴェラ邸に行き、現場検証中だったマッケイ警部とフランクをやり過ごし、2階の彼女の住み込み部屋に行きますが、中は無惨に荒らされ、ビニールに入れられた証拠品が所狭しと並べられていました。
愕然とするドロレスの前で片づけ始めたセリーナは、幼い頃からの自分の写真の額を見てトランクに突っ込みます。
その間、マッケイ警部はヴェラの部屋の現金や有価証券を調べていて、入ってきたドロレスを怒鳴りますが、彼女は無視してスクラップブックを持ち去ろうします。
それはセリーナの記事のスクラップブックで、ヴェラに聞かせるためにその部屋にあったのです。
警部はそれを取り上げ読み始めますが、トップにあったジーン・ハリスを見て「完全犯罪を企んだ女だ」とニヤついたものの、ニクソンや著名人のインタビュー記事には思わず感嘆の声を漏らします。
一方ドロレスは生前のヴェラを思い出して目を潤ませ、使用済みのまま証拠テープを貼られた携帯便器を取り上げ「便器の始末もしてないの?!」と怒鳴って、警部の前に放り出して中身が飛び散り、睨み合いとなります。

帰りしな、マッケイ警部は「今度は逃げられんぞ!」と怒鳴りますが、ドロレスは「主人は”事故死”!法がそう判断したのよ!」「主人を殺す理由はいっぱいあったけど、ヴェラを殺す理由がない、私は仕事と小綺麗な部屋を失うのよ!」と言い返す彼女に「もう仕事は要らんだろ?160万ドルの大金は立派に殺しの動機になる」と言い放ちます。
ドロレスは愕然として言葉を失い、フランクは慌てて止めますが、警部は「ヴェラが『ドロレスに全財産を譲る』と遺書を残した」と言い「セリーナ、君も驚いたか?それとも知ってたのか?何せ8年前の日付だからな」と愉快そうに笑っていました。

ドロレスはスクラップブックを抱えて猛然と道を歩き出し、セリーナが「100万ドルを越える大金なのに、ほんとに知らなかったの?!」聞いても「あの性悪女!なんてことを!」と激怒していて話になりません。
しかしセリーナが「これで弁護士が雇えるわ」と言い出した途端、歩きを止めようやく振り向きますが、警部たちの車が通り掛かりからかわれます。
そこは屋敷の裏手の墓地で、「あの女!こんな事なら殺せばよかった!遺産なんか!」と言い続けるドロレスに、セリーナがわけを聞きます。

ここ10年、ヴェラは老衰と認知症で寝たきりとなり、つきっきりで介護してたのはドロレスだけでした。
ドロレスはやれ漏らしただの、怠けてただの、毒を盛ってるだの、陶器のブタちゃんを持って来いだの言うヴェラに、悪態をつきながらも根気よく付き合い、また時に老身を嘆いて落ち込むヴェラに「毒を盛るなんて面倒、殺すなら窓から突き落として一巻の終わりよ」と返して笑わせたりしていたのです。
陶器のブタの置物はヴェラのコレクションで、ドロレスは、そのオルゴールを聞かせるとおいおい泣いているヴェラの機嫌が直る事も知っています。

事件の日、ドロレスはブタの置物でヴェラを落ち着かせた後、お茶の用意をしにキッチンに行ったのですが、ヤカンを火にかけた直後に2階で物音がして、様子を見に行ったのです。
2階の廊下では、普段は介助無しでは動けないヴェラが、唯一動く左手で懸命に車椅子をこぎ、階段に向かって来るところでした。
ドロレスは笑って止めに入りますが、左手で殴打されてふらつき、階段の際で揉みあいになり、腕に噛みつかれ突き放した拍子に、ヴェラは階段を転げ落ちてしまったのです。
彼女は慌てて階段を駆け下り「お医者さんを呼ぶわ!」と声を掛けますが、ヴェラは蒼白の顔で頭や口から血を流し「医者はイヤ…病院もイヤよ」と呟いていました。
ドロレスは「じっとしてて、何も心配ないわ」と励ましますが、ヴェラは「ドロレス・クレイボーンが『心配ない』って?心強いわ」と笑い、反対にドロレスが「なぜこんなことを…」と泣き出してしまいます。
ヴェラは「臭い年寄りの自分に愛想が尽きたからよ…もう疲れた…死にたいのよ」と言い「お願い…手を貸して…私を死なせて…病院なんかで死ぬのはイヤよ…ここで殺して」とすがったのです。
そこで彼女はキッチンからのし棒をもって来て振り上げたのですが、蒼褪めた顔で仰向けに倒れ「本当に…私を助けたいと思うなら…早く殺して」と言う彼女にたじろぐうち、間が悪く郵便配達がやって来たのです。
話し終えたドロレスは「信じられない?」と聞きますが、セリーナは「どっちでもいい、問題は世間の見方よ」と言っただけでした。

帰宅したセリーナは早速ニューヨークの腕利き弁護士のリストを作り「決めるのには2、3日かかるから、月曜の審問は黙秘して」と言いますが、ドロレスは拒否して酒を注ぎ、「世間が何と思おうとかまわない、お前がどう思うかが私には大事なの」と言います。
セリーナは「なら刑務所に行くの?」と聞きますが、ドロレスは「あそこは極楽。寝て座って3度の食事が出る」と言い返します。
セリーナはイラつきながら荷物を片付け始めますが「母さんは惨めでいるのが好きなの?そもそもヴェラのような意地悪な性悪女の仕事をなぜ辞めなかったの?」と論い「傷付けられたら別れる、私はそうしてきた」と言った瞬間、「私が傷つけた?だから出てったの?」と聞かれ「父さんの話?あの話をしたいの?!飲んだくれでろくでなしだった…そして母さんを殴った。私は憶えてないけど、”死人に口無し”だもんね!」と怒鳴ります。

【転】- 黙秘(1995年)のあらすじ3

黙秘(1995年)のシーン3 「本当に覚えてないの?」…問題は、ジョーとドロレスがいかに最悪の関係だったかではなく、母娘間の長年のタブーであり、ジョーがセリーナに侵した罪だったのです。
ドロレスは再び逃げようとするセリーナを強引に引き留め「ここで向き合って、一緒に酒を飲んで、私がいいと言ったら2階に行って好きなだけ薬を飲むがいいわ!」と言い、グラスの酒を差し出します。

その問題は、飛び級するほど優秀だったセリーナの成績が突然ガタ落ちした事で発覚したのです。
その件を問い詰めてもセリーナは逃げるばかり、ジョーはきまり悪そうに庇うばかりで話しにならず、何かあったと感づいたドロレスは、バイト帰りのセリーナを掴まえ、フェリーに乗せて聞き出そうとしたのです。
ドロレスはそれを、ティーンにありがちな麻薬やドラッグ、望まぬ妊娠などを想定していたのですが、セリーナは触られる事を極端に嫌がって暴れ、その拍子に首にかけていたカメオのペンダントがこぼれ出てしまいます。それはジョーの母親の遺品で彼の宝物でした。
ドロレスは盗んだのかと問い詰めたのですが「”私の”よ!」と怒鳴られ、父娘の間に何かあったと察します。

また一方では、ジョーに内緒でコツコツ貯めていた約3000ドルのセリーナ名義の養育貯金が、知らぬ間に解約されていたのです。
ドロレスは銀行に乗り込んで支店長を問い詰めますが「ご主人が解約された」「子供名義の養育貯金は、親であれば引き出せる」と言われます。
当然彼女は「私が口座を開いて通帳を管理し、長年積み立ててきた全財産なのに、私に一切連絡も無しで夫に解約させるなんて!」と激怒したのですが、ジョーはまず通帳の紛失届を出したと知らされ、「違法ではなく通常の銀行業務」と言い捨てられます。
キレて追い出されそうになった彼女は「私が女だから?…逆に私が通帳を無くしたと言って長年貯めた金を引き出したら?あなたは夫に連絡したんでしょ?…助けると思って教えて」とすがり、ジョーが別の口座を開いて金を移した事を聞き出します。

ドロレスはそれでも出勤していましたが、その日は日蝕前日で、屋敷では日蝕見物のゲストのために何十人ものメイドが入り、大忙しの真っ最中でした。
ヴェラは嬉々としてメイドたちに指図し、ドロレスにも何度も声を掛けますが、彼女はぼんやりと浮かない顔で上の空、やがて泣き崩れてしまいます。
ヴェラは部屋で彼女と2人きりになり「奥様、すみません」とすすり泣くドロレスに「私の前で涙を流したけりゃヴェラと呼んで」と言い、事情を聞きます。
ドロレスは、まず夫に貯金を取られた話をしますが、「私に泣きつかないで。あいにく現金は無いの。株でも買う気だったの?」と突き放され、カッとして「今夜、娘と逃げるためのお金よ!」と白状します。
ヴェラは改めて「それはドラマチックね。なぜ急に?深刻な問題があるの?」と聞き、ドロレスはやむなくフェリーでの出来事を打ち明けます。
その時ドロレスは「パパにいやらしい事をされたの?!」と聞いたのですが、追い詰められたセリーナは「ほっといて!クソ女!」と怒鳴ってドロレスを引っぱたいたのです。

聞いていたセリーナは「正気なの?!このクソ女!イカレてるわ!あんたの妄想よ!」と怒鳴り「母さんこそ父さんを殴った!父さんが頭から血を流してるのを今でも覚えてる!警部の言うとおり危険な女だわ!」と怒鳴って部屋にこもってしまいます。
それはあの日蝕前日の朝と同じ光景でした。
あの朝、13歳のセリーナは「ホテルが日蝕で手が足りないの!2、3日だけよ!」と叫んで家を飛び出し、ドロレスは草むらの中を必死で追い掛けたのですが、足元が崩れてつまづき逃げられてしまったのです。
それは古い枯れ井戸で、朽ち果てた木蓋と草に埋もれて見えなかったのです。

翌朝早く起き出してきたセリーナは、いつも通りの仏頂面で「アリゾナに行かないと。大事な記事なの」と言いますが、寝ずに待っていたドロレスも「分ってる。荷物はまとめておいたし、コーヒーはコンロの上」と言っただけでした。
テラスにはマッケイ警部の報告書が届いていましたが、ドロレスは「いらないわ」と言いセリーナが持って出ます。
「弁護士を手配するから電話を通じさせといて。報告書は弁護士にファックスしてここに電話させる。弁護士の言うとおりにして」そして「死刑がよけりゃ明日の審理で噛みついて!…許して。悪態が生きる”よすが”なの」…セリーナはそう言い残し、車で去って行きます。
セリーナはフェリー乗り場に向かいますが、ノートパソコンの裏に貼り付けられた自分宛てのカセットテープに気づいて、舌打ちしながらカーステレオで聞き始めます。
それはドロレスから彼女へのボイスメッセージでした。
「朝になればお前は出て行って、アリゾナでこれを聞く。全ては終わってる。弁護士の事は忘れて。明日私はあの連中に全て話すつもりよ」…

ヴェラは、「娘は”何も無かった”って言うけど、泣き叫んだのが証拠だわ。私が気づくべきだった」とこぼし始めたドロレスに「ファックされたの?!」と聞きます。
ドロレスは少し考え「分らない…でもいずれそうなるわ。夫は明日漁から戻るから、その前にあの3000ドルで遠くまで逃げようと思ったの」と打ち明けます。
ヴェラは「島からろくに出た事も無いあなたが、どこに逃げようっていうの?すぐ見つかってしまうわ!」「悲しいけど、この世は男の世界なのよ」と言い「私がバカなのよ」というドロレスにきっぱりと「いいえ!」と言います。
そして「毎日どこかで夫が死んでる。あなたがそこで泣いてるこの瞬間にも」「夫は死んでも財産を妻に残す…私は経験済みよ」と鼻で嗤いますが、その目には涙が滲み「愛人のアパートから戻る途中、ブレーキが故障…ドロレス!事故は不幸な女のいい友だちよ」と言い切った瞬間、涙がこぼれ落ちます。

いよいよ日蝕当日。
ヴェラ邸にはNYの人気バンドが呼ばれ、盛大なパーティが始まります。ヴェラは大勢のセレブたちに声を掛け、華やかにそして上機嫌に振る舞っています。
やがて彼女は、立ち働いていたドロレスにも声を掛け「なにも申し分ないわ。お前はお帰り」「滅多に無い日蝕よ。ご主人と楽しんで」と言い観測セットを渡します。
その意味を察したドロレスは一瞬戸惑いますが、ヴェラは彼女の目を真っ直ぐ見つめて「いいこと?ドロレス。生き残るために悪女になる事も必要よ…『それを生きる”よすが”とする』悲しい女もいるのよ」と囁きます。
ドロレスは小声でヴェラと呼んで礼を言い、観測セットを受け取ります。
ヴェラはいつもの華やかな表情に戻り「片付けは心配しないで早くお帰りなさい。日蝕が始まるのは5時よ」と言い、ゲストの中に戻って行きました。

町中が日蝕で盛り上がる中、ドロレスはメイド服のままスーパーで山ほど買い物をして帰宅し、帰っていたジョーに「今日は休みになったの。お帰りなさい」と声を掛けます。
ジョーは開口一番にセリーナの所在を聞きますが、バイトに行ったと聞いて、いつものイヤミったらしい口調に戻り、日蝕が祝いたいというドロレスをバカにしますが、買い物袋から酒瓶を取り出したところでニヤつき、誘いに乗ります。
その間にも太陽は徐々に欠け始め、海辺には町中の人々が集まり、海上にも何十艘ものヨットやボートが、陽気な汽笛を鳴らしながら犇めいています。
ドロレスは花柄のワンピースに着替えてツマミを出し、夫婦水入らずのぎこちない日蝕見物が始まります。
太陽が残りわずかとなった頃、ジョーはすっかりへべれけで、キッチンでぼんやり洗い物をしていたドロレスに声を掛け、観測セットで遊び始めます。

ドロレスはテラスの柱にもたれて貯金の件を切り出し「娘の養育費に手を付けるなんて!」と詰め寄ります。
ジョーは嗤って開き直り「あんなはした金、尻を拭く紙代にもならねぇ!」とうそぶきますが「銀行を騙して金を横領したのは法律違反」と言われ青くなります。
彼女は続けて「口座のお金は取り戻したの。あんたの使った500ドル以外はね。このファック野郎!”お道具”は”立たない”けどね!」と罵り、ブチ切れたジョーは、彼女の首を絞め仰向けに庭に突き落とします。

彼女は暫し動けなくなりますが、金のありかを聞かれ「畑に埋めた」と言い靴を脱ぎます。ジョーは「掘り出して俺に返せ!」と叫んでドロレスを引っ掴み、草むらへと引きずって行こうとしますが、ドロレスは大声で「仲間の前ではデカいこと言って!あんたが手を出してるのは13歳の自分の娘だってことを連中にバラしてやる!」と叫びます。
ジョーは一瞬ひるんで何のことだ?ととぼけますが、「あの子はウソつきで男好きだ!これまで育ててやったのに、汚いウソつきやがって!ベルトで引っぱたいてやる!」と言い出します。

ドロレスは「ひどい父親…」と目を潤ませ「あんたはショーシャンク刑務所行きよ!少女暴行罪でね!」と叫んで草むらへと駆け出します。
彼女はジョーを振り払いながら井戸の手前で大きくジャンプし、ジョーは井戸の蓋を踏み抜きますが、残っていた太い木にしがみつき落下を免れます。
彼はもがいて井戸のヘリを掴もうとしますがもろもろと崩れ、ドロレスに助けを求めます。
彼女はガクガクと震えながら彼の背後に廻り、太陽を背にして立ちすくみます。
ジョーは散々罵り大声で助けを呼びますが、日蝕で盛り上がる船の汽笛に打ち消されるうち、木がへし折れ深い井戸の底へと落下します。
「俺を見捨てる気か!このクソ女!!」…それがジョーの最期の言葉でした。

その瞬間、彼女は大きく身震いし背後の太陽を見上げます。
完全日蝕となった太陽は最後の光が消え、周囲は6分半の暗闇となり、その間ドロレスは物置に懐中電灯を取りに走り、日輪の怪しい光が差す中、井戸の底を照らします。
「日蝕は”ちょっと暗くなる”だけでは無く美しかった」…
その後彼女は、その時の服を焼き、酒瓶を井戸の近くに捨て「夫を見なかったか」と聞いて歩き、完全犯罪は成功したのです。しつこいマッケイ警部以外は。

「これが真相よ。もう誰に知られようと構わない。大事な事は、お前が無事でいてくれることなの…お前と自分にウソをついた、そのツケを払うわ」
ドロレスのメッセージはそこで終わっていました。

フェリーはセリーナを乗せて出港しますが、彼女は某かを思い、埠頭に現われたマッケイ警部を睨みつけます。
船内のカウンターで熱いコーヒーを買った彼女は、隣であの時のジョーがコーヒーとココアを買っている幻を見て、後を尾けます。
甲板の隅の人目につかないベンチには、13歳のセリーナが凍えていました。
ジョーはいつも通りの口ぶりで彼女にココアを勧め、周囲を気にしながら「俺がやったプレゼント気に入ったか?」と言い彼女の胸元に手を差し入れてカメオのペンダントを取り出します。
そして「大事にしろよ。俺の母さんの母さんの物をやったんだ、特別のプレゼントだぞ」と言って頬を撫で、嫌がる彼女の手を取ってズボンの中に入れさせ「どうするか教えたろ?」と囁きます。
13歳のセリーナは抵抗を諦め、空虚な眼でそれに応じ、ジョーが喘ぎ始めますが、現在のセリーナは誰かに肩を掴まれ正気に返ります。
それはコーヒーを淹れていた老人で、お釣りを届けに来たのですが、彼女は動揺して洗面所に駆け込み顔を洗いますが、鏡に映った自分の”後姿”を見て慌てて出て行きます。

【結】- 黙秘(1995年)のあらすじ4

黙秘(1995年)のシーン2 月曜日。審問は、マッケイ警部の他、フランクと判事が立ち会い、ドロレスは弁護士のいないまま「ヴェラに『殺してくれ』と頼まれたから殺す気だったが、自信は無かった」と打ち明けますが、警部が皮肉交じりで「以前から殺すと脅していたのは本当か」と聞いたところでセリーナが現れ、判事に非公開審理だからと追い出されそうになります。
彼女は記者らしいきっぱりとした態度で「弁護士もいないその女は私の母親だ。娘には立ち会う権利がある」と主張し、審理に加わります。

彼女はまず「警部が作成した証拠書類は不完全で、ドロレスとヴェラは愛し合ってた」と言い、一同の度肝を抜きます。
マッケイ警部は下卑た笑いを浮かべ、ふざけた口調で「15年前に一度ヴェラ邸を訪ねただけのあんたが、2人の関係に気づいたというのか」と問い質しますが、セリーナは「22年間、2人だけで肩を寄せ合い、この10年は24時間365日たった週給80ドルで、付きっきりで介護してた。他にもいい仕事があるのに、なぜ22年間も地獄に耐える必要があったのか。自分に限らず誰も2人に興味を持たなかったし訪ねもしなかった。それが愛情無くして成り立つものか」と反論します。

マッケイ警部はそこで160万ドルの遺産の話を持ち出し「8年前にそれを知らされたからこそ、薄給でも耐えたんだ」とうそぶきますが、セリーナは逆に「母はその事実を知らなかった。ましてや母に殺意があったなら、8年前に殺してたはず。8年間も辛い介護に耐える理由がない」と主張、遺産の話を切り出された時のドロレスの様子をフランクに聞きます。
彼は警部の目配せをげんなりした顔で受け流し、正直に「ドロレスは遺産の話を聞いて驚いていた」と証言します。
また判事に改めて遺産の件を聞かれたドロレスは、「ヴェラは日頃から『財産は全てあの世まで持ってく。お前には汚れた洗濯物を残してね』と言ってた」と話します。

セリーナは「この8年間、身動きできぬ老人を殺すチャンスなどいくらでもあった。なのに、なぜか8年間もシモの世話をした挙句、階段から突き落とし事故に見せかけようとした。しかも決まって郵便配達が来る正午過ぎに、わざわざのし棒で叩き殺すなんて、全く意味がない」と主張し、それでも「パニックになったからだ!動転してたんだ!」と怒鳴って押し通そうとする警部に「なぜそれがわかるの?!」と詰め寄ります。
警部は「(刑事生活)40年の経験上だ!」と言い返しますが、セリーナは「その40年の経験の中で、唯一”ドロレスによる夫殺害事件”が黒星(負け/誤認捜査)だった腹いせのために、ドロレスにつきまとい、ヴェラの事故を事件とし、犯罪者に仕立てたがってる」と反論します。
警部は言葉に詰まり、その一件を知らされてなかった判事は激怒、警部はやむなく「20年前の夫殺しは事件ではなく事故だった」と認めます。

セリーナは改めて「18年前、父は酔って井戸に落ちたが、警部がそれを事故死と考えなかったことが今回の事件の根底にある」と言い、「君はどう思うのかね?」とニヤつく警部に「これまであなたを罵った事をお詫びする。私も過去18年間、母を疑い、罪を負わせ続けた。でもこれはヴェラの事件で父の事件じゃない。あなたはどうであれ、私は18年間一日たりとも父の事件を考えなかった日はない。でも間違ってた、精根尽きた。娘がもう止めると言ってるのに、あなたはどうなの?」と問いかけます。
警部は言葉に詰まりますが、セリーナは「母はヴェラを殺してない。散々調べてもその証拠はなく、30ページにも及ぶ”自殺”の報告書があるだけ。あなたの良心に伺うわ。ドロレス・クレイボーン以外にこれほど追求した事がある?」と聞きます。
警部は声を震わせ「報告書は真実だ!」と呻きますが、セリーナは「裁判に持ち込んだらまたあなたが負けるわ。NYにはあなたの申し立てを崩してくれる弁護士は大勢いる。40年の経歴を黒星で終わらせたいの?」と言い、ドロレスに手を差し伸べ「母さん、行くのよ。もう誰も何もしないわ。終わりよ」と退室を促します。
判事は、黙り込んだままの警部に「君の事件だ。あとは任せる」と言って審問を終わります。

母娘はその足でフェリー乗り場に行き、セリーナは「アリゾナの話はウソだった、記事も本の話も流れたの」と打ち明けます。
そして18年前の彼女の首の傷を指でなぞり「これからも心配させるの?」と言うドロレスに、「母さんが何を思って何をしたのか…でも私のためだった…二度と離れないで」と言い、強く抱きしめます。
ドロレスは娘を抱きしめ「行って。いつもそばにいるわ」と言い、見送ります。
母娘は初めて少し笑顔を浮かべて手を振り合い、互いの生活へと戻って行きました。

みんなの感想

ライターの感想

原作は、そもそもキャシー・ベイツを想定して書かれた物だそうで、冒頭、飲んだくれ亭主に斧で迫る場面では、皮肉屋のキングらしいやとほくそ笑んだのですが、さにあらん、初老に差し掛かったベイツの(これでも十分すぎるくらい)抑えた演技にグッと来て「なぜドロレスが凶行に及んだか、そして及ばなかったか」が凄まじい説得力で迫る作品です。
飲んだくれの暴力亭主とはいえ暴行シーンはたったの2回、さすがアメリカと言うべきかキャシー・ベイツと言うべきか、妻の反撃にビビりつつ、幼い娘(エレン・ミュース)や女房の虎の子に手をつけた挙句、口先で貶す事しかできない夫役デヴィッド・ストラザーンのダメ亭主っぷりも見事です。
「ルームメイト」でもゾッとする女を演じたジェニファー・ジェイソン・リーの壊れっぷりも見事ですが、特筆すべきは大富豪ヴェラ役ジュディ・パーフィット。富豪の夫の影で華やかな女主人ライフを満喫するも愛情のかけらも無い夫に愛想をつかし完全犯罪に至るという悪女ですが、老後の無惨な姿は実に憐れで、心揺さぶられました。
「ペットセメタリー」にもあった”そそのかし”…絶望と失意の果てのその一押しに、自分はそれでも打ち勝つ強さがあるだろうかと考えさせられる1本です。

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