映画:25時

「25時」のネタバレあらすじと結末

25時の紹介:2002年制作のアメリカ映画。スパイク・リーの監督作品で、デイヴィッド・ベニオフの同名小説を基にしている。出演はエドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ペッパーが務めている。日本公開は2004年。

あらすじ動画

25時の主な出演者

モンゴメリー・ブローガン(エドワード・ノートン)、ジェイコブ・エリンスキー(フィリップ・シーモア・ホフマン)、フランク・スラッテリー(バリー・ペッパー)、ナチュレル・リヴェラ(ロザリオ・ドーソン)、メアリー・ダヌンツィオ(アンナ・パキン)、ジェームズ・ブローガン(ブライアン・コックス)

25時のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 25時のあらすじ1

25時のシーン1 9.11後の深夜のニューヨーク。
31歳のドラッグ・ディーラーのモンゴメリー・ブローガン(通称モンティ)は、ロシアン・マフィアの仲間コンスタンティン・ノヴォッツィ(通称コースチャ)と共に、車を走らせていました。
モンティは道端で瀕死の状態で横たわっている中型犬を見つけます。犬は飼い主にタバコを押し当てられるなどの虐待を受けて、血まみれの状態で捨てられてしまったのです。
モンティはコースチャから銃を取り上げ、苦しみながら死ぬよりはマシだと言って犬を撃ち殺そうとします。
しかし、虫の息だったはずの犬は起き上がり、モンティを警戒して牙をむけたのです。こんな状態でも生きようと必死になっている犬を気に入ったモンティは、動物病院へ連れて行くことにします。
コースチャは「悪くなるものは悪くなっていく」というマーフィーの法則の有名なフレーズを例に挙げて、犬を飼うことに反対します。しかし、モンティは彼の忠告を振り切って、犬の運命を引き受けるのでした。

回復した犬はドイルと名付けられ、モンティの相棒となりました。
早朝、カール・シュルツ公園でイーストリバーを眺めていたモンティのところへ、一人の麻薬中毒者が近づいてきます。
常連客である男は、ヘロインが切れたから売ってほしいと懇願しますが、モンティはハーレムへ行けと冷たくあしらいます。
黒人街に行きたくないと泣きつく常連客に、モンティは麻薬密売の容疑で刑が確定して、刑務所に収監されるのでもう売れないと告げるのでした。
モンティはすでに警察の管理下にあり、明日の朝には刑務所へ出頭することになっていました。残された25時間のうちに、するべきことを済ませようとしていたのです。

まずモンティはドイルを連れて、母校のコヴェントリー進学高校にやってきます。
ここでは幼馴染の親友であるジェイコブ・エリンスキーが、英語教師として働いていました。
著名な卒業生の写真が飾られているケースの中には、バスケットボール部の選抜メンバーだったモンティのなつかしい写真もありました。
かつてのモンティは奨学金をもらうほど優秀な生徒でした。通りすがりの教師曰く、試合で残した記録も最近ようやく破られたばかりでした。

ジェイコブは授業の最中で、突然ドイルと一緒に乱入してきたモンティに驚きます。
モンティは今夜おこなう自分の送別会に、親友のフランク・スラッテリーを伴っていつもの店に来てほしいと伝えて去って行きます。
ジェイコブは中断した授業を再開しようとしますが、ベルが鳴ると生徒たちは一斉に教室を後にするのでした。
冴えないジェイコブは、生徒たちから軽視されていました。なかでも17歳の女子生徒のメアリー・ダヌンツィオは、成績を上げさせるためにジェイコブに色目を使う始末でした。

教員用の談話室で一人悩んでいたジェイコブの元に、メアリーがやってきます。
メアリーは先日提出したレポートの採点に不満があり、文句をつけに来たのです。実際には参列していない祖母の葬式のことを書いた男子生徒の評価はA+(最高)で、何故自分はB+なのかと詰め寄ります。
教員という立場であるにもかかわらず彼女に惹かれているジェイコブは、混乱しながらも必死に評価の基準を説明しました。
評価が変わることがないと悟ったメアリーは、不平不満を漏らしながら部屋を出て行くのでした。

フランクは株のディーラーとして、ウォールストリートで働いています。
日々秒刻みの業務に追われているフランクは、ジェイコブからの電話にもまともに応対しませんでした。
頭の固い上司が選んだ株を売るように命令されますが、彼は自分の分析力を信じて上司を出し抜きました。同僚が上司の言う通りにするよう忠告してきますが、フランクは聞く耳を持たず株を見守ります。
しばらくすると、フランクが買い集めた株が急騰したというニュースが流れて、職場は大騒ぎになります。一人莫大な利益を生み出した彼は、してやったりとほくそ笑むのでした。

【承】- 25時のあらすじ2

25時のシーン2 モンティが自宅の高級アパートに戻ってくると、恋人のナチュレル・リヴェラが心配して待っていました。
ナチュレルがモンティに今の気持ちを尋ねると、モンティは逃げられないなら頭に弾丸を撃ち込みたいとこぼします。当然そんなことは許されないので、麻薬密売組織のボスに挨拶をしてから、親友たちと朝まで過ごすのだと答えました。
ナチュレルは2人にとって最後の夜なので一緒にいたいとせがみますが、モンティはつれない態度をとります。
ナチュレルが風呂に入っている間、モンティはDEA(麻薬取締局)のフルード捜査官たちが、令状を持ってやってきた日のことを思い出していました。

あの夜、モンティは抜き打ちの捜査に心底動揺していました。
ソファのシートクッションに隠していた大量の麻薬と札束を押収されたモンティは、その場で逮捕されてしまいました。その後保釈された彼に下された判決は、懲役7年の実刑だったのです。
フルードたちはどこに麻薬を隠してあるのかを知っているようでした。隠し場所はナチュレルとコースチャの2人にしか教えておらず、コースチャは収監前にナチュラルに真実を問いただすよう告げていました。

モンティはパーティーの前に父親のジェームズが経営するバーへと向かい、2人で最後の食事をします。
モンティの逮捕を前に、ジェームズは父親らしいことが何もできなかったと過去を悔やみます。
モンティの母親は彼が11歳のときに亡くなり、バーの経営に行き詰まったジェームズは、酒浸りの生活をしていました。やがて金に困り、モンティが麻薬を売って稼いできた汚い金を何も言わずに受け取っていたのです。
モンティにはジェームズを責める気持ちはありませんでしたが、7年間の刑務所暮らしに対する恐怖は募るばかりでした。特に彼のような若く美形の白人にとっては、辛い場所になることは目に見えていたのです。

トイレで席を外したモンティは、「ファックユー」と書かれた鏡の前に立ちます。
彼は英語を話せない韓国人や、福祉手当で生活するプエルトリコ人やイタリア人の移民、アップタウンの黒人や物乞い、株のブローカー、ギャングやテロリスト、不正を働く警官、子どもに手を出す神父などへの憎しみを吐き出します。
モンティの独白はエスカレートしていき、愚痴ばかりこぼすジェイコブや、ナチュレルに色目を使うフランク、嘆いてばかりのジェームズ、そして自分を裏切ったかもしれないナチュレルへの怒りも吐き散らすのでした。
モンティは自分の身に起きたことは、さまざまな人種がひしめくニューヨークという街のせいだと考えますが、全て自分の責任であることは痛いほどわかっていました。

トイレから戻ったモンティは、警察に密告したのはナチュレルではないかと、ジェームズに伝えます。
ジェームズは否定しますが、モンティは古い友人のことは信じられてもナチュレルへの疑いは晴れないと告げて、バーを後にしました。

モンティとナチュレルが出会ったのは、彼女がまだ高校生のときでした。
仕事中に立ち寄った公園でナチュレルに声をかけたモンティは、彼女が友人の妹のクラスメイトであることを知ります。
2人はタバコを吸いながらバスケの話で盛り上がり、惹かれ合うようになったのです。

モンティは逮捕されて尋問を受けたとき、ナチュレルは無関係だと主張しました。
フルードから捜査への協力次第で刑期を軽くすると告げられ、元締めのロシアン・マフィアであるアンクル・ニコライの情報提供を迫られます。
加えて、ニューヨークには「ロックフェラー法」という麻薬の取締法があり、初犯であっても厳しいペナルティが科せられると脅されます。それでもモンティは決して口を割りませんでした。

【転】- 25時のあらすじ3

25時のシーン3 その頃、ジェイコブはフランクの高級アパートから、9.11の跡地であるグラウンド・ゼロを眺めていました。
2人はモンティのために、楽しい夜にしようと誓います。ジェイコブはモンティの面会に通い、彼が刑期を終えたら温かく迎えてあげるつもりでした。
ところがフランクは、モンティとの関係は今夜で終わりだと告げます。モンティが刑務所でレイプをされることを嘆き、出所しても未来がない彼との付き合いを続けるつもりはないと断言するのでした。
ジェイコブは親友を突き放すような発言に驚きますが、フランクはこればかりは自業自得だと言いました。

ジェイコブとフランクは、中華レストランで食事をします。
フランクはニューヨークにいる独身男性の格付けをおこない、ジェイコブの評価をかなり低く見積もります。そしてビジネスの最前線で高年収を得ている自分の評価を高く付けて、高慢な態度にジェイコブは異を唱えるのでした。
実はジェイコブはユダヤ系の資産家の息子で、裕福な暮らしを嫌ってあえて教員として質素な生活を送っていました。
その欲のなさは、リベラリストのてらいのように見えるとフランクは指摘します。苛立ったジェイコブは、フランクが金儲けにかまけてテーブルマナーを全く身についていないことを批難しました。
最後にフランクは、モンティの評価をゼロにするのでした。

ジェイコブとフランクはバーにやってきて、遅刻癖のあるモンティを気長に待ちます。
ジェイコブは知人の教師の話だと偽って、自分が生徒に惹かれている話をしますが、フランクはお前の話だろうと瞬時に見破るのでした。
そこへナチュレルがやってきて、酒に酔った3人は下品な会話を楽しみます。しばらくするとモンティが到着し、4人はニコライのパーティーへ向かいます。

ニコライが経営するバーは、大人気のDJ目当ての若者たちで大盛況でした。
VIPルームに通されることになったモンティたちでしたが、ジェイコブは友人と来ていたメアリーに呼び止められます。
入場制限に引っかかったメアリーは、モンティが許可するのをいいことに、ジェイコブの恋人を名乗ってついてきてしまうのでした。

生徒とクラブに来たことに危機感を覚えるジェイコブでしたが、当人はナチュレルと踊りに行きます。
ジェイコブと2人きりになったモンティは、堅気の彼を尊敬していることを真剣に伝えます。
そして自分が不在の間、ドイルを預けたいと頼みます。ドイルの命を救ったのは自分の人生の中で最良のおこないであり、責任を果たしたいと言うのです。
ジェイコブはもちろん承諾するのでした。

続いてモンティはフランクと2人で話をします。
モンティはかつて麻薬で稼いだ金で投資をして、2人で一攫千金を狙ったのに失敗した話をして、弱気な姿を見せます。
そして、刑務所へ行くのが怖いと絶望するのでした。フランクは同情して、「お前は頭がいいから周りを観察して仕組みを把握しろ」と言葉をかけました。
モンティは出所するときには自分は38歳で、まともな職に就けないと嘆きます。フランクはとっさに2人でバーをやればいいと提案しました。
モンティは「7年後お前は自分の仕事をしている」と信じませんが、3歳の頃からアイルランド系の移民として一緒に育った幼なじみを、フランクは見捨てることができないのです。
自分を強く励ましてくれるフランクを見たモンティは、「自分の身を守るため」と言って、彼にあることを頼みます。

酒とドラッグを摂取したメアリーはすっかりハイになっており、うたた寝をしていたジェイオブに迫ってからかいます。
ジェイコブはこのことを決して学校で話さないように伝えます。しかし、メアリーは同情を誘うような身の上話をして、黙っている代わりに英語の成績を上げるように要求するのでした。
それでも承諾できないとジェイコブが告げると、メアリーはトイレへ行きました。ジェイコブはメアリーを追いかけて、なんと彼女にキスをしてしまうのでした。
メアリーが唖然としていると、恍惚の表情を浮かべていたジェイコブも我に返り、その場を去ります。

同じ頃、ナチュレルを捕まえたフランクは、親友であるはずの自分がモンティの悪行を見て見ぬ振りをしていたことを懺悔するのでした。
フランクをなぐさめるナチュレルでしたが、モンティが破滅した要因は自分にもあると指摘されて面食らいます。ナチュレルは100回も足を洗えと言ったがやめなかったと反論しますが、フランクは働きもせずに贅沢な暮らしができていたのは、モンティが大勢の人間を薬漬けにしていたからだと言います。
フランクは「君は金目当てのあばずれだ」と暴言を吐き、怒ったナチュレルは彼にビンタをしてアパートへ帰ってしまいました。
そこへジェイコブがやってきて、メアリーにキスをしてしまったと報告します。フランクは呆れ果て、ジェイコブが吐く弱音を遮って酒を勧めるのでした。

【結】- 25時のあらすじ4

25時のシーン2 同時刻、モンティはコースチャとニコライの元にやってきていました。
ニコライは自身が初めて刑務所に収監されたのは14歳のときで、その後3つの国で3回刑務所に入ったという、壮絶な体験談を聞かせました。
ニコライはジェームズを働き者と賞賛し、彼の仕事の面倒が見たいと言います。しかし、実質的には人質であり、モンティは父親が無関係であることと、捜査官に口を割っていないことを伝えます。
モンティの言葉を信じたニコライは、「刑務所では後ろ盾のない人間を痛めつけて、自分の狂気を皆に認めさせろ」と忠告しました。

それからニコライの部下たちは、突然モンティの隣にいたコースチャに殴りかかります。
ニコライはモンティを警察に売ったのは、コースチャであることを明かします。呆然とするモンティでしたが、彼は当局に脅されて刑を逃れるために相棒を売ったのです。
ニコライはモンティに銃を渡して、裏切り者に対する復讐を求めます。モンティはコースチャに銃を向けて、ナチュレルを巻き込もうとしたことを咎めますが、彼は泣きながら「ほかに方法がなかった」と言うだけでした。
モンティは銃をニコライの部下に渡して、逮捕をきっかけにニコライとの縁を切りたいと告げます。助けを求めるコースチャには見損なったと言い放ち、部屋を後にするのでした。

モンティとジェイコブとフランクがタクシーに乗り込んだときには、すでに日が昇り始めていました。
モンティはアパートに帰り、ドイルをジェイコブに託します。
そして眠っていたナチュレルを起こして、今まで疑っていたことを謝罪し、ジェイコブたちと出かけました。

モンティたちは、人気のない早朝の公園を歩きます。
そこでモンティは刑務所で目をつけられないために、自分の顔を殴って醜くしてほしいと、フランクに頼みます。
フランクは拒否しますが、モンティは自分を殴るチャンスだと説明し、「ナチュレルと関係を持ちたがっているのだろう」と彼を挑発します。
2人の間に入ろうとしたジェイコブでしたがモンティに殴られ、フランクもついにモンティを殴ってしまいます。モンティは「もっと殴れ」と催促し、フランクは苦痛で顔を歪めながら、何度も親友の顔面を殴打するのでした。
モンティの顔は血まみれになり、ジェイコブに支えられて起き上がります。フランクは許してほしいと号泣しながら謝り、モンティは彼に感謝の気持ちを伝えてアパートへ帰って行くのでした。

帰りを待っていたナチュレルは腫れ上がった顔を見て驚き、病院へ連れて行こうとしますがモンティは拒否します。
そこへジェームズがやってきて、モンティを刑務所まで送り届けたいと申し出ます。
ナチュレルは「帰りを待っている」と泣きますが、モンティは「俺のことは忘れて幸せになってくれ」と悲しそうに告げました。

ジェームズはモンティを乗せると、このまま西へ逃げようと冗談めかして車を発進させます。
モンティが驚いていると、ジェームズは「もう二度と会えなくなってしまうが、逃げたいのなら何でも協力する」と真剣に言うのでした。
モンティが車の中からニューヨークの街並みを眺めていると、黒人やアジア系の夫婦など、彼が目の敵にしていた人々が微笑みながら送り出してくれます。
バスに乗った黒人の少年は、窓ガラスにトムという自分の名前を書いて、モンティに手を振ります。モンティも車のガラスに自分の名前を書いて、手を振り返すのでした。

ジェームズは夢のような逃亡計画を、モンティに語り聞かせます。
まず2人で西へ西へと向かい、小さな町に立ち寄って最後の酒を酌み交わします。逃亡者ばかりのその町でモンティはジェームズと改名して、小さな仕事を見つけて身を隠すのです。
手紙や電話は決してよこさず、ほとぼりが冷めたらナチュレルを呼び寄せて、家庭を築くのです。そこで子どもや孫に囲まれた静かな生活を送り、ジェームズ(父親)が母親の元へ旅立った頃、家族に真実を明かすのです。
ジェームズは「お前はどこに行ってもニューヨーカーだ」と告げて、普通の暮らしがいかに幸せであるかをモンティに伝えました。

モンティはジェームズの語りに聞き入っていました。そして自分にあったかもしれない、もう一つの人生を夢に見ながら刑務所へと向かう場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

いつの時代にもこのような人間がいて、自ら人生を捨ててしまうのでしょう。冒頭、瀕死の状態でも必死に生きようとしていたドイルを、モンティは助けました。そしてラストでは、彼自身があのときのドイルであると物語られているようでした。親友に顔を殴らせてまで準備しようとしていたことから、モンティが強い覚悟を持って刑務所へ向かったことがわかります。収監から解かれても、彼の人生はあの妄想のように理想的なものではないのかもしれません。それでも自分を完全に見失わない限りは、人生はいくらでもやり直せるのだと、そんなメッセージを感じ取りました。

映画の感想を投稿する

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

映画「25時」の商品はこちら