「orange－オレンジ－」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想（2件）

画像引用元：YouTube / orange－オレンジ－トレーラー映像

クリスマスを目前にして、みんなは大晦日にお参りに行く話をしていました。

元旦にかけてお参りするので“二年参り”という風習です。

“このまま…手紙と違う未来になっていけば良い”

菜穂はそう願っていました。

＿＿＿12月21日。

「翔とケンカしてしまう。私は最後までずっと謝ることができず、翔は亡くなってしまった」

原因は、翔のお祖母ちゃんのことでした。

ただ一人の肉親であるお祖母ちゃんが体調を崩しており、翔は心配していたのです。

「祖母ちゃんいなくなったら、俺…一人になる」

菜穂は、手紙にあった通り、お祖母ちゃんが10年後に皆と会って話をしていることから、思わず「大丈夫だよ」と励ましてしまったのです。

しかし、その言葉に翔は怒ってしまいました。

「大丈夫って思ってたよ…母さんの時も。始業式の時もそうだったんだよ！大丈夫ってわかんないのに、勝手に決めるなよ！」

ゴメン、と言いながら、翔は立ち去ってしまいました。

“変えられなかった…”

菜穂は電話をかけましたが、彼は出てくれませんでした。

＿＿＿12月25日。

その朝仲直り出来ないままに「おはよう。今日、寒いね」と交わした短い会話が、最後のやり取りになってしまったというのです。

しかし、そのままにしてはいけない、と思った菜穂は放課後の彼を追いかけました。

「今話したい…後悔したくないから！」

菜穂は無神経なことを言ってしまったことを詫びました。

そして「好き。翔のことが好き」と告白したのです。

「いつでも翔を助けられるように、傍にいたい」

「菜穂の傍にいたら、また菜穂を傷つける」

「それでも私は一緒にいてほしい…翔を嫌いになったりしない」

そう言って菜穂は翔を抱き締めました。

「だから教えて…翔のこと。良いことも、嫌なことも、全部」

「辛い…生きてる意味が、分からなくなる…時々、全部捨てたくなる…菜穂や、みんなのことも…そんな自分が許せない…」

翔は涙を零しながらぽつりぽつりと吐露しました。

「強くなりたい…幸せになりたい…」

「なろう、幸せに。一緒に生きよう」

翔の腕が菜穂の背中に回され二人は抱き合ったのです。

その様子を、仲間たちが温かく見守っていました。

10年後の菜穂たちは、止められなかった翔の死を思いました。

そして菜穂と須和は日記をもとに二人で過去の自分たちに向けて手紙を書いたのです。

「パラレルワールドがあるなら、この手紙で別の世界の翔を救えるはずだ」

二人は桜が満開の場所にその手紙を埋めました。

「届くと良いなぁ…過去の俺たちに」

「きっと、届くよ…きっと」

＿＿＿12月31日。

運命の事故の日…今日は手紙に書かれていることが起こらなければいい…菜穂はそう願っていました。

須和からの二年参りの誘いを翔は受けてくれたのです。

その日、翔は母親の部屋の片づけをしていました。

そこで見つけてしまったのは、母のスマホでした。

その中には未送信のままのメールが残されていたのです。

動画の中の母は翔に詫びていました。

幼い彼のためを思って離婚したこと、そして東京の学校でうまくいっていなかった彼を思って松本に引っ越してきたこと。

母は、ひたすらに翔のことを心配していたのです。

「でもそれだって、お母さんは勝手に決めてしまってた…ちゃんと翔に想いを伝えて、話し合いをしなかったこと、後悔しています。お母さんは…翔の気持ちをいつも一番に考えてるつもりだったけど、結局…翔の気持ちを一番傷つけていたのはお母さんでした…翔、お母さん、翔に幸せになってほしい、心からそう思います。邪魔しちゃって、ごめんね。お母さんを許してね…」

その夜。

初詣のために集まろうとしていた皆でしたが、翔に連絡が付きませんでした。

心配して、手分けして街中を探し回ったのです。

翔はその頃、一人で自転車を漕いでいました。

運命は揺るがないのか…と焦る皆で、翔の家を訪ねてみるとお祖母ちゃんが「ふらっと出ていったきり…」と心配していたのです。

翔の名前を叫んで探し回っても、何処にもいません。

翔は無表情で自転車を走らせていました。

坂道を下り、そしてトラックのライトが見えた時、奇跡が起きたのです。

彼の脳裏に浮かんだのは菜穂の顔。

須和や、朔、あずさや貴子の声が聞こえたのです。

（翔！）

とっさにハンドルを切り、転倒した翔はギリギリのところで跳ねられずに済みました。

「何してんだお前！」

皆が涙を流して叱り、そして受け止めたのです。

「母さんに謝らなきゃって…俺のせいでゴメンて、でも…死ぬのが怖くなった…死んだら、みんなとの思い出も、消えちゃうのかなって、これから、もっと…沢山思い出できるのかなぁって…死にたくないって思った…みんなと、みんなと一緒にいたいって…」

その翔の想いが伝わり、皆が泣きました。

「死ぬなバカ！」

「バカ野郎！お前がいないなんて考えられねぇよ！」

“死んだら絶対許さない”…そして“好き”…その気持ちがあふれて、止まりません。

皆の想いが翔の命をつなぎ留め、彼は“運命の日”を乗り越えたのです。

「未来にいる、10年後の私へ…ありがとう、翔を救ってくれて。今、この一瞬一瞬が私たちの未来に繋がっているということ、教えてくれて、ありがとう…！」

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