「UDON」のネタバレあらすじと結末の感想

ヒューマンドラマ

UDONの紹介:2006年公開の日本映画。日本を代表するソウル・フード、うどん。900軒のうどん屋がある香川県を舞台に「踊る大捜査線」の本広克行監督×亀山千広プロデューサーの黄金コンビが手がけた人間ドラマ。

予告動画

UDONの主な出演者

松井香助(ユースケ・サンタマリア)、宮川恭子(小西真奈美)、鈴木庄介(トータス松本)、大谷正徳(升毅)、三島憲治郎(片桐仁)、青木和哉(要潤)、藤元良一(小日向文世)、松井拓富(木場勝己)、藤元万里(鈴木京香)、水沢翔太(池松壮亮)、稲庭充(竹下恭平)、江守徹(江守徹)、馬淵嘉代(二宮さよ子)、涼子(明星真由美)、牧野(森崎博之)、中西(中野英樹)、水原保(永野宗典)、宮脇書店丸亀店員(温水洋一)

UDONのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①アメリカで一旗揚げる夢破れて故郷・香川県に戻った香助は、地元タウン誌で恭子と共にうどんのコラム製作をする。奇しくもうどんブームが到来し、タウン誌も香川県も注目されて千客万来。 ②しかしブームの終焉と共に、さまざまな弊害も残った。父のうどん屋を継ごうと考えた香助は父の死を目の当たりにし、実家のうどんの再現を果たすも、自分の夢を追うため再びアメリカに渡った。

【起】- UDONのあらすじ1

〝笑いは消化を助ける。
 胃酸よりは、はるかによく効く
  イマヌエル・カント(哲学者)〟
…松井香助は「世界中を笑わせてやる」と思い、田舎を捨ててアメリカ、ニューヨークへ渡った青年でした。
しかし大物になることも有名になることもビッグになることもできず、挫折した香助は、借金を抱えたまま故郷・日本の香川県に戻ります。
ところで香川県の人口は100万人ほどですが、うどん屋は900軒あります。東京都の人口は1250万人ほどですが、東京都のマクドナルド店は500店舗です。
つまりは、香川県はうどんの国、まさしく讃岐うどんの国なのでした。例外に洩れず、香助の実家も「松井うどん」です。
母が他界した後、香助は6年前に「ここには夢はない。うどんがあるだけや」と父・拓富に言って家を出た手前、非常に帰りづらいものでした。
実家には姉・万里とその夫・良一がいっしょに住んでいます。良一は「松井うどん」を継ぐ気がありましたが、義父・拓富がうどんを打つ姿をこっそり見ながら観察する程度です。香助は、姉夫婦と父のいる実家に身を寄せました。
ある日香助は母の墓参りの帰り、運転していた白いバンがガス欠を起こし、立ち往生します。
同じく田舎道を走行していた『タウン情報さぬき』の若い女性記者・宮川恭子は、地図を見ながらも道に迷い、熊出没注意エリアでガス欠の香助と出会いました。ついでにクマとも出会います。
香助は恭子の車に入ってクマをやりすごそうとしますが、クマが意外にしぶとく、焦った恭子は誤ってアクセルを踏んでしまい、車は崖から落ちました。
気絶から目を覚ました2人は奇跡的に無事でしたが、遭難しかけます。やっと2人で民家を見つけて入ったところ、そこはうどん屋でした。
うどんを茹でる老婆が「食べるか」と聞き、2人は頷いてゆでたての熱いうどんにしょうゆと卵を入れ、ねぎを乗せて食べます。
この朝のうどんが、2人にとって奇跡の始まりでした。
香助は地元での大親友・鈴木庄介の紹介で、地元のタウン雑誌で働き始めます。編集長・大谷、副編集長・三島、製作担当(大学5年生)・青井のほかに、恭子だけのこぢんまりした雑誌会社でした。
香助は恭子と再会を果たし、大谷編集長の「1部売れたら10円、10万部売れば月収100万も可能じゃない」という甘い言葉に誘われ、加わります。
ところが実際は地元タウン誌なので、仮に香川県民の30人に1人が購入したとしても、6000部にしかなりません(月収6万円)。
それを聞いた香助は地元の宮脇書店に持ちこみますが、駄目出しを食らいます。置いてももらえませんでした。
ところがこの時、ある大学生・新美&小泉&石松(『サマータイムマシン・ブルース』に出てくる3人組で、劇中何度もちょこちょこ出てくる)が本屋の雑誌を見ながら「讃岐なのに、うどんの情報が載ってない」と言ったこの一言から、香助はヒントを得ます。
灯台もと暗しでしょうか、意外にも香川にはうどん店がたくさんあるのに、その情報源が一切ありませんでした。

【承】- UDONのあらすじ2

香助と恭子はタウン誌にコラム形式のうどん店紹介のコーナーを設けます。想像力をかきたてるため、わざと写真をカットし、店へ楽に行かせないために地図ものせないというもので、文章は「友人に話す感じに」作ります。コラムなので「麺通団」というサインを入れました。
うどん屋の取材を始めると、店によって麺もだしも味付けもトッピングもまるで異なることが分かります。
通の店だと「どんぶり持参があたりまえ」なので、香助たちは「巡礼セット」と呼び、どんぶりやしょうゆ、箸などを取材に行く際に持ち歩くようになりました。その通の店には「めんを直接袋から手づかみで食べる」人までいます。
回を重ねるうち、情報源がなくなりました。地元の白バイ警官から「うどん屋を探すなら、まずは煙突を探せ」と言われて納得します。
また、なかには看板を掲げずにうどんを作っているところもありました。実は「松井うどん」もそのひとつで、松井うどんの主な仕事は、学校や病院に麺をおろすことです。ですから看板を掲げていないのですが、店に食べに来た人には振る舞います。
コラム形式のコーナー『うどん巡礼記』は読者の共感を得て、好評を博しました。タウン誌は新社屋へ引っ越し、たくさん届くハガキを整理するバイトまで雇います。
余ったページにはマンガを連載しました。それは香助が昔に思い描いていたヒーロー『キャプテンうどん』のミニマンガです。
…その頃、関東のマスコミでもグルメブームを起こすために、うどんに着目していました。香川をうどんの聖地にしようという動きが現れます。
うどんを巡る旅も500軒を超えたあたりから、タウン誌ではうどん屋探しに困るようになりました。救世主となったのは、ハガキの整理を手伝っていたアルバイト・水沢です。
水沢は高校のうどん部に所属していました。うどんを食べ歩く部で、部員はなんと30人もいます。「麺通団に入りたい」という条件で、うどん部は県内の持てる情報をタウン誌に与えます。
そしていよいよ大ブームが到来しました。東京からテレビ取材を受け、香川県に空前のうどんブームがやってきたのです。
瀬戸大橋が完成していて、本州から車で渡れる便利さも手伝いました。こうして香川県にうどんを食べに多くの観光客が押し寄せます。
香助たちのタウン誌は、全国のコンビニや書店に置いてもらえるようになりました。
その頃、香助の借金が返済されていました。とはいっても香助が返したのではありません。何度も届く督促状を見た父・拓富が、勝手に自分の金で借金を返済したのです。
それを知った香助は父に怒り、派手な親子喧嘩をしました。もともと香助と父・拓富には確執があり、ぎくしゃくしていたのです。
無口で不器用でうどん一筋の父のせいで、母が苦労をして早死にしたのではないかと香助は思っていました。
姉・万里はそれをやんわりと否定し、「父が不器用で一筋なのを分かっていて、母は結婚したのだ」と言います。また香助の借金を返すために、一体どれだけうどんを打ったのか考えろと香助を戒めました。松井うどんではひと玉65円なので、借金を返すには相当の労力が必要です。言われた香助は黙るしかありませんでした。

【転】- UDONのあらすじ3

世間ではうどんブームで沸きに沸きます。カマタマーレ(香川県をホームグラウンドとするサッカーチーム名)、うどんタクシー、讃岐うどんフェスティバルも開催されます。
タウン情報さぬきの大谷編集長は、幾度となく、かつて通っていた「宇高(うこう)連絡船」の話をします。連絡船のフェリーの中でうどんがメニューにあったのですが、それはコシもツヤもないものでした。おいしくはなかったのですが、大谷編集長いわく「それは食事ではなく、あいさつみたいなもの。あいさつ代わりの一杯だった」と言います。その連絡船もなくなって久しいものでした。
うどん騒ぎで浮かれる香川を見ながら、恭子は「いつか本を出したい」という自分の夢を語ります。庄介の夢は「ファーマー」でした。庄介は現在は広告マンですが、いずれは実家の家業を継いで、農家の息子となる覚悟を固めています。
「終わらない祭りはない」と親友の庄介が冷静に物事を見ているのを知り、香助は自分のビジョンが非常に浅く曖昧模糊としすぎていることを自覚しました。
そして庄介のその読みは当たっていました。讃岐うどんフェスティバルを頂点として、うどんブームの絶頂期は過ぎていたのです。
マスコミはその点はシビアでした。ブームの火がついた時がピークとマスコミは考え、次なるブームを探して、香川とうどんには見向きもしなくなります。
残された香川のうどん店には、悲しい現象だけが残されました。多くの客を捌くため、茹で時間を短縮させるよう麺は細くなります。行列を待つ人たちは道端にゴミをポイ捨てし、路上駐車した車が警察に注意され、閉店に追いやられる店もありました。
新しい何かを作るということは、それまであった何かを壊してしまうことなのだ…ということを、香助も恭子も思い知らされました。
そして『タウン情報さぬき』が突然の廃刊を言い渡されます。恭子には引き抜きの話も出て、大谷編集長はじめ、香助を除くメンバー全員の次の職場も決まりました。全員、去っていきます。
香助は初めて父・拓富ときちんと向き合う決意をしました。初めて自分の正直な気持ちを話そうと考えたのです。
借金額を耳をそろえて返すとともに、やっぱりうどんが好きだから、家を継ぎたい、うどん作りを教えてくれ…そう声をかけた香助は、仕事場にいる父から何の返答も貰えないことをいぶかしみ、父・拓富が倒れているのを見つけました。父は急性心筋梗塞で急逝します。
残された香助は、気持ちのやり場に困りました。姉・万里は休業の張り紙を店に出します。
万里は店を閉める決断をし、業者に道具を引き取りに来てもらう日も決めました。夫・良一は複雑な心境です。
…始まりはその休業の張り紙への、男子小学生の書き込み「早くまついのうどんが食べられますように」でした。やがて別の子たちも書きます。地元の小学校に学校給食として松井うどんはおろしていたので、大勢の小学生が書きに来ました。
やがてそれは中学生、高校生も加わり、誰かがノートを松井うどんの玄関につけました。書き込みはどんどん増え、大人も書き込みに来ます。

【結】- UDONのあらすじ4

それを見た香助は立ち上がりました。父の味を再現するために、うどんを打ち始めたのです。
すぐには成功しません。姉・万里にも「あんたになんか打てるわけないわ」と言われました。それでも香助は出来る限りのことをしようと立ち上がります。
万里の夫・良一はハラハラして見ていました。万里は「生半可な覚悟でやってほしない。一度水で締めんと、コシは出んのやけん」と夫・良一にこっそり言います。
良一も手伝い始め、常連に味の差を聞きます。恭子は今まで取材した店のデータベースから、コシ、ダシ、茹で方、歯触りなど似ている店に香助を連れて聞きこみに行き、方法を伝授してもらいました。どの店も快く協力してくれます。
松井うどんは「業者が道具を引き取る日」にカレンダーで○印をつけていました。様子を見に来た客はその日を「新規オープンの日」と勘違いします。
やっと姉・万里も認めるうどんができました。香助はそのうどんを仏壇にあげ、父に「よかったら感想聞かせてくれ」と言います。
その夜、香助の枕元に父・拓富が立ちました。香助は「なぜ製麺所を始めたのか」と聞きますが、拓富は「そこに粉があったきのう、これしかできんかった」と答えます。
客をもてなすのは苦手なので、その代わりに毎日粉と水を相手にしていたと父は言い、香助は「親父の不機嫌な顔を見てたから、笑わせたかった」と言います。
父・拓富は「人を笑わせるのは簡単や。うまいうどん食わせたら、一発や」と言って「香助、ここに残るなんて言い出すなよ。ここには夢なんかない。ただ、うどんがあるだけや」と重ねました。それは香助が家を出る時に言った言葉でした。
起きた香助は夢だと気づきましたが、仏壇のうどんはなくなっていました。
うどんを小学校に納めに行った香助は、給食のうどんをほおばる小学生の笑顔を見ます。笑顔で立ち去る父・拓富の影もありました。
4月14日。本来は道具を引き取る日ですが、松井うどんは婿の良一が店を引き継ぐことになります。
松井うどんは再開し、松井うどんの味を求める長蛇の列ができました。それを見ながら香助は再びアメリカに渡ります。
恭子は東京行きを断り、地元に留まりました。もしあの時道に迷わなければ、香助に出会うことも、うどんに出会うこともなかったと噛みしめます。
ブームの先に何があるのか分からないけれども、それぞれの故郷には、それぞれのソウルフードがある…そう思う恭子は、うどんがそこにある「奇跡」に思いを馳せました。
〝涙とともにパンを食べた人間でなければ、人生の味はわからない
  ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(詩人)〟
(エンドロールと共に)3年後。
姉・万里夫婦…松井うどんはそれなりに繁盛。新メニューの開発をしている。温故知新が良一のモットー。子どもが生まれた。
大谷編集長…メキシカンな感じのバーを開店した。宇高連絡船の話ばかりして、ウザがられる。
三島…フリーペーパーの編集長。うどんとは仲良し。
青木…地元の食品会社に就職。うどんとは仲良し。
うどん部…大学に入ってもうどん部作っている。
庄介…小麦を栽培しはじめた。
恭子…本を出した。
(エンド後)アメリカ、ニューヨークへ迷わず着いた恭子。ふと見ると、タイムズスクエアの街頭巨大パネルに『キャプテンUDON』という映像が。香助が主演でハリウッド映画製作が決まったらしい。

みんなの感想

ライターの感想

見ていて胸が熱くなる。そして、切なくもある。ブーム到来から終焉まで描かれるので、「祭りが終わったあと」のうらさびしい感もきっちり映し出される。
新しい何かを作るためには、それまでにあった何かを壊してしまうこと…確かに言い当てている。
まあとにかく監督自身が香川出身ということもあり、また香川出身の芸能人がこぞって出演したというのもあって、豪華キャスト。
ほんのチョイ役にも意外な人がいたりもするので、目が離せない。
ラストはやや飛躍しすぎの感もあるが、このくらいでちょうどいいのかも。

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