「カラーオブハート」のネタバレあらすじと結末の感想

カラー・オブ・ハートの紹介:1998年製作のアメリカ映画。1950年代のテレビドラマの世界に、現代のティーンネイジャーが入り込んでしまうというファンタジー作品。主演は「スパイダーマン」シリーズなどで知られるトビー・マグワイア。日本公開は1999年。

予告動画

カラーオブハートの主な出演者

デイビッド(トビー・マグワイア)、ジェニファー(リース・ウィザースプーン)、ジョージ・パーカー(ウィリアム・H・メイシー)、ベティ・パーカー(ジョアン・アレン)、ビル・ジョンソン(ジェフ・ダニエルズ)、テレビ修理工(ドン・ノッツ)、ビッグ・ボブ(J・T・ウォルシュ)、スキップ・マーティン(ポール・ウォーカー)

カラーオブハートのネタバレあらすじ

【起】- カラーオブハートのあらすじ1

高校に通う双子の兄妹デイビッドとジェニファー。恋に忙しい活発なジェニファーとは対照的に、地味でオタク気質のデイビッドは、1950年代に放映された白黒のテレビドラマ「プレザントヴィル」の熱狂的ファンでした。
「プレザントヴィル」は、ジョージとベティという夫婦と、その子どもであるメアリーとバッドが織り成す、古き良きアメリカの世界を描いた作品です。デイビッドはドラマのセリフを暗記するほど、のめり込んでいました。

ある晩、夫が出て行って以来子どものことを顧みず、若い男との交際に夢中になる母親が、旅行に出かけることになります。
チャンスとばかりに意中の相手を家に呼ぶジェニファーでしたが、居間のテレビはデイビッドが「プレザントヴィル」を観るために占領していました。MTVを観たいジェニファーは、デイビッドとテレビの取り合いになり、その拍子にリモコンを壊してしまいます。
そこへタイミングよく、テレビ修理工を名乗る怪しげな老人が登場します。デイビッドが「プレザントヴィル」の大ファンだと知ると、修理工は満面の笑みを浮かべて、奇妙なリモコンを置いて去ります。
その後、びっくりパワーがあるというリモコンでテレビを付けると、電波が走ります。そして、いつの間にか2人は「プレザントヴィル」の白黒の世界に入り込んでしまっていました。2人はジョージ夫妻の子どものバッドと、メアリー・スーになってしまったのです。
2人も全身白黒になり、すぐさま修理工に元の世界に戻すように頼みますが、耳を貸しません。仕方なく2人は、「プレザントヴィル」の世界で、台本通りに生きることを余儀なくされるのでした。

1950年代のTVドラマなだけあって、周りの人々はみんな品行方正で、仲良く暮らしていました。啞然とする2人に母親のベティは豪華な朝食を出し、学校に行くことになります。
「プレザントヴィル」の世界では、天気は毎日快晴でした。消防署はあっても火事は起きないので、彼らの仕事は木から降りられなくなった猫を助けるだけでした。さらに、全ページが白紙の本、ループする町の通り、便器のないトイレなど、奇妙な環境に2人は混乱します。

時代遅れのファッションを身にまとって不機嫌なジェニファーの前に、ハンサムな男の子が現れます。彼はスキップという名のバスケ部のキャプテンで、メアリー・スーに気がある設定のキャラクターでした。
スキップはデイビッドに「君の妹と付き合いたい」と、ドラマの台本通りのセリフを言います。この世界に変化を起こさないように、デイビッドはジェニファーにスキップとデートするよう説得します。嫌がるジェニファーでしたが、元々ドラマのファンであるデイビッドは、元の世界に戻るためには仕方がないと釘を刺すのでした。

【承】- カラーオブハートのあらすじ2

デイビッドはバッドのアルバイト先である、ハンバーガーショップへ行きます。経営者のビルは、デイビッドが現れないと延々テーブルを拭き続けなければならないと嘆きます。
そして、デイビッドがレタスを添えない限り、ハンバーガーも作れないと言います。そんなビルに、デイビッドは何でも自分でやってもいいのだと教えます。

スキップとデートすることになったジェニファーは、ドラマの設定通り恋人たちが集まる「恋人池」に行きます。そこで悪戯心が働いたジェニファーは、スキップに迫り肉体関係を持ってしまいます。その直後、公園に赤いバラが咲きます。
心配したデイビッドが家に戻ると、閉店作業を全て一人でやったとビルが報告にやってきます。そこにベティが現れて、ビルに挨拶をすると2人はしばらくの間見つめ合います。
その後、デイビッドはジェニファーを叱りつけますが、彼女は「彼らもセックスをすることを望んでいる」と意気揚々と語るのでした。

ジェニファーの影響で、公園でセックスをする恋人たちが急増します。それに比例するように、町のさまざまなものに少しずつ色が付き始めます。そして、全身カラー化した人も増えていくのでした。
そして友人とトランプをするベティも、手に持っているカードのハート柄がピンク色に染まっているのを目にします。彼女はビルに恋心を抱いてしまっていたのです。
ベティはジェニファーに、恋人池で何をしているのかと尋ねます。ジェニファーがセックスについて説明すると、ベティは「ジョージはしてくれない」とショックを受けます。するとジェニファーは、ベティに自慰行為のやり方を教えるのでした、
さっそくベティがバスルームで試すと、庭の木が爆発して赤い炎を上げます。デイビッドは慌てて消防署へ行き、火の消し方を知らない消防員たちに代わって、消火活動をおこないます。
火事を食い止めたということで、デイビッドは表彰されます。そして、ホワイティという男の子のガールフレンドであるマーガレットが、デイビッドのために焼いたクッキーをプレゼントするのでした。

デイビッドは一躍有名人となり、町の外についての質問などをされます。
するとこれまで白紙だった図書館の本が、たちまち文字で埋まっていきます。マーク・トゥエイン著の「ハックルベリー・フィンの冒険」や、J・D・サリンジャー著の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」などが、デイビッドたちの記憶を基に書籍化されていったのです。
若者たちは図書館に押し寄せるようになり、大人たちはこの変化を見て眉をひそめます。
そして、ジョージの元に町長のボブが相談にやってきます。町の規範を示すために一致団結しますが、同時刻ベティはカラー化してしまっていました。パニックになるベティに、デイビッドは白黒の化粧を施して、事なきを得ます。

【転】- カラーオブハートのあらすじ3

デイビッドは絵を描くことが好きなビルのために、図書館で名画集を借りてきます。鮮やかな色彩で描かれた絵に魅せられたビルは、それ以来お決まりの仕事を放り出して、絵を描き始めます。
その後、マーガレットとデートの約束をしたデイビッドに、修理工がテレビから語りかけます。「プレザントヴィル」の世界を乱していることを叱責して、2人を元の世界に戻すように言いますが、デイビッドはこれを拒否します。
そしてデイビッドはマーガレットを車に乗せて、すっかりカラー化した恋人池でデートを楽しむのでした。

一方のジェニファーは、人の何倍ものセックスをしている自分がカラー化しないことを疑問視していました。
彼女は読書ブームに乗って何気なく本を読み始めるのですが、いつしか勉強に目覚めるようになります。スキップとのデートを断って本を読みふけり、ある朝ついにカラー化します。

同時刻、ビルの店に行ったベティは、彼が描いた絵を見て感激の涙を流します。涙が伝って化粧がはがれ、ビルはベティの顔がカラー化していることに気付きます。ビルは「素顔が良い」と言って、化粧を拭き落とすのでした。
その頃、いつものように「ハニー、ただいま」と帰宅するジョージでしたが、ベティの姿はありません。そして、この世界に初めて雨が降るのでした。

「プレザントヴィル」の住人たちは、初めての雨に戸惑いますが、デイビッドは怖いものではないと笑います。

ボーリング場でハイスコアを出すボブたちの前に、雨に濡れたジョージが現われます。
いつものように家にベティがいないと動揺するジョージに、ボブは社会を支える道徳が失われかけていると語ります。ひいては、これまで築き上げた自分たちの地位が脅かされるのではないかと、保守的な考え方の人々は恐れていたのです。
こうして白黒のジョージたちは、カラー化した人々と団結して戦うことを決意するのでした。

雨上がりの朝、町に7色の虹がかかります。
一晩中ベティと一緒にいたビルは、カラー化していました。マーガレットもカラー化しますが、デイビッドは依然として白黒のままでした。
ジョージが待つ家に帰ったベティは、保守派が集まる集会の出席を拒否して、これが本当の自分の顔だと宣言します。ビルと惹かれ合ったベティは、絵のモデルになります。その後、ビルは店先にベティのヌード画を飾り、町の人々は騒然とします。
それから、町のあちこちに「有色人お断り」と書かれたプラカードが掲げられるようになります。デイビッドの前に再び修理工が現れ、「町は君の塗り絵ではない」と怒ります。しかしデイビッドは、これは自然現象だと反論します。
その頃、町を歩いていたベティは、ホワイティが率いる男性グループにちょっかいをかけられます。それを見かけたデイビッドは、ホワイティを殴り飛ばします。そして、ついに彼もカラー化するのでした。

【結】- カラーオブハートのあらすじ4

その後、ベティのヌード画はビルの店ごと破壊されてしまいます。画集や本も焼き捨てられ、ジェニファーは本を燃やす人々を前に必死で抵抗します。
こうして、白黒の住民とカラー化した住民の暴動が発展し、ボブは集会で暴力は良くないと演説します。しかし、恋人池と図書館を閉鎖し、使用できる色は白・黒・グレーのみという、かつての「平和な社会」を取り戻すための条例を制定するのでした。
デイビッドは、ビルの店に集結したカラー化した人々を見て、あることに気付きます。彼らは性に目覚めてカラー化したのではなく、新たな変化に心を動かされて色付いていったのです。
こうしてデイビッドは、ビルと一計を案じます。禁止された色を全て使って、警察署の壁一面に絵を描いたのです。

デイビッドとビルは逮捕され、「プレザントヴィル」上初めての裁判にかけられることになります。
ボブは2人に罪を認めさせようとしますが、ビルは「才能があればもっと上手く描けた」と茶化します。そしてデイビッドも、「人間には愚かしさやいやらしさなどのさまざまな要素があるのに、それを認めなければ不自然だ」と演説を始めます。
裁判に出席していたジョージは、ベティがいなくなった悲しみをデイビッドに打ち明けます。デイビッドは変化した人間が元通りになるのは難しいと語ります。そして、ジョージにカラー化したベティを見せて、「ママは初めて出会った頃と同じくらいキレイだよ」と言うと、その瞬間ジョージもカラー化します。
傍聴人も次々とカラー化していき、ボブは激怒します。デイビッドはボブの中にも同じ要素があると告げます。絶対にないと叫ぶボブでしたが、その瞬間彼もカラー化するのでした。その直後、町が完全にカラーで彩られます。

それからジェニファーは、「プレザントヴィル」の世界に残って、大学進学の道を選びます。デイビッドとジェニファーは抱き合い、彼女はバスに乗って町を出ます。
デイビッドはベティやマーガレットから別れを惜しまれながらも、元の世界に戻ることを決意します。デイビッドは2人に別れを告げて、リモコンを使って自宅に帰還します。
デイビッドは旅行へ行かずに、キッチンで泣いている母親と再会します。母親は「40歳にもなってこれじゃダメね」と嘆き、デイビッドは「こうでなきゃいけないということはない」と、涙を拭いてあげます。突然大人になった息子の姿に驚く母親に、デイビッドは色々経験したと微笑みかけるのでした。

「プレザントヴィル」の世界では、ベティとジョージがベンチに座ってしました。
「これから何が起きるの?」とベティが尋ねて、わからないとジョージは気楽に笑います。そこへビルがやってくる場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

古い価値観にこだわる白黒の人々と、新しい価値観に染まったカラー化した人々との対立は、人種差別や多文化主義など、現実世界でも起きている問題を表現しているようでした。本作では、人間の変化や一人ひとりが持つ価値観、そして自分らしく生きるということは、決して悪いことではないというメッセージが込められていました。それと同時に、変化の先にはまた新たな葛藤や問題が発生するということも描かれています。単にポジティブな終わり方ではないところが、本作の誠実なところであり、魅力だと感じました。きっと観る人の価値観や心の状態によって、見え方もさまざまだと思います。映像も素晴らしく、白黒の世界に咲いた赤い薔薇や火事、真っ白なページに刻まれる文字や絵、どしゃぶりの雨のあとに出た7色の虹など、印象的なシーンも数えきれないほどありました。

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