壮大なるストーリー!山崎豊子おすすめ作品TOP16をドラマと小説ファンの筆者が紹介

壮大なるストーリー!山崎豊子おすすめ作品TOP16をドラマと小説ファンの筆者が紹介

「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「華麗なる一族」「不毛地帯」「女系家族」「二つの祖国」…ほとんどの作品が映像化されている山崎豊子さん。
「ドラマや映画は見たことある(聞いたことある)けど、小説は読んだことがない」という方も多いのではないでしょうか。
また壮大なストーリーなので、なかなか小説には手を出せない…という方もいらっしゃるかもしれません。

実は山崎豊子さんの小説はかなり読みやすく、長編でもあっという間に読めてしまう魅力に溢れています!
そこで今回はドラマの「白い巨塔」にハマって山崎豊子さんの小説も読破、さらに他の小説にもハマった筆者がおすすめ作品をご紹介します。

ライター/トモトモ

中学生、小学生の2人の子育て中の主婦。 日本の小説が大好きで、最近は、ノンフィクションや実用書にもハマってます。 小学校で絵本読み聞かせもやっており、子どもと一緒に絵本や児童書も楽しんでいます。

山崎豊子作品の選び方は?

山崎豊子さんは毎日新聞社で記者を経験した後、1957年に小説家としてデビュー。

以後、発表したほとんどの作品が映像化され、没後もなお人気が高い女性作家です。

そんな山崎豊子作品の選び方を「大阪商人を描いた話から選ぶ」「男と女・家族の愛憎劇から選ぶ」「男達や戦争の壮大な物語から選ぶ」の3つに分けてご紹介しましょう。

選び方その1.大阪商人を描いた話から選ぶ

大阪船場の老舗昆布屋である小倉屋山本の家に生まれた山崎豊子さん。

「暖簾」「花のれん」「ぼんち」「しぶちん」「花紋」など、

船場をはじめとした大阪の商売人を描いた小説を多く発表。

そこで生まれ育った者にしかわからない事情や、大阪の商家の独特な慣習など、読むと目からウロコですよ。

大阪商人の心意気や文化を知りたい方は、これらの作品から読んでみると良いでしょう。

選び方その2.男と女・家族の愛憎劇から選ぶ

山崎豊子さんは、セレブ達の愛憎劇を描いた小説も多く発表しています。

銀行頭取の陰謀に家族が巻き込まれる「華麗なる一族」、女達の遺産相続の陰謀を描いた「女系家族」、ファッション界で繰り広げられる男女の愛憎劇「女の勲章」など。

金と欲、愛と憎しみのドラマが好きな方にはこれらの作品をおすすめします。

選び方その3.男達や戦争の壮大な物語から選ぶ

元新聞記者で、戦争や歴史的な出来事の裏側にあった史実を基に、緻密な取材を重ねてフィクション化した社会派の小説を多くてがけた山崎豊子さん。

「不毛地帯」「大地の子」「二つの祖国」などの戦争三部作、沖縄返還の際に起きた新聞記者の事件を描いた「運命の人」、さらに大学病院の裏側を描いた「白い巨塔」など、野心に溢れたり信念を貫く男達、世界を股にかけた壮大なストーリーを楽しみたい方にはこれらの作品がおすすめですよ。

山崎豊子作品おすすめ本ランキングTOP16

山崎豊子作品の選び方を見たところで、おすすめ本ランキングTOP16をご紹介します。

映像化された作品の情報もご紹介しますので、気になる方は小説といっしょに映像作品もチェックしてみると2倍楽しめますよ!

16位 読み応えある短編小説なら「しぶちん」

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しぶちん(新潮文庫)

Kindle版 > 直木賞受賞(26-50回)作家の本
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山崎 豊子(著)

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1965年刊行の、5篇の短編小説集。

伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公、一代で財をなした山田万次郎は、「しぶまん」と呼ばれながらも商工会議所の議員に推薦されますが…。

大阪弁でケチな人のことを「しぶちん」というのですが、大阪人らしくケチ・倹約家をちょっと前向きにとらえた呼び方とのこと。

万次郎の倹約っぷりから大阪商人のお金の執着心を学ぶことができます。

この表題作「しぶちん」の他、大阪船場で商売をすることに執念を燃やす女を描いた「船場狂い」、ミステリー的な要素があり山崎豊子さん作品にしては珍しい「死亡記事」「持参金」「遺留品」が収録。

濃厚な短編小説を読んでみたい方におすすめです。

15位 令嬢の心の闇を描いた「花紋」

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花紋(新潮文庫)

Kindle版 > 直木賞受賞(26-50回)作家の本
新潮社
山崎 豊子(著)

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終戦直前の昭和20年の6月、主人公の「私」は、兄のつてで大阪の河内長野の大地主の御寮人(女主人)、葛城郁子の屋敷に世話になります。

郁子は老婢と二人暮らしと聞いていたものの、納屋から男性の弱々しい声を聞く主人公。ある日、納屋の男性が体調を崩し、郁子に頼まれて医者を呼びに行きますが、男は死んでしまいました。

1年後、主人公は老婢から郁子の死の知らせの手紙を受け取ります。

老婢のもとを訪れた主人公は、郁子はかつて「御室みやび」と呼ばれる有名歌人であったこと、大地主の家に生まれたために、恋を捨て親が決めた男と結婚させられたことを聞かされ…。

封建的な地主の家に生まれたために、恋も短歌を捨てなければならなかった郁子。

彼女を苦しませ続けた強い抑圧が、やがて狂気に近い行いをするようになります。

1964年に発表された長編小説で、大阪府富田林市に今も生家が残る歌人・石上露子をモデルとした作品。

山崎豊子作品は、事業を大きくしたり沢山の人々と関わりを持ったりと、だんだん自分のいる世界を広げていく登場人物が多いですが、この作品は狭い世界に閉じ込められた主人公。

家のしがらみに囚われ、自分の望む道は一切選ぶことができなかった郁子のダークサイドの描かれ方にゾッとしながらも、面白くてどんどん読んでしまいますよ。

時代に翻弄された女性の心の闇を描いた小説を読んでみたい方におすすめです!

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