映画:ほんとにあった!呪いのビデオ68

「ほんとにあった!呪いのビデオ68」のネタバレあらすじと結末

ほんとにあった!呪いのビデオ68の紹介:一般から投稿された不可思議な映像を紹介、検証するドキュメンタリー風のオリジナルビデオで、2016年にリリースされた「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズ第68作。禁断の儀式にまつわる三部作「禁忌 中編」、戦後混乱期の朧な残滓「花束」、失われた船影を捉えた「灯台」など7本を紹介する。演出/構成は本シリーズと深い因縁があり長年演出補として活躍してきた菊池宣秀。ナレーションは中村義洋。

あらすじ動画

ほんとにあった!呪いのビデオ68の主な出演者

演出/菊池宣秀、演出補/川居尚美、森澤透馬、阿草祐己、熊倉健一など。ナレーション/中村義洋。

ほんとにあった!呪いのビデオ68のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ほんとにあった!呪いのビデオ68のあらすじ1

ほんとにあった!呪いのビデオ68のシーン1 「おことわり:本作品は、投稿された映像をそのままの状態で紹介しているため、画像の乱れやノイズなどが生じる場合がありますが、あらかじめご了承ください。
これからご覧いただくのは、一般視聴者より投稿していただいた映像です。ご覧いただいた後、不可解な出来事や霊的現象が起きた場合、こちらでは一切の責任を負いかねます。本作品は、お祓いを済ませております」

◆「置き傘」投稿者/相澤慎一(仮名)
投稿者の男性が恋人とのデートの帰り道、公園で撮影された映像。
雨模様の夜間、2人が木立の多い公園をそぞろ歩くうち小雨が降り始め、それまで傘を持たされ文句を言っていた恋人が、ここぞとばかりに傘を独り占めして歩き始めます。
ところが間もなく彼女の顔に冷たい何かが滴り、ぬぐった指も赤い粘液で汚れます。投稿者は彼女にカメラを向けますが、傘の裏側に浮かんだ巨大な老婆の顔に気づき、悲鳴を上げて逃げ出します。
その置き傘は、投稿者のバイト先のファーストフード店の女性常連客の忘れ物だったそうですが、後の調査で、その女性は半年ほど前、信号無視の車に轢かれて亡くなっていた事が判明します。
「まさかこれは、亡くなった女性がお気に入りの傘に宿り、現れた姿である、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

◆「花束」投稿者/依田里美
ある晴れた平日、単身赴任中の夫に送るホームビデオを撮るため、7歳の娘と共に公園に出掛けたという投稿者。
けれど目当ての公園が混んでいたため、少し先の人気の無いアスレチックのある公園に行ったところ、娘が知らぬ間に上の広場に移動し、なぜかしおれた花を持っていたのだとか。
それが公園の外の道路端にあったと聞いた投稿者は、お供え物だと思って一緒に戻しに行った後、再び遊び始めたそうですが、娘がなぜかまた花を持っていて「そこに落ちてた」と言われたそうです。
後日、夫のその映像を送ったところ、折り返し電話があり「妙なモノが映ってるから、その公園にはもう行かない方がいい」と言われ、ようやく映像の異変に気づいて投稿したのだとか。
スタッフは投稿者と共にそのお供えの状況を確認しますが、撮影場所は住宅地の中の山の斜面を利用した公園で、花と供物はその出入口付近の歩道上に置いてありました。
また花は映像の物より新しく、明らかに誰かが供養している様子です。
スタッフは投稿者と分かれて近隣住民に聞き込み調査をしますが、当日はそれらしき情報は得られませんでした。

しかしその数週間後、その時声を掛けた住民の中年男性=中谷士郎(仮名)から連絡が入ります。
彼はなぜか公園の花の話が気になり、10年ほど前まで公園の出入口近くで酒屋を営んでいた高齢の父親に聞いたところ、60年ほど前、父親が中学生だった頃、そこには廃屋があり傷痍軍人(戦傷を負った軍人)が住みついていたそうです。
彼は両足と片腕を失った姿でその廃屋の前にゴザを敷き、物乞いをしていたそうですが、彼の父親は怖くて近寄れないまま上京してしまったそうです。
けれどある年の正月、帰省した父親はその軍人がいなくなっている事に気づき、中谷の祖父(父親の父親)に聞いたところ「死んだ」とだけ言われたのだとか。
地元で聞いた話では、その軍人は年の瀬の寒い日に病に倒れたそうですが、助ける者はおらず、苦悶の末死亡したのだとか。
そこに公園が造られたのは30年ほど前で、子供が遊具から落ちるなどの事故が相次いだことから『傷痍軍人の祟りだ』と噂が立ったため、周辺住民がお供え物をするようになったのだとか。
それは持ち回りや特定の人物ではなく、その軍人に対して罪悪感を抱いたであろう複数の人間が、代わる代わる続けているそうです。

そこで問題映像が紹介されます。
投稿者の娘は実にあどけない少女で、花を戻した後、再び公園で遊び始めますが、知らぬ間にまた枯れた花を持っており「そこにあった」と笑っています。
彼女はその花を持ったままアスレチック遊具の前で話し始めますが、花を握った手に別人の手が被り、カメラから外れる瞬間、その背後の柱の陰に、片腕で俯き加減の寂しげな男の姿が映り込んでいます。
「まさか、この映像に映り込んだモノは、戦後の混乱期、かつてこの場所で亡くなった傷痍軍人の姿である、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

◆「ホテル」投稿者/向井敬(仮名)
投稿者が友人と北陸を旅行した際、興味本位で立ち入った廃ホテルの映像。それはすっかり朽ち果てたコンクリートの建物で、残留物も多く荒れてもいますが、まだ落書きなどはないようです。
2人は2階に上がり撮影を続けますが、廊下や室内の隅々は暗く不気味で、投稿者が窓のあるバーカウンターを映し始めた頃、廊下の奥から友人が入って来ます。
投稿者は一瞬ギョッとして友人にカメラを向けますが、その足元には廊下に寝そべり上半身だけをのぞかせた不気味な女の姿が映り込んでいます。
投稿者は、その後泊まったホテルで足元に重みを感じ、ナニモノかに乗られた感覚に襲われたそうです。
「まさかその現象は、映像に映り込んだモノの仕業である、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

【承】- ほんとにあった!呪いのビデオ68のあらすじ2

ほんとにあった!呪いのビデオ68のシーン2 ◆「禁忌 中編」投稿者/戸松優樹(仮名)
(※前巻第67巻「禁忌 前編」のあらすじ)
保険会社勤務の投稿者戸松優樹(仮名)の同僚、八幡和枝(仮名)の部屋で行われた飲み会の映像に、経のような声と、ひとりでに開いた引き戸の隙間から現れた不気味な男の姿が映り込んでいた。以来八幡は隙間を異常に怖れて自宅に引きこもり、ついには自殺未遂に至り、意識不明となり現在も入院している。
八幡に異変が起こり始めた頃、同アパート住人が彼女の部屋の前に立つ無表情の男に「八幡の婚約者だ」と言われるが、彼女には婚約者はおろか恋人すらいない。
戸松は八幡を案じて手を尽くすが、一方で八幡の美大時代の先輩石川将彦は、八幡にコンパの誘いを断られた事から男性経験が無いと決めつけ、知人の写真家下村(仮名)の「20代後半で清らかで奥ゆかしい処女」という奇妙な条件のモデル募集に応じ、無断で八幡の写真とプロフを渡し、返事が無いまま失念していた事が判明。スタッフは下村に電話を入れるが「八幡の写真の件」と言った途端取材拒否される。
また唯一の女性スタッフ川居は、取材中ずっとえもいわれぬ不快感を感じている。
・・・

その後、投稿作品のデータベースを検索したところ、1年ほど前に投稿された中国人女性崔妮による投稿映像に探し当たります。
それは投稿者の友人が万里の長城で撮影した、不気味な男が映り込み、何かを唱えるような女の声が入っている映像で、同封の手紙には「映っている女性は事故で亡くなったが、生前ストーカー被害に遭っていて、加害男性が女性の”婚約者”を名乗って家まで押し掛けた」などの部分も似ていました。
スタッフは早速在日している投稿者崔妮に会い、話を聞く事に。

崔(サイ)は「投稿映像は、周が亡くなる3ヶ月ほど前に送られてきた、彼女が万里の長城に旅行に行った時の映像で、周の背後に不気味な男が映り込み、女が何かブツブツ呟いている声が入っていた」と話します。
その映像に映っている女性周(仮名)は彼女の親友で、近所の自動車工場の爆発事故に巻き込まれて亡くなったそうですが、なぜ彼女が1人でそこに行ったかは謎だそうです。
また事故の数ヵ月前、周は彼女から「ストーカーに盗聴器を仕掛けられたり、無言電話が続き、ノイローゼ状態だ」と相談を受けており、埋葬直前に遺体が盗まれ、現在も行方知れずのままなのだとか。
崔は「そのストーカーも、遺体盗難の犯人も遺体も見つからないし、その2つが関連しているのかどうかも分らない」と話します。
そこでスタッフは、崔に戸松の投稿映像を確認してもらい「似ている気がするが、関連しているかどうかは分からない」と言われます。

その後スタッフは、飲食店に勤めていた周の同僚女性コウから「周は職場の同僚男性モウにつきまとわれていた」という情報を得ます。
しかしモウは周が亡くなる直前、自宅の火事で焼死しているそうで、2人の死因にはなぜか偶然とは言い難い合致がありました。
またその調査を進めていた演出補の阿草は、中国では若くして亡くなった者同士を結婚させる『冥婚』と呼ばれる風習があり、近年、若い女性の遺体が盗難や盗掘されて売買され、中には冥婚用の遺体とするための殺人事件や、人身売買で売られた女性を殺害し、遺体として販売するなどの事件が多発している事を受け「周の遺体も冥婚用に盗まれたのでは?」と話します。

スタッフは「冥婚」に関してさらなる調査を進め、ある推論へと至ります。
そもそも「冥婚」とは、中国を中心にアジア圏で行われる「若くして未婚のまま死亡した若者を、同時期に亡くなった異性と婚姻させ、共に葬る」という風習だそうで「婚姻相手は似た状況で亡くなった者が好ましい」とされているのだとか。
その事からスタッフは「周の遺体は、彼女につきまとい先に死亡した同僚男性モウの冥婚相手とされるため盗まれた」さらには「冥婚相手に相応しいと目をつけられた周が、焼死したモウに合わせ、何らかの方法で事故現場へと誘導され、爆発事故によって焼殺されたのでは?」と推測します。

ここで崔の投稿映像が紹介されます。
それは中国の観光地万里の長城に周と友人2人が旅行した際の映像で、周も自撮り棒で撮影している友人の傍らで楽しげに微笑んでいるモノでした。
やがて友人女性が周囲をぐるりと撮影し始めますが、それを塀にもたれて見ている周と男性友人が映り込むシーンで、周の顔の横に生気の無い不気味な男の顔が映り込んでいます。またその間画面はノイズで激しく乱れ、何かを唱えるような甲高い声も入り込んでいます。
「まさか、映り込んだ男はストーカー疑惑のあるモウさんであり、周さんは彼と冥婚させられるために命を奪われた、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

スタッフはその後の話し合いで、「音声に関してはさらなる調査を進める」「八幡(仮名)と周(仮名)の一件は、自殺という点において状況が似ている」そして、一旦は取材を受けるとしながら取材拒否を続ける写真家下村(仮名)に関しては、自宅に赴き、重ねて取材を申し込むという方向で決まります。
また川居は、八幡は自分の写真やプロフが下村に渡された事を知らず、モデルの条件も特異だったため「下村がモデル募集名目で好みの女性を物色するうち八幡に興味を抱き、婚約者と偽りストーカー行為に及んだ可能性もある」と話していました。
(※巻末「続・禁忌 中編」に続く)

【転】- ほんとにあった!呪いのビデオ68のあらすじ3

ほんとにあった!呪いのビデオ68のシーン3 ◆「クリスマス」投稿者/神崎友輝(仮名)
26年前、当時6歳だった投稿者が、家族でクリスマスパーティをしている映像。
投稿者は10月に結婚し、11月から両親と同居しているそうで、入居に当たり実家を片付けた際、大量の古いビデオテープを見つけたのだとか。
彼は妻と一緒にそのテープを見たそうですが、妻は1990年のクリスマスパーティの映像に映り込んだ少女と女の姿に気づいて怯え、彼自身はその頃よく遊びに来ていた弟の友だち”美代ちゃん”(仮名)を思い出したのだとか。
その頃彼はよく保育園児の弟から「園で美代ちゃんと遊んだ話」を聞かされた記憶があるというのです。
ところが実際に聞いてみると、母親には「その子は弟が保育園に入る前に亡くなった」と言われ、弟にも「いた気がするが憶えてない」と言われたのだとか。
スタッフは、かつて投稿者一家が住んでいた地域の当時の情報を調査し、美代(仮名)という少女にまつわる事件記事を見つけ出します。
それはかつて投稿者が住んでいた団地の近所で発生した3歳女児の死亡事件で、夫に病死した前妻の子=美代を押し付けられて別れた20代の母親が、美代を放置し衰弱死させたという事件で、当時美代はやせ細りゴミ捨て場を漁る姿がたびたび目撃されていたそうです。
問題の映像は1990年のクリスマス、小さなツリーが飾られた団地の部屋で、6歳の投稿者と保育園児の弟が、母親の大きな手作りケーキやご馳走にはしゃぐ微笑ましい映像ですが、その様子をベランダ窓の隅から見下ろす暗い表情の女の顔と、灯りの消えた隣室から羨ましげに見ている少女らしき姿が映り込んでいます。
「まさか、映像に映り込んだのは、この世に未練を残し亡くなった少女と、それを見守り続ける実の母親の姿である、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

◆シリーズ監視カメラ「灯台」投稿者/久保田雅之(仮名)
とある観光地の海辺に設置されたライブカメラの映像。
それは夜間、岸辺から数キロ離れた小島を捉えた映像で、小島の上には規則正しく明滅する灯台があります。
波は穏やかで水平線には街の灯りが瞬く静かな映像ですが、ほどなくして画面がノイズで乱れ、唐突に岸辺と島の間の波間に沈みゆく船影が現れ、夜空に巨大な骸骨のようなモノが浮かび上がります。
投稿者が地元の漁師に聞いたところ、その辺りは波が荒く、過去に数回漁船の転覆事故が発生している場所なのだとか。
「まさかカメラは、海難事故で沈没し、今もこの海域のどこかに眠る幽霊船の姿を捉えてしまった、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

◆「洗車機」投稿者/坂元真(仮名)
買い物帰りに自動洗車機を利用した際、スマホで撮影したという映像。
車は4人乗りのワゴン車で、投稿者は運転席から、助手席の妻や後部座席で大喜びの小学生の息子、そして窓を激しく打ちつける水流やモップなどを楽しげに撮影しています。
皆それぞれに安全ベルトを装着していますが、興奮した息子はあちらこちらを覗き込んでは歓声を上げています。
その2度目の洗浄の際、カメラに向かって微笑む息子の隣に、四つん這いになって息子の顔を凝視する痩せた少女の姿が映り込んでいます。
その車は1年ほど前、格安で購入した中古車で、おまけとしてチャイルドシートが付いていたのだとか。
「まさか、この少女と思しきモノが、チャイルドシートの使用者である、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。

【結】- ほんとにあった!呪いのビデオ68のあらすじ4

ほんとにあった!呪いのビデオ68のシーン2 ◆「続・禁忌 中編」投稿者/戸松優樹(仮名)
その後スタッフは、八幡和枝(仮名)の写真とプロフを、写真家下村(仮名)に渡した石川将彦の情報を元に、下村が平日使用しているスタジオで張り込んで本人と接触、顔を出さない条件で車中での取材へとこぎつけます。
フリーの写真家下村順一(仮名)は当初、突然現れた阿草にケンカ腰で応じていましたが「八幡が自殺を図り、深刻な状況にある」と聞いたところで「(第三者に)頼まれた(仕事だった)」と打ち明け、態度を和らげたのです。
彼は普段、ブライダルやポスター写真を主に請け負うフリーのカメラマンですが、件の仕事は、既存の男性の写真に彼が都合したモデル女性の顔をはめ込んで、婚礼写真にレタッチ(写真の加工/合成写真)するという内容だったそうです。
依頼主は平塚和弘(仮名)、依頼は3、4か月前メールで届き、モデル女性の条件は石川の証言通り「20代後半で清らかで奥ゆかしい処女」という特殊なものでしたが、高額報酬を示され請け負ったのだとか。

彼はモデル事務所を通さず、知り合いのつてを頼りに条件に当てはまる女性を探して2点作成したそうで、花屋の女性店員を合成したものは「イメージに合わない」とクレームがあり、次に石川が提供した八幡の写真を作成して送ったのが2ヵ月程前、その後クレームが無かったので納得したと捉えたそうです。
また勝手に個人使用の目的であろうと判断し、双方ともモデルの女性には無許可だったのだとか。
ところがその後、1点目の花屋の女性店員が階段で転倒して重傷を負い入院中だと聞き、今回八幡の件を聞いたところで、マズイ事に巻き込まれたのかとゾッとして取材に応じたのだそうです。
また素材として渡された男性の写真は、無表情で年齢不詳のひどく不自然なモノだったそうです。
「依頼はメールだったが男性の写真は郵送だった」と聞いたスタッフは、依頼主である平塚和弘(仮名)のメールアドレスと住所、送られてきた男性の素材写真を送ってもらうよう頼んで取材を終えます。
またその後、阿草が「日本にも『冥婚』に似た『ムカサリ絵馬』という風習がある。それは写真ではなく絵で行う冥婚のようなモノで、若死にした人物と架空の相手を婚姻させ、絵にして供養するという一部地域に伝わる風習だそうで、写真加工という点で似ている気がする。平塚が下村に依頼したのは、その『ムカサリ絵馬』だったのでは?」と言い出し、その件についても調査を始める事に。

その後スタッフは、民俗学研究家溝渕久夫(仮名)に電話取材し『ムカサリ絵馬』の詳細な情報を得ます。
溝渕はまず「相談の件は多分『ムカサリ絵馬』だと思う」と前置きし、「そもそも『冥婚』とは遺体同士を婚姻させ供養する風習だが、『ムカサリ絵馬』はその日本版で、死者と架空の相手を絵馬に描いて供養する風習だ」と話します。
また『ムカサリ』とは山形の方言で「嫁に迎えて去る」「娘が去る」という意味で、若くして不慮の死を遂げた我が子のために、架空の人物との婚礼を絵馬に描いて寺に奉納し、供養するという山形地方の風習だそうで、処女や未婚のまま死んだ子供がこの世に未練を残し、悪霊と化すことを防ぐ意味もあったのだとか。またその形態は、時代の流れと変化し、絵ではなく合成写真で行われるケースも増えたのだとか。

死者同士を婚姻させる中国の『冥婚』とは異なり、『ムカサリ絵馬』は死者と「架空の相手」というのが鉄則だそうですが、どちらにせよ死者と生者を婚姻させるのは禁忌(タブー)に当たり、「相手にされた生者は死者と似たような死に方をする」「冥婚相手の死者が、生者をあの世に引きずり込む」と言われているそうで、「今回の件は八幡が自殺未遂に至っている事から、相手の男は死者であり『ムカサリ絵馬』に相違ないだろう」というのです。
溝渕はそのタブーを犯した特殊な写真や映像を所持している人物に連絡すると約束し、取材を終えます。

翌日、溝渕の知人からは死者と生者を婚姻させる『特殊な冥婚』の資料=3本の映像が入ったDVD1枚と数枚の写真が届きます。
同封の手紙には「特に3本目の映像は、生きている女性を相手にした特殊な冥婚の儀式の映像であり、新婦の女性は撮影の1年後に発狂して亡くなったと聞いている」とあり、スタッフが確認したところ、その映像には不可解なモノが映り込んでいたそうです。
また下村からは、八幡の冥婚相手とされた男性の写真がメールで届きます。それは撮影場所も不確かな学生服姿らしき男性の写真でしたが、確かに表情も薄く違和感がある写真のようです。
「果たして下村さんが作成した合成写真が『ムカサリ絵馬』であるなら、この男性はすでに亡くなっている、という事なのだろうか」とナレーションが入ります。

最後に「心身に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、影響を受けやすい方、気の進まない方は再生を止めてください。こちらでは一切の責任を負いかねます」との「警告」とカウントダウンの後、『特殊な冥婚』の儀式映像が紹介されます。
それは8畳ほどの和室で撮影された古い映像で、手前には白無垢綿帽子の新婦、奥には白い箱に寄り掛かった羽織袴の新郎が座し、新郎の脇には祭壇らしきモノが設えてあります。
そこに喪服(黒紋付)の中年女性が来て、三々九度の杯等々、粛々と式を進め、祝詞を唱え始めます。
その間、新郎は箱にもたれたまま微動だにせず、画面は時折乱れてノイズが入り、喪服の女性が祝詞を始めて間もなく、新婦が崩れるように倒れ込みますが、喪服の女性は無視して祝詞を続けています。
やがてその声は複数の人間が泣き叫ぶ声に掻き消され、数体の黒いぼんやりした人影が現れますが、最後まで喪服の女性は動じることなく、新郎に至っては動く気配すらありませんでした。
「まさか、この『特殊な冥婚』の儀式は、生きている冥婚相手を死に至らしめるモノである、とでもいうのだろうか」「そして周さんが中国でストーカー疑惑のある男性と同じ死因で亡くなった理由は、特殊な冥婚をされた事にある、とでもいうのだろうか」とナレーションが入ります。
(※次巻「ほんとにあった!呪いのビデオ69」「禁忌 後編」に続く)

みんなの感想

ライターの感想

前巻からの三部作「禁忌 中編」ではついに儀式の禁忌を犯した『特殊な冥婚』の映像が紹介されますが、白無垢綿帽子の花嫁衣装と彼女が昏倒しても動揺すらせず祝詞を続ける黒紋付の年増女という構図そのものに何よりゾッとしました。白無垢綿帽子は現代ではファッションとして広く親しまれていますが、この映像ほど古い年代には家柄格式が伴わないとNGだった装束だと記憶しています。
黒紋付の女にとってこの花嫁は単なる供物、女自身もまた霊障を受けても差し支えない存在で、それを指示した死婿の母親もしくは親族は別にいると思えてならないのです。
この花嫁は途中楚々として移動する事などから、意識もあり自分の婿がどういった状況かも承知している…なぜこの花嫁が”そこにいなければならなかった”のかを思うと胸が詰まります。
「花束」の”傷痍軍人”とは「ジョニーは戦場に行った」「キャタピラー」等々の映画にも取り上げられた人々で、日本では第二次大戦後、不自由な身体で帰国したものの介護すべき家族が戦没しており、やむなく路上生活者となるケースも多かったそうですが、復興が進むにつれ詐欺なども横行し、同情だけではうかつに近づけない存在となって行ったのです。彼には戦地でも思い続けた幼い娘がいたんですかねぇ。
「灯台」はかつて沈没した船影が映り込むという特殊な映像で、これまで震災の予兆と思しき映像にも出現した巨大な髑髏が浮かぶのも興味深いところです。

※「ほんとにあった!呪いのビデオ67」「禁忌 前編」収録


※本作は「ほんとにあった!呪いのビデオ パーフェクトBOX7」にも収録されています。
(シリーズVol.65~77までを収めた13枚組のDVD-BOX)

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