「イットフォローズ」のネタバレあらすじと結末の感想

ホラー映画

イット・フォローズの紹介:2016年公開のアメリカ映画(製作は2014年)。各国の映画祭で高い評価を獲得し、クエンティン・タランティーノも絶賛の声を寄せたホラー。人にのりうつり、死に至らしめる謎の存在“それ”の恐怖から逃げのびようとするヒロインの姿を描く。

予告動画

イットフォローズの主な出演者

ジェイ・ヘイト(マイカ・モンロー)、ポール(キーア・ギルクリスト)、グレッグ・ハニガン(ダニエル・ゾヴァット)、ヤラ(オリヴィア・ルッカルディ)、ケリー・ヘイト(リリー・セーペ)、アニー(ベイリー・スプリー)、アニーの父(ローレン・バス)、ヒュー〔ジェフ・レモンド〕(ジェイク・ウィービー)、グレッグ・ハニガン(ダニエル・ゾバット)

イットフォローズのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①19歳の女子大生・ジェイは最近できた彼・ヒューに身体を許した直後から、何者かに追われることになる。『それ』は他者には見えず、ゆっくり歩いてくる。回避する方法は誰かと性行為をして『感染させる』こと。 ②ジェイは昔関係のあったお向かいの住人・グレッグに身体を許すが、グレッグは死ぬ。幼馴染みでジェイをずっと好きなポールに身体を許したジェイは、ポールと2人で『それ』に追われることにした。

【起】- イットフォローズのあらすじ1

住宅街の一軒家から、タンクトップと半パン姿の若い女性・アニーが飛び出してきます。アニーは車道に出て周囲を見渡すと、驚いてあとを追いかけてきた父親に「大丈夫」と言いながら、家に戻りました。
ところがアニーはまた家を出てくると、今度は車に乗って猛スピードで走り去ります。
夜、海辺で電話をかけたアニーは、両親に「愛している」と告げました。
翌朝、アニーは右足を反対方向に折られた無残な姿で、遺体で発見されます…。
…ジェイは19歳の女子大生です。最近ヒューという彼氏ができ、肉体関係を迫られていました。
ジェイ宅には幼馴染みの仲良し2人がよく遊びに来ます。
・ジェイ…金髪ロングの若い女子大生。プールが好きで、よく自宅の円形のプールに浮いている(泳ぐほどではない)。
・ケリー…ジェイの妹。金髪ロングの若い女性。姉妹仲は良好で、なんでも話せる間柄。
・ヤラ…黒髪の眼鏡をかけた若い女性。読書好きでコンパクトの形をしたスマホ(?)で『白痴』を読んでいる。
・ポール…若い男性。ジェイとケリー姉妹とは幼馴染み。ジェイのことが好き。
ジェイ宅には父は他界しており、母しかいません。ヤラとポールはよくジェイ姉妹の家を訪れて、雑談を交わしていました。4人の間には殆ど秘密がないほど仲良しです。
その翌日、ジェイは彼氏・ヒューとデートでした。映画館で上映を待つ間、互いに観客を眺めながら「生まれ変わるならどの人になりたいか決めて、当てっこをする」ゲームをしますが、ヒューが指さした黄色い服の女の子は、ジェイには見えません。それを知るとヒューは血相を変え、ジェイを連れて映画館を出ました。
カフェに行ってディナーを一緒にとり別れますが、映画館の一件はジェイには不可解でした。
妹・ケリーにヒューとの進展を聞かれたジェイは、ヒューは身体の関係を持ちたがっていると告げます。ジェイ自身もそろそろ身体を許してもいいかと思い始めていました。
次のデートの時、ヒューとジェイは車中でペッティングをし、後部座席で結ばれます。その余韻もつかの間、ジェイはヒューに麻酔薬をかがされて意識を失い、次に目覚めた時には廃屋の2階で下着姿のまま、車椅子に手足を拘束されていました。
混乱するジェイにヒューは乱暴はしないと約束した後で、これからする話を忘れるなと言って話を始めます。
「あるモノがつけてくる。俺が感染した『それ』を、さっき君に伝染(うつ)した。それは時には知人に、時には他人に姿を変える。変幻自在だ。いろんな人間に見えるが、実体は1つだ。時には君を傷つけるために愛する人に姿を変えることもある」と告げたヒューは、ジェイを乗せた車椅子を移動させて廃屋の2階から下の風景を見せました。
ヒューの言っている内容はジェイには理解不能です。でも廃屋の下の、ヒューが指さす電車のレールのところには、裸の女性が一直線にこちらに歩いて向かっていました。

【承】- イットフォローズのあらすじ2

「なるべく早く誰かと寝て相手に感染させろ。君が殺されると俺に戻ってくる。常に逃げ道を確保しろ。動きは鈍いが頭はいい」と言うと、ヒューはジェイの車椅子を押して逃げます。そしてジェイの家の前まで車で送ると、放り捨てるようにその場に置いて立ち去りました。
ジェイの家では深夜にも関わらず、玄関先でケリーとヤラとポールがトランプをして遊んでいました。下着姿で置き去りにされたジェイを見て驚いた3人は、警察に通報します。
やってきたパトカーを、ジェイの向かいの家に住むジェイと同級生で同じ大学に通う黒髪の若い男性グレッグ・ハニガンが見ました。何事だろうと思います。
ジェイは警察に事情を聞かれた後、入院措置を取られました。その後の警察の調べで、ヒューはジェイに近寄るために家を借り、ヒューという名も偽名だったことが分かります。
退院したジェイは大学に行き、ヒューのことは悪い男に騙されたのだと思おうとしました。ところが講義の最中、窓の外にはるか向こうから白髪の老婆が自分めがけて歩いてくるのを見ます。
周囲の人には見えていない様子に気づいたジェイは、授業を抜け出しました。車で移動し、妹・ケリーとポールのバイト先のアイス店に行って相談します。
ジェイのことを心配したヤラとポールが、ジェイ宅に泊まりにきました。ヤラは妹・ケリーの部屋に、ポールは居間で寝ます。
眠れないジェイは居間に行き、ポールと昔話をしました。ポールとジェイ&ケリー姉妹は幼馴染みでしょっちゅう遊ぶ相手でした。
ポールはジェイにとって初キスの相手で、それはポールにとっても同じです。ところがその後、ポールが妹・ケリーともキスをしたと聞いて、ジェイはポールに心理的距離を置くようになっていました。
そんな昔話をしている最中に、台所の窓ガラスが割れる音がします。ポールはケリーたちを起こしに行き、ジェイはおそるおそる台所を見に行きました。
台所には胸を丸出しにした歯が欠けた中年女性が、失禁しながら近づいてきています。ジェイは怯えますが、駆け付けた他の3人にはその女性の姿が見えません。
ジェイはショックで自室にこもりますが、ポールとケリーの説得でドアを開けました。遅れてヤラが部屋に入って来るその真後ろに、超ノッポの男性が続いて入ってくるのを見たジェイは、家を出て一目散に逃げます。その様子を向かいの住人・グレッグも見ていました。
ジェイは自転車で逃げて公園のブランコに座りました。後から妹・ケリーら3人と、グレッグもやってきます。
ジェイは彼らにヒューから聞いた話と、自分だけに見える追っ手の話をしました。ケリー&ヤラ&ポール&グレッグは、ヒューを探そうと言い出します。
グレッグの運転で、以前ヒューの家だと教えてもらったことのある家に行きました。その家は現在は空き家になっていますが、窓はすべてチラシで目張りされており、窓の近くには缶がぶらさげてあります。侵入者があればすぐに音で気づくようになっていました。

【転】- イットフォローズのあらすじ3

空き家に残されたポルノ雑誌の中から、ポールがヒューの写真を見つけ出します(冒頭で死んだアニーとヒューのツーショット写真。つまりアニーが死んだことでヒューに『それ』が戻ったらしい)。
写真のヒューの着ているジャケットは、ローソン高校のものでした。ローソン高校を訪ねた5人は、ヒューの本名がジェフ・レモンドだと知ります。
(注:ヒューの本名が判明したが、紛らわしいので便宜上ヒューのままで記載する)
ヒューは5人全員の前で話をしました。まだ自分にも『それ』が見えていると言い、改めてジェイに、誰かに伝染(うつ)せとアドバイスします。ヒューの場合は、バーで拾った名前も知らない一夜限りの女性に伝染されたそうです。
「『それ』は必ず歩きなので、車で逃げろ」と言いました。確かにそれはどんな時も歩くだけで、走りませんでした。
グレッグが自分の父の別荘を提供し、皆でそこに移動します。グレッグはジェイに銃を渡して練習させました。
海で遊んでいると、それがやってきてジェイの背後で髪の毛を引っ張ります。ポールたちはその姿は見えませんが、ジェイの髪の毛がひっぱられて上に持ちあげられるのを見ます。
ポールが見えない空間に椅子で殴りつけると手ごたえがありましたが、直後ポールは吹き飛ばされます。ジェイには若い水着姿の女性、細い少年、次は白い服の少女に見えました。それは次々に姿を変えます。
動転したジェイは車に乗って暴走し、畑の中に突っ込んで気絶します。
右手首を骨折して再び病院に担ぎ込まれたジェイは、グレッグの提案を受け、病院でグレッグと交わりました。グレッグも感染します。ケリーやヤラ、ポールもそれを知りました。
その後3日間は何も起こりませんでした。何よりもグレッグ自身が『それ』の存在を信じておらず、軽視しているむきがありました。
4日目の夜、ジェイは白いパジャマ姿の中年男性がグレッグ宅の窓ガラスを割って侵入するのを自宅から見て、慌ててグレッグに電話をしますが、応答しません。
グレッグはその頃、『それ』を見ていました。『それ』はグレッグの母の姿になり、馬乗りになってグレッグに性行為を施します。
ジェイが駆け付けた時には、グレッグはもう死んでいました。ジェイは車で森に逃げます。
朝を待って海辺へ出たジェイはタンクトップとショートパンツ姿になって海で泳ぐと、家に帰りました。ケリー、ヤラ、ポールが待っており、付き添ってくれます。
ポールが自分に伝染せと提案しますが、ジェイは悩みました。実はジェイはグレッグと以前、関係を持ったことがあったので身体を許しやすかったのと、グレッグが怖がっていなかったのとで、それでグレッグに身を任せたのです。
ポールに伝染すことに抵抗を覚えたジェイに、では『それ』を退治しようとポールが言いました。ジェイ、ポール、ケリー、ヤラの4人は14歳に初キスした地下のプールに移動します。

【結】- イットフォローズのあらすじ4

車に乗り込む時、屋根の上に全裸の父(注:ジェイの父は他界している)が立っているのを見たジェイは動転します。
郊外の地下のプールに移動した4人は、プールサイドに家電製品を片っ端から並べ、コンセントを繋ぎます。『それ』が現れたらプールに落とし、感電死させる作戦です。ジェイはプールの中央でスタンバイし、おとりの役目をしていました。
夜に白いシャツ、白いモモヒキ姿の父の姿をした男性が入ってきました。ところがそれはプールには入らず、プールサイドの家電製品を投げ込んでいきます。計算が狂ったジェイ以外のメンバーは、慌ててコンセントを抜きました(ジェイが感電するから)。
ポールが銃撃しますが、誤ってヤラの足に当たります。妹・ケリーが布をかぶせるとシルエットが浮かび上がったので、それを頼りにポールは撃ちました。男はプールに落ちます。
ジェイはプールから出ようとしますが、男に足を引っ張られました。水中にポールが銃弾を撃ち込みます。
ジェイは助かりました。プールには血が一面に広がりますが、その血すらジェイにしか見えません。ジェイの足首には、男に捕まれた手の痕が残っていました。
その後、ジェイはポールと窓のそばで交わります。行為の後、何か変化はあったかとポールが聞きますが、ジェイは黙って首を振りました。
ポールはジェイに『それ』はどんな姿をしていたか聞きますが、ジェイは答えません(父の姿だったから答えたくなかった)。
別の日、ポールは車を運転しながら街の娼婦を物色しますが、声をかけることなく立ち去りました。
銃弾を足に受けたヤラが入院し、本を朗読します。
〝拷問には苦痛と傷が伴う。肉体的苦痛は精神的苦痛を超越し、人は傷の痛みに死の瞬間まで苦しむ。だが最悪の苦痛は、傷そのものではない。最悪の苦痛はあと1時間、あと10分、あと30秒で、そして今この瞬間に魂が肉体を離れ人でなくなると知ること。この世の最悪は、それが避けがたいと知ることだ。〟
…ピーターとジェイは手を繋いで街を歩きますが、その後方に『それ』が迫っています…。
(『それ』の正体は明らかにされないまま。
『それ』が性病を意味し、若者たちが気軽に異性に身体を許すことに対しての警鐘を鳴らしている…という分析をする人もいるが、これは監督によって否定されている。
監督自身は『それ』の正体を明らかにしたくないらしい。
ラストシーンでヤラが読み上げる一節にヒントが隠されているものと思われる。
生まれた瞬間から誰しも免れられない「死」の到来。その恐怖を、『それ』という曖昧模糊とした存在によって描きだしたのではないか。
人はいつどのようにして死ぬかは分からない。病死であるかもしれず、ある日突然、不慮の事故で命を落とすこともあろう。
避けがたい死の恐怖を訴えた内容ではないか。だから『それ』は走らず、ゆっくり歩くだけなのだ。
今作品で性行為によって感染するというスタイルをとったのは、セックスが「生」を生み出す行為であり、エクスタシーを感じるたびに死に近づくというメタファー)

みんなの感想

ライターの感想

確かにこれは、解釈に悩むわー。
これを「簡単に身体を許す最近の若者に対しての戒め」と取る人がいても、確かにおかしくないと思う。
私は「深読みしなくてもいい作品」なのではないかと思う。追いかけてくる何かの不気味さを、ただ味わえばいいのじゃないかな。
それだけじゃ納得できないという人向けに、敢えて解釈をあらすじ最後につけ加えてみた。
性行為をすることが悪…これを訴えるのならば「もしポールとジェイが結婚したらどうなるの? それでも『それ』は追いかけてくるの?」…矛盾するもんな。
婚前交渉の不謹慎さを描きたかったのか? そうでもないと思う。
もっともらしい説明はいろいろとつけられると思うが、それよりも前に「映画全体に漂う、なんともいえない底知れぬ気持ち悪さ」を味わえば充分だと思う。

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