映画:ウイラード(1971年)

「ウイラード(1971年)」のネタバレあらすじと結末

ウイラード(1971年)の紹介:気弱な青年が唯一の友であったはずのネズミを使って横暴な雇主に復讐を果たす、1971年に公開されたアメリカの動物パニック映画。原作はスティーヴン・ギルバートの小説「ネズミ男の手帖」。監督は「電撃フリントGO!GO作戦」ダニエル・マン、脚本はギルバート・ラルストン。主演は「いちご白書」のブルース・デイヴィソン。ネズミの大群の襲撃シーンが話題となり、続編「ベン」が制作され大ヒットとなった。

あらすじ動画

ウイラード(1971年)の主な出演者

ウイラード・スタイルズ(ブルース・デイヴィソン)、マーティン(アーネスト・ボーグナイン)、ジョアン(ソンドラ・ロック)、ウイラードの母ヘンリエッタ(エルザ・ランチェスター)、伯母シャルロット(ジョディ・ギルバート)、マーティンの秘書アリス(ジョーン・ショウリー)、ファレイ(J・パット・オマリー)など。

ウイラード(1971年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ウイラード(1971年)のあらすじ1

ウイラード(1971年)のシーン1 鉄工所の営業部勤務の青年ウイラード・スタイルズは、今日もヘマをして社長のマーティンにイヤミを言われ、バスで帰宅します。
彼はその会社の創立者の息子ですが、父親は死に、会社は現社長のマーティンに乗っ取られ、父の遺産の邸宅で病弱な老母と暮らしていますが、メイドを雇う金すら無く庭は荒れ放題です。
家では母親と親戚たちが集まっていて、彼の27歳の誕生日を祝いますが、彼を子供扱いする一方で期待と失望を露わにし「男子たるものこうあるべき!」「マーティンに取り入って副社長にしてもらえ!」と急かします。
中でも伯母のシャルロットは異常な世話焼きで、誕生日には大きなケーキを、母親に頼られればせっせとやって来てプリンを作り、ウイラードにも必死に取り入ろうとしています。
しかし当のウイラードは、遅刻や作業の遅れも多いため、味方する者は誰一人いませんでした。

また家では、何かと言えば母親がヒステリックに呼び鈴を鳴らし、彼を2階の寝室に呼びつけては、テレビが点かない、水漏れを直せ、屋根を修理しろと言いつけ、またある時は「あなたを宝だと思ってるの」と涙ぐむのです。
彼女は足腰が不自由で昇降機でしか2階に上がれず、一旦上がれば、窓から顔を出し、庭掃除をしている彼に「ネズミがいるの!棒で叩き殺して!」と怒鳴るのです。
ウイラードはそんな母親にいつも生返事で答え、裏庭の涸れた噴水で一人唇を噛みしめますが、その時1匹のネズミを見つけパンくずを投げてやります。
ネズミは次に会った時には子ネズミを連れていて、結局裏庭の噴水の周囲で密かに飼う事に。
けれど母親は異常なネズミ嫌いで、何かと言えば怯えて殺せと騒ぐため、彼は一度はネズミたちを噴水の台に取り残して水を張り、殺そうとしますができませんでした。

また会社では、彼の仕事の遅れを気にしたマーティンが、彼の補佐役として女性社員を雇います。ブロンドでキュートなジョアンはマーティンに同情的で、同じ頃、家では母親が「面倒見が良くて、お前の仕事が手伝える嫁を貰いなさい」と言い出します。
一方で彼にとってネズミが唯一の癒しとなり、気に入ったネズミにクイニーと名付け餌を使って言葉を教えたり、ソクラテスと名付けた白ネズミは家に持ち込み、母親に見つかりそうになったりします。
やがてウイラードは、家の物置で堂々ネズミを飼い始め、ダンボールで仔を生ませて数を増やし、日がな一日遊びながら言葉や集団行動を教え込んでいきます。
そこにある日1匹の大きなドブネズミが現れ、器用にベルを鳴らしているのを見て、ベンと名付けます。

ある日の勤務中、社長室でマーティンがグラマーな秘書のアリスといちゃついているのを目撃します。
マーティンはウイラードを呼びつけて言い訳しますが、彼は「父が死んでから一度も昇級が無い。残業もしてるし週末も働いてるのに!」と言い昇給を要求します。
しかしマーティンは「俺を脅す気か?!」逆ギレし、「残業が多いのは仕事が遅いせいだ!」「金が無いなら家を売れ!お前には大きすぎる!俺が買ってやる!」と迫り、挙句に終わったはずの仕事にいちゃもんをつけ、オフィスに向かって大声で「お前は能無しだ!親父の面倒を見てやったのに、今度はお前の番か!」と言い捨てたのです。

【承】- ウイラード(1971年)のあらすじ2

ウイラード(1971年)のシーン2 その夜、マーティンの豪邸では大勢のゲストを呼んだ盛大なパーティが開かれていましたが、ウイラードは、数十匹のネズミをカバンに入れて会場に忍び込み、「餌だぞ!」と命令して放ったのです。
会場は瞬く間にパニックになり、うち数匹はマーティンや使用人に殺されますが、ソクラテスとベンを含めた数匹は無事戻り、ウイラードは「ハッピーアニバーサリー!」とほくそ笑んで去って行きました。
翌日、マーティンは笑い者となりますが、素知らぬふりで出社していたウイラードには、母親の具合が悪いと電話があり、早退させられます。
しかし家には母親はおらず、代わりにシャルロットから「ママの容体が悪化して会社に電話したけどいないと言われた。ママは私にあなたを頼むと言い残して息を引き取った。遺体はファレイさんが持ってった」と言われます。
ウイラードは愕然として、葬式の手筈をまくし立てるシャルロットを追い出し、ソクラテスを連れて母親の部屋に行き悲しみに暮れますが、すぐに「葬式を出さなきゃ」と言い出掛けていきます。

葬儀の際、ウイラードは弁護士から「母親が年金暮らしで借金があり、遺産は家と保険金の1,500ドルだけだ」と聞かされ、「家を売って借金を返せば、小さな家くらいなら買える」と言われます。
また葬儀の後、親戚と弁護士、マーティンまでもが食料を抱えて家に上がり込み、勝手にサンドイッチの準備をし、楽しげにガツガツと食べ始めます。
みな口々にお悔みを言いますが、中でもマーティンは「金に困ったらいつでも言ってくれ」と言う一方で、彼が大切にしていたアンティークの柱時計を羨み「いっぺん分解してみたいと思ってた」と笑っていました。

ウイラードは数日間の忌引き休暇の間にネズミを物置から家の地下室へと移し、ソクラテスだけを寝室で飼うようになります。けれどベンだけはかまわず寝室に入るため、やむなく部屋で飼う事に。
またある日、勝手に家に入り世話を焼こうとするシャルロットから合い鍵を取り上げ、「二度と来るな!」と怒鳴って追い返します。
彼は中古車を買って通勤するようになり、オフィスにベンとソクラテスを連れて行って資料室に隠し、残業中にオフィスで遊ばせるようになります。
一方、ジョアンともいい雰囲気にはなりますが、ネズミの件は言わず「車を買ったから送っていきたいが残業がある」とごまかして帰します。

しかし一旦帰ったジョアンは彼へのプレゼントとして猫を連れて戻り、彼の家に行きたいと言われます。
彼はやむなく彼女と猫を乗せて家に向かいますが、猫はずっとカバンにいるネズミが気になり引っ掻いていました。
また、家の玄関扉には税金未払いの差し押さえ通告書が貼ってあり、結局彼女を上げずに彼女の家まで送る事に。
未払いの額は2500ドル、とても払える額ではありません。またやむなく引き取った猫は、通りがかりの男性に預け、置き去りにします。
一方、地下室ではネズミが増え続け、まかなう餌代にも頭を抱えることに。

ウイラードはやむなくシャルロットやファレイの元を訪ね、借金を申し込みますが、家を売るよう言われ断られます。
翌日、会社に大口の取引相手スペンサー氏が来て旅行のための現金4,000ドルを用意させたのを知った彼は、夜になってネズミを連れてスペンサー氏の邸宅に忍び込み、夫妻の寝室のドアを齧らせます。
音に気づいた夫人はスペンサー氏を起こしてドアを開けさせますが、ドアを齧っていたネズミの群れに驚いた夫妻はパジャマで逃げ出し、ウイラードはまんまと現金を手にします。
一方で、マーティンはウイラードの家を手に入れようと画策し、居留守を使ってもかまわず勝手口まで侵入し、この家を潰してアパートにしようとほくそ笑んでいました。

【転】- ウイラード(1971年)のあらすじ3

ウイラード(1971年)のシーン3 ウイラードは奪った現金で一息つきますが、寝室に連れて行くのはお気に入りのソクラテスだけで、勝手に入って来るベンにイラついて叱るようになります。
しかしベンは賢く、隙を見ては寝室に戻り、彼を弄った棒を齧って折り、ウイラードのカバンに先回りしてオフィスに連れていけとねだるのです。
その日、会社ではジョアンがマーティンに呼び出され「ウイラードと親しいようだが、家を売るよう説得してくれないか?」と言われて断り、ウイラードと共に解雇通知を渡されます。
また、就業中オフィスの資料室に放してあったベンとソクラテスが、アリスに見つかって騒ぎとなり、ソクラテスだけがマーティンに棒で突き殺されます。
みなが一息つく中、ウイラードは1人洗面所で泣きますが、そこにマーティンがやって来て「ネズミ狩りなんて初めてだ!どうした坊や?(ネズミ退治を見て)気分が悪くなったのか?さっさと仕事に戻れ!」と大笑いして出て行きます。
終業後、ウイラードは資料室にいたベンに「どうする事も出来なかった…僕のせいじゃない」と言い訳しカバンに入れと命じ、ベンは彼を責めるような眼で見つめてからカバンに戻ります。

帰宅したウイラードは、母の写真に向かって「どうして借金なんかしたんだ!今日母さんが友人だと言っていたマーティンにクビになった!ソクラテスも殺された!父さんと同じように!」と怒鳴って叩き割り、「今度は僕が命令する番だ!」と言い、マーティンが一人残っているオフィスに家中のネズミを連れて戻ります。
それは彼の車の後部座席やトランクを埋め尽くすほどの数のネズミで、オフィスに着いた彼は、鳴き真似でそれを従え社長室に向かいます。

異変に気づいたマーティンが扉を開けると、そこには無数のネズミとウイラードがいて、彼は「僕のネズミだ。話がある」と指を鳴らして社長室に入るよう命令し「僕の言う事はなんでも聞く」と言います。
マーティンはパーティでのネズミ騒動が彼の仕業と気づきますが、ウイラードは「動くな!まだまだいるんだぞ」とニヤつき居丈高に「座れ!」と命じます。
そして「まずあんたは父さんの会社を乗っ取った。それが元で母さんは死んだ。そして今度は僕から全てを奪おうとしている!いつも僕につきまとい、みんなの前で恥をかかせた!そして家まで取り上げようとしてる!」と怒鳴ります。
そしてまあまあと口を挟む彼を怒鳴りつけ「クビにして厄介払いをする気だろ!散々苦しめて僕のプライドを傷つけた!…だが今はもう違う。僕の友だちを殺したな!ソクラテスを突き殺した!」と怒鳴って、マーティンがネズミ殺しに使った血まみれの棒で、責めたてます。

マーティンはわけが分らず立ち上がって狼狽え、ウイラードは「僕のかけがえのない友だちだ!」と言って殴りかかりますが、すぐに棒を奪われ反撃されます。
その時、マーティンの腕に1匹のネズミが飛び掛かり、かじられて出血したのを合図に、ウイラードは「かみ殺せ!」と命令します。
ネズミは一斉にマーティンに襲い掛かり、彼は悲鳴を上げてひとしきり社長室の中で暴れ回りますが、やがて体中をネズミに覆われたまま窓から飛び出し、転落死します。
ウイラードはその死に様を恐る恐る確認し、部屋の隅からじっと見つめていたベンに「さよなら、ベン」と言い、扉を閉めて帰宅します。
帰宅したウイラードは、自宅に残っていたネズミを全て飼育箱に入れ、噴水の池に沈めて殺し、庭の穴に埋めてしまいます。

【結】- ウイラード(1971年)のあらすじ4

ウイラード(1971年)のシーン2 翌日、会社はマーティンの事件で休業となりますが、ウイラードは疑われもせず、「家に帰りたくない」と言うジョアンを彼の家に誘います。
2人はウイラードの家で食事とワインを楽しみ、彼は「僕の人生は変わったんだ。親友のソクラテスと君のおかげだ」と微笑み、「猫は?」と聞かれても「恋人を探しに行った」ととぼけます。
そして自信満々で「職業斡旋所に行ってやり直す。もう何も怖くないんだ」と言いますが、視界の端にベンを見つけて凍りつき、彼女を残して地下室を見に行きます。そこにはベンが従えたネズミの大群が戻っていました。

彼は慌ててジョアンを追い出し、キッチンにいたベンに命令しようと指を突きつけますが、かじられ「餌をやるから言う事を聞け!」と命じて準備を始めます。
ウイラードは物置にあった殺鼠剤を餌に混ぜ、ベンの前で取り分けますが、ベンは殺鼠剤に気づいて、仲間を呼ぶ鳴き声を上げ始めます。
彼はベンをホウキで追いまわし2階の物置に追いつめますが、ベンが逃げ回るうちに、地下室にいたネズミの群れが扉を食い破り物置へと押し寄せます。
気づいた彼は慌てて扉を閉めますが、ネズミの大群は瞬く間に物置に侵入、追い詰められたウイラードは「友だちだったじゃないか!ベン!」と叫んで窓を割ったところで、ネズミに襲われ食い殺されます。
ベンは、彼の末期を、棚の上からじっと見つめていました。

みんなの感想

ライターの感想

70年代に多数製作された動物パニックものの中でも異彩を放つ本作ですが、社長のマーティンの暴君ぶりもさることながら(「北国の帝王」でも見事な悪役を演じたアーネスト・ボーグナイン)、ウイラード自身も老いた母親や親戚連中から独立できず、一時は溺愛したネズミも飼育しきれず瞬く間に多頭崩壊寸前となり、凶器として悪用した挙句殺処分し、ちゃっかり猫好きの彼女と結ばれようと目論む狡賢く冷酷な人間だという2重構造が実に興味深い作品です。
また母親や親戚連中もカリカチュアのようにしつこくいやらしく、こんなのにつきまとわれたらマジ狂うわと妙に納得させられます。
ウイラードの上辺だけの愛情に、ネズミたちはただ無言でひたすら餌の心配をする構図が何ともシュール。百戦錬磨のドブネズミベンが、それ見た事かと言わんばかりの狂暴さをむき出しにするラスト、観客は思わずベンに味方したくなるんですが、アップになる前歯は間違いなくドブネズミのそれであった事も印象深いです。
CGの無い当時、約500匹のネズミを1年がかりで調教したという襲撃シーンは実に見事で、白ネズミソクラテス、大きなドブネズミベンの可愛さや利口さ、そして仲間を虐殺された後の激怒の名演も見逃せません。
国内では初のBlu-rey&DVD化だそうで、当時TVで何度も見たと言う方にもおススメの作品です。

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