映画:オキナワノコワイハナシ2016

「オキナワノコワイハナシ2016」のネタバレあらすじと結末

オキナワノコワイハナシ2016の紹介:2004年スタートの沖縄琉球放送制作のオムニバス・ホラードラマ。2012年以降は特番化され夏の風物詩となり、本作はその2016年夏放送分。連続殺人を追う刑事の奇怪な体験を描く江口カン監督の「デンパ」、霊能力がある事で仲違いした女子高生らを描いたKAZ監督の「サーダカー」、50年代の沖縄で実際に行われた教育制度により悲運に見舞われた姉妹を描いた名嘉真崇介監督の「方言札」の3作品。

あらすじ動画

オキナワノコワイハナシ2016の主な出演者

幸徳也、ナツコ、宮里莉羅(AKB48/当時)、島仲涼花、リマ、岸本尚泰、外間麗菜、福田加奈子、饒平名理佐など。

オキナワノコワイハナシ2016のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- オキナワノコワイハナシ2016のあらすじ1

オキナワノコワイハナシ2016のシーン1 ◆第1話「デンパ」
監督/脚本/江口カン、出演/幸徳也、ナツコ、宮里莉羅(AKB48/当時)、島袋寛之、黒田早苗、大城バネサなど。

深夜、雨に濡れたサトウキビ畑を必死に逃げ回る男。その葉は高く生い茂り出口のない迷路のようで、やがて目の前に汚れた白い服の女が現れ、男に襲い掛かります。
それは大城の悪夢で、汗みずくで飛び起きた彼は、妻がいない事に気づいてキッチンに行き、座っていた妻ゆきえに声を掛けますが、彼女は怯えたように振り向き「やっぱり誰かいる。私の事ずっと見てる」と呟きます。
大城はひどくイラついて「そんなものいないよ!気のせいだよ!」と怒鳴りますが、彼女は「私には分かる!感じるのよ!どうして信じてくれないの!」と泣き出しますが、その肘の下では数匹の蛆虫が蠢めいていました。

大城は刑事で、現在南中城村(なかぐすくそん)連続殺人事件を追っています。事件の被害者は若い女性ばかり5人、南中城周辺で惨殺されていました。
犯人の手掛かりは無く頭を抱える大城に、後輩刑事の新垣が「これは絶対”デンパ”すよ!」とこぼして「なんでも幽霊のせいにすんな!」と叱られます。”デンパ”とは”(心霊現象のような)奇怪な事件”を差す彼らの隠語です。
しかしそういう大城も疲れ果てていて、捜査会議中、妻が見知らぬ老女になる幻覚を見て叫んだりと、奇妙な事が続いています。

遅くに帰宅した彼は、玄関ノブにまとわりつく蛆虫を追い払って部屋の中に入りますが、妻はおらず、パソコンには誰かが風呂場で妻を殺害する映像が流れていました。
彼は焦って映像を止めようとしますが止まらず、イラついてパソコンを放り投げ、風呂場の水音に気づいて様子を見に行きます。
風呂場ではシャワーや蛇口が開きっぱなしで、浴槽の中には妻の死体がありました。
パニックになった彼は全てを思い出し、再び暗いサトウキビ畑に引き戻され、泣き叫びながら必死で逃げ回るうち、白い服の女に追い詰められ襲われます。

大城は、サトウキビ畑で死体となって発見され、彼の家からは被害者たちの殺害シーンの動画や写真が多数発見されます。つまり連続殺人の犯人は大城刑事だったのです。
彼の妻は、その映像を見てしまい、自宅の風呂場で殺害されたのです。
新垣は、その一部始終を語り終えた老女のユタに今一度「そういう夢を見た、つまり被害者たちの霊が呼び寄せたと?」と聞き、メモを取ります。そのユタは大城の幻覚に妻となって現れた老女でした。
大城の死体は死後かなりの日数が経過しており、彼を殺害した犯人や死因は不明でした。
新垣は「これこそ”デンパ”すよ!」と呟き、上司に「捜査にユタ使うなって言ったろ?!」と叱られますが、「証拠も無いから隠蔽しちゃおっか。マスコミの扱いとか得意だし」とこぼす上司に「さすがすね!」と同意します。

【承】- オキナワノコワイハナシ2016のあらすじ2

オキナワノコワイハナシ2016のシーン2 ◆第2話「サーダカー」
監督/脚本/KAZ、出演/島仲涼花、リマ、岸本尚泰、山内千草、新垣晋也、井草海里など。

ジュンは生まれつき霊媒体質(サーダカー)で、死んだ人間や霊などが見えるため、同級生のナナたちからひどいイジメを受けていました。
彼女が通う予備校の講師前城は、いち早くイジメに気づき、別なクラスへの移動などを勧めますが、ジュンはその理由を聞いて「大丈夫ですから」と微笑みます。
彼は、彼女と同じ頃、友だちが苛められている事に気づかず自殺を止められなかったという辛い過去があったのです。
ジュンは「死んだら何も無いんだ、俺に何かできる事があれば…」と辛そうに打ち明ける前城に「死んだ後にも世界はあるよ」と言い「明日もよろしくお願いします」と頭を下げて帰っていきます。

一方ナナは、前城がジュンを心配すればするほど「ジュンがそんなに気になるの?ロリコン先生」「ジュンは『幽霊が見える』などというウソつきで、関わると呪われる」などと話します。
かつてジュンとナナは親友でしたが、ナナの姉が事故で死亡した頃から、なぜか絶交状態が続いているのです。
その頃、ジュンの元にはナナの姉の霊が現れ「ナナと友だちでいて欲しいの、あなたにしか頼めないの」とすがりますが、ジュンにはどうする事もできませんでした。

ほどなくして、ナナは手下を使って前城の財布を盗ませ、ジュンの仕業のように見せかけ引き離すことに成功します。
心の支えを失ったジュンは、「幽霊のせいにすればよかったのに」とニヤつくナナに「そんなに見たい?」と呟きます。
その瞬間、部屋の灯りが瞬き、ナナは背後から現れた不気味な手に肩をつかまれ、ジュンを突き飛ばして逃げ出します。

ナナには、ジュンがこれまで見ていた亡霊や悪霊が見えるようになっていました。
校舎の階段に浮かぶ不気味な若者の霊や、教室に現れる全身がひび割れ、首が折れた女の霊が、次々とナナに襲い掛かります。
怯えたナナは教室に逃げ込み震えていましたが、そこに姉の霊が現れ、ジュンに止められます。
ナナの姉はナナの忘れ物を取りに行って事故に遭ったため、「私のせいだ」と落ち込むナナを死んだ後もずっと気にしていたのです。

またその時、見かねたジュンは初めてナナに「死んだ人が見える」と打ち明け「お姉さんがナナの事を心配して、ずっとそばにいる」と伝えたのですが、ナナはからかわれていると勘違いし、絶交する結果となったのです。
ナナの姉はジュンに「どうか、許して」と頼み、ジュンはその手を強く握りしめます。
姉は元の姿でナナの肩に優しく手を置き、ナナにも姉の姿が見えていました。
姉は「つらい思いさせて、ごめんね…あなたは悪くない。私の分まで生きて欲しい」と言い、ナナを強く抱きしめ、涙をこぼします。

ナナはジュンに謝り「前城先生にも一緒に謝ろう」と約束し、仲良く帰途に着きます。
またジュンは「お姉さんはもういない(成仏した)」と言いますが、教室にはまだ悪霊がいて、前城の同僚を脅かしていました。

【転】- オキナワノコワイハナシ2016のあらすじ3

オキナワノコワイハナシ2016のシーン3 ◆第3話「方言札」
監督/脚本/名嘉真崇介、出演/外間麗菜、福田加奈子、饒平名理佐、空馬良樹、仲里クリスなど。

1954年。小学生の悪ガキたちに小突かれた少女が「あがっ(痛いっ、いたっ)」と声を出し、”方言札”と書かれた札を首にかけられ泣いています。
その札を掛けられ親に叱られるのを怖れた悪ガキたちは、彼女をわざと転ばせて方言を言わせ、まんまと札を押し付けたのです。
「標準語励行=かつて沖縄の小学校では、標準語を普及させるべく、方言を使う事を禁止していた。使った者には罰則が与えられた」
(※”方言札”とは、主に学校で行われた罰則で、方言を使ってその札を掛けられた者が、別の者が方言を使うのを見つける(告発する)事で、札を回せる決まりでした)

現代。トミコおばあは、彼女の介護をしている孫のエミが皿を落として「あがっ」と声をあげた拍子に目を覚まします。
おばあはその寸前まで、中学生の自分が幼い少女の首を細紐で絞める悪夢を見ていて、エミの手を借り暗い顔で起き上がります。
その日2人が向かったのは、沖縄独特の古い民家=おばあの生家でした。
おばあは認知症気味で言葉も少なく、足腰が弱っていて、エミを、エミの母=おばあの娘キヨミと思い込んで何度も礼を言い、彼女に支えられながらようやく家に上がります。
エミは明るく雨戸を開けて風を通し、荷物の中に古い菓子缶を見つけて「これなに?」と持ってきます。
中にはエミとそっくりな中学生時代のおばあと”方言札”を下げた少女が映っている古い写真と、”方言札”と書かれた紐付きの木札が入っていました。
写真の裏にはおばあとタカコという名が書かれていましたが、エミはそれが誰なのか知りません。
おばあは黙ってうつむいたきりでしたが、エミがその木札を首にかけると顔色を変えてつかみかかり泣き出します。

おばあは何も言わず、片付けを終えたエミは、おばあを車に乗せた後、何度も声を掛けながら雨戸を閉めようとして、あの菓子缶を忘れた事に気づき取りに入ります。
けれど彼女が家に上がった瞬間、雨戸が勢いよく閉まって閉じ込められ、暗い家の中に悪戯っぽい少女の笑い声が響きます。
缶は仏壇脇の物入れの中にありましたが、木札が消えていて、エミが「しかばす(ビビった、驚いた)」と呟きながら覗き込んだところで、”方言札”を首にかけた不気味な少女が現れて「おねえちゃん」と呼ばれ逃げ回る事に。
そのうちエミが転んで「あっがー!(いたい!)」と声を上げると、少女に指を差され「あー!方言使った人、みぃつけた!」と言われて悲鳴を上げます。
エミはなんとかその場を逃げ出し、おばあを呼びに行きますが、おばあには彼女がその少女に見え「タカコごめん!」とひどく怯え、何度も謝っていました。
「おばあ!ねー!聞いて!おばあ!!お願いだから聞いて!」…エミの必死の訴えを聞くうち、おばあは昔の事を思い出します。

【結】- オキナワノコワイハナシ2016のあらすじ4

オキナワノコワイハナシ2016のシーン2 沖縄がアメリカの統治下にあった1954年夏。写真の少女はトミコ(おばあ)の妹で当時小学生だったタカコ、撮影したのはアメリカ軍の兵士でした。
2人には母親は無く、父親も出稼ぎに出ていたため、優等生のトミコはタカコの面倒を見ながら家を守る事に必死で、やんちゃで”方言札”を下げられたタカコを「そんなもの掛けてる人は家に入れませんからね!」と叱っていました。
そこでタカコは、悪ガキを同じように転ばせて方言を言わせ、指差して嘲笑いますが、札を回す前にトミコに見つかってひどく叱られ、家に連れ戻されます。
タカコは悪ガキたちのした事を訴えようと何度も「ねー!聞いて!お願いだから聞いて!」と訴えたのですが、怒ったトミコは耳を貸してもくれません。
エミに連れられ家の中に戻ったおばあは、物入れの前で「タカコはお転婆で人の話を聞かない子だったけど、とっても可愛かったよぅ…そんなタカコを、私は殺してしまった…」と泣き崩れます。

トミコは、嫌がるタカコを無理やり物入れに閉じ込めようとしますが、揉み合ううち指をぶつけて「いたっ!」と声を出します。
タカコに「どうしておねえちゃんは、方言を言わないの!」と責められ逆上したトミコは、物入れの入口を針金で留め、泣いているタカコを置き去りにして立ち去ってしまいます。
タカコはしばらく泣いた後、中にあった箱を踏み台にして天井の隙間から外を見ようとします。その時箱が倒れ、物掛けに”方言札”の紐が引っ掛かって首を吊る状態となり、亡くなってしまったのです。

おばあの目には、物入れで亡くなった状態のタカコが見えていました。
彼女は泣きながら何度も謝り、エミに「おばあを蹴りなさい!」と命じます。エミは戸惑いながらもおばあを蹴り、おばあは「あがっ!」と声を上げます。
するとタカコは元の元気な顔に戻り、明るい声で「方言使った人、みぃつけた!」とおばあを指差し、微笑んだのです。
おばあはタカコの”方言札”を取って自分の首にかけ、「そうだね、見つけたねぇ…ねーねー(おねえちゃん)が悪かったねぇ、ごめんねぇタカコ」と謝り、その手を握りしめます。タカコは「おねえちゃんは悪くないよ」と微笑んでいました。

おばあは古い沖縄語で「わったーがこうさるじぶのー、標準語でいこーんでぃーち、うちなーぐち えちかてー、ならんでやとーたしぇーやー。やしがなまや、たったたった うちなーぐちんねー らんなてぃ、うちなーぐち ちからんでー ならんどーんでいる 世の中なとんどー…タカコ…」と言い、タカコは微笑みながら光に溶けていきます。
おばあはホッとしたように微笑んで倒れ込み、それを支えるエミに「うちなーぐちえー、島ぬ宝…わしてーならんどー(沖縄語は島の宝だから、忘れてはだめだよ)」と呟きます。おばあの首に掛かっていた”方言札”は真っ二つに割れていました。
見事な夕日(アコークロー)の野原を、トミコとタカコが仲良く手を繋ぎ、歩いて行きます。

みんなの感想

ライターの感想

謎謎謎で始まる「デンパ」はPOV方式の作品で、主演の大城刑事役幸徳也のキレ具合も恐ろしく、かなり差し迫った感じの作品でした。
「サーダカー」とは霊媒(霊感)体質の人を差す言葉で、サーダカーウマリ(生まれ)などと言うそうです。「ユタ」「カミンチュ」とは別モノで、サーダカーが修行して成る(その役割に就く)といったニュアンスなのでしょうか。
しかしサーダカーが全てユタになるとは限らず、本作のジュンのように見たくないモノが見えたり、揉め事になったりといろいろ苦労があるそうで。登場する悪霊はグレードが高くかなりゾッとさせられます。
「方言札」とは、1950年代、沖縄がアメリカ統治下にあった時代に、主に学校などで行われた罰則だそうで、特に本土復帰を渇望していた沖縄に根強く残った悪制だったのだとか。
またおばあが語る古い沖縄語部分ですが、字幕は無く完全訳も見つからず不確かではありますが、多分「私たちの頃(昔)は標準語にすべく沖縄語を使ってはいけないと言われたが、今は使ってもいい世の中になった」というような事かと。
当時の実情を知るおじいおばあが身近にいたり、姉妹(もしくは兄弟)で一緒に見ると、いろいろ解釈ができそうな話でした。
またおばあ役福田加奈子は、照屋年之(ガレッジセール/ゴリ)監督の作品でも活躍されていた大ベテランの女優さんですが、残念ながら2018年末にご逝去されたそうです。心からご冥福をお祈りいたします。

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