「グリーンヘル」のネタバレあらすじと結末の感想

ホラー映画

グリーン・ヘルの紹介:2017年製作のスペイン映画。閉ざされた森の中、様々な恐怖がカップルを襲うホラー。恋人と共に彼女の故郷を訪れたセルマは、帰路の途中に車が故障し、森の中で立往生してしまう。どうにか脱出を試みるふたりだったが、そこは足元に大量の地雷が埋まる危険地帯だった…。

予告動画

グリーンヘルの主な出演者

セルマ(アルマ・テルジチ)、アレックス(アウグスト・ヴィトゲンシュタイン)、ヴーク(アレクサンダル・セクサン)、ミロシュ(サニン・ミラヴィチ)、エラ(エラ・ジャス)、マウス(ダイアナ・フェルナンデス・ペレス)

グリーンヘルのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①ボスニア人女性・セルマの家族の葬儀のために、ドイツ人のアレックスはボスニアに同行。帰宅途中の森で車が立ち往生する。森には地雷が残る。セルビア人のミロシュとヴークに会ったアレックスは道案内を頼むが、セルマは露骨に拒絶する。 ②地雷爆発で飼い犬が死にセルマも負傷。ミロシュとヴークは案内の代償に法外な金を要求。セルマがミロシュとヴークを殺害し、地雷で死亡。アレックスは少しだけイスラム教徒のことを理解したような気がした。

【起】- グリーンヘルのあらすじ1

ボスニア・ヘルチェゴビナ。2000年くらいの設定。

(先にお断り。この事情が理解できていないと、この映画は理解しがたい。
ボシュニャク人には、イスラム教徒が多い。セルビア人は東方正教会信者が多い。クロアチア人はカトリック教徒が多い。
東ヨーロッパ、バルカン半島に位置する三角形の土地で、1990年代にユーゴスラビアから独立してできた国が、ボスニア・ヘルチェゴビナである。その際、1992年から1995年にかけて内戦が続き、ボスニア・ヘルチェゴニナ紛争と呼ばれた。
ボスニア・ヘルチェゴビナでは、小さい国の中に先のボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人が民族ごとに分かれて暮らしている。
特筆すべきは、紛争から停戦間際に「スレブレニツァの虐殺」という事件が起きたこと。
セルビア人によって、推計8000人のボシュニャク人が虐殺された。)

若い女性・セルマは現在ドイツのベルリンに住んでいますが、ボスニア人です。イスラム教徒です。
セルマは恋人である若い男性・アレックスを伴って、故郷を訪問していました。
内戦で家族や兄弟が行方不明になっていたのですが、洪水が起きた関係でつい10日ほど前に遺体が発見され、昨日、スレブレニツァで葬儀を行なったばかりです。
そういうわけで、セルマは多分に感傷的な気分になっていました。
(たぶん殺害は、上記の「スレブレニツァの虐殺」のことを指しているのだと思われる。
しかし携帯電話などが最近のものに近いので、矛盾も生じている。あしからず)

「ヤー・ハーフィズ、ヤー・ハーフィズ、ヤー・ハーフィズ。
誰よりも、あなたさまを信じている。私の家族の守護神」
セルマは祈ります…。

宗教の違いもあって、アレックスはセルマと恋人関係にありながら、セルマの心が全て掴めているわけではありません。それを指摘することもありました。
セルマは、信仰する神様の違いや生い立ちなどから「相手の全てを理解するのは難しい」と考えています。しかしアレックスは「もっと思っていることや考えていることを、言ってほしい」と常々口にしていました。

葬儀の帰り、ボスニアの森を越える車中で、アレックスの運転する車が土砂にはまって立ち往生します。
車軸が壊れてしまっていました。その場で修理できるものではなく、誰かに車を牽引してもらわねばなりません。
予定していた飛行機には、まだ時間がありました。また携帯電話のGPSで調べると、隣の町までは近いとアレックスは言います。

アレックスは飼い犬のボビーを連れて車を降り、「隣の町まで歩いて行こう」と気軽に言いました。セルマは反対します。
というのも、その地帯には紛争の際に地雷が埋められており、どこに地雷があってもおかしくないのです。土砂崩れなどで地雷も移動しているでしょうし、ですから地図もあてになりません。
セルマはそう指摘しますが、アレックスは楽観的でした。まだ午前中だと言い(昼間だから明るいという意味)、セルマを連れて歩き始めました。

【承】- グリーンヘルのあらすじ2

歩きながら、アレックスはセルマに「君にはまだ秘密がある」と、ペンダントのことを話題にします。そのペンダントはスレブレニツァ(虐殺があった地域)で父がくれたもので、コーランの『偉大なる守護者(ヤー・ハーフィズ)』なのだと、セルマは説明します。
「私の守護天使なの」とセルマが言うと、アレックスは「君の守護天使は、僕さ」と言って肩を抱きました。
(セルマは敬虔な信者なのだが、アレックスは宗教に対してあまり深く考えていない様子)

しばらく歩くと、アレックスは停車している車を見つけます。窓も開けっぱなしだったので、アレックスは車の中をあさりました。ロープ、ナイフ、無線のレシーバーなどが発見されました。
アレックスがレシーバーに呼びかけていると、現地の言葉が流れてきます。
それを聞いたセルマは、不愉快に思いました。セルビア語だったからです。セルマもセルビア語を話せます。

周囲に霧が出てきたように、セルマは感じました。
犬のボビーが鳴くので、アレックスは近づきます。
ミロシュとヴークという男性が、出現しました。先ほどの車の持ち主です。
彼らはセルビア人でした。どうやら、地雷を撤去しに森へやってきた男たちのようです。
ミロシュはアレックスが持っていた物を「これは俺たちのだ」と取り上げ、ヴークはセルマを見て、森で迷っているのかと思います。
セルマが逃げると、2人の男性が追ってきました。
その時、地雷が爆発します。

…ヴークがセルマにのしかかると、「声をあげるな」といい身体を動かします。レイプです…。
(以後、時々挿入されるシーンは、セルマの見た妄想である可能性が高いが、真実である可能性もある)

…セルマが地雷の気絶から目を覚ますと、アレックスが抱きしめました。
地雷で犬のボビーが致命傷を負っていました。ミロシュは「もう助からない」とセルビア語で話し、ナイフで止めを刺します。
アレックスだけは、セルビア語を理解できませんでした。だから飼い犬が殺されたことを憤ります。
セルマが犬の安楽死のことを説明したので、ヴークは、セルマがセルビア語を理解すると知りました。

セルマは男性たちと接触したくないと思っていますが、アレックスはガイドを頼みたいと言い出します。
嫌だと言ったセルマが、崩れ落ちました。先ほどの地雷で、セルマは脇腹を負傷していたのです。
男性3人もそれを知りました。
アレックスは警察に電話しますが、通じません。
ミロシュとヴークは手際よく担架を作ると、自分たちが住む番小屋に案内しました。

【転】- グリーンヘルのあらすじ3

…番小屋まで案内すると、アレックスが男性らに胸を撃たれて倒れます。
ミロシュとヴークはセルマを引き立てて番小屋に入れると、殴られました…。

その夢から目覚めると、アレックスは無事です。傷ひとつ負っていません。
「悪い夢だったんだよ」とアレックスが言いますが、番小屋の中にいることに変わりはありません。
セルマの傷は軽傷でした。ミロシュとヴークに手当てされたそうです。
それでもセルマはミロシュとヴークへの警戒を解きませんでした。
顔に唾を吐きかけられたので、ミロシュは怒ります。

セルマはアレックスに、「あれは私の家族を殺した人たち(民族)よ」と言うのですが、アレックスは「セルビア人すべてがそうではない」といなしました。
根本のところで、アレックスはセルマの思いを理解できないのです。
セルマが平手打ちをしたので、アレックスもむっとしました。
(森の中を通るはめになったのは、アレックスがサッカー観戦をしたくて帰国を急いだためという背景がある)
それでもアレックスは外へ出て行き、ミロシュとヴークに代わりに詫びました。
丁寧に詫びた後、案内をしてほしいと言います。

するとミロシュとヴークは道順を早口のセルビア語で説明し、「1万ユーロ(約135万円)払えば、今のを英語に訳してやる」と言い出しました。アレックスの足元を見ているわけです。
アレックスはたちの悪い男たちにひっかかったと、やっと気付きました。自分たちだけでなんとかすると言いますが、ミロシュとヴークはただで解放する気はありません。
アレックスはミロシュに腹を殴られます。
ヴークは「金を払えば、行かせてやる」と言いました。
銃口をつきつけられたアレックスは、セルマに「逃げろ」と言います。

番小屋は昔の防空壕の跡地のようです。奥に長く伸びており、トンネルのような形状をしていました。
小屋にあったナイフを持ち出したセルマは、奥へ逃げながら「ヤー・ハーフィズ」と守護神への祈りを繰り返します。
すると、セルマの祈りが届きました。セルマの横に守護神・マウスが現れます。
マウスは全身が真っ黒の、顔がつるんとした女性のような人影です。

ミロシュが「許してやる」と言いながら近づいてくるので、セルマはナイフでミロシュを刺しました。マウスが首を折ってとどめをさします。
さらにしばらく歩いたセルマは、背後からヴークに銃の台尻で殴られました。
ヴークはセルマをなぶり殺そうとしますが、セルマも夢中でヴークを刺します。
守護神・マウスも手伝って、ヴークを痛めつけました。

【結】- グリーンヘルのあらすじ4

走って外へ出たセルマは、ミロシュとヴークに殴られた恋人のアレックスを見つけます。
アレックスに男性のことを聞かれたセルマは「奴らは死んだ」と言いました。アレックスは2人の遺体に近づきます。
ひどいことを要求されたからといって、殺すのはひどい…。そう、アレックスの目は訴えていました。セルマを非難する目です。
セルマはアレックスに「あなたは私を理解したいって言ってたわよね。イスラム教徒という理由だけで、私の家族は殺されたの。子供の頃に私は教わった。大きな声で叫べば助けはくるって。私の声、聞こえた? 私がピンチの時、あなたはどこにいたの?(アレックスは何の役にも立っていないと言いたい)」と告げます。

セルマは遺体を移動させ、土に埋めようとしました。アレックスも手伝います。
遺体に土をかける時、アレックスはヴークがまだ息があることに気付きました。
アレックスは一瞬、石で頭を殴ってとどめをさそうかと考えましたが、やめました。
代わりに、ヴークが奪っていたセルマのペンダントを取り戻すと、セルマに渡そうとします。

しかしセルマはヴークに銃口を向けました。アレックスが説得します。
警察に引き渡そうと必死でアレックスが主張したので、セルマもやめました。アレックスが銃を取り上げます。
アレックスが担架を探しに行っている間、ヴークがセルマに「マウス(守護神の名)。俺がお前の家族を殺したかもな」と発言しました。挑発です。
セルマはそれを聞いて、ヴークの頭を何度も石で殴りました。
タンカを持って戻ったアレックスは、セルマの姿を見て、落胆します。
セルマは「かたきを討たなくちゃならなかったの」と言いますが、アレックスは黙ってきびすを返しました。
次の瞬間、地雷が爆発します。

…後日。
ベルリンの広場で、カップルが歩いていました。
男性はアレックスです。女性は…エラという新たな恋人でした。
セルマは地雷で亡くなったようです。

平和なベルリンの広場で、アレックスとエラは、友人たちと一緒に待ち合わせをして、これからパーティーをして過ごすつもりです。
その時、広場で爆発が起きました。エラは一瞬にして死亡します。
驚くアレックスは、その爆発の煙の中に、今はもういないセルマの姿を見たような気がします…。

(宗教の違いというのもあるだろうが、アレックスはセルマの生き方、考え方を理解できていなかった。
ラストシーンはドイツのベルリンで起きたもの。テロか事故かは不明。
いつだって悲惨な死は起きるし、地雷でなくても事故やテロは身近にあるのだ。
それを、思い知らせるようなラストシーン)

(途中にも書いたが、最初の地雷爆発前後から、どこまでが妄想で、どこからが現実なのかが非常に分かりにくい作品。
また全身が真っ黒で目鼻口のない「マウス」という守護神が出てくるのだが、そんなに怖いわけではない。守護神なのでセルマの味方だし。
ボスニア事情が理解できていないと、話についていけないのも正直な話。ぴんとこないのだ。
主人公のセルマ側の立場であらすじを書いてみたが、もしアレックス側で映画を見ると「こんな恋人についていけない」という不満噴出の映画になるだろう)

みんなの感想

ライターの感想

これは…パッケージにつられて借りると、「????」な話。
ちらっとあらすじにも書いたが、正直「どこからほんとの話で、どこからがセルマの妄想なの~」と言いたい内容。
好意的にあらすじを書くと、こんな感じ。実際は…意味不明な映画でした(笑)。
基盤となる宗教が根本的に異なると、やはりうまくいかないのかもな…そう思わざるをえなかった。
あらすじではセルマ側の立場で書いた。映画でいちばん告げたかったメッセージは終盤でセルマが叫ぶ「イスラム教徒という理由だけで、私の家族は殺された」ここに尽きるだろう。
主題はここだと踏んだので、セルマ側の立場であらすじを書いてみたが、もしアレックス側の立場で書いたら、セルマは相当厄介な恋人になる。
もし映画のことが起こらなくても、早晩このカップルは別れたかもしれないなあ。そう感じた。

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