映画:サンタサングレ聖なる血

「サンタサングレ聖なる血」のネタバレあらすじと結末

サンタ・サングレ/聖なる血の紹介:「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」を手がけた、カルト映画監督として名高いアレハンドロ・ホドロフスキー監督が、1989年に作り上げた作品。小さい頃にトラウマを背負い、母親の呪縛に捉われてしまった青年の、残酷だが悲しく切ない物語を描く。

あらすじ動画

サンタサングレ聖なる血の主な出演者

フェニックス(アクセル・ホドロフスキー)、コンチャ(ブランカ・グエッラ)、オルゴ(ガイ・ストックウエル)、刺青の女(セルマ・ティゾー)、アルマ(サブリナ・デニソン)

サンタサングレ聖なる血のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- サンタサングレ聖なる血のあらすじ1

サンタサングレ聖なる血のシーン1 四方を白い壁に囲まれた、天井だけが高い部屋の中。部屋の隅に立てかけられた木の上に、全裸のまま鳥のように座っている男がいました。部屋の中に入ってきた看護婦と白い服の医師たちは、全裸の男を「フェニックス」と呼びます。フェニックスは差し出された食事に興味を示さず、生の魚だけにかじりつきます。「このままじゃダメだ」と、諭すように医師の1人が言います。フェニックスと呼ばれた男は、子供の頃に精神を病んで以来、ここに収容されていたのでした。
フェニックスは、サーカスの団長だった父親の子供で、フェニックス自身も小さい頃から奇術の演目でサーカスに出演していました。ある日、全身にイレズミを入れた妖艶な女と、その女が引き取ったという聾唖の少女・アルマがサーカスに新しく加入します。アルマとフェニックスは、同じ年頃の少年少女ということもあり、すぐに打ち解けて仲良くなっていきます。そして父親は妻子ある身でありながら、イレズミの女のあからさまな誘惑に引き寄せられていくのでした。
フェニックスの母親はそうとは知らず、自らが立ち上げた教会が立ち退きを迫られ、信者たちと共に人の壁でバリケードを築いていました。カソリックらしい神父が現れ、母親の味方になろうとしますが、その内情を知って驚愕します。母親は、以前ここで襲われ、両腕を切断されたあげく無残に殺された少女を「聖者」と仰ぎ、床一面に広がる「血のプール」で清められるというカルト的な宗教を興していたのです。神父は「これは邪道だ!」と言い放ち、立ち退きに同意してしまいます。ブルドーザーが教会の壁を突き破り、両腕のない少女の像も打ち倒され、母親は失意のままサーカスへ戻ります。母親はサーカスに戻ると、父親とイレズミ女の浮気現場を見つけてしまいます。母親はナイフを突きつけて、浮気相手のイレズミ女を脅すのでした。

【承】- サンタサングレ聖なる血のあらすじ2

サンタサングレ聖なる血のシーン2 それでも父親とイレズミ女は懲りずに、母親がサーカスに出演している間に、浮気をしようとします。しかし母親は演目の空中ブランコで天井高く吊られており、影に隠れて密会していた2人を見てしまったのでした。母親は演目を中断し、心配して駆け寄ってきたフェニックスをトレーラーに閉じ込め、父親とイレズミ女がしけこんだ寝室へと駆け込むみます。
嫉妬のあまり母親は、父親の股間に硫酸をぶちまけます。激痛に、絶叫する父親。痛みと怒りに震える父親は、両手に大きなナイフを握ると、母親の両腕を切り落としてしまいます。父親は股間を押さえたまま寝室の外へ出ると、ナイフで首をかききって自害します。フェニックスはその光景を、閉じ込められたトレーラーの窓から、泣きながら見つめるしかありませんでした。サーカス内が大騒ぎになる中、イレズミ女はアルマを連れて、どこかへ立ち去ってしまいました。
それからフェニックスは精神を病み、病院にずっと収容されていたのでした。そしてこの日、病院の他の患者と対面します。病院の医師と看護婦は、フェニックスと患者たちを、レクリエーションと称して映画館へ連れていきます。その最中にフェニックスは町中で、イレズミ女の姿を見つけます。それまで閉じ込めていた記憶が、少しずつ蘇るフェニックス。そしてあくる日、病室の外からフェニックスを呼ぶ声が聞こえます。フェニックスが窓の外を見ると、そこには両腕を失った母親がいました。フェニックスは窓から病室を抜け出すと、母親と共に去っていくのでした。

【転】- サンタサングレ聖なる血のあらすじ3

サンタサングレ聖なる血のシーン3 その後フェニックスは母親と共に、町の劇場に出演します。フェニックスが母親の背後から両手を伸ばし、母親の腕の代わりを「演じる」ショーは、他人の手とは思えない自然な優雅さと美しさを醸しだしていました。そしてフェニックスは劇場でストリップをしていた女から誘惑され、フェニックスも一緒に舞台に出てみたいと応じます。その夜、劇場の舞台上で密かに女と待ち合わせたフェニックスでしたが、そこに母親が現れます。母親は、その女を殺せ!とフェニックスに命令します。抵抗するフェニックスでしたが、フェニックスの両腕は母親の意のままに動かされてしまい、女にナイフを突き刺し殺してしまうのでした。
その後もフェニックスを誘惑したり、フェニックスが気に入った女性が現れるたびに、母親がフェニックスの手を「自らのもの」のように動かし、殺していくのでした。フェニックスは殺した女たちの顔を、子供の頃サーカスで一緒だったアルマのように白く塗り、庭に埋め続けていました。
その頃、美しく成長したアルマは、まだイレズミ女と暮らしていました。しかしイレズミ女はある日、男から金を受け取ると、アルマを「好きにしていいよ」と売り渡してしまいます。迫ってくる男から、必死に逃げるアルマ。そして翌朝アルマが家に戻ると、イレズミ女は何者かに全身を刺されて死んでいました。

【結】- サンタサングレ聖なる血のあらすじ4

サンタサングレ聖なる血のシーン2 そしてアルマは劇場で、フェニックスと母親が出演しているチラシを見つけます。それを手がかりに、フェニックスの家を訪ねるアルマ。思いがけない再会に、「ずっと君を待っていた」とフェニックスは感動しますが、そこにやはり母親が現れ、アルマを殺すよう命じます。母親の命令を拒絶するフェニックスでしたが、徐々にその手は母親の意のままに動かされ始めます。アルマはナイフを握ったフェニックスの手を拒まず、両手を広げ受け入れようとしています。ナイフがアルマを貫くかという瞬間、フェニックスはナイフの先を、母親の腹へと突きたてます。やっと、「自らの意思」で手を動かすことが出来たフェニックス。しかし母親は、「私を消し去ることは出来ない、私はお前の中にいるのだ」と言うと、その姿が消えて行きます。
呆然とするフェニックスを、アルマは優しく家の寝室へと連れて行きます。いつも母親と一緒に寝ているその寝室には、母親そっくりの等身大の人形が横たわっていました。実は母親はフェニックスが子供の頃、父親に両腕を切断された時に、すでに死んでいたのです。病院で母親の声を聞いてからこれまでのことは、全てフェニックスの妄想が生み出した、母親の人形との「1人芝居」だったのでした。
アルマは、全てを思い出したフェニックスと一緒に、家の外へ出ます。そこには、通報により駆けつけた警官隊が家を包囲していました。「手を挙げろ!」という警官の言葉に、ゆっくりと、恐る恐る両手を頭の上へと掲げるフェニックス。フェニックスは、自分の意思の通りに動いた両手を見上げ、「僕の手だ!」と感激に浸るのでした。

みんなの感想

ライターの感想

「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」に続き日本で紹介された、カルト映画の帝王、アレハンドロ・ホドロフスキー監督作でございます!しかし、前2作が1960年代末と70年代初頭に作られたのに比べ、80年代末に製作され、ダリオ・アルジェントの妹クラウディオ・アルジェントが製作と脚本に関わっている本作は、物語的に「わかりやすい」作りになっているでしょうか。ホドロフスキーも「初めて商業的に意識した」と言ってますしね!前2作の宗教的・哲学的難解さは薄まりましたが、おどろおどろしくも美しいその耽美的な映像美、詩的なストーリー展開などは、やはりホドロフスキー!と唸らせてくれます。アルジェント妹が関わったことで、殺人シーンや家の中での映像の追い方などは「アルジェントっぽく」もあったりしますが。中でも、ヒロインの美少女・アルマを「言葉を話せない」設定にしたことで生まれたとも言える、叙情的な名シーンの数々は、痛々しくも美しく、胸に刻み込まれます。2010年代になってホドロフスキーが「復活」してくれて、本当に嬉しいです!まだまだ現役、その感性に衰えなし!このまま出来る限り、頑張って欲しいなあ・・・!

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