映画:ザ・マミー(2017年メキシコ)

「ザ・マミー(2017年メキシコ)」のネタバレあらすじと結末

ザ・マミー(2017年メキシコ)の紹介:2006年麻薬戦争時代のメキシコ。ギャングに母親を奪われた少女が、孤児たちと共に不可思議な助力を得て闘う姿を描いた2017年のメキシコのホラー・ファンタジー。監督/脚本は本作が長編デビューとなるイッサ・ロペス。ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭では48部門もの賞を獲得した。

あらすじ動画

ザ・マミー(2017年メキシコ)の主な出演者

エストレヤ(パオラ・ララ)、シャイネ(フアン・ラモン・ロペス)、チノ/セルバンド・エスパルサ(テノック・ウエルタ リーダー)、カコ(イアニス・ゲレロ)、トゥッシ(ハッセル・カシラス)、ポップ(ロドリゴ・コルテス)、モロ(ネリー・アレドンド)など。

ザ・マミー(2017年メキシコ)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①2006年麻薬戦争で荒廃したメキシコ。ギャングの抗争が頻発する中、11歳の少女エストレヤの母親が失踪し、彼女はその声や姿を見て怯え、孤児シャイネらのグループを頼る事に。②彼らはギャング集団フアスカスに親を殺害され孤児となった子らで、中でも幼いながらトラのような知恵と男気を持つリーダー=シャイネは、カコの銃と携帯を盗むが殺害には至らず、エストレヤに殺害を命じる。③カコは何者かに殺害されていたが、シャイネらは彼女の手柄と信じ、仲間に加える事に。④フアスカスの大ボスで大統領候補のチノがカコの携帯を奪い返そうと動き出すが、シャイネは頑なに拒み、エストレヤや仲間と共にチノに決戦を臨むが…。

【起】- ザ・マミー(2017年メキシコ)のあらすじ1

ザ・マミー(2017年メキシコ)のシーン1 ―2006年の麻薬戦争勃発以来、メキシコでは16万人が死亡、5万3000人が行方不明に。一部の地区がゴーストタウンになった都市もある。
死者や行方不明者が残した子供たちの数は明らかではない―

11歳の少女エストレヤが住む町は、ギャングの抗争で荒れ果て、殺人や失踪人が頻発しています。
そんな中、学校でおとぎ話を作る授業で、彼女は「トラになりたい王子の話」を思いつきます。「トラは賢く、暗闇を見通せる目と強い牙を持つハンターで、何も恐れない」…
同じ町に住む孤児のシャイネは、深夜、路地の壁に大きくトラの絵を描き、物陰に隠れてライターの火を見つめ、チャンスを窺います。
そこに泥酔したギャングのリーダー=カコが現れ、シャイネは背後から忍び寄り、彼の携帯と銃を盗んで、その後頭部を狙いますが撃てませんでした。
カコは気づかないまま立ち去り、シャイネは物陰で悔し涙を流します。

「でも王子はトラになれなかった。トラになる方法を忘れたからだ」「私たちは王子や戦士やトラである事を忘れてしまう。外の世界から襲われると、自分が何者なのか忘れてしまう」…
その授業中、校内で銃撃戦が始まり、生徒たちは慌てて机の下に隠れます。
女性教師は床に伏せながら生徒を励まし、エストレヤには「おとぎ話の3つの願いごとよ」と言い、3本のチョークを渡します。
学校は無期限休校になり、エストレヤは、銃撃戦で死んだ死体を横目に見ながら帰宅しますが、その死体の血が一筋の流れとなって彼女を追い始めます。
彼女の家は貧民街の中でも整った家ですが、なぜか母親はおらず、その血の流れは部屋の中まで入り込み、母親のワンピースに染みて行きました。
町は大統領選の最中で、若いセルバンド・エスパルサことチノ候補の笑顔であふれています。

その夜シャイネは、廃屋の屋上の隠れ家で、カコの銃と携帯を眺めていました。どちらも凝った蛇のレリーフがついていて、一目で彼の物と判ります。
彼の仲間は、やせっぽちのトゥッシと小太りなポップ、幼いモロは喋れませんが、汚いトラのぬいぐるみを肌身離さず持ち歩いています。また全員が孤児で、盗んだ食物で飢えをしのぎ、盗品を売って暮らしています。
モロに”トラの話”をせがまれたシャイネは、懐中電灯でその火傷痕のある顔を照らし、おどろおどろしく話し始めます。
「ある金持ちの男がいて、ライオンとかピューマとかトラとか、たくさんの野生動物を飼ってたが、カコとフアスカスの連中に動物もろとも殺された。でもトラだけは檻から逃げ出し、狭い路地をうろついて、犬や猫や子供のいない子供たちをエサにして食った…終わり」…
フアスカスとはあの大統領候補のチノが率いるギャング集団で、カコはその界隈のボスでした。シャイネたちは彼らに親を殺され、その冷酷非道さを知り尽くすと同時に心の底から憎んでいます。
あの夜、シャイネはカコから銃と携帯を奪いながらも、怖気づいて殺りそびれた=”トラ”になり切れなかった事が悔しくて泣いたのです。

翌日になってもエストレヤの母親は戻らず、携帯にも応答がありません。2階の玄関前で待ち続けていた彼女は、盗品を抱えて通り掛かったシャイネと目が合いますが何も言いませんでした。
その夜、エストレヤは「あなたは王女ではなく戦士。魔法は破られ、王子と王女は元に戻った」という母親のおとぎ話と、彼女がいつも着けている鳥の腕輪をもらう約束を思い出します。「あなたが大きくなって、私がいなくなったら」…母親は優しくそう言ったのです。
エストレヤはあのチョークに「ママが帰って来ますように」と願いを掛けて休みますが、深夜、母親の声を聞き、血まみれの手で肩を掴まれて悲鳴を上げ、夜明けまで家の外で過ごす事に。

翌朝彼女は、物音を聞いて慌てて戻りますが、それはトラのマスクをかぶったシャイネが泥棒に入った音でした。エストレヤは怒って取り上げようとしますが、彼は「お前のママは連中に連れ去られただろ!」と言い捨て逃げ出します。
彼女は「違うわ!昨日帰って来たもの!」と怒鳴り返しますが、その背後で再び母親の呼ぶ声がして異様な空気が漂い、慌てて外に戻ります。
町ではそうして失踪したり殺害される者が後を絶たず、失踪人探しのチラシや黒いリボンが方々に貼られています。
彼女はその日も玄関前に腰掛け、引っ越していく住民を眺めていましたが、お腹は減る一方で、結局シャイネたちに頼る事に。

彼らは廃屋の屋上の隠れ家でカップ麺と菓子の食事中でしたが、おずおずとやってきた彼女を見るなり「トラに喰われちまえ!」「トラは女が好きなんだ」と脅します。
シャイネは「じゃあな、悪ガキ」と手を差し出して掴み掛り追い払おうとしますが、ポップに「いさせてやれ。どうせフアスカスに捕まる。チノの餌食だ」と言われ、「女は不幸を呼ぶ」とこぼしてやむなく許可します。
その夜、エストレヤは、小屋には入れてもらえませんでしたが、モロがこっそり毛布と1かけのクッキーをやり、彼らの食べ残しの菓子で飢えを凌ぎます。
けれどそこにも血だらけの母親が現れて手を引っ張られて悲鳴を上げ、シャイネに怒鳴られます。

翌朝、ついにカコが仲間を引き連れ、銃と携帯を取り返しに来ます。
皆は屋上を飛び渡って逃げますが、シャイネは不慣れなエストレヤも励ましてビルの隙間を飛ばせ、共に逃げ延びます。彼は追ってきたカコに発砲し罵りますが、弾は当たらず、モロが大切なトラのぬいぐるみを残して連れ去られます。
ポップとトゥッシは「モロはチノの所に連れて行かれ、バラバラに切り刻まれて売られる。儀式に使われるんだ」と言い、シャイネは「女は殺され、子供はどこかに連れてかれる。モロはお前といるのを見られたからさらわれた。お前のせいだ!」とエストレヤを責めます。 
彼女は「違う!」と言い「私ならフアスカスを消せる!」と断言します。
するとシャイネは、カコの銃を彼女に握らせ「あいつを殺せ」「殺せたら俺たちといていい」と言い出します。

彼らはエストレヤをカコのアジトに連れて行き、中へと追い立てます。
彼女は「お前はママを殺されたんだから」と急かすシャイネを一度は断り、「あんたもママを殺されてるくせに。あんたが殺して。男でしょ?」と言い返しますが、「お前が男にならなきゃ、明日連中はお前を探しに来る!切り刻まれて儀式で喰われる!俺たちも全員殺されちまう」と説得され、やむなく中へと侵入します。
居間のテレビはつけっぱなしで「チノ候補が実はフアスカスの大ボスで、麻薬売買、人身売買、拷問や殺害事件に関与している」という証言が流れていましたが、手下はおらず、ソファで誰かがそれを見ているようです。
エストレヤは恐ろしさのあまり、目をつぶったまま銃を向けますが、どうしても撃てず、チョークに「殺さずに済みますように」と願いを掛けます。するとカコの銃に付いた蛇が逃げ出し、驚いて発砲してしまいます。
そこにいたのはカコでしたが、すでに誰かに射殺されていました。
彼女は狼狽えつつも逃げ出した蛇を追い、奥の部屋の檻に入れられていたモロと幼い子供たちを見つけて救出します。
トゥッシとポップはモロを抱きしめ大喜びしますが、シャイネは飄々として、銃を返そうとするエストレヤから目を逸らし、その場を去って行きます。

【承】- ザ・マミー(2017年メキシコ)のあらすじ2

ザ・マミー(2017年メキシコ)のシーン2 彼女はカコを殺害した英雄として仲間と認められ、食べ物の分け前も貰えるようになりますが、シャイネに「どうやってカコを殺ったのか」と聞かれて「願ったの」と言っただけでした。
彼は暗い顔で「願いが叶うなら、俺もあいつを殺したかった」と呟きます。またカコの携帯には手下からの電話が入りますが、彼は取らずに切り、捨てない理由も言いません。
彼は陽気にダンスをする仲間たちを見つめながら「トゥッシの祖母は葬式で撃たれた。ポップの兄弟は高速でさらわれた。モロはイヤなモノを見て喋れなくなった。全部カコたちのせいだ」と話しますが、エストレヤが「でも、カコは死んだ」と言った途端、ムッとして席を立ちます。

深夜、エストレヤは突然咳き込み、その口から小さな黒い鳥が飛び出します。それは母親の腕輪の鳥で、間もなくビニールに包まれた血だらけの母親が現れます。
彼女は怯えて隠れますが、カップ麺の空容器からラジオのような母親の声がして「明日、カコを殺した連中があなたを捜しに来る。必ず捜し出される」「私の所に連れて来て」と言われます。
翌日、エストレヤはポップたちに「サッカー場と動物園がある家だ」と言って引っ越しを断行します。シャイネは「リーダーは俺だし、カコを殺したのはお前だ!」と怒りますが、「だからフアスカスが復讐にやってくる」と返されやむなく従います。
また、彼らに同行していた一人が、カコの手下ブライアンにも言うべきだと言い出し立ち寄る事に。
その連中は若いストリートギャングで、巨大な廃ビルの地下を根城にして、好き勝手に暮らしています。
シャイネは彼の倍も背丈のあるリーダーのブライアンに堂々と渡り合い「カコが死んだ」と言いますが、彼らは笑って信じません。しかしトゥッシが「エストレヤが殺した」とバラしてようやく信じ「女に殺させたのか?」とバカにします。
シャイネは「彼女はお前の腰抜けな手下とは違う」と凄みますが、逆に「チノの残りの連中に見つかるぞ。カコを殺したならお前たちも全員殺される」と脅されます。シャイネは「俺たちは隠れる」と言って去って行きます。

彼らの新たな隠れ家は、螺旋階段のある高級ホテルの廃墟でした。
その建物は度重なる抗争でボロボロでしたが、上階の広いエントランスのくぼみに雨水が溜まり、割れた水槽から逃げたたくさんの鯉が泳いでいました。
トゥッシたちは「魚だけの動物園だ!」とはしゃいで、サッカー場を探しに行き、シャイネは「何がサッカー場だ…」とこぼして、下階の様子を見に行きます。
エストレヤは、あの血の流れと母親の声に誘われて上階に行き、毛布を見つけますが「連中があなたを捜しに来る。私とおいで…」と呼ばれ、怯えて客室に逃げ込みます。

その部屋の奥ではシャイネが一人で泣いていました。
彼は「俺が殺すべきだった…」と呟き、エストレヤは言葉を失いますが、カコの携帯にその手下から着信があり、はずみで出てしまう事に。
手下は「クソガキ!アニキを殺しやがって!あの女がやったんだろ!携帯を返せ!」と怒鳴っていましたが、黙って切ってしまいます。
エストレヤは改めて捨てない理由を聞き、彼は黙って携帯に入っていた彼女の母親の写真を見せ「お前のママの写真はこれしかない」と打ち明けます。
それはカコが彼女の母親をさらったと言う動かぬ証拠でもありました。

そこにトゥッシたちが呼びに来て、2人にたくさんのサッカーボールを見せます。彼らは別の廊下をサッカー場に見立て、暫し憂さを忘れてはしゃぎます。
裸の背中にはゼッケンを、ボールにはサインやトラの絵を描き、カコに似た似顔絵になったボールは、シャイネがナイフを突き刺しボツになります。
またエストレヤは、トラのぬいぐるみが破けてべそをかいていたモロを膝に乗せ、母親らしい口調で慰めながら、直してやります。
それを眩しそうに見つめていたシャイネは、彼女に「願い事はあるのか?」と聞き、彼女は残りのチョークを見せます。

翌日、エストレヤは鯉の池のほとりで携帯を見ていましたが、シャイネが来て「この魚はトラと同じだ。檻の中から逃げ出した」と言いますが、彼女はトラ(鯉)に同情し「家もママも失い、ジャングルで独りきり、怖いはず」と続けます。
けれどシャイネは真っ直ぐ彼女を見つめ「悪い事は耐え抜いた。今はもう自由だ。このクソみたいな王国の王様だ。トラは何も恐れない」と言い切ります。
また彼は「ママの写真は持ってるのか?」と聞き、「家に置いてきた」と小声で答える彼女に「俺もだ。すべて焼けた」と打ち明けます。
シャイネは「フアスカスの連中が家にガソリンをまいて、これで火を点けた」と言い、彼がいつも持ち歩いているオイルライターを点けて見せます。彼はその時顔にひどい火傷を負い、母親もさらわれたと。
彼は「最後の願いは何にする?」と聞きますが、エストレヤに「あなたのママは戻らない」と言われ「ならば顔の火傷を消してくれるか?」と言います。
彼女は断り「写真を取って来てやるから」と食い下がる彼に「絶対ダメ。願い事を言うと悪い事が起こるから」と言い、その場を逃げ出します。

後日、シャイネは一人でエストレヤの家に行き、彼女と母親が写っている写真を手に入れますが、カコの手下に見つかって脅され、やむなく隠れ家に案内する事に。
その頃、ポップたちは廃ホテルの劇場で呑気に遊んでいましたが、エストレヤはシャイネがいない事にいち早く気づき、カコの手下を見かけて倉庫に隠れます。しかしそこにも血まみれの母親が現れて「彼を連れてきて…死んだ者たちが待つ場所に…」と迫られて飛び出し、捕まってしまいます。
手下は2人、1人は携帯の在処を吐かせようとシャイネを捕まえ、1人はエストレヤを殴って撃とうとします。
その瞬間、隠れていたモロがカコの銃でシャイネを捕まえていた方を撃ちますが、残る1人に撃たれます。シャイネはその手下の足をナイフで突き刺し、全員が何とか逃げ切ります。
彼らはホテルの時計台のような小部屋に逃げ込みますが、モロは間もなく亡くなります。

【転】- ザ・マミー(2017年メキシコ)のあらすじ3

ザ・マミー(2017年メキシコ)のシーン3 皆は悲しみに暮れますが、シャイネは、連中がカコの携帯に執着するには理由があると睨んで調べ、ある動画を見つけます。
それはフアスカスの大ボスのチノが、顔にビニールを被せられ吊り下げられた女性を拷問し射殺する場面を、カコが盗み撮りした動画でした。
エストレヤやトゥッシたちは、女性の悲痛な叫び声に耳を塞ぎ「止めて!」と叫びますが、動画が終わると彼女は「チノに電話して」と言い出します。

電話に出たチノは落ち着いた声で「探し物を返してもらうぞ。嫌なら俺が取り戻しに行く」と言い、エストレヤが「フアスカスを消したら返してあげる」と答えます。
チノは「翌朝7時、鉄道沿いの古いスパに携帯を持って来い。フアスカスを始末する。来なければ俺が必ずお前たちを探し出し、カコと同じ目に遭わせる。言いふらしてるようだが、お前は殺してない。殺したのは俺だ。携帯を渡さなかったからだ。よく考えろ」と言い、切ってしまいます。
それを聞いたシャイネは涙を浮かべ「うそつきめ!カコを殺したって言っただろ!お前のせいで…」と激怒してエストレヤを突き飛ばし、モロの遺体を指差します。
彼らは泣きながら去って行き、彼女は「モロを見てろ!」と言われ取り残されます。

その夜、シャイネは路地の壁に、モロに泣きながら別れを告げる彼らのイラストを描き、彼なりのお葬式をします。
一方、エストレヤはモロの亡骸にキスをし寄り添っていましたが、トラのぬいぐるみが突然歩き出し、フードを目深にかぶったモロの亡霊が現れます。
また母親の亡霊は再び彼女を呼び「また1人死んだ…あの男のせいで…ここに全員いるわ…あの男を連れて来て…」と囁きます。見れば、無惨な姿の被害者の亡霊たちがその部屋から階段にまでずらりと並んで蠢いていました。
彼女は町へと逃げ出しますが、亡者はしつこく追ってきて「あの男を、私たちを捨てた場所に連れてきて」とせがみ、排水溝に引きずり込もうとします。
けれど怯えてうずくまった彼女が「トラは何も恐れない!」と唱えると、小さなドラゴンに変わった鳥が現れて助けられ、逃げ出します。

その頃町では、トゥッシとポップが路上で横になっていたシャイネを起こし「カコの携帯を貸してくれ」とせがんでいました。彼らはチノが殺人を犯す携帯動画を警察に見せ、告発すると言うのです。
シャイネは「ムダだ!警察は何もしてくれない!」と止めますが、2人はシャイネから携帯を奪い取り、パトカーの警官に見せ「犯罪の証拠だ!」と訴えますが、結局見て見ぬ振りをされただけでした。
シャイネは2人から携帯を取り上げ、拷問されている女性の鳥の腕輪を見て、エストレヤの母親だと気づき、廃ホテルへと戻ります。
しかし彼女はおらず、3人はモロの亡骸を毛布で包んで箱に詰め、運び出します。
一方、公園にいたエストレヤの元には、トラのぬいぐるみを抱いたモロの亡霊が現れ「みんなが僕を埋めに行くよ。体中が寒い」と訴えます。
彼女はモロに聞いた地下用水路に行き、3人と会いますが、トゥッシとポップは「モロを置き去りにしたうそつきの人でなし!」と責め、シャイネは彼女にまず母親の腕輪が写った写真を渡し、動画の女性が彼女の母親だったと言おうとしますが、言えませんでした。
エストレヤは「チノに会わなきゃ。でないと全員殺される」と言い、皆はシャイネの合図で、モロの遺体を用水路に投げ込み、祈りの言葉を唱えます。
皆が去った後、エストレヤはモロの亡霊とトラのぬいぐるみの姿を見ます。トラはモロの遺体が沈んだ場所に、小さな白い花を投げ入れため息をついていました。

4人はそのままバスに乗り、チノが指定した古いスパへと向かいます。
それは彼らにとって命懸けの決戦で、ポップとトゥッシは靴墨で目の周りを黒くするバトルメイクをしていましたが、シャイネに往なされ拭き取ります。またエストレヤは道を示す小さなドラゴンを携帯に呼び入れ、連れていきます。
車中、シャイネはエストレヤに再び動画の事を言おうとしますが、思い余って「最後の願いでチノを消そうか?」と言い出した彼女に「願いなんて無い。トラすらない。あるのは俺たちだけだ」と言い切ります。
エストレヤを追う血の流れもまた、バスの後を追って行きました。

【結】- ザ・マミー(2017年メキシコ)のあらすじ4

ザ・マミー(2017年メキシコ)のシーン2 翌朝、彼らは目的のスパに潜り込み、チノと2人の手下を上階の手すり越しに確認し、小部屋に隠れて準備をします。それは大規模なスパの廃墟で、たくさんの小部屋がある上階から通路が見下ろせる、入り組んだ建物でした。
約束時間になり、チノはカコの携帯を鳴らし、彼らがその建物内にいる事を確認し、上から覗き込んでいる彼らに気づきます。
チノたちは、彼らを2階のシャワー室に連れて行き、一方的に取り引きを始めますが、ポップとトゥッシは早くも泣き出し、シャイネはカコの蛇の携帯カバーにパスワードの掛かった別の携帯を入れて渡します。
チノはシャイネにパスワードを聞きますが答えず、手下に携帯を見せカコの物だと確認させるなり、2人とも射殺します。
トゥッシとポップは怯えて逃げ出し、チノはその携帯を踏み壊して「約束は守った。消えろ。二度と顔を見せるな」と言い、シャイネとエストレヤを開放します。
エストレヤは去り際「私のママはどこ?!」と聞きますが「知るか!さっさと行け!」と追い払われます。

シャイネは無言で彼女の手を引いて逃げようとしますが、エストレヤは震える声で「ここでママが殺されたのかも。知りたいの!」とすがります。
彼は携帯の中身を入れ替えた事を打ち明け「バレる前に逃げなきゃ」と急かし、拷問の動画を見せます。彼女はようやくそれが母親だと気づいて、戻ろうとしますが、シャイネは彼女の手を掴んでじっと見つめ「願い事なんて無い!バカはよせ!」と引き留めます。
エストレヤは、無言で彼の火傷痕にチョークで「×」を書き「火傷の痕が消えますように」と願いを掛けます。彼は不思議そうな目をして火傷痕を触り「ほら、何も起こらない」と言いますが、その瞬間、カコの携帯にチノからの着信があり、血の流れが2人の間を走ります。
エストレヤは「シャイネ…シャイネ…」と呟き動揺しますが、間もなく発砲音がして彼女の顔に血飛沫が飛びます。
チノの撃った弾が、シャイネの右頬の火傷痕を破壊し、彼の命を奪ったのです。

そこに激怒したチノが、銃を撃ちながら駆け込んできます。エストレヤは個室が並んだ廊下を逃げ回りますが、チノは時折携帯を掛け、その着信音を頼りに執拗に追ってきます。
彼女はようやく携帯の音を切り、天井裏の狭い通路へと逃げ込みますが、そこはチノがうろつく廊下からも見える場所で、見つかるのは時間の問題です。
チノはいよいよキレ始め、口汚く彼女を罵り探し回っていましたが、通路を這い回る彼女の前に、モロのぬいぐるみが現れてシャイネのライターを渡し、すぐそばにあった小さなシャッターを示して、開けろという仕草をします。
それは、もしかしたら逃げ道かもしれない…彼女は迷いますが、トラはそのシャッターを内側に押し開け、その中に入って行きます。
その穴からは咳き込むほどの酷い異臭がして、母親の呼ぶ声が聞こえます。
チノは、その咳の音で彼女を見つけ発砲しますが、その通路は大人が入れないほど狭く、エストレヤは間一髪で、穴の中に落ちて行きます。

穴の底は真っ暗で、酷い異臭がして小バエの羽音だけが聞こえます。
エストレヤは、シャイネのライターで辺りを照らし、そこがチノが殺害した無数の人々の死体置場だと気づきます。
彼女はすぐに母親の遺体に気づいて近づきますが、母親は彼女に醜い死に顔を見せないため、ビニールで顔を隠そうとしていました。エストレヤが泣きながらその手を握り締めると、母の腕輪の鳥が彼女の腕に飛び移り、エストレヤの腕輪になります。
その間もチノは、怒鳴りながら彼女を探していましたが、カコの携帯の音が死体置き場から聞こえたため中に入り、携帯を見つけて銃を向けます。
その瞬間、外にいたエストレヤは扉を締め、チノを閉じ込めます。中からは凄まじい悲鳴とドアを叩く音がしていました。

エストレヤが振り向くと、そこにはフードを目深にかぶったシャイネの亡霊がいました。
彼女は彼と握手を交わして「さよなら。クソガキ」と呟き、ライターを返します。シャイネは「さよなら」と答えて、死体置き場のドアの前に立ち、ライターに火を点けます。
2人は今一度振り向いて微笑み合い、シャイネはそのドアに消え、そのドアの隙間からは激しい炎が見えます。
ホッとして歩き始めたエストレヤの前に一頭の大きなトラが現れます。トラは堂々と通路に寝そべり、彼女をじっと見つめ、彼女も微笑んで見つめ返します。
シャイネの「トラは何も恐れない。悪い事は耐え抜いた。今はその先にいる。トラは王様だ…この壊れた王国の王様だ…」と言う声、母親の「私たちは王子だ…それを忘れてはいけない…」と言う声が彼女の心に響きます。

エストレヤは大きな扉の前で振り向き「私たちは戦士だ…トラだ…そしてトラは何も恐れない」と呟いてその扉を開け、歩き出します。
扉の向こうには、広い広い草原が広がっていました。

みんなの感想

ライターの感想

やはり一番近いのはスペイン内戦時代を舞台にしたギレルモ・デル・トロ監督の「パンズ・ラビリンス」(2006年)や「デビルズ・バックボーン」(2001年)ですが、逆境の中を逞しく生き抜く幼い子供たちと言う意味では、是枝監督の「誰も知らない」(2004年)にも似た余韻が残る作品です。
エストレヤ役パオラ・ララは涼しい目をした美少女ですが、シャイネ役フアン・ラモン・ロペスも小柄ながら”トラ”のしなやかさと威厳を持つ男気のあるリーダーで、失語症の幼い少年モロ役を演じたネリー・アレドンドも本当に可愛く胸を打ちます。子を見れば親が見える、彼らは皆真っ直ぐで、誰一人として孤児になるべくしてなった子供たちじゃないのも明らかなのです。
母親の亡霊シーンは確かにホラーなのですが、その声は優しくエストレヤを導き、廃ホテルの思い出のシーンは切なく美しく心に残ります。トラや彼らのイラストが町中にあり、その感情に合わせて泣いたり暴れたりするのが実に心地良く、反面フアスカスの残忍さは歪な人形や凶悪な落書きで表現され、暴力シーンも極力回避されているので安心してご覧いただけます。
「パンズ~」は身を切られるようなやりきれなさが残りますが、本作に残されるのは希望です。犠牲になった幼い彼らの魂が希望の光となるよう祈らずにはおれません。

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