映画:スティーヴンキング8つの悪夢1

「スティーヴンキング8つの悪夢1」のネタバレあらすじと結末

スティーヴン・キング 8つの悪夢1の紹介:ホラーの巨匠スティーヴン・キングの短編を原作とした、2007年放映のアメリカのTVドラマの第1巻。冷酷な殺し屋が玩具の兵隊と戦うブライアン・ヘンソン監督の「バトルグラウンド」、新婚夫婦が狂った異世界に迷い込むマーク・ヘイバー監督の「クラウチ・エンド」、30年代の私立探偵と現代の小説家が入れ替わるロブ・ボウマン監督の「アムニー最後の事件」の3本を収録。

あらすじ動画

スティーヴンキング8つの悪夢1の主な出演者

「バトルグラウンド」/レンショウ(ウィリアム・ハート)、ハンス・モリス(ブルース・スペンス)、「クラウチ・エンド」/ロニー・フリーマン(アイオン・ベイリー)、その妻ドリス(クレア・フォーラニ)、「アムニー最後の事件」/クライド・アムニー/サミュエル・ランドリー”サム”(ウィリアム・H・メイシー)、サムの妻リンダ/クライドの隣人グロリア(ジャクリーン・マッケンジー)など。

スティーヴンキング8つの悪夢1のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- スティーヴンキング8つの悪夢1のあらすじ1

スティーヴンキング8つの悪夢1のシーン1 ◆「バトルグラウンド」(英題「Battleground」)
出演/レンショウ(ウィリアム・ハート)、ハンス・モリス(ブルース・スペンス)、乗客(ミア・サラ)、フロント係(クリスタ・ベンディ)など。
現代のダラス。凄腕の殺し屋レンショウは、世界的な玩具メーカーモリス社の社長ハンス・モリスを殺害せんと、本社前に停めた車の中で準備をしていました。
モリスは玩具を心から愛する男で、倉庫の玩具を愛おしそうに眺めた後、社長室でアンティーク風の妖精のオルゴールを手に取り、母の写真に目を細めます。その写真額には「発想豊かなあなたの右腕 愛を込めて 母より」というサインと可愛いマークが描かれています。
一方レンショウは人面マスクとキャップで顔を隠し、2名の警備員を倒して監視カメラを切った後、社長室に侵入しモリスを射殺し、彼が最期に掴もうとした妖精のオルゴールを”記念品”として持ち帰ります。
彼が飛行機でサンフランシスコに帰る途中、何度もモリス社製の玩具を見かけ、眉を顰めます。誰もが強面で無表情の彼がそれを見た瞬間ホッとするものの、すぐに目を逸らすからです。
彼の自宅は超高級マンションの40階にある洒落たペントハウスで、リビングにはベランダに抜けるプールがあり、アヒルの玩具が置いてあります。
シャワーを浴びて一息ついた彼は、依頼者との連絡を済ませ、モリスの妖精人形を”記念品”の飾り棚に並べて満足気に微笑み、ソファで居眠りを始めます。

夜になり、彼は荷物の箱を届けに来たフロント係の女性のチャイムで目覚めますが、訝しむうち、女性は荷物を置いて帰ってしまいます。
彼は、その箱をキッチンに運んでつぶさに調べますが、宛名とマークが書いてあるだけで、差出人は分りません。
荷物はモリス社製の「ジャングル戦闘セット」「歩兵20体 ヘリコプター3機」云々と書かれた軍隊風の鉄製の箱で、中には緑色の表情豊かな10㎝ほどの兵隊20体と剣や銃火器などの武器が入っていて、側面には「特典付き!」のシールが貼ってありました。
しかしホッとして目を離した隙に、なぜかその箱が落ちて中身が散らばり、間もなく方々から気配がして電気コードが切断され、小さな銃剣で足を刺され悲鳴を上げます。
また家具の下を覗き込んだ瞬間、暗闇に潜む何者かに銃やバズーカ砲で攻撃されます。つまりあの小さな玩具の兵隊がどういうわけか動き出し、彼を攻撃しているのです。
武器が極小のため大ケガにはなりませんが、腿にバズーカを喰らい傷を負います。

彼は慌ててバスルームに逃げ込み、鏡で部屋の様子を伺いますが、兵隊は銃を乱射して家具や電気を破壊、ロケット弾で鏡を破壊します。
ブチ切れた彼は、マシンガンでソファを破壊してひっくり返しますが、その下は悲惨な戦場のようになっており、ジープで撤退する者もいましたが、彼は果敢に立ち向かってきた数人を踏み潰します。
すると別なソファの下から3機のヘリが発進、頭上を旋回しながらさらに強力なロケット砲で攻撃、彼は右手と顔にひどい傷を負いながらも、再びバスルームへと逃げ込み、手当てをします。
しかし間もなく1機のヘリが扉を爆破し、その穴から突入してきます。レンショウはそれをバスタオルで捕まえて踏みつけ、兵隊ごとトイレに流し、タオルで穴を塞ぎます。
それでも便器の中の音は止まず、彼は電源を入れたドライヤーを投げ込んでとどめを刺しますが、ブレーカーが落ちて家中の明かりが消えます。
彼は月明かりの中、膝の傷を縫って体勢を立て直し、防虫スプレーをポケットに入れます。

ほどなくして部屋にいる兵隊たちから「降伏しろ」というメッセージが来ますが、彼は「くたばれ!」と返し、タオルの隙間から外の様子を伺います。
兵隊たちはドアの真ん前からキャノン砲で攻撃、ドアは完全に破壊され、彼はやむなく窓から地上40階の外壁へと逃げ出します。
彼はコンクリートの橋を伝って別の部屋に逃げようとしますが、ヘリや兵隊に追撃され、命からがらベランダへと逃げ延びますが、銃は弾切れし大ケガを負います。
部屋の中では兵隊たちが、人間のように励まし合い、キャノン砲を準備していました。
ほどなくして彼は、ベランダにあった消火器とアヒルの玩具に気づき、プールにアヒルの玩具を浮かべて囮にし、その隙に部屋に入ってキャノン砲に消火剤を吹きつけ、固定します。
キャノン砲隊が混乱している間に、ジープ隊には殺虫剤に引火させた火炎放射器で応戦、焦げてもがいている兵隊をナイフで突き刺し、興味深げに眺めます。
その間、キャノン砲からも弾が発射されますが、消火剤が切れると同時に、セットが入っていた鉄の箱で、兵隊ごと叩き潰します。

戦闘は終結し、彼はその残骸をディスポーザーに突っ込み粉砕します。
その後、彼はビールを引っ掛けプールに入りますが、潜んでいた何者かに手首を切られ、ほうほうの体で逃げ出します。
彼は怒りと出血多量で手が震え、傷口をテープで塞いでプールへと戻りますが、敵の姿は見えず、やむなくエレベーターで1階のフロントに向かう事に。
しかし箱が降り始めた途端、何者かが這い回る音がしてコントロールパネルが爆破され、箱は真っ暗な状態で緊急停止、天井から玩具の傭兵が侵入し、手足の腱を切りつけられます。
その傭兵は百戦錬磨の凶悪な顔で彼を睨みつけ、再び天井に隠れてバズーカで攻撃、レンショウも隙を見て天井に上がりますが、満身創痍の彼に比べ、小さくても傭兵の方が明らかに有利です。
そこに上階からもう一基の箱が降りて来たため飛び移り、箱の中へと逃げ込みますが、傭兵は彼の足の裏に潜んでいて、彼の胸の上で雄たけびを上げ、小さなナイフを何度も突き刺します。

レンショウがそれを何とか払い除けると同時に、1階に着いて扉が開きます。
フロントは目の前でしたが、彼は動けないまま目を閉じ、マシンガンを構えて近づいてきた傭兵を抑え込み、閉まる扉に首を挟んで粉砕します。
しかしその瞬間から信号音が鳴りだし、彼は首無しの傭兵の軍用リュックを開け、赤く点滅している何かに気づいて「ああ…」と声を漏らします。
それは間もなく彼の胸の上で大爆発し、エレベーターシャフトに火柱が吹きあがります。
その煙は破壊された彼の部屋にまで到達し、兵隊セットの箱の「特典付き!」のシールが剥がれます。その下には「1、突撃隊員 2、ミニチュア型水素爆弾」という、宛名と同じ手書きのシールがありました。
宛名のマークはモリスの母親の物でしたが、レンショウは最期まで気づいていないようでした。
破壊された”記念品”のケースの中では、妖精のオルゴールが動き出し、物悲しいメロディが流れます。

【承】- スティーヴンキング8つの悪夢1のあらすじ2

スティーヴンキング8つの悪夢1のシーン2 ◆「クラウチ・エンド」(英題「Crouch End」)
出演/ロニー・フリーマン(アイオン・ベイリー)、その妻ドリス(クレア・フォーラニ)、タクシー運転手アーチー(リナル・ハフト)、少女(エバ・ラザロ)、少年(Ryan Sheldrake)など。
ロンドンのとある警察署。疲れ果て涙ぐんだ女性が、警官に熱いコーヒーを勧められ理由を聞かれています。
「夫が…行方不明になったんです…クラウチ・エンドで…」…
彼女の名はドリス。夫で若手敏腕弁護士のロニー・フリーマンとの新婚旅行でロンドンにやって来た、明るく美しい女性です。
ただ彼女は迷信深く、ホテルに着いて早々エレベーターで乗り合わせた老夫婦に「ボタンの2度押しは縁起が悪いの!」と声を荒げ、気まずい思いをする事も。
一方ロニーは、もちろん彼女を愛していますが、野心家でプライドが高く、無粋な仕事の電話にも出ようとして止められます。
そこに地元在住の弁護士ジョン・スクエイルズからディナーの誘いが入ります。ジョンに取り入れば出世出来ると考えたロニーは、嫌がるドリスを説得し応じる事に。
けれどスクエイルズ邸があるというクラウチ・エンドに行こうとしたところ、黒人のタクシー運転手に「クラウチ・エンドは外国人の行く所じゃない!絶対に行っちゃダメだ!」と断られて面喰います。
しかし次に掴まえた初老のタクシー運転手は、彼らを一瞥し、営業スマイルで了承します。

走り始めたタクシーの中でも、ドリスは「僕が倒れたら」とジョークを飛ばすロニーを叱り、道端の「60人が恐怖の地下で行方不明」という看板を見て眉を顰めます。最近地下鉄の事故などは無いそうで、その意味は解りませんでした。
一方ロニーは、ジョンの住所のメモを無くし、携帯は圏外で充電残量がほとんど無い事に気づいて動揺します。
その揉め事を聞いていた運転手は、言葉尻を取り「クラウチ・エンドは”かすれた地”と呼ばれ、別世界との接点であり次元の狭間のような土地だ」と話します。
その頃タクシーは”クラウチ・ヒル・ロード”を通過しますが、ドリスはカフェにいたバイカーたちの顔が、一瞬異様に変わるのを目撃します。
彼らは間もなくクラウチ・エンドに到着しますが、そこは整然としたイギリス風の住宅地で、ロニーは通りにあった電話ボックスに電話をしに行き、残されたドリスは運転手に「ここは住みやすい町なの?」と聞きます。
運転手はアーチ―と名乗り「1930年代に地下鉄が開通して開発され、暮らしやすくなった」と明るく話し始めますが、その後すぐに鉄道会社が撤退したと言うのです。
その理由は第二次世界大戦のためとされたそうですが、実は地下鉄の駅の改修工事中に、無数の人骨が埋まった集団墓地が見つかり、その地が”合理的でない世界との境界線”だと気づいたからなのだとか。
「その地下は”タウエン”と呼ばれた地で、古代ドルイド語で”生け贄の儀式”と言う意味であり、虐殺(スローター)の場があったという事だ」と言うのです。
けれど見つかった人骨は新しいモノだったそうで、ドリスは思わず「ジョークでしょ?」と聞き直しますが、アーチーは「本当の事だ」と言い張ります。
彼女はゾッとして出て行こうとしますが、アーチーは彼女の腕を掴み「普通に見えても実態は違う事もある。この世は革製のボールの内側、外側は別次元、その革の擦り減った部分が”かすれた土地”です。たまに革が裂けて大きく口が開くと別の次元が流れ込み、活動を始める。それがここクラウチ・エンドなんですよ。早く立ち去りなさい」と言うのです。

ドリスはゾッとして外に出ますが、通りには激しい風が吹いていて、窓辺で後ろ向きに座る猫を見つけてちょっかいを掛けますが、振り向いたその猫の顔半分は、死体のようにえぐれていました。
彼女は慌てて通りに戻り、ロニーと合流しますが、タクシーは忽然と消えていました。
2人は途方に暮れ、道路で遊んでいた幼い男女の子供に声を掛けますが「失せろ!アメリカ野郎!」と罵られ、逃げられます。ドリスはその少年の手が怪物のようだったと気づきますが、同情して終わります。
彼らは諦めてスクエイルズ邸を探し始めますが、住民の姿は見えず、ドリスが「ジョンに迎えに来てもらおう」と頼んでも、優秀さに傷がつくと拒まれます。
けれど間もなく警察署にたどり着き、ロニーがしぶしぶ聞きに行きますが、中は廃墟でデスクには大きな爪痕がついていました。彼は爪痕には気づかず、道を間違えたらしいと嘘をつき元来た道を戻り始めます。

しかし町並みは次第に寂れて行き、大きな屋敷の生け垣に差し掛かったところで、呻き声が聞こえます。ロニーは生垣をかき分け入ろうとしますが、庭にある黒い穴からは薄煙が立ち上っていました。
ドリスは「”60人 地下で行方不明”と言うのは警告よ!」と言い、アーチーから聞いた話をして止めますが、彼は「全部作り話さ」と笑って生垣の中へと入って行きます。
彼は中から「別の道がある」「何だコレは?ネバネバする」「下に別な穴がある」と話していましたが、獰猛な唸り声と共に生垣の外へと投げ出されます。
彼はひどく怯え、上着には黒っぽい何かで汚れていて「逃げろ!」と叫ぶなり、彼女の手を取って駆け出します。
ロニーは途中で汚れた上着を脱ぎ捨て、2人は必死で目抜き通りへと辿り着きますが、やはり人の気配は無く、「スローター・タウエンまで1マイル」の標識があります。
ドリスはその意味を直感しますが、ロニーはなんて田舎だ!とブチ切れ、「上着は無くした」「庭での事は憶えてない」「ジョンのディナーに遅れる!」「タクシーがどこにいるっていうんだ!道に迷ってるんだぞ!」と別人のように怒鳴って埒が明かず、なんとかなだめてジョンに電話をさせても、途中で充電残量が尽き、切れてしまいます。
そこで彼女は来た方角に戻ればホテルの帰れると気づき、混乱する彼をなだめて一緒に歩き始めます。

途中、彼は突然トンネルの幻覚を見て怯え「この先には絶対行かない!」と言い出したり、ドリスが「次元の裂け目が出来たとしても、いつか元に戻るはず」と励ますなどありますが、やがて来る途中に見た時計塔を見つけ、その方角へ向かう事に。
しかし道は次第に寂れ、その先にはあのトンネルがあり、ブラックホールのような風が吹いて、不気味なバイカーや猫や子供たちを吸い込んでいました。
ドリスは支柱にしがみつき難を逃れますが、ロニーは恐ろしいモノたちを見ておかしくなり「一緒に行こう!ずっと一緒にいると誓っただろ!」と言い、無理矢理彼女をトンネルに連れて行こうとします。
彼女は彼をひっぱたいて振りほどき「止めて!怖いのよ!」と泣き出し、トンネルの上を列車が通過します。するとロニーも泣きだして正気に返り、2人は別な道を歩き始めます。

その道はやがて石畳の路地となり、車の音が聞こえます。
ドリスは時計塔とタクシーを見て歓声を上げ、ロニーを振り返りますが、彼は道にへたり込んでいて、立ち上がるなり元来た道を駆け戻って行ったのです。
ドリスは彼を懸命に追いかけるうちトンネルへと戻ってしまいますが、彼はトンネルの向こう側にいて「君の間違いだ。こっちが帰り道だよ」とあらぬ方向を指差し「僕を愛してないのか?」と言い出します。
彼女はやむなく中へと入って行きますが、途中で不気味な手に肩を掴まれ「タバコをくれないか?お嬢ちゃん」と言われて怯え、一気に駆け抜けてしまいます。そこにはロニーの姿もありませんでした。
トンネルの向こう側は旧時代の操車場で、壁には大きく「60人 地下で行方不明」と書かれ、「クトゥルフ」「ヨグ=ソトース」「ルルイエ」「ナイアーラトテップ」などの看板があります。
そこにあの子供たちが現れ「あのアメリカ女だ…迷子になって夫を失い…暗き道へ…抜け穴に通じる道…星から口笛吹きが来る…盲目の笛吹き…次元の怪物…」と呟きます。
また彼女がロニーの居場所を聞くと、少女は「下へ行った…1000人の子供とヤギの所へ…彼には印がついてた…あんたも行くのよ」と囁き、少年はその奇妙な手を掲げ、呪文を唱え始めます。
すると突然ロニーが現れ、優しい笑顔で彼女を労い「よく誓いを守った。僕たちは永遠に一緒だ」と両手を広げます。しかしすぐに地響きがして、その背後の地中から巨大な3つ首の怪物が現れ、彼を飲み込みます。

ドリスは悲鳴を上げて逃げ出しあの路地へと戻りますが、子供らが追いかけてきて、笑いながら足を掴みます。
彼女は必死で子供らを振り払い、ようやく道路へと逃げて老夫婦にぶつかり、「警察に行きたいんだけど」とすがります。
そのただならぬ様子に夫妻は思わず「何かあったの?」と聞きますが、彼女が泣きながら「道が裂けて…夫が消えた」と呟いた途端顔色を変え、夫は「また起きた…」と漏らして警察署を教え、妻は「タウエンにいたなら近寄らないで!」と怯えます。
彼女はやむなくとぼとぼ歩いて警察に行き、彼女が落としたハイヒールは、真っ黒なタールのようなモノに、引き込まれていきました。
警官に熱いコーヒーを勧められ、事情を聞かれた彼女は「夫がクラウチ・エンドで行方不明に……同じ質問ばかりして、もう全部話したわ…」とすすり泣きます。
そこに猫が飛び出し、彼女は驚いてカップを落としてしまいます。
警官はすまなそうに微笑み「すみません。悪気は無いんです。なあロニー」と猫に話しかけます。
彼女は愕然として聞き返しますが、警官は「ロニーは猫の名前です。今朝見つけた迷い猫ですよ」と言うのです。その猫は、クラウチ・エンドで見た顔の半分が死体のようになっている猫でした。

【転】- スティーヴンキング8つの悪夢1のあらすじ3

スティーヴンキング8つの悪夢1のシーン3 ◆「アムニー最後の事件」(DVD表題「アムニーのラストケース」英題「Umney's Last Case」)
出演/クライド・アムニー/サミュエル・ランドリー”サム”(ウィリアム・H・メイシー)、サムの妻リンダ/クライドの隣人グロリア(ジャクリーン・マッケンジー)、クライドの秘書アーリーン・ケイン”キャンディ”/プールの掃除人(トーリー・ミュッセ)、オーディス(メリンダ・ビュテル)、エレベーター係バーノン(ハロルド・ホプキンズ)、新聞売り少年ピオリア(Julian O'Donnell)など。
1938年のロサンゼルス。中年の私立探偵クライド・アムニーは口が達者な伊達男。今日も事務所で美人秘書のアーリーン”キャンディ”といちゃついているところに、以前口説き落とした客のスターンウッド夫人が現れ一悶着ありますが、行きつけのカフェ”ブロンディ”から揉め事だと連絡があり、駆けつける事に。
エレベーターでも暗殺者に狙われますが、ビルのエレベーター係バーノンが助っ人に入り命拾いします。バーノンはチェーンスモーカーですが、妻と仕事をこよなく愛し、ビルの事情をよく知る大ベテランの老人です。
街角で彼は、盲目の新聞売りの少年ピオリアに気を落とすなと声を掛け、ブロンディではギャングのダニンジャー一味をやっつけ、脅されていた美女オーディスを救って「2人でメキシコへ行こう」と口説きますが、彼女は実に哀しそうな顔で「老いた母が待ってるの。無理よ、分ってるでしょ?」と断ります。
クライドは彼女を抱き寄せ「お互いが必要だと今に分かる」と囁き去って行きますが、オーディスは潤んだ瞳でその後姿を見つめていました。
そんなスリリングでホットな一日を過ごした彼は一人家路につきますが、隣家では犬のバスターに吠えられ、若くハンサムなジョージィと美しい若妻グロリアが、大音量でレコードを掛けダンスで盛り上がっていました。
彼はその様子を寂しげに見つめて酒を引っ掛け、早めに床に就きますが、隣の騒ぎが気になり寝付けない夜を過ごします。

翌朝は晴天でしたが、隣家の犬バスターは吠えず、枯れていたバラはなぜか満開、ピオリアには「ブロンディは閉店したよ。母さんがロトで大金を当てたから、目の手術をして廃業だ」と言われます。
しかしクライドはその違和感に堪え切れず、思わず「サイズ違いの服を着ている気分だ。君は盲目で新聞を売ってなきゃ」と漏らし、盲人用の杖で殴られます。
またエレベーターではバーノンから「末期ガンだから退職します。退職記念パーティにはビルのオーナー、サム・ランドリー氏も来ます。アリゾナの妹の家で世話になる」と言われます。
クライドは「昨日の今日なのにガン?あんたはここで働くべきだ!」とキれますが、バーノンは目の前で血を吐き「ならいつまでエレベーター係でいればいいんで?」と言い返されます。
彼は思わず「間違ってる…正しくない」と呟きますが、バーノンは血だらけの口でタバコをふかしながら「では何が正しいんです?」と笑っていました。
また事務所にはキャンディがおらず「今まで堪えてきたけど口臭のする離婚専門のヘボ探偵はウンザリ!長所はあるけど短所が多過ぎる!大人になりなさい」と書置きがありました。
彼はそれでも「彼女もキライじゃなかったはず」とこぼして酒を飲もうとしますが、部屋の隅の客用ソファに座っていた誰かに声を掛けられ驚きます。
それは彼と瓜二つの男で、サミュエル・ランドリー(サム)と名乗り、握手を求めます。
それはバーノンから聞いたビルのオーナーの名前でしたが、サムは「僕のミスだ」と謝ってノートパソコンを開けて打ち直し「君とビジネスをしに来た」と言うのです。

クライドはその見た事も無い奇妙な機械とリーボックのシューズを見て混乱しますが、彼がその機械に文章を打つと一瞬でその通りになり、うろ覚えの年代や両親の名前を知らない事まで言い当てられ愕然とします。
サムは、彼が1977年に書いた大衆小説の登場人物で「2000年発行の『堕天使のように』では実に複雑で面白い人物へと成長した」と言い、妙な違和感は全てサムが出現する前触れだったと話します。
クライドは「何でもできるんだな」と憤慨し、事務所から出て行きます。
しかし自宅には妙な風が吹き荒れ、隣家は廃屋になっており、妻とバスターは風呂場で殺されていて、夫はベッドで服毒自殺を遂げていました。
クライドは隣人に心から同情し自宅で酒を呷りますが、そこにもサムが先回りしていて「読者は不気味な殺人事件が好きだからな」とうそぶきます。
クライドは「お前は神じゃない!ただの人間だ!」と怒って拳を構えますが、サムは目の前でキーを叩き、彼を脱力させソファに倒れ込ませます。
そして「登場人物の名は、後年有名になる小説家チャンドラーへのオマージュだ」と語ります。クライドは「”盗作”の言い換えか!」と怒鳴って銃を向けますが無駄でした。

そこでサムは改めて文章を打ち「私は君のために来た。君は新しい人生に直面する。君が縫いだ靴を私が履くんだ」と言い、彼自身の日記を見せます。
サムの息子ダニーは1999年に、友人家族たちを大勢招いたにぎやかなホームパーティの際、自宅のプールで溺れ、5歳で亡くなったのです。
夫妻は悲しみに打ちひしがれ毎週墓参りに行っていましたが、やがてサムは小説を書くという仕事に逃げ、リンダは納得しなかったのです。
そんなある晩、酒に酔ったリンダがパソコンに向かう彼に絡み「あなたが”クライド”だったらよかったのに。彼はあなたの分身で幾人もの女性に希望を与え救ってるわ。だけどあなたは座って画面を見てるだけ」と言い出したのです。
サムはリンダのアイデアに救われたといい、「妻からも盗むのか!」と罵るクライドに「『作家ほど恥知らずで利己的な者はいない』、作家は小説のために嘘をつき、他人の魂を盗む。ベストセラー作家なのに妻への慰めの言葉も出てこない。私の分身ならできるはずだ。私と入れ替わり、妻を救ってくれ!」と言うのです。

クライドは憤然として「私は自分の靴を履いて生きる。男ならしっかりしろよ!早く消えろ!」とドアを開け、追い出そうとします。
サムはイラつきますが、クライドに「パパを怒らせちゃったか?息子も怖がったんだろ?」とからかわれてブチ切れ、「オーディスの妹がダニンジャーの手下に襲われ、顔を日本刀で切り刻まれて殺害された」と書き換えます。
すると事務所にオーディスが駆け込んできて、「悪くなるばかりよ!この世は出口のない残酷な迷路ね!悪者が勝ったのよ!」と泣きついたのです。
クライドは懸命に彼女を慰めますが、サムはさらに彼女が拳銃で自殺するよう書き換え、必死に止めに入るクライドの動きを封じ、意地悪く笑いながらエンターキーを押してしまいます。

クライドは彼女の遺体を抱き「神様気取りか!それも二流だな!私は操り人形じゃない!」と激怒しますが、サムは平然とキーを叩いて、再び彼を脱力させます。
彼は必死に抵抗し「私が消えても名前は残る!」と怒鳴りますが、ついには「消さないでくれ…これは私の人生だ…」と懇願します。
すると外の風景は止まり、事務所の看板が”サム・ランドリーの私立探偵社”に変わり、サムは「ようやく私立探偵になれた!」と喜び、「ここは私の理解できる世界なんだ!…子供は溺れないし、夫婦は一生愛し合う」と寂しそうに呟きます。
しかし彼にはクライドの最後がどうなるかわかりません。サムは「せめて苦痛が無ければいいが」と言ってキーを叩き、クライドは「どうせあっても気にしないんだろう?」と呟き目を閉じます。
「そうして私は街を出た。私の行きついた先だって?…それはあんたには関係の無い事さ。 THE END」と呟きながら打ち、満足気に微笑んでエンターキーを押します。

【結】- スティーヴンキング8つの悪夢1のあらすじ4

スティーヴンキング8つの悪夢1のシーン2 その瞬間クライドの意識は遠のいて緑の光に包まれ、現代のサムの邸宅のプールで気づきます。彼は全裸で、室内で掃除をしていたリンダに「部屋に入れてくれ」と頼みます。
彼女は夫の珍妙な姿に呆れますが、彼は改めて「クライド・アムニーだ」と名乗り、中に入っていいかと聞きます。
彼女は「ハロウィーンのつもり?プールはしばらく使ってなかったから」とこぼしますが、クライドがダニーが亡くなった事などを堰を切ったように話した事で、全てを理解し受け入れます。
リンダはクライドをしげしげと眺めながら「そう言えばあなたと入れ替わって小説の世界に行くと書き直したと言ってた。ああいう人だからまた夢物語だと思ってたけど…これだったのね。あなたは実在してる」とこぼします。
クライドは改めて「2人の人生を交換したのか」と言い、ノートパソコンを指差して「あのマシンが2つの世界の鍵穴だ」と言います。
彼はまだ怒り冷めやらない様子でしたが、彼の流暢でドラマチックな物言いや仕草にほだされたリンダは、彼に酒を勧め、いいムードになります。

その頃、30年代の私立探偵として生まれ変わったサムは、呑気にカッコいい電話の取り方やハードボイルドなセリフ回しの練習をしていましたが、不器用でなかなか思うように行きません。
一方、リンダは大乗り気でセクシーなドレスで迫りますが、彼は元の世界に戻る事ばかりを考え、相手にされません。
また彼女が「サムは成功して太った怠け者になった」と貶した途端、「彼はあんたを救いたかったから私を寄こした、いずれ私は帰るんだ!」と庇い、彼女がどんなに迫っても「ここは地獄だ!レンジで調理した冷凍食品!フランケンシュタインの靴!音楽なんてカラスの悲鳴だ!」と怒鳴り散らします。
リンダはそれでも「いいところもあるのよ」と説得して彼のズボンを降ろして迫り、クライドは「私の恋人はオーディスだ!」と拒否しますが、「それはサムが考えた恋愛よ。自分で変更するの」と説得され押し倒されます。
やがてサムの探偵事務所にも客がやって来ますが、彼は小説家気質から根掘り葉掘り聞いては嫌われ、良い台詞を思いついてはほくそ笑み、呆れられます。

一方、現代のクライドの元には、キャンディと瓜二つのプール掃除人がやって来て、早速プールでイチャつき始めます。
そこにリンダが帰宅しますが、プールで遊ぶ2人を見てダニーの事故を思い出し、「あんたは卑劣で口臭のする離婚専門のヘボ探偵よ!」と怒鳴ってクライドに殴りかかり、泣き出します。
あの日、サムは誰よりも先にプールに飛び込み、必死で救おうとしたのですが、ダニーはその甲斐なく命を落としたのです。
「サムとダニーがいいの!…もう一度やり直したい!子供を産んで、また3人で…服を買ったのよ…新婚の頃みたいに、あなたを驚かせたかった…それなのにあんな女が好きなの?!」…
クライドは彼女に同情はしますが、静かな声で「これが私の性格なんだ。サムがどんなに書き換えようと不可能はある。人格は宿命だ。クライド・アムニーは変わらない。私だって逃げ出したい。病気や無分別な暴力のあるこの世界から」と話します。
リンダは絶望し「行って…あなたのいた場所に」と言いますが、「簡単じゃない。神にだって難しい」と言われます。

リンダはそのまま街に出て、救急車のサイレンに誘われるように病院に向かい、息子が亡くなった日の残酷な光景を思い浮かべながら屋上へと上がり、靴を脱いでヘリに立ちます。
彼女は幸せだった頃の家族写真を見つめ、その足元に見えるプールに沈んだ息子の元へと飛び込みます。
リンダがビルから飛び降りた瞬間、30年代のサムは客の前ではっとして立ち上がり「ダメだ!」と呟いてブラインドを開けます。
彼は、落下する彼女の影を見て愕然とし「私は何をした?…何をしなかった?…」と呟きます。

同じ頃、サムの家にいたクライドは、慣れない手つきでノートパソコンのキーを叩き始めます。
夜になり、彼はようやくオーディスの素晴らしさをしたためた数行を打ち終えますが、文章は稚拙で頭を抱えます。そこに現代のキャンディがコーヒーを持ってきて「最低ね、でも学べばいいのよ」とフォローします。
クライドは「簡単な事じゃない。サムは本物の作家だが私は違う。『常に哀れみを持ち皮肉っぽく』…ヘミングウェーの言葉だ。私は知らないがサムは知っていた。本物の作家にならないと」…「待ってろよサム!これから行く!入り方は分ってる。立場が逆転したんだ。今度は私があんたの首に手を回す」…
彼はそう呟いて現代のキャンディと寄り添い、遠くを見つめていました。

みんなの感想

ライターの感想

「バトルグラウンド」は寡黙な殺し屋が玩具の兵隊”グリーンアーミーメン”と決死のバトルを繰り広げる面白い作品で、ちっこいくせに武器の威力は凄まじく兵隊たちの命懸け度もたまらない作品です。最後に登場する”突撃兵(傭兵)”だけはフルカラーの凶悪な面構えなんですが、気になったのは”記念品”ケースの上にあったズーニー人形(カレン・ブラック主演のTVM「恐怖と戦慄の美女」に登場する最強の呪術人形)。いったい誰を殺して得た記念品かが気になる所です。
「クラウチ・エンド」のクトゥルフ世界、キング自身になぞらえた売れっ子作家が創作世界に入り込むという「アムニー最後の事件」もキングの十八番で、ファンにはたまらない作品かと思います。
役者陣はこれ以上ないほど充実しているのでどっぷり浸ってご覧になれますが、中でも主人公を演じたウィリアム・ハート、ウィリアム・H・メイシーは、TVMとしては贅沢過ぎるほどの配役で、終始ハラハラさせられます。

※S・キング短編集「ナイトシフト〈1〉深夜勤務」
「バトルグラウンド」の原作「戦場」収録


※S・キング短編集「ヘッド・ダウン-ナイトメアズ&ドリームスケープスⅡ」
「クラウチ・エンド」「第五の男」「アムニー最後の事件」収録

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