映画:ダブルビジョン(2002年)

「ダブルビジョン(2002年)」のネタバレあらすじと結末

ダブル・ビジョン(2002年)の紹介:台湾で発生した道教にまつわる連続猟奇殺人事件を地元刑事とFBI捜査官が追う2002年制作の台湾/米/香港合作のホラー・サスペンス。製作/監督/脚本は「唐山大地震」のチェン・クォフー。地元刑事を「愛人/ラマン」のレオン・カーフェイ、FBI捜査官を「グリーンマイル」のデヴィッド・モースが演じている。

あらすじ動画

ダブルビジョン(2002年)の主な出演者

フアン・フォトゥ刑事(レオン・カーフェイ)、FBIケビン・リクター捜査官(デヴィッド・モース)、フォトゥの妻チンファン(レネ・リュウ)、娘メイメイ(フォン・ウェイハン)、リ警部(レオン・ダイ)、検死官(ヤン・クイメイ)、ション博士(ラン・シャン)、少女/謝亜理(シェ・ヤーリ)(ハンナ・リン(林涵))、リン・タオション(チェン・シェンシー)など。

ダブルビジョン(2002年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①台湾、台北で3件の猟奇的な不審死事件が発生し、台湾警察はFBIに協力を仰ぎ、ケビン・リクター捜査官を招聘する。通訳兼相棒となったファン・フォトゥ刑事は、かつて警察汚職を告発して心に傷を負い、署内では孤立し妻子とも別居状態。②被害者は謎の菌の幻覚による他殺と判明。第3の被害者アメリカ人神父の体に遺された道教の呪符の文様から、事件が道教の”永遠の生命”を得る秘儀にまつわる殺人である事が判明。③犯人は第4の被害者の遺体の遺棄に失敗、犯人と思しき宗教団体が明らかとなる。④犯人らはアジトの寺で警官隊と衝突し大量殺人事件となるが、首謀者は逮捕され、菌の培養に使われていた重病の少女が救出されたことで事件は解決したかに見えた。⑤しかし帰国前夜フォトゥ一家と楽しい一時を過ごしたケビンが、翌朝謎の死を遂げる…。

【起】- ダブルビジョン(2002年)のあらすじ1

ダブルビジョン(2002年)のシーン1 ある女性が病院で双子を出産しますが、先に生まれた児は死産で、その瞳には黒目が2つ(双瞳)ありました。残る1人と母親の生死は分りません。
・・・
台湾、台北。台湾警察では、今日もリ警部による厳しい取り調べが行われていましたが、殺人課から転属した国際捜査課のフアン・フォトゥ(黄火土)刑事は、刑事部屋(寝泊り可能な彼専用の個室)にこもって象棋(シャンチー/中国将棋)ゲームをしています。
彼には若く美しい妻チンファンと幼い娘メイメイがいますが、滅多に帰宅せずじっと何かに堪えているようで、リ警部もそんな彼を案じています。

そんな中、大企業太豊(タイフォン)科学のリャオ・チェンフー(廖振富)社長が、謎の死を遂げます。
彼は死の2時間前「寒い」と言い出して冷房を切らせ、デスクに座ったまま死亡していました。
季節は夏、現場はビルの17階の社長室であるにもかかわらず、リャオ社長は死の2時間ほど前に寒いと言い出してオフィスの冷房を切らせ、鼻腔から氷片が出たため、検死官は溺死と断定します。
その時、フォトゥもそのオフィスにフィリピンの不法就労者を逮捕しに来て、リ警部の部下と揉め事になります。
またある日、刑事部屋にフォトゥの妻子が来ますが、チンファンは「メイメイはお前といた方が幸せだ」と言って責められ、メイメイの学校の面談を頼まれます。

その後、リャオ社長の脳と鼻孔からカビのような菌が発見されますが、その菌の正体は台湾では解明できず、FBIに分析を依頼する事に。
同じ頃、バージニア州のFBIアカデミーで教壇に立っていたケビン・リクター捜査官は「何事にも例外があり、我々は失敗から学ぶ」と語り、1994年の奇妙な連続殺人事件=絞殺された少年らが全員至福の表情で亡くなり、自首した犯人もプロファイリングと全く違っていたという苦い経験を話していました。

数日後、台北市信義(シンイ)区では、議員の愛人チュウ・ミャオファン(丘妙芳)が謎の死を遂げます。
議員の妻に告訴、逮捕され、保釈された彼女は、深夜に帰宅し風呂に入るうち、スキャンダルが載った新聞から出火、消防車を呼んで逃げようとしますが、噴き出た炎に一瞬で焼き尽されたのです。
しかし消防車が駆けつけた時には火事の痕跡は無く、ミャオファンの遺体だけが、高温の火による焼死の状態で発見されたのです。
検死官は「2つの事件には関連がある」と言いますが、署長は「議員絡みの事件はまずい、心臓麻痺にしろ」と命じます。

一方、フォトゥはメイメイの学校に行き、教師からメイメイが男子2人にケガを負わせたとして特別な学校に入れるよう勧められ、病院に相談に行く事に。
フォトゥが医師と話している間、メイメイは妙な音を聞いて標本室に行き、双瞳の嬰児のホルマリン標本を見つけます。

その夜、淡水信理教会では、ベッドで読書をしていたロレンゾ牧師が、知らぬ間に自分の腹が裂けている事に気づいて悲鳴を上げ、翌朝死体で発見されます。
呼び出されたフォトゥは、メイメイがうなされていたため妻の寝室に行き、離婚の書類を見つけて道端に捨てていきます。
現場は教会関係者と捜査陣でごった返していて、リ警部は「米中関係に響く重大事件で、国際課随一の英語力のお前が呼ばれた」と説明します。
検死官は「犯人は2人以上。就寝中に殺害した後、腹を裂いて腸を取り出して洗い、元に戻して縫い合せた」「死に至るまで2時間あったが、縛られた形跡はない」と言い、同じく鼻腔から出た氷片を見せ「これでも関連性が無いというの?」と聞きます。被害者の縫合痕には道教の呪符らしき傷もつけられていました。

警察はついに記者会見を行い「3件の事件を連続殺人と断定してFBIに協力を求め、連続殺人の専門家ケビン・リクター捜査官を招聘する」と発表します。
けれどケビンには銃の携帯は許されず、逮捕権も審問権も無いため、相棒兼通訳としてフォトゥが同行する事に。
どしゃ降りの雨の中、一旦家に帰ったフォトゥは、男の車で帰宅したチンファンを見て動揺し、腹立ちまぎれに自分の車の窓を叩き割る羽目に。
彼は車をUターンさせて空港に向かい、ケビンと会いますが、到着するなりマスコミに取り囲まれ疲れ果てていた彼を労う事も無く、ムッとしたまま手は血まみれ、しかもホテルの前に置き去りという最悪の初対面となります。

翌朝、ケビンはフォトゥが寝ている刑事部屋に行き、捜査資料に目を通します。
捜査チームはリ警部を含む血の気が多い連中ばかりで、打ち合わせも大荒れでしたが、フォトゥは真摯に通訳をし罵詈雑言はごまかして伝えます。
判明しているのは、被害者同士に繋がりは無く、犯人の動機は不明、共通点は脳と鼻腔から同じカビが発見された事でした。カビの正体はFBIの分析待ちの状態です。
しかし、ロレンゾ神父の腹にあった文様に関して、ケビンは「宗教に関しては当事者(信者や関係者)より宗教学者に聞くべきだ」「被害者の選択理由が最重要事項だ。殺害現場を見たい」と言いますが、刑事連中はムカついてケビンを小バカにし、勝手に話を切り上げて御守りを配り、解散してしまいます。
ケビンは初めて「クソッたれ!絶対に必要だ!」と言い場が凍りつきますが、再検証と言われてムカついていたリ警部は、案内役をフォトゥに押し付け出て行きます。

現場に向かう車中、フォトゥは「口数を減らせば威厳が出る」と忠告しますが、ケビンは「そんなに慎重とは意外だ」と言い、彼に関するある新聞記事を見せます。
それはフォトゥが警官時代、警察内の汚職の告発をした事件で、逮捕された彼の親戚でもある警察官が、メイメイを誘拐して死亡した苦い過去でした。
ケビンは「AIT(アメリカ人協会)は、(現地の)警察を信用できないから君を推したんだ」と言いますが、フォトゥは憮然として「俺も他の警官と同じだ。幼稚な事をしたと後悔してる」といい記事を投げ捨てます。
その直後、車は鉄骨を積んだトラックにぶつかりそうになり、間一髪で事無きを得ます。フォトゥは落ちた御守りを慌ててミラーに下げ直します。

教会では、ケビンがロレンゾ神父の部屋のエアコンに目をつけ、機械内に落ちていた丸い銃弾を見つけます。
それは他の2人の被害者の部屋からも発見され、同じ改造銃から発射されたと断定されます。また弾には小さな穴があり件の菌が植え込まれていました。犯人はその特殊な弾丸をエアコンに撃ち込み、菌を室内に拡散させたと思われました。

その日の夕方、先に刑事部屋に戻ったケビンはチンファンとメイメイに出会い、チンファンから、メイメイの誘拐事件以来2年間ほとんど話してないという愚痴を聞きます。
一方、フォトゥはリ警部から「FBIには気をつけろ」と忠告されていました。
「3人の被害者はみな事件直前、新聞に載った人間で、そのためターゲットにされた」「ケビンのおかげで事件が解決しても、お前は署内で妬まれるだけ」「FBIの導入はただの見せ物で、署長は迷宮入りだと睨んでる。これは普通の事件とは違うんだ。犯人は人間ですらないかも」と言うのです。
フォトゥは聞き流そうとしますが、リ警部は「勝ち目のない勝負だ!手を引くのが一番だ!命も助かる!」と怒鳴っていました。
刑事部屋に戻った彼は、チンファンから再度離婚の書類を渡されますが「忙しいから今は無理だ」と断り、離婚した場合の彼女とメイメイの生活を案じます。
チンファンは「実家に頼るから負担はかけない、メイメイはカナダの専門家に診せる」と言って帰り、フォトゥは書類を捨ててしまいます。

【承】- ダブルビジョン(2002年)のあらすじ2

ダブルビジョン(2002年)のシーン2 その後2人は、南港(ナンガン)中央研究院の社会人類学者盛(ション)博士に、ロレンゾ神父の腹にあった文様の話を聞きに行きます。
博士によれば、その文様は数年前、中国の交阯(ジャオチ)で発掘された道教の寺”真仙観”で発見された、石碑の碑文に酷似しており、意味は”匂牒(ゴウディエ)”=”地獄からの呼び出し””閻魔大王による死の呪い”だと話します。
研究室の壁には、道教の5つの地獄=氷の地獄、火の地獄、舌抜き地獄、腸抜き地獄、心臓抜き地獄の画が飾られていました。
また資料にあった同心円状の文字は「古代の道士が薬を練った方法だと言われているが、まだ解明されてない」と言い、記号は「”易(占い)”の”河図・洛書”で道教の宇宙観だ。中国の麻雀、囲碁、象棋などはこの図が進化したものだ」と話して、彼にそのコピーを渡します。

同じ頃、街中の高層ビルに隠された巨大な道教の宗教施設に1人の男が入っていきます。
そこは最新設備のビルですが、広大なフロアには古い寺があり、数百人の信者がいます。男は強面の男や道教の道士に導かれ”真仙観”の門をくぐり、道士の前でひざまずき一組の夫妻の写真を掲げ、目隠しをされます。
道士が手を叩くと薄い粉のようなモノが舞い、信者が経を唱えながら周囲を廻り、別の道士が彼の背中を文様がある短剣で切り裂き、その傷口に手を刺し込みます。男は満足気に呻き息絶えます。
その後、男の死体は強面の男たちによって地下駐車場のワゴン車へと運ばれます。

その夜、刑事部屋に戻ったフォトゥは象棋ゲームをしながら同心円の文字の資料を眺めていました。すると駒の場所が光って文字を差したことで何かに気づき、OHP(投影機)の準備をし、やってきたケビンに同心円の文字の説明をします。
同心円の中央に示された文字は”富””妙””景””旺”の4つ。”富”と”妙”は第1、第2の被害者の名前、”景(ジン)”は第3の被害者のキリスト教を差す”景教(ジンジャオ)”だと言い「その図になぞらえて被害者を選定したか、あるいは1000年前の道教の予言を実行したか」と話します。
また同心円の文字と記号からは”不””信””鬼””神””者”=「不信心者」という言葉と、”少””陽””太””陰”という言葉が浮かび、ケビンは「次の犠牲者は”旺”だな」と呟きます。

一方、彼らと検死官は衛星中継でFBIの研究者と交信し、「カビだと思われていたモノは虫と菌のハイブリット生命体=ダニの1種に未知の胞子が取り着いたモノで、それが鼻腔から体内に入り脳に住みついたが被害者は何も感じない」、また死因は、被害者の血中から検出された通常の5万倍のセロトニンとドーパミンだと言われますが、その物質には治癒効果こそあれ毒性は無く「被害者はハイになったまま死亡した」とも。
しかし溺死や焼死の幻覚を見た理由、また各々の幻覚が異なる理由は謎でした。

翌日、儀式で死んだ男の死体を運んでいた強面の男たちは、繁華街でチンピラと揉め事を起こし、1人を殺害して逮捕され、車から遺体が見つかり事件となります。
儀式で死んだ男の名は陳両旺、彼は道教寺の交霊会で両親の隠し財産の存在を知ったそうですが、両親はその2日前、心中を遂げていました。
ケビンは死体の背中から道教の呪符を見つけ出し「4人目の被害者(”旺”)だ」と言い、車の荷台から何かを発見します。

その帰り道、彼らは食堂に立ち寄り、ケビンに「あの御守りは宗教か?」と言われたフォトゥは「宗教ではないが、不浄なモノ=邪悪な魂や幽霊から守ってくれるとみな信じてる」と話します。
ケビンは「アメリカにもそういった存在はいるが閉じ込めてる。私はそれより科学を信じる」と言いますが、フォトゥは「科学捜査は生身の人間にしか通用しないが、常識を超えた存在もある。長年FBIにいれば悪魔にも遭っただろ?」と言います。しかしケビンは答えず「君が皆に馴染めない理由が分かった」と言ったため、フォトゥは「俺をプロファイルするな!」と怒って車に乗り、エンジンをかけます。
ケビンは助手席に座ってエンジンを止め「以前の忠告のお返しをしよう。国が違えど家族や自分を大切にしないとロクな事がない。君は勇敢だ。良い警官になる。腐敗の暴露には勇気がいる。立派な事をしたのに、君は自分を厳しく罰し過ぎだ」と話します。
しかしフォトゥは「俺は銃を撃った事も、撃たれた事もない。女房の従弟に娘をさらわれた時にさえ、何もできず見ていただけだ」と打ち明け、車を出します。
あの日、追い詰められた警察官ユアンは、署内でメイメイを人質にして刑事たちに刑の無効を迫ったのです。
彼は娘を解放するよう懇願するフォトゥに「お前は清廉潔白なのか?!」と怒鳴ってメイメイを撃ったのですが、弾は垂直に跳ね上がってユアンの頭部を貫通、ユアンは死亡し、メイメイはかすり傷でしたが言葉を失ったのです。
「科学は通用しなかった…俺が信じるのは、あの日、娘が何かを見た事だけだ」…フォトゥはそう言って涙ぐみます。

ケビンを送った後、フォトゥはション博士の自宅に行き、陳両旺の遺体写真や資料を見せて意見を聞きます。
博士は資料を見るなり「なぜ早く来なかった!これは永遠の命を得るための儀式だ」と言います。
博士は「道教のある宗派には5つの地獄があり、それを全て通り抜けると永遠の命が与えられると言われているが、その方法は想像を絶するものだ」と話します。
その1人、香港の黄大仙(ウォンタイシン)寺院に祀られている宋朝時代の黄裳(ウォンシャン)は、呪文を書き薬を捻出し、多くの”半人間(犯罪者=人間と鬼の間)”を殺して永遠の命を得たと言われている人物で、”双瞳”によって昼は千里を見渡し夜は霊を見、半人間を見分ける事ができたと。
そして「4人は不道徳な罪を犯したため犠牲になった。犯人は同じ理由で罪人を地獄に送り自分を高めている」、また「重病人は”永遠の命”には欠かせない条件で、重病を患った者だけが覚醒する」「薬の捻出量からかなりの重病人だと思われる」と言うのです。
また残された謎の文字”少陽太陰”とは、古代暦の陰陽の気の二元論を表したもので、5月から7月の夏、五行説では”火土(フォトゥ)”を表す言葉だと言われます。
それは彼の名、フアン・フォトゥ(黄火土)を示していました。
その時ケビンから「陳両旺の遺体を運んでいた車は、ICユニット運搬用の仕様だった。この事件の背景にはハイテク産業があり、犯人は地位の高い人間だ」と電話連絡が入ります。
フォトゥは博士に「”永遠の命”を信じるか?」と聞き、博士は笑いながら「永遠の命と宇宙人のどちらを信じるかと言われたら、”永遠の命”を選ぶ」と言います。

翌日、新竹(シンジュウ)科学管理所から「陳両旺の遺体を運んでいた車を所有していた会社が判明したが、その会社はIC会社で既に存在せず、その経営者だった米国帰りの博士2名が巨万の富を得た上で会社を売り、とある宗教に傾倒して出家し、中国本土の歴史的寺院を丸ごと台湾に移設した」と報告があります。
それは陳両旺が殺害された現場であり、オフィス街にそびえる最新鋭の高層ビル=世界ビルの内部に移設された寺”真仙観”の事でした。

リ警部の捜査チームと警官隊は、早速経営者林道生(リン・タオション)と黄一鋒(フアン・イーフォン)を逮捕すべく現場に向かいます。
その寺”真仙観”は、世界ビルの高級オフィスの奥に完全に移築されていました。
リ警部たちはその異様な光景に呆れながらも無遠慮に寺に踏み込み、奥から道士姿の経営者2名と道士ら数人が現れます。
その間、警官が祭壇から数本の呪的文様が入った刀剣を発見、捜査チームの一人が「刀剣の不法所持と寺の登記違反で全員連行する」と指示した直後、タオションとイーフォンは隠し持っていた剣で、チームの刑事の首を刎ね、警官たちを切り付けます。
それを合図に他の道士や信者らも警官を攻撃、警官らは銃で応戦し、現場は瞬く間に凄惨な修羅場と化します。
境内が死体の山となり騒乱が収まった頃、ケガを負ったリ警部はイーフォンに発砲し、彼はもう1人の刑事の頭部を斜に切断して絶命します。
タオションは刀を捨てイーフォンの枕元に座って祈り始め、リ警部はなんとか生き延びます。
そこに応援隊が扉をこじ開け突入、その異様な惨状に愕然とします。

【転】- ダブルビジョン(2002年)のあらすじ3

ダブルビジョン(2002年)のシーン3 事件は”真仙教の大量殺人事件”として大々的に報道され、タオションは連行されます。
フォトゥがケビンと現場に駆けつけた時には全てが終わっており、彼はストレッチャーに載せられたリ刑事と目が合いますが、何も言えず愕然としていました。
その間ケビンは寺の倉庫で、資料にあった石碑を見つけ、その下に隠し部屋がある事に気がつき、警官らに開けさせます。
そこには、人一人が横になれる清潔な隠し部屋があり、一見死体のようにも見える美しい少女が寝かされていました。彼女の腹には生々しい傷があってハエがたかっており、救急搬送されます。

去り際、ケビンは海外メディアに囲まれ「永遠の命を得るための超常犯罪か?!」と聞かれ「悪霊がいた方が話は簡単だが、人間の悪は空想を上回る」と言い、話を切り上げます。
一方フォトゥは負傷者が収容された病院に行きますが、チームのメンバーは彼に冷たく「リ警部のケガは大したことないが今は眠らせてやれ」と言われて会えず、少女の資料を渡されます。
彼女の名は謝亜理(シェ・ヤーリ)。資料には「良性の脳腫瘍により脳下垂体と交叉視神経が圧迫され側頭葉が拡大、手術は不能」とあり「腹の傷は皮をはぎ取られ”細菌ダニ”の培養に使われてた」と言われます。
事件はタオションが殺人を自供した事で終結し、ケビンは翌日帰国する事に。

その晩、ケビンはチンファンと申し合わせて、フォトゥの自宅で最後の食事会をする事に。フォトゥも途中で気づき、まんざらでもない感じで受け入れます。
夫妻はケビンに「滞在を延ばして観光したら?」と言い、フォトゥの故郷を勧めますが、「クリスマス休暇に来るよ。その時は2人で案内すると約束して」と言われて微笑み合います。
また彼の音頭で乾杯し、フォトゥがジョークで直さなかった「ママに感謝」というケビンの中国語でメイメイが笑いだし和みます。

その後、メイメイは寝かされ、チンファンはシャワーに、フォトゥとケビンは昼間のインタビューを見ながら酒を飲んでいましたが、その慣れた回答を誉められたケビンは「偽る事にはほとほと疲れた。『ご安心を』『全て掌握した』…だがいずれ新たな凶悪犯罪が発生する。今はただ大声で叫びたいよ」と愚痴り、フォトゥに「なぜ奥さんと寝ないんだ?ご無沙汰なんだろ?」とウインクして見せます。
フォトゥは照れ隠しにケビンの妻の事を聞きますが、彼は少し辛そうに「ずっと前に死んだ」と答え、結婚指輪を外さない理由は言わずにビールを頼んで酔いつぶれてしまいます。
フォトゥは、バスルームの扉を小さくノックして一緒に入りますが、ケビンが寝込んでいる居間の床で眠ります。

翌朝、フォトゥはなかなか起きないケビンを揺するうち、彼が口から血を流して死んでいる事に気づいて飛び退きます。ケビンの舌は切り取られ、彼の手に握られていました。
フォトゥの家には、検死官や警官が駆けつけますが、フォトゥは独り言を言い泣くばかりで話しにならず、ケビンの鼻孔は凍り同じ菌が検出され、自分で舌を引き抜いい事が死因と判明します。
同僚は泣き続けるフォトゥに「どうしてお前だけ無事なんだ!」と絡みますが、彼の手には件のカビが付着していて、昏倒して病院に運ばれます。
彼の体からは高濃度のセロトニンが検出され、狼狽えていたチンファンは「彼は空を飛んでる(ハイな状態だ)」と言われます。
海外メディアは「FBI捜査官 真仙教の殺人事件の解決後、台北で殺害される」「彼が悪霊を否定した事で不信心者として舌を抜かれた」と大々的に報じていました。

フォトゥは、意識不明の間にション博士の言葉を思い出し、少女が再びあの隠し部屋に戻る夢を見て飛び起き、少女の病室に行きますが、ベッドはもぬけの殻で看護師に「今日の午後消えた」と言われ、世界ビルに向かいます。
彼はその途中チンファンに電話をしますが、彼女はおらずやむなく留守電にメッセージを残します。
「あの少女が病室に現れた。彼女は『みんな自分が殺した』『地下で修行をしていた』『碑文を頼りに俺を探し当てた』『信者を失っても永遠の命を得る修行は続けられる』と告白した」と。

ビルの寺の入口には、拳銃自殺を遂げた見張りの刑事の死体があり、中は冷え切っていて、隠し部屋には少女はおらず、人影もありません。
フォトゥは裏側の倉庫をひとしきり探して本殿に戻りますが、上から霧のようにあの菌が降り注ぎ、見上げると八卦の天窓があり、美しく生気が戻った少女がその中央に浮かび、双瞳で彼を見降ろしていました。
彼は迷わず銃を向けますが、銃は手ごと炎に包まれ慌てて投げ捨てます。
その間に少女は地面に降り、慌てて銃を持ち直して「目的はなんだ!」と聞く彼に「何もかも予言されてるの。私を見送る?」と聞きます。
動揺したフォトゥは「お前を逮捕する!ひざまずけ!」とわめきますが、少女は平然と「悲しそう。助けてあげようか?」と言って菌をまき「病院はあなたを助けてくれる?娘を呼べば?もしかしたら助けてくれるかも」と呟きます。
それは水滴のように彼にまとわりつき、彼は気づくと警察署にいて、娘をさらわれた場面に戻され、目の前で娘がユアンに殺され、続けて現れたチンファンはユアンの銃を奪い「本当に愛してた?必要としてた?」と泣き、自らのこめかみを撃ち抜き、倒れる場面を見せられます。
気づけば彼は、逆に少女の前にひざまずいて「止めてくれ!」と懇願していましたが、少女は「私の事も撃ち殺して。助けて」と言い、銃口を自分の額に当てさせます。

フォトゥはそれでも「人間は永遠の命など得られるわけがない…俺は国際捜査課の刑事だ。連続殺人事件の容疑者として逮捕する…」と言いますが、少女は彼をじっと睨みつけてその銃を取り、フォトゥの膝や腕を撃っていきます。
しかし彼は「これは現実じゃない…俺は…フアン・フォトゥ…女房と娘の生活を気にも止めず…同僚の死をも無視した…そんな俺に助けろと?」と言って起き上がり、少女が握っている銃口に額を当てます。
彼女は「私を撃てば、あなたも死ぬわ。あなたが死んだら奥さんと娘はどうなるかしら?」と脅し、泣き出したフォトゥに「かわいそう、誰も世話してくれない」と言い銃を押しつけます。
その瞬間、フォトゥは少女から銃を奪って彼女の額を撃ち、彼女は倒れ、彼の傷は消えていきます。

【結】- ダブルビジョン(2002年)のあらすじ4

ダブルビジョン(2002年)のシーン2 彼は意識不明となった少女をタクシーで病院に運び、早々に復帰したリ警部と再会します。
医師は「弾は彼女の額をかすっただけ」と言い「瞳には黒目が2つなかったか?」と聞くフォトゥに、ある事実を打ち明けます。
17年前、彼女の母親はその病院で双子を出産し、1人は死産、残された彼女は昔から孤独な子で、脳腫瘍の発見と共に幻覚が始まり「姉が見える」と言い出したそうです。
それは脳腫瘍の症状ではよくある”取り憑き現象”と呼ばれるもので、入院中に姉の存在を知った彼女は豹変し「姉は永遠の命を得た、双瞳がその証拠だ」と言い出したそうです。
2人が医者に案内されたのは標本室で、あの双瞳の嬰児のホルマリン標本がありました。

その後フォトゥは自宅に戻りますが、チンファンは帰宅した彼にひどく驚き、部屋には彼のサインと拇印が入った離婚の書類があり、ついさっきまで別な彼がいたかのように象棋ゲーム機が広げられていました。
また寝室ではチンファンがメイメイをヒステリックに叩き起していましたが、メイメイは無反応でぐったりしています。
動揺した彼は彼女の肩を掴んで止めますが、チンファンは少女に変わり、ぐったりしたメイメイを捕まえいつの間にか手にした剣で刺そうとします。場面はあの署内の廊下に変わっていました。
フォトゥは躊躇うことなく少女の胸に2発発砲し、少女は倒れ、メイメイの姿は掻き消えます。
気づくとそこはあのビルの寺の中で、彼の目の前には少女が血まみれになって倒れていました。
少女にはまだ息があり、泣きながら彼を見つめ「行かなきゃ…あなたも来て…”予言”の通りに…怖くなんかないわ…勇気を出して…先に行くね…」と呟き絶命します。
その瞬間、フォトゥは少女の傍らに倒れ込み、遠のく意識の中、八卦の天窓と踏み込んだ警官隊を見つめていました。

事件を知り世界ビルの前に駆けつけたチンファンは、リ警部に「フォトゥは、あの人はどこ?!」とすがりますが、彼の遺体を乗せたストレッチャーが出て来た途端、背中を向けて去ろうとします。
リ警部は「苦しまなかった。出来る限りのことはしたが…菌を吸って…心臓が…」と言い、彼女も踵を返し、怒ったようにフォトゥの遺体のシーツをめくります。
「起きて…ねぇ、聞こえてるんでしょ?…起きて!ねえ!起きて!!」…チンファンは彼の胸を叩き、止めに入ったリ警部を振り払い「諦めないわ!絶対に聞こえてる!私が生き返らせてみせる!生き返って!!!」と叫びながら叩き続け、やがて「私とメイメイを置いてかないで!戻って来て!…お願い…」と泣き出します。
するとメイメイがようやく彼に近づき「パパ…」と呟き泣き出します。
公園で、鼻歌を歌いながら髪を切ってくれたフォトゥの思い出が甦ります。
「ねえママ、パパはなんで笑ってるの?」「あなたが大好きなのに、言葉で言えないからよ」…その時の彼は明るく、おどけてみせていたのです。
言葉を失っていたはずのメイメイは泣きながら「パパ…パパ…」と彼を呼び始めます。
その時、彼の表情は優しく緩み、その目からは、大粒の涙があふれ出します。
いち早くそれに気づいたリ警部は、慌てて救急車を呼び、チンファンも「泣いてる…」と呟きます。

―因愛生憂 因愛生懼 若離於愛者 無憂亦無懼―
「愛は悲しみを生み 恐れを生む 愛を失った者は悲しみも恐れも感じる事がない」―中国交阯(ジャオチ)で出土した碑文より

みんなの感想

ライターの感想

台湾/米/香港合作のホラーとして、かなりよく練られた作品だと思います。
”双瞳”の不気味さ、謎の連続死、台湾警察で辛い過去に縛られている無口な刑事と心優しきベテランFBI捜査官に芽生える友情、そして何より道教の秘術にまつわる説明がかなり詳細に語られていて、じっくり鑑賞するにはもってこいの作品かと。
フォトゥ役「愛人/ラマン」(1992)のレオン・カーフェイ、FBI捜査官ケビン役の名脇役「グリーンマイル」のデヴィッド・モース、フォトゥの妻役「イノセントワールド 天下無賊」のレネ・リュウも素晴らしかったですが、ラスボスとなる少女は本当に造り物かと思えるほど無邪気で美しく一見の価値有りです(演じたのは日本ではハンナ・リンとして知られる台湾の女優林涵)。

映画の感想を投稿する

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

映画「ダブルビジョン(2002年)」の商品はこちら