「ファンタズム(1979年)」のネタバレあらすじと結末の感想

ファンタズム(1979年)の紹介:墓場でノッポの墓守(トールマン)が兄の友人の棺を軽々と持ち上げるのを目撃した少年マイクは、以来黒マントのドワーフや殺人ボールに追われる羽目となるが…という1979年のアメリカのホラー映画。本作では製作/監督/脚本/撮影/編集と1人5役をこなしたドン・コスカレリ監督の代表作にしてライフワーク。1979年アボリアッツ・ファンタスティック映画祭審査員特別賞を受賞。シリーズは2017年現在4作発表されているが、共同脚本で参加している第5作のティーザー発表後、2016年にトールマン役アンガス・スクリムが死去(第5作が遺作)。印象的な音楽は「スケアクロウ」「ソイレント・グリーン」のフレッド・マイローとマルコム・シーグレーヴ。少年期に見る悪夢としての不気味さがたまらないカルト作品である。

予告動画

ファンタズム(1979年)の主な出演者

マイク(A・マイケル・ボールドウィン)、その兄ジョディ(ビル・ソーンベリー)、レジー(レジー・バニスター)、ラベンダーの女(キャシー・レスター)、トールマン(アンガス・スクリム)など。

ファンタズム(1979年)のネタバレあらすじ

【起】- ファンタズム(1979年)のあらすじ1

夜の墓場で愛し合うカップル。馬乗りになったブロンド女は「トミー…」と囁いて、男をナイフで殺害、その顔は額の広い中年男に変わります。
モーニングサイド霊園でのトミーの葬儀に来た青年ジョディとレジーは、トミーが自殺するなんて信じられないと話し、ジョディは墓に寄るからと言い一旦分れます。
彼は広い庭園にの本殿にある白いロッカー式の墓室に行き両親の墓を参ります。そこで妙な鳴き声と走り回る黒マントの何かにぎょっとして奥へと進みますが、突然現れたノッポの墓守(トールマン)に「葬儀が始まります」と言われぎょっとします。その男は墓場でトミーを刺した男でした。
一方、ジョディの13歳の弟マイクは、バイクで墓地を走り回るうち、こそこそと墓の後ろに隠れる黒マントの何かを見て首をかしげていました。
葬儀の席で、レジーに君の弟を呼ばなくてよかったなと言われたジョディは、弟は両親の死後も悪夢に苦しんだからなと話していました。けれどマイクは草むらから双眼鏡でトミーの納棺の様子を盗み見ていて、トールマンがトミーの棺を1人で軽々と持ち上げ、霊柩車に乗せるのを目撃します。

ほどなくしてマイクは、水晶玉占いの老婆を訪ねます。老婆は車椅子に座り盲目で話せませんが、その傍らにいる孫の少女が老婆の助手を務め、その言葉を伝えるのです。
彼は「兄のジョディが町を出るんです」と悩みを伝えます。彼はジョディが友人に、1年前に両親が死んで立直りにも時間がかかったが旅に出たい、弟は叔母に預けるつもりだと話しているのを聞き、気にしていたのです。しかし彼は、弟はいつでも自分を追ってくるから嫌がるだろうな、しっかりしていて好きだよとも言っていました。少女は「お兄さんはあなたも連れて行くから大丈夫」と言ってると言いますが、マイクは不安そうです。
次に彼は、霊園でトールマンに睨まれ、バイクを転倒させられ怖かったと話します。
少女は老婆と相談し「ゲームをしましょ」と言い、テーブルに出現した黒い箱に手を入れてと言われます。マイクの手は箱から抜けなくなり焦りますが、少女が怖がらないでと何度か言われ落ち着いた途端外れます。彼は痛かった、本当に抜けなかったと騒ぎますが、「気のせいよ」と言われて納得し料金を置いて帰ります。彼が去った後、2人はほくそ笑んでいました。
少女はその後、花を持って霊園の墓室を訪ねますが、扉を開けた途端、悲鳴が響きます。
その頃、家の玄関先では、ジュディがエレキギターを弾き、レジーが移動アイスクリーム屋の商売の途中で立ち寄り、ノリノリで新曲を作っていました。

夜。マイクは、ジョディが隣のスナック”砂丘”でブロンド女(ラベンダーの女)をナンパし、霊園に向かうのを見て後を追います。
2人は墓石の上で服を脱ぎ始めますが、それを草むらから盗み見ていたマイクは獣の唸り声を聞き、黒マントの何かが飛び出し、悲鳴を上げて逃げ出します。叫んで逃げるマイクを見たジュディは女を残したまま、マイクの後を追い捕まえます。
マイクは黒いドワーフに襲われた!と訴えますが、ジュディは信じず、お前最近どうかしてるぞと呆れ、キーを渡して家に帰れと言い分れます。マイクは風の中に先ほどの唸り声を聞きますが、ジュディには聞こえず、女も消えていました。
マイクは、その晩、枕元に墓場に生えた銀色のポールの間に立つトールマンが現れ、ドワーフに襲われる悪夢を見ます。

【承】- ファンタズム(1979年)のあらすじ2

翌日、ジュディは”砂丘”に行き、昨日の女は戻ったのかと聞きますが、マスターに笑われ見事にフラれたよと話していました。町をぶらついていたマイクは、トールマンがレジーのアイスクリーム・トラックから出る冷凍の煙を吸い込むのを見ます。
夜になり、車庫で一人車の下に潜って修理をしていたマイクは、ドワーフの声を聞き走り回るのを目撃し、ジャッキを外され下敷きになります。が、間もなくジュディに助けられ、ドワーフに襲われた!と喚きますが、やはり信じてもらえません。
マイクは足にナイフを隠し、十字架を持って霊園に忍び込みます。静まりかえった墓地を抜け、葬儀場の倉庫の窓を割って本殿に入ると、そこは棺桶がいくつも置いてある部屋でした。そこに別な墓守が現れ、見つかりそうになりますが、男は現れたトールマンと共に去って行きました。
2人が消えたのはロッカー式の墓室で、奥には7人の横顔のレリーフがある黒い扉があり、唸り声と何かを叩く音が聞こえます。マイクは恐ろしくなって逃げますが、どこからともなく飛んできた銀色のボールに追われるうち、墓守に捕まり腕に噛みつき振り払います。
マイクを追ってきたボールは、ギザギザの刃を出して墓守の額に突き刺さり、小型のドリルで墓守の眉間を抉り、反対側の穴からは血が噴き出し、倒れた墓守は痙攣して小便を漏らし息絶えます。
そこにトールマンが現れ、追い掛けてきます。彼は全速力で倉庫に逃げ込み閂を掛けますが、トールマンの指がドアに挟まり動いていたため、ナイフで切り落とします。その血は黄色で切り落とされた指もその黄色い血の中で蠢いています。マイクは落ちた指を拾い、割った窓から逃げ出します。
翌朝、マイクはライフルを抱え階段で眠り込んでいるところをジョディに起こされ、話があるんだと言います。奴の指が入れてある小さな木箱はカタカタと動いていて、ジョディは黄色いドロドロの中で動いている指を見て、マイクにこれまでの出来事を聞いてようやく信じ、保安官に話そうと言います。
マイクは部屋に置いた木箱を取りに行きますが、指は毛むくじゃらの小さな怪物になって箱から飛び出し、大きなアブに変わり逃げ出そうとします。彼は激しく暴れ回る怪物をデニムのシャツでくるんで捕まえ、ジュディと協力してキッチンのディスポーザーに突っ込みスイッチを入れます。
そこに運悪くレジーがやってきます。怪物はディスポーザーの口から飛び出し、レジーやマイクに襲いかかりますが、2人は怪物を再びディスポーザーに突っ込みナイフでメッタ刺しにしてやっつけます。

夜になり、ジョディはマイクにライフルを渡し「ついてくるな」と念を押し、軍用のコルトを持って1人で霊園を見回りに行きます。彼はマイクに言われた通り壊れた窓から本殿に入りますが、倉庫に入るなりドワーフに襲われ、銃で撃って逃げ、無人の霊柩車に追われます。そこにマイクが車で来て、森の中でカーチェイスになりますが、ジョディがライフルで撃ち、霊柩車は道路脇の木にぶつかり止まります。運転席には死にかけのドワーフがいましたが、それは死んだはずのトミーで、トールマンと同じく黄色い血を吐いていました。
ジョディは公衆電話でレジーを呼び、アイスクリーム・トラックのトランクにドワーフとなったトミーの死体を入れてカギを掛けます。トミーは体重は変わらず身長は半分になっていました。
3人は兄弟の家で対策を話し合いますが、遺体を盗んでは縮める理由など解ろうはずがありません。怯えるレジーはトールマンを捕まえて叩きのめして吐かせろ!と怒り、マイクはあの墓地に眠る両親がどうなったかを気にかけます。2人はとりあえずマイクを安全なサリーの骨董屋に避難させようと考え、レジーがアイスクリーム・トラックで送りますが、その帰り道、トランクのドワーフが暴れ出します。
一方、マイクは骨董屋の奥で古い霊柩馬車の写真を見つけます。その御者はトールマンで、写真の中で動き彼を睨みつけます。彼はサリーに急いで家に帰りたい!と言い送ってもらうことに。
すると道にレジーのトラックが横倒しになっていて、マイクが1人で様子を見に行きます。トラックはもぬけの殻で、カギが壊されたトランクには黄色い液体が滴っていました。彼はサリーたちに逃げて!と叫びますが、直後にドワーフたちに襲われ、マイクは後部窓から路上に転がり落ち、車は悲鳴を上げるサリーたちを乗せたまま走り去ります。
一方、家で待っていたジョディは、霊園のロッカー式の墓室でトールマンが近づき、墓室から現れたドワーフたちに引きずり込まれそうになる悪夢で目覚めます。

【転】- ファンタズム(1979年)のあらすじ3

ジョディは、傷だらけで震えて泣きながら戻ったマイクから事情を聞き、一緒に行く!と騒ぐ彼を無理矢理部屋に閉じ込め、ライフルを持って霊園へと向かいます。マイクはポケットに入っていたライフルの弾丸をハンマーに取り付け、ドアを破壊し脱出しますが、コルトを持って玄関を開けるとトールマンがいて、元通りになった手で彼を掴んで持ち上げ、霊柩車で連れ去ります。
マイクは霊柩車の後ろで暴れますが、トールマンは嗤い、窓は頑丈でびくともしません。そこでコルトで後部窓と後輪を撃ち抜き、割れた後部窓から脱出します。霊柩車は霊園内の電信柱にぶつかり爆発炎上しますが、トールマンは現れず、マイクは本殿に向かいます。

その頃、墓室に着いたジョディは、父親の棺が空なのを見て愕然としますが、同時に銀色のボールも動き始めます。その後、マイクも棺が空だった事を知り叫びますが、飛んでくるボールに足がすくんだ瞬間、ジュディが現れライフルで破壊します。
マイクは以前に忍び込んだ時、物音がした7人の横顔のレリーフの扉に秘密があると言い、ジョディを連れて行きます。
2人が扉を開けようとした時、元気なレジーが現れ2人は思わず胸をなで下ろします。彼は棺に隠れて様子をうかがい、サリーやスーも見つけたし知らない女たちもいたので逃がしたと話します。
3人は扉を開け中に入りますが、部屋の中には銀色の小窓の着いた樽のようなカプセルが積まれていて、床にはちょうど人が通れるくらいの幅で2本の銀色のポールが立っています。
カプセルの小窓を覗いたジョディは「ドワーフだ」と顔をしかめ、ポールに近づいたマイクはその間に入れた手が消えるのに驚き、引っ込めます。が、水晶玉占いの館でのゲームを思い出した彼は、再度手を入れ引きずり込まれます。
その空間の奥は荒れ果てた赤い大地で、無数のドワーフたちがよろよろと行進していました。その瞬間、彼はベルトを掴まれ部屋に引き戻されます。
マイクは、その空間が他の天体への入口で、ドワーフはその重力のために縮められ、奴隷にされてる!と話します。銀色のカプセルの中にいるドワーフもやがて奴隷となる者たちでした。
その瞬間、部屋が真っ暗になり、マイクはドワーフに連れ去られます。本殿の前に飛ばされたジョディはマイクを探し、明るくなった部屋にはレジーだけが取り残されていました。レジーは、ギターの音合わせに使う音叉を思い出し、同時に2本を掴み止めようと試みます。彼がポールを掴んだ瞬間、ジョディの後ろでナイフを振り上げていたブロンド女が突然動きを止めます。
レジーは、ポールの間から吹き始めた風に吸い込まれそうになりながらも何とか逃げ出し、激しい風が吹き荒れる本殿の庭に倒れていたブロンド女を見つけ抱き起します。が、女は彼の腹をナイフで刺し、彼は女がトールマンに変わるのを見ながら息絶えます。
ジョディとマイクは強風が吹き荒れる庭で再会しますが、息絶えたレジーを見て、車で逃げ出します。その後ろで、本殿は赤い霧に覆われ消えて行きました。

【結】- ファンタズム(1979年)のあらすじ4

車に辿り着いた時、ジョディはこれ以上犠牲は出せないと言い、シンガーズ・クリークの下流にある古い鉱山の300mの立て坑に奴をおびき出して落とそうと話し、マイクに爆薬を捜して家に隠れているように言い、1人でその準備に向かいます。
マイクは早速戸締りを確認しますが、トールマンが現れ追われます。彼は外に逃げ出したマイクに「ちょこまかとやっとるようだが、もう終わりだ、お前は死ぬのだ」と心に直に話しかけ、墓石や底無し沼や女の幻影を見せ脅しますが、マイクは「恐れるな、恐れるな…」と呟き、切り抜けます。
それでもトールマンはマイクを追いかけてきますが、彼は懸命に走り、布で隠してあった立て坑を飛び越え、追ってきたトールマンを落とします。
奴はマイクの足を掴み堪えますが力尽きて落ち、先回りしていたジョディは岩を落とし、穴は転がり落ちてきた大きな岩石に塞がれます。ジョディは丘の上でガッツポーズをしていました。

その瞬間、マイクは自分のベッドで目を覚まします。暖炉の前で、その話を聞いていたのはレジーでした。
彼は、マイクに悪夢を見たんだと言い、葬式以来寝てないだろう?兄さんが死んだのは、トールマンのせいじゃない、自動車事故だったんだと話します。その瞬間、マイクは、サニーサイド霊園ではない広々とした明るい墓地で、ジョディの墓標を見た事を思い出し、大粒の涙をこぼします。
レジーは、君は悪い夢を見たんだ、怯える気持ちもわかる、でも私が面倒を見る、私じゃ不満だろうができるだけ努力すると言い、抱きしめます。そして「よう相棒、2人でしばらく旅に出るのはどうだい?」、日の出と共に出発するから荷物をまとめておいでと言い、ギターを弾き始めます。
マイクは、その言葉に励まされ、荷物をまとめに部屋に戻り、エレキギターを抱えて微笑むジョディの小さな写真を袋に入れます。
けれど、マイクがクローゼットの扉を閉めると、扉の姿見にトールマンが映り、「小僧!(Boy!!)」と言います。その瞬間鏡が割れ、マイクは中から出て来たドワーフたちの腕に捕まれ、引きずり込まれます。

みんなの感想

ライターの感想

ちょうどマイクくらいの年に見た時はトラウマ級の怖さで、今見てもビミョーにビビってしまう怪作です。分別あるオトナwが見れば、本作で名を知られたトールマン役者アンガス・スクリム以外、誰一人名優が出ているわけでもなく、ストーリーは破綻してるし、ほったらかしのショットも多いんですが、当時はドアに挟まって切り落とされ、黄色いドロドロの中で蠢く指がもう怖くて怖くて。立て坑がチャチいとか、なぜビッチに化ける?!とか、銀球(シルバー・スフィア)とか、じつはSF?!とか、そんなこたぁどうでもいい事なのかも。
マイクもリジーもなんだかんだで無事で、シルバー・スフィア、トールマン、そして交通事故で死んだ兄ジョディとかも次作以降ガッツリ継承されていくのだとか。結局第5作が遺作になったアンガス・スクリム(享年89歳)には心からの合掌を。

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