映画:レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間

「レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間」のネタバレあらすじと結末

ホラー映画

レイク・マンゴー ~アリス・パーマーの最期の3日間の紹介:オーストラリアのレイク・マンゴーで溺死した女子高生の姿が映像に映り込むという2008年制作のフェイクドキュメンタリー。監督/脚本は本作が初長編作品となるジョエル・アンダーソン。

あらすじ動画

レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間の主な出演者

パーマー家/アリス・パーマー(タリア・ザッカー)、母ジューン(ロージー・ トレイナー)、父ラッセル(デヴィッド・プレッジャー)、弟マシュー(マーティン・シャープ)、レイ・カメニー(スティーヴ・ジョドレル)など。

レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①オーストラリアの観光地レイク・マンゴーで16歳のアリス・パーマーが溺死しニュースになる。健康的な仲良し一家が動揺する様は逐一ニュースや噂になるが、ほどなくして物音や原因不明の痣などの怪異が起き始め、父親がアリスの亡霊を目撃、弟マシューや近隣住民の写真にアリスが映り心霊写真騒動へと発展する。②母親はサイキック・カウンセラーのレイに相談し以降深く関わる事に。③心霊写真はマシューの捏造であると判明したものの、それ以外の心霊写真が撮影された事で映像が再検証され、事故後のとある近隣住民の不法侵入が発覚、アリスが抱えていたある秘密が露呈する。④その後数々の映像が提供され、母親はアリスの無念の思いとその核心が事故現場であるレイク・マンゴーにこそ遺されている事に気づくが…。

【起】- レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間のあらすじ1

「悪い事が起こる気がした。本当はもう起こっていて私を待ち構えてる…」
「なぜ幽霊が必要なのか理解できない。幽霊が喪失感を埋めてくれるのか?」
「アリスは秘密主義だった。秘密がある事自体を隠してた」
「分ってもらえないかもしれないけど、誰かを責めないと正気を保てない」
―2005年12月 ヴィクトリア州アララトの家族を悲劇が襲い、その後も不可解な出来事が続いた。これはその記録である―

2005年12月21日 午後6時。アリスの母ジューンから「娘がいなくなった」との通報があります。
現場はニューサウスウェールズ州のダム湖レイク・マンゴーで、行方不明になったのは16歳のアリス・パーマー。通報を受けたのはアララト警察のサンディ・ドルーアン巡査部長で、その日の夜10時から大掛かりな潜水調査が行われましたが見つからず、家族は家に帰されます。
失踪当時、アリスは弟のマシューと泳いでいて、彼は15分ほどで先に上がり、両親はそれを近くのピクニック場から眺めていたそうです。しかしアリスは戻らず、岸から探したそうですが見つからず、マシューが湖畔の森に落ちていた彼女のタオルを見つけます。

事件を知って駆けつけたのは、近所のリース・リッターとジョージー夫妻でした。ジューンの両親ガレット・ロングとアイリス夫妻はアリスの父親ラッセルから連絡を受けて駆けつけますが、ジョージーはジューンとアイリスに微妙な空気を感じたそうです。
ジューンはその騒動の間中「そこにアリスがいない」「家族が足りない」事に妙な感覚を覚え、その夜、アリスの部屋の電話が鳴っても取らなかったそうです。
アリスの彼氏ジェイソン・ホイットルはジューンからの連絡で事態を知り、アリスの携帯に電話をかけますが応答はありませんでした。彼の妹キムもショックを受けます。
ラッセルは「あの日以来、玄関の灯りを消さなくなった。娘が帰ってくるかもしれないから」と目を潤ませます。

12月24日午後9時25分。ダムの端でアリスの遺体が発見されます。
ドルーアン巡査部長から連絡を受けたラッセルは、ジューンと共にダムに駆けつけマシューと合流しますが、遺体を確認し書類にサインをしたのはラッセルとマシューで、ジューンは車に残っていたそうです。
その時の事をジューンは「ずっと冷たい水に浸かっていた娘の事を、記憶に残すのは耐えられなかった」と言い、ラッセルは「父親の責任を果たすべきだと思った」と言いますが「あの時、妻に現実を見せなかった事を後悔している」とも語っています。
その帰り道、車が故障してバックしかできなくなり、一家はバックで町に戻る羽目に。
12月27日には検視が行われ、翌28日に自宅に戻され、年明けの1月5日には葬儀が行われ、その模様はニュースでも流れます。
けれどジューンは「死とは大切な存在を機械的に奪い去っていくもの」と感じ、マシューはまだ彼女の死を実感できないでいました。

1月15日。家の中で物音がし始め、ラッセルは出所がアリスの部屋だと感じながらも、白アリ駆除業者を頼みますが、それでもドアが勝手に開き、物音も鳴り止まなかったそうです。ジョージーは「あの家に入ると胃のあたりがざわつく」と話していました。
その頃ジューンは”びしょ濡れのアリスが戻ってきて、ベッドの足元に立つ鮮明な悪夢”を見るようになります。
それが2月にはさらに悪化し、彼女は深夜徘徊したり他家に入り込み不法侵入騒動へと発展しますが、罪悪感は無かったそうで「誰かの人生に入り込みたかったのかも」と語ります。

またその頃ラッセルは、州の水源管理という本来の仕事に戻り没頭していたそうです。
彼の長年の仕事仲間フレデリック・ロスカンプは「彼は普通にしてたから、事件の事はあえて話さなかった。癒し方は人それぞれだし、僕が口出しすべき問題じゃないからね」と話します。
ラッセル自身は「『仕事があってよかった』と思うには罪悪感もあったが、前向きに元の生活に戻りたいと思っただけ」と言いますが、2月下旬、自宅でアリスの姿を目撃する事に。

アリスの部屋の物音に気づいた彼は、彼女の部屋に行き、何気なくドレッサーの椅子に座ったそうですが、そこにアリスが現れ、彼に気づかないまま普段通りに振る舞っていたそうですが、すぐに気づかれて「出てって!」と騒がれたため、逃げ出したのだとか。
ジューンとマシューが駆けつけた時には、ラッセルはキッチンにいて、声もかけられないほど悲しげな様子で泣いていたそうです。
フレデリックは「彼はウソをつく男じゃないから、幽霊かどうかは分からないが見たのは確かだ、信じるよ」と話していました。
ジョージーはその間、特にマシューを案じていましたが、パーマー家はクリスチャンではなく、信仰は助けにはならないと悟ったそうです。

3月始め、マシューは体中に原因不明の痣ができ、医者に掛かります。
彼を診たスラッター医師は、「原因は思い当らないというし、血管炎や薬物毒物の検査もしたが原因不明のまま、数週間後、自然に治まった」と話します。
マシューの親友でバンド仲間のスティーヴ・ウィルキーは、「バンドの練習は僕の家でするんだが、彼はいつも通り物静かだったし、母親の不法侵入の噂にも触れなかった」と話します。

一方マシューは写真好きで、町のベスト写真店の店主クライヴ・ロイ・ベルトにもその熱意や腕を認められ、バイトをしていました。
彼の写真のテーマの一つに”同じ場所で同じ構図”というのがあり、彼はそこに越した4年前から、3カ月ごとに自宅の裏庭の写真を撮り続けていました。裏庭は木の柵に囲まれた広い場所で、遠くには丘が見えます。
2006年4月28日、その写真の中央にある柵に掛かった茂みの中に前に、アリスと思しき姿が映り込みます。それはぼんやりとした暗い影のような姿でしたが、家族は一目でアリスだと分るモノでした。
またその月の3日、近隣住民ボブ・スミートが撮ったダムの映像にも、遠く離れた岸辺に佇んでいるアリスと思しき姿が映っていました。

それらの写真を見たジューンは「不鮮明だけどアリスに見えて心がざわついた」と言い『アリスは生きている』と言い出します。
またラッセルは「なにより私は遺体を確認したし、あの時は確かに娘だと思ったが、妻に『生きている』と言われるうち自信が無くなった」と言い、その3か月後、夫妻はアリスの遺体の掘り起こしとDNA鑑定を請求し、ニュースになります。
2006年6月5日、葬儀社と検視担当者の立会いの元、掘り起しが行われましたが、逆にそれがアリスであると証明する結果になります。
ラッセルはその時初めて「別な子であってくれたら」「間違いであって欲しい」と願っていた自分に気づいたそうです。
その2日後、アリスの遺体は再び埋葬され、写真に写っていた人物の正体は謎とされます。

それでも物音は続いていたため、マシューは廊下にビデオを設置し撮影する事に。そして2006年6月13日、その映像にリビングから玄関へと移動する黒い人影が映ります。
困惑したジューンは、以前から視聴していたスピリチュアル系のラジオ番組”ヴォイスFM”のサイキック・コンサルタント、レイ・カメニーに相談しようと決意します。
初めて番組内で取り上げられた際、ジューンはアニーと名乗って(遠隔)リーディングを依頼し「非常に親しい間柄だが長らく会ってない誰かが、あなたの人生に戻り、心の平和をもたらすだろう。簡単な道のりではないが、その人物はあなたに安らぎを与えてくれるはずだ。頑張って」とアドバイスされます。

レイはハンガリーからの移住者で15歳の娘がおり、レイという名もビジネスネームです。
彼は「相談者の3分の1を占める病気や死を目前にした多くの人々に『死が全ての終わりではなく、恐れる必要はない』と伝え、心の安らぎを与える事こそが責務と感じている」と語ります。またカウンセリングは録画し、本人にもコピーを渡し、保管しています。
2006年6月15日。彼女はレイのオフィスで初カウンセリングを受け、泣きながら全てを打ち明け、彼を”いい人”と感じます。
彼のカウンセリングは1対1で、患者に自身の家に入って室内を案内するイメージをさせ、違和感や感想を吐露させ、アドバイスするという手法で、ジューンの場合、アリスの部屋の籐の椅子に、悲しそうに座るアリスのビジョンを見たのです。
その後、ジューンはレイを夕食に招きますが、もともとサイキックを信じていないラッセルは、妻のためやむなく受け入れ無難な対応をしたそうです。
その1週間後、レイから降霊術を勧められますが、ラッセルが拒んだためマシューが説得し実現します。マシューは、アリスの霊云々より降霊術そのものに興味と好奇心を抱いていたのです。

2006年6月20日。パーマー家のダイニングで行われたレイと家族3人による降霊術の様子は、マシューのビデオで録画されますが、レイはアリスの霊と交信できず、失敗したと思ったそうです。
しかし翌日、マシューが映像を確認したところ、以前廊下で録画されたものよりさらに鮮明なアリスの姿が映っていた事が判明します。
それは画面の右端に映り込んでいる、ドアの向こうの棚の上にある楕円形の鏡の中に、アリスの顔が映っているというモノでした。
レイはその現象に愕然とし、マシューに屋内に3台のカメラを設置し24時間撮影するよう指示します。
しかしジョージーやドルーアン巡査部長は、レイを詐欺師では?と警戒していました。それにはレイ自身も気づいていたそうですが、職業的好奇心は止められず、中でも強く興味を抱いていたマシューが気に掛かっていたそうです。

【承】- レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間のあらすじ2

そのビデオでは、アリスの部屋の鏡や廊下の鏡に、アリスと思しき姿が次々と捉えられるようになりますが、その矢先、湖畔のアリスを映したボブ・スミートと同日、その場所に居合わせたウィザー夫妻の映像が届きます。
7月末、心霊写真の噂を耳にした彼らはボブと同日湖にいた事を思い出し、映像をつぶさに検証し、まずボブが映っている事を確認し、次に森に逃げる女性用の服を着たマシューの姿が映っているのに気づいたのです。
2人は「幽霊を信じますか?」と聞かれ、苦笑していました。

ラッセルにその映像を突きつけられ「他にも何かしたか?」と聞かれたマシューは、「確かにその日、僕はアリスの服を着てダムにいた。カメラを持った男(ボブ)に撮られるとまずいと思って森に逃げたが、他のカップル(ウィザー夫妻)には気づかなかった」と打ち明け、裏庭のアリスの映像から先、廊下の黒い影も、交霊会やその後の映像も全て彼の捏造だったと白状します。
彼は、ジューンがアリスの死を拒み、ラッセルも自分の証言に自信が無くなり、共に遺体の掘り起こしを望んでいたから、その証拠になればと思い行為に及んだそうです。
「母親が傷つくとは思わなかった?」と聞かれた彼は「前よりつらい気持ちにさせたかも」と答えます。
ジューンは「息子のいう理由は完全に理解はできないし信じないわけではないが、それだけが真意ではないとは思う」と話します。
その頃ラッセルは、マスコミや世間の好奇の眼から家族と家族の思い出を守るのに必死で、ジョージーたちにも大変つらそうに見えたそうです。

一方で、「ジューンとアリスは折り合いが悪かった」という声も聞かれました。それはラッセルの仕事仲間のフレデリックで「似た者母娘なのに折り合いが悪いのが不思議だった」と。
しかしそれはジョージーやジューンの母親アイリスの「どちらも殻にこもりがちの性格」という表現で合点がいきます。
アイリスは娘のジューンに対して「自分を曝け出したことがない」という苦悩を今も抱えていて、彼女自身もその母親の性格を受け継いでいたため、多分ジューンもアリスに対してそうだったのでは?と言うのです。
察しの通り、ジューンはアリスに対してある程度の年になって以降、「愛を伝えなくなった、愛という言葉を言わなかった…アリスに私の愛が伝わってなかったら悲しいわ」と、気にかけていたのです。

2006年8月19日~22日。レイはマシューを出張カウンセリングに連れ出します。それはヴィクトリア州内の彼の患者を巡る旅でしたが、マシューはその旅でアリスとはもう会えないと知り、その存在の大きさを実感し、『失った誰かと話したり接触したい』と切望する彼の患者たちの気持ちを理解し、彼自身もレイの患者だったのではと感じたそうです。
しかし彼は、出掛けに「まだ何かありそうな予感」がして、廊下のビデオをそのままにして出たのだとか。
家にはパーマー夫妻のみ、テープ残量も少なくテープ交換もされぬまま、ほぼ放置されていたカメラは、ある不可思議な現象を捉えていました。玄関の廊下から居間を映したアングルの映像の下部から、アリスと思しき顔が、ゆっくりと浮かび上がっていたのです。
ジューンは「つまり家には幽霊がいる事になる。アリスの幽霊よ」と話します。

「幽霊を信じる?」という質問に、キムは「いるともいないとも言える。でも時々いるんじゃないかと思う事がある」、レイは「幽霊はそこらじゅうにいる。怖ろしい世界さ」、ジェイソンは「なぜ幽霊が必要なのか理解できない。幽霊が喪失感を埋めてくれるのか?」と答えます。
ジューンはその一件で再度映像を検証し、マシューが捏造した”廊下を横切る人影”の映像の端に映っていた、アリスの部屋に潜んでいたもう一つの人影を見つけます。
それは、アリスが生前、ベビーシッターに行っていた近隣住民ブレッド・トゥーイーでした。

【転】- レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間のあらすじ3

2006年9月。その映像により、ジューンは彼がそこにいた理由を知るため部屋を探し、ソファの裏の使われていない暖炉の中から、アリスの金庫を見つけます。中にあったのはアリスの日記と思い出の数々、そして1本のビデオテープでした。
彼女は2002年からトゥーイー家の5歳と9歳の子供のベビーシッターに行っていたのですが、ビデオに映っていたのはトゥーイー夫妻とアリスが楽しげにセックスに興じる姿でした。
ジューンは悲しく思い、ラッセルは「彼らには娘の死に責任がある。彼らでなければ娘は我々に打ち明け罪悪感に苛まされず、孤独にならずに済んだ。道で会ったら絞め殺す」と怒りを露わにします。また「アリスが死んだと聞いた彼らはバレる恐怖に怯えて、必死にテープを探してた」「怯え続ければいいわ。いい気味よ」とも。

トゥーイー家には大きなプールがあり、ご近所を招いてバーベキューを楽しんだりと評判の良い家族で、特段おかしな素振りに気づいた者はいませんでした。事件を聞いたアリスの同級生たちは「あの夫婦とアリスが寝てたなんて信じられない」と話していました。
トゥーイー一家は、その件が表沙汰になった途端姿を消し、警察がその行方を探しましたが手掛かりはつかめませんでした。
その一方で、ラッセルは「仮に捕まったとしてもビデオを証拠に”合意の上”を主張されれば執行猶予で終わるのがオチ」と言われたそうです。
アリスの彼氏ジェイソンは「事実を知ってたら付き合わなかった。僕らはうまくいってると思ってたのに」と言い、妹のキムは「アリスは秘密主義だった。秘密がある事自体を隠してた…人が自分に隠し事をしてたと知ると見る目が変わる。私が知るアリスはごく一部で、彼女の家族が知ってたのも、別なアリスだったのかも」と話します。

またジューンはアリスの日記の7月のページに挟んであった、レイの名刺を見つけます。
レイがアリスのカウンセリングをしたのは、2005年7月21日、事故の5ヵ月前で、他の患者同様その映像も残っていました。
ラジオを聞いて連絡してきた彼女の質問は「夢占いもできるの?」…特に何か相談事があるという雰囲気ではありませんでした。
映像では、彼はいつも通り自宅の中に入って行く自分をイメージさせ、気づいた事を話すよう促します。

パーマー一家にその件を言わなかった理由を、彼は「アリスに対する守秘義務を尊重した」「話したところで誤解されると思った」と言いますが、一家の彼に対する信頼は完全に失われ、一番親しかったマシューさえも口をきかなくなります。
レイは、今も一家を救いたいと考えていましたが「『アリスの死を止められなかった』と思われるのも当然だ」と話していました。
マシューは「今思えば、他人とああまで親しくなるのは妙だった。彼も僕らを必要としてたのかも」と話します。

ー2005年5月12日(事故の5ヵ月前)のアリスの日記
「夕べ夢を見た。寒くて、クスリをやった時みたいに体が重い。目が覚めてもその感覚は続いてた。気分が悪く 頭が混乱して だんだん怖くなってきた。ママと話したいと思った。
両親の部屋に行き、ベッドの2人を見ていたら、深い悲しみに襲われた。悲しみは動けないほどの恐怖に変わり、誰も私を助けられないと悟った。
ひどく孤独だった。何もかもおかしい。私の体も 私の周りで起こっている事も…きっと私が悪いのだ…両親のベッドの足元で泣き続けた」
ジューンはその日記を、涙で声を詰まらせながら読み上げます。
そして日記の2005年8月2日~5日には大きな描き文字で「LAKE MUNGO」と書いてあります。その日は学校のキャンプで、行き先はレイク・マンゴーでした。
ジューンがアリスから『楽しかった』と聞いていましたが、買ったばかりの携帯とブレスレットと時計を無くしたと言ってた事でよく覚えてると話します。

その最終日、キムの携帯動画には、夜間アリスを含めたはしゃぎまわる生徒たちが映っていました。
その動画を提供したジェイソンは「事故の1年後くらいに妹(キム)に見せられたんだが、知っているのに見せないのは後ろめたかったし、見せない理由も無いからね」と話していました。
それを見たジューンは、「娘に何かあった」と直感し不安になったそうです。
また同日の同級生ケイトの深夜周囲を探検するクラスメートを撮影した携帯動画には、そのギリギリ下方に木の根元にしゃがみこんでいるアリスの姿が小さく映っていました。ジューンはその時も「何かを埋めている」と直感したそうです。

その晩、アリスに何があったのか。キムは「携帯を無くして動揺していたようだけど”騒いでる最中になんかあった”その程度よ。キャンプ中だもの」と話します。
動画には、懐中電灯で照らしながら、友人たちの輪から一人離れていくアリスも映っていました。撮影者もそれを追わず、ただ彼女の灯りが、レイク・マンゴーの奇石の間をぬって、闇へと消えていく姿だけが残っていたのです。
ジューンはそれを「何かに苦しんでいるようだ」と感じ、その理由を知りたいと思ったのです。

2007年2月。パーマー一家はアリスが埋めていた物を確認しにレイク・マンゴーに行き、観光客が途絶える夜を待って実行します。ビニール袋に入ったそれを見つけたのはジューンでした。
中身はアリスが無くしたと言っていた携帯電話とブレスレットと指輪の他、彼女が大切にしていた小物でした。
一家は早速、宿で携帯を復旧させ、中に入っていた動画を見る事に。
日付はキャンプの最終日の2005年8月5日。画面は無言のまましばらく岩肌が続き、やがて地面に置いた携帯に、遠くからアリスが近づいてくる映像になります。

ーアリスのカウンセリング
レイ「死が怖い?」
アリス「ええ、もちろん。誰でもそうでしょ?」
レイ「君が見た夢の話を聞かせて」
アリス「悪い事が起こる気がした。本当はもう起こっていて、私を待ち構えてる。近づいて来るけど…心の準備が出来てない。でも逃れる事はできないの」

アリスが間近に来て携帯を取ろうとした瞬間、画面がフリーズします。
その顔はまさに、長時間水に浸かり、口が半開きになり、腫れ上がった左眼が潰れた遺体のアリスの顔そのものでした。その数瞬後、声にならない悲鳴と共に画面が激しく乱れます。
別の携帯映像によれば、彼女はその直後、ジェイソンに見つかり、動揺を隠したまま仲間の輪に戻って行ったのです。

ラッセルはその顔が「アリスの遺体の顔だ」と断言します。
ジューンは「あの時アリスが何を見たのか説明はつかない」「おそらくアリスは、自分の死を予感していたんだと思う。娘はレイク・マンゴーで自分の運命と出会った。持ち物を埋めたのはその象徴であり儀式だったの」と話します。
しかしラッセルは”死の予感”を否定し「悪夢にうなされ、誰でも感じる漠然とした不安を抱いている頃レイに出会っただけだ」そして「アリス自身が遺体と思しきその顔を見た時どう思うと思うか」と聞かれ「幽霊を見たんだ、自分自身とは気づかずに」と話します。
またマシューは「アリスは幽霊に出会い、自分の不吉な未来を撮影したんだ」と。
その旅から帰宅した時、ジューンは「家の空気が変わり、とても静かになった」と感じたそうです。
そして「アリスは自分がこの世から消えてしまう前に、家族に本当の自分を知らせたかったんだ」と話します。

【結】- レイクマンゴーアリスパーマーの最期の3日間のあらすじ4

数週間後、3人はようやく元の”家族”の姿に戻り始めます。
「どんなに打ちのめされ疲れ果てても、私たちは家族なんだもの」…
その頃レイがパーマー家を訪れ、一家も快く迎え入れ一緒に自転車競技を観戦しますが、会場にはそれまで関わった町の人々も大勢来ていました。
アリスのいない家族、アリスのいない町…
「娘を助けられなかったし、何も変わっていない」…
レイク・マンゴーへの旅以降、一家は某か心の整理ができ、前に進むべきだと感じていました。
ほどなくして一家は引っ越しを決意し、近所の人たちを大勢招いて引っ越しパーティーを開きます。
ジューンは「この家を去るのはつらいわ。今でも時々忘れてしまうの…娘がもう戻ってこないと言うことを」と漏らします。

ジューンの最後のカウンセリングは、やはり家の中に入って行くイメージから始まります。
ジューン「アリスの部屋の方に行くわ」
ーアリスの最期のカウンセリング
ーアリス「誰かが廊下を歩いてる…」
ジューン「ドアが開いてる」「部屋に入るわ」
ーアリス「ママがいる」「でもなにも言わない」「私に気づいてない」
ジューン「…アリスはいない…いないわ」
ーアリス「(話しかけるか?と言われ)いいえ…(ママは)出て行くわ…部屋を出て行く」「…行ってしまった…」
目を開けてと言われたジューンは、潤んだ目を開け顔を洗いに行きます。

パーマー一家の引っ越しの日。ジューンは最後にアリスの部屋を見渡し、積み残しのコードをまとめて持って行こうとしています。
ーアリス「出て行くわ…」
遅れてきたジューンを乗せ、家族の車は立ち止まりも引き返しもせず、行ってしまいます。
ーアリス「…行ってしまった…」
その家のアリスの部屋の窓が見える庭で撮った3人の家族写真。アリスの部屋の窓にうっすらとアリスの姿が浮かんでいます。
7月6日のマシューのバースディパーティーの映像にも、マシューを捉えたウィザー夫妻の映像の別の箇所にも、そしてマシューが捏造した裏庭の写真の右端に映っている冬枯れの庭にも、アリスの姿は薄く儚げに映り込んでいました。

みんなの感想

ライターの感想

簡素なインタビューで綴られる淡々とした作品で、フェイクドキュ独特の突発的な喧騒や激高などの過剰表現は一切ありませんが、アリスの気持ちは痛いほど解る。似た者母娘で生前はすれ違っていた2人ですが、皮肉にもその死後、母親だけがアリスの心情や行動を直感的に感じ取るものの今一歩汲み取れないラストは憐れで、簡素なインタビューがアリスという失われた存在をリアルに浮き彫りにしていく様も実に見事です。
レイク・マンゴーでアリスの身に何が起こったか…彼女の遺品に遺された死に顔は、本作中一番おぞましく、最後に流れる”もう一つの真実”の裏寂しさも見逃せません。ぜひ映像でご覧になるようおススメします。

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