映画:世にも奇妙な物語2012春の特別編22

「世にも奇妙な物語2012春の特別編22」のネタバレあらすじと結末

世にも奇妙な物語 2012春の特別編の紹介:2012年4月21日放送の日本オムニバスドラマ。『世にも奇妙な物語』シリーズの特別編。「スウィート・メモリー」「7歳になったら」「家族(仮)」「試着室」「ワタ毛男」収録。

あらすじ動画

世にも奇妙な物語2012春の特別編22の主な出演者

ストーリーテラー(タモリ)、赤井佳恵/君沢ユリ(仲間由紀恵)、倉本慎吾(鈴木一真)、中川義雄(三上市朗)、アシスタント1/デザイナー(黒坂真美)、アシスタント2(大杉亜依里)、アシスタント3(吉田優華)、引越し業者(新虎幸明)、赤井佳恵(イーちゃん)、田野中久(永井大)、下平一海 (H)/下平一海(R)(鈴木福)、下平桂子(ともさかりえ)、下平靖之(川岡大次郎)、山口先生(浅見れいな)、園田夕子(久家心)、原翔太(新井惇平)、運転手(鈴木とーる)、警備員(窪寺昭)、男の子(矢部光祐、柾本尚希)、女の子(庵原涼香)、男(仲村信幸、神農直隆)、審査官(ムロツヨシ)、小野寺裕史(高橋克典)、女(白石美帆)、少女あかり6歳(西川茉佑)、ADの男(八神蓮)、少女Aあかり16歳(飯豊まりえ)、少女Bあかり26歳(松本若菜)、部下(矢柴俊博)、少女Bの彼氏(上野山浩)、メイク(田村さやか)、衣装(加藤やよい)、美術(松村岬子郎)、セカンドAD(加藤宏典)、精神科医(大塚和彦)、橋本先生(佐々木維子)、逆誘拐犯(井上肇)、柏木美沙(忽那汐里)、中西篤志(石黒英雄)、河合麻衣子(高部あい)、沼田知美(板東晴)、女友達(マリアユリコ)、オタク(尾倉ケント)、塗装業者(上野山浩)、店員(堀内敬子)、橋本俊樹(濱田岳)、矢澤順(渡辺いっけい)、土屋奈保(映美くらら)、木下裕之(ムーディ勝山)、余木陽子(藤澤恵麻)、若原(なかやまきんに君)、一瀬和佳奈(滝沢沙織)、余木寛治(上田耕一)、イカ男に遭遇するOL(山崎夕貴)、屋台の男(中野剛)、真珠男に遭遇するOL(片瀬まひろ)、警備員(大坪貴史)、タクシー運転手(大橋てつじ)、噂をする人々(松田百香、寺山葵、相楽樹、優希、番場智美、吉澤天純、荒井颯太、藤原健太、羽斗樹希、中西夢乃、宮本侑芽)

世にも奇妙な物語2012春の特別編22のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 世にも奇妙な物語2012春の特別編22のあらすじ1

世にも奇妙な物語2012春の特別編22のシーン1 〝蛇の身体に鹿の角、そして鬼の目を持つと言われる伝説上の生き物、リュウ。
皆さんはリュウについて、どれだけのことを知っていますか?
凶暴で恐ろしいイメージを持たれていますが、本来はおとなしく、人間に危害を加えることはないとされています。
しかし、喉元にあるこの逆さに生えた1枚に触れると、このように突然暴れだし、その牙を人間に向けてくるのです。
そう、この世には触れてはいけないものがある。
中国の思想家、韓非(かんぴ)が紀元前3世紀に書いた『韓非子』に、その教えを逆鱗(げきりん)という言葉で記しています。
今宵、奇妙な世界に巻き込まれてしまう5人の主人公、彼らもまた、目には見えない逆鱗に触れてしまったのかもしれません。〟



〔スウィート・メモリー〕

若い女性・赤井佳恵は、部屋で倒れていました。
気絶から覚めた佳恵は、ふと見た自分の両手が血で赤く染まっているのを見ます。
自分が倒れている目の先には、男性の背中がありました。
血は男性から流れているようで、佳恵は再び気絶します。

次に目覚めたときは、佳恵は病院のベッドにいました。
傍らには2人の男性が立っています。

1人は医者の中川義雄と名乗ると、佳恵は2日間も気を失っていたと言いました。
もう1人は警視庁捜査一課の倉本慎吾で、佳恵に記憶を確認します。

佳恵の記憶どおり、部屋には男性が死んでいました。
死因は、頭蓋骨陥没による脳挫傷です。
名前は、田野中久(たのなか ひさし)でした。
佳恵は少しずつ、憶えていることを語り始めます。


…佳恵は世田谷に住む、29歳のファッションデザイナーです。
ある日、佳恵が落としたパスケースを拾ってくれたのが、田野中でした。
以来、佳恵はよく田野中の視線を感じるようになります。

最初は、近くに住んでいる人かと思っていました。
しかし偶然にしては数が多すぎると感じ、佳恵は田野中がストーカーではないかと思うようになります。
それというのも、佳恵の人生では、よくつきまとわれることが多いからです。
経験上、放っておけば最後には自然消滅するので、佳恵は気にしないようにしていました。

ところが、田野中の行動はエスカレートしていきます。
大量の手紙が佳恵に送られてきて、次には佳恵の住むマンションに、越してきたのです。

事件の日、佳恵の部屋に田野中が侵入してくると、カーテンをむしりとり、部屋を荒らし始めました。
「めちゃくちゃだ。俺の人生、お前のせいでめちゃくちゃだ」と田野中は言いました。
以後の佳恵の記憶はありません…。


佳恵の話を聞いた倉本刑事は、田野中がある人物につきまとわれていたと言います。
その話は、佳恵と対照的でした。


…定期入れを落とした田野中は、それを女性に拾ってもらいます。
その女性が自分の周辺にちらほら出没することを田野中が感じ、不気味に思っていました。
やがて女性は田野中の住むマンションへ、引っ越してきていました…。

そう指摘した倉本刑事は、佳恵の家に投函された大量の手紙は、みんな佳恵の筆跡で、指紋も一致したと言います。
そればかりか、佳恵は「自分に都合のよいように、記憶を作り変えている」と倉本刑事は指摘しました。
倉本の横にいる中川医師は、精神科医です。


…佳恵は事件当日、田野中の部屋へ勝手に侵入していました。
警戒した田野中が部屋に監視カメラを設置しており、それが明るみになります。
佳恵は田野中の部屋に入ると、カーテンを勝手にピンク色のものに交換し、部屋の小物も勝手に替えていました。
帰宅した田野中がカーテンをむしったのは、その前に佳恵が勝手に付け替えたからでした…。

帰宅した田野中が佳恵に怒り、佳恵は田野中に逆上し、灰皿で殴っていました。
凶器は佳恵のバッグに収められるのが、監視カメラに映っていました。


そればかりか佳恵は、自分の顔や職業までも、都合よく記憶で改ざんしていました。
佳恵はファッションデザイナーではなく、デザイン事務所のアシスタントの仕事をしています。
そして顔は、雑誌で見て気に入った、君沢ユリという女性のものを、自分の顔だと思い込んでいます。

それを指摘された佳恵は、差し出された鏡を見て笑うと、鏡をはねのけました。
飛んだ鏡はひびわれますが、そこに映った佳恵の顔が笑います…。

(佳恵は記憶を自分の都合よいように変えていた。
被害者と加害者が逆。
佳恵は職業と顔もちがう)



〔7歳になったら〕

下平一海(しもだいら かずみ)は、3月12日、つまりあと4日で7歳になる少年です。
父・靖之、母・桂子のあいだで大事に育つ、ひとりっこでした。
一海は、誕生日には遊園地へ連れて行ってほしいと、おねだりします。

学校では、同級生の少年・翔太が跳び箱を跳べるようになっていました。
しかし翔太は、一海の名前を忘れています。
同級生の少女・夕子はなにか事情を知っているようですが、担任の山口先生が、夕子のことばをさえぎりました。
一海は夕子から、「7歳になったら」なにかが起きるのだということだけ、教わります。

【承】- 世にも奇妙な物語2012春の特別編22のあらすじ2

世にも奇妙な物語2012春の特別編22のシーン2 塾へ行くために放課後、バスに乗った一海は、バスの中で眠ってしまいました。
降りるバス停を乗り過ごし、終点の「城下(しろした)」まで行ってしまいます。
そこで一海は、自分の両親が、誰か少年と手をつないで歩いているのを目撃しました。

夜、両親に見かけたことを話しますが、父は強い口調で否定します。
一海が食い下がろうとすると、父は「くだらない。もうすぐ7歳になるんだぞ」と、会話を切り上げました。

両親は審査官に、検査キットを渡します。


翌日。
昨日あった不思議な出来事を一海が話すと、夕子は「長い塀に囲まれた建物でしょ」と言いました。
7歳になることと、その建物が関係あると一海は知りますが、山口先生がまたやってきて、夕子の会話を止めます。

放課後、気になった一海は、終点まで行ってみました。
長い塀に囲まれた建物を探すと、警備員に叱られて、建物に連れ込まれます。
そこには、一海とそっくりの少年がいました。
違うのは髪型くらいで、顔も名前も生年月日もいっしょです。
施設にいる一海は、月に一度しか両親に会えないと言いました。


誕生日の当日。
一海は約束どおり遊園地へ連れて行ってもらいますが、両親は気もそぞろです。
7歳になったら何かがあるのだと思いつつ、一海は、何があるのかは分かりませんでした。
一海は遊園地で遊んだあと、何かの施設へ連れて行かれます。

そこには審査官がおり、両親とともに一海は、状況を教わります。


…審査官は、優等教育院の者です。
少子化により、優等教育促進法という法律が定まりました。
より優秀な子どもを育てたほうが効率がよいということで、子どもが生まれた際には、クローン人間も作るのです。

片方は両親とともに(R)、片方は施設で(H)育てられます。
そして7歳の誕生日の際に、検査をして優秀なほうを残し、優秀ではないほうを「回収する」ということが決まっていました。
先日、一海が長い塀に囲まれた建物で会った、自分そっくりの少年は、一海のクローンだったのです。

検査の結果、施設の一海(H)のほうが優秀だと出ました。
施設の一海は両親のもとで育てられることになり、一海は優等教育院の車で回収されます。
一海は、今まで7年間両親と過ごしたのですけれど、両親はずっと暮らした一海をあっさりと捨て、施設の一海を迎え入れます。
それもそのはずで、両親ともに施設出身でした。
一海は回収の車に乗せられます…。


…バスで寝過ごした一海は、バスのなかで目覚めました。
終点の景色には、回収する車があります。

(夢オチか現実のことなのかの解釈は、視聴者にゆだねられた)



〔家族(仮)〕

小野寺裕史は、中年の会社社長です。
子どもの誕生日でありながら休日出勤した部下と別れ、小野寺はひとり住む部屋に帰宅しました。
すると、独身であるはずの自分の部屋に、自称・妻と、自称・娘のあかりがいます。

当たり前のように妻子が接してくるので、小野寺は警戒しました。
しかし家にはあかりの担任の先生から電話がかかってくるなどし、小野寺はおかしいと思います。
なによりも、その妻子が自分をだますことのメリットなど、ないからです。

疲れたから記憶がないのかと眠った小野寺は、翌日もまだ家族がいることに戸惑いました。
いっぽうで用意された朝食を食べた小野寺は、おいしい手料理がある生活も悪くないと思います。

戸籍謄本を調べればいいのだと思い、小野寺は役所に行きました。
戸籍上で小野寺は、独身でした。
それを持って帰って妻に見せると、妻は嘆きます。
あかりを妊娠した際に、小野寺は籍を入れなかったのだそうです。

そう言われると、小野寺は不安になりました。
病院でMRIを撮り、検査してもらいます。
医者に訴えると「ゆっくりやすめ」と言われました。

妻子と過ごすうちに、小野寺は、自分の記憶のほうが間違っているように感じます。
妻子のいる生活は張り合いがあり、いつしか小野寺は、妻やあかりとの生活が当たり前のようになりました。
あかりの学校の参観日にも行き、幸福をかみしめます。


そんな折、突然、小野寺の家に電話がかかってきました。
「うちの家内と娘がお邪魔しているはずだ」
『逆誘拐犯』を名乗る男は、「妻と娘を返してもらってやるから、5000万円用意しろ」と小野寺に言います。
やはり小野寺の記憶に間違いはなく、妻子は赤の他人でした。

【転】- 世にも奇妙な物語2012春の特別編22のあらすじ3

世にも奇妙な物語2012春の特別編22のシーン3 しかし小野寺は、妻子のある生活に満足を覚えていたので、「金を用意しなければ、妻子を引き取りに行きませんよ」と言われても、痛くもかゆくもありません。
むしろ妻子と暮らす生活のほうを選択しました。

すると逆誘拐犯は、「じゃあ10年後を見せてやる」と言います。
ADやスタッフが急に家にあがりこむと、10年後のキャストが現れて、一足先に10年後の未来を演じてくれるそうです。
16歳になったあかりは反抗期にさしかかっており、10年後の妻は悪徳商法にひっかかって、100万円の布団と50万円の枕を買わされていました。

小野寺も台本を渡され、読むように指示されます。
会社社長をしている小野寺は、こんな台本では駄目だと思い、反抗期のあかりに「好きなものを見つけろ」とアドバイスします。


小野寺は、逆誘拐犯にしてやったと思います。
しかし逆誘拐犯は(注:電話の合間に寸劇があり、ひとしきり演じ終わるとADが固定電話の子機を渡して、小野寺は逆誘拐犯との通話を続ける)「その道を選択しましたか」というと、第2章、20年後を演じさせます。

「好きなものを見つけろ」と声をかけられた26歳の娘・あかりは、アニメのキャラクターのコスプレイヤーになっていました。
戦闘ヒーローもののコスプレをする男性と結婚したいと言い、家に連れてきます。
小野寺は「現実を見つめなさい。現実から目を背けてはいけないんだ」とあかりに声をかけました。
ドヤ顔で逆誘拐犯との通話に出ます。

すると第3章、30年後が始まりました。
30年後には現実を見つめた妻が、シミやシワが増えたと落ち込んでいます。
自分の存在意義を見失ったらしく、小野寺が声をかけると、アイロンを手に襲い掛かってきました。


…どのように声をかけても、すぐさま対応される台本が用意されており、大変な相手に捕まったと、小野寺は思います。
そこで逆誘拐犯の訴えどおり、5000万円の小切手にサインして、6歳のあかりに渡します。
あんなになついていたあかりは、小野寺にプレゼントされたピンクのドレスを「このドレス、マジ(ありえ)ないから」と言って返すと、スタッフたちと共に去っていきました。



〔試着室〕

柏木美沙は高校時代の演劇部の同窓会へ行くつもりで、おめかししていました。
目当ては中西篤志先輩です。

ピンクのドレスを着ておしゃれした美沙でしたが、コンビニ強盗がすぐ横を逃げ、追いかけた店員が投げたカラーボールが、美沙のピンク色のドレスに当たります。
胸のところがペンキで汚れ、美沙は困りました。
すぐ近くにあった洋服店へ、入ります。

店員は平凡な中年女性ですが、美沙は店員になにか不思議な印象を抱きました。
「よろしければご覧になりますか」というと、店員は試着室を示します。


好きな服を選んで試着をした美沙は、部屋から出るといきなりパーティー会場にいることに驚きます。
親友の沼田知美から「その服、地味」と言われました。
美沙もそう思っていたので、そうだなと思います。
大好きな中西先輩にはスルーされ、パーティー会場に同じ服を着ている女性までいました。
「この服じゃ駄目だ」と思った美沙は、自分が試着室にいると気づきます。

試着室を出ると、元の洋服店でした。先ほどまでの景色は幻想だったのかと、美沙は混乱します。
幻想だったにしては、妙にリアルでした。
知美から電話があり、遅刻すると報告した美沙は、先輩もまだ来ていないと知ります。


店員から「服を選ぶということは、自分の未来を選択するということです」と教わった美沙は、この店の試着室では、ただ服を試着するだけでなく、服を試着したあとの会場での反応も見られるのだと知ります。
今度は赤いワンピースを試着して、美沙は試着室を出ました。
やはりパーティー会場へ出ます。

知美から「綺麗」という反応をもらった美沙は、会場で服がかぶっていないかまずチェックしました。大丈夫です。
先輩からも「雰囲気が大人っぽくなった」と褒められた美沙ですが、先輩はミス明青のお色気系女子・河井麻衣子に奪われます。

対抗して攻めた服を次々に着替えた美沙ですが、どんな服を着ても麻衣子に奪われました。
和服、アイドル風、インド風、どんどん迷走していきます。
困った美沙は、中西先輩に「どんな服を着たらいいですか」と思い切って聞きました。
先輩は「強いて言えば、演劇部の時と違うんだよね。柏木らしくないというか」と答えます。

【結】- 世にも奇妙な物語2012春の特別編22のあらすじ4

世にも奇妙な物語2012春の特別編22のシーン2 自分らしさが大事なのだと思った美沙は、ペンキで汚れた服を着てみました。
すると先輩は「お前らしいな」と言うと、「返さなくていいから」とハンカチを渡してくれます。

これくらいの距離感がちょうどいい(付き合うとかではなく、ハンカチをもらえる程度)と思った美沙は、この服が正解だと思い、ペンキのついた服で臨むつもりでした。
店を出たところで、ベンチにペンキを塗っていた青年と、美沙はぶつかります。

会場へ行くと、美沙はハンカチをもらえませんでした。
なぜだろうと思った美沙は、自分の右肩に赤いペンキがついているのを知ります。
ペンキが増えたから、ちがった未来になってしまったと思った美沙ですが、「素直な自分をさらけだすことが大事」と思い直します。

衆人環視のなか、美沙は中西先輩に告白をしました。
すると先輩はハンカチを差し出して「今度、ちゃんと返せよ」と言います。
ハンカチを受け取った美沙は、「返さなくていいから」ではなく、「返せよ(つまり、また会うチャンスがあるということ)」と変化したことに気づき、喜びました。
美沙は気づいていませんでしたが、ペンキは肩口だけでなく、ぶつかってベンチに座った拍子に、お尻のところにハートマークの形に汚れがついていました。



〔ワタ毛男〕

夜道にイカ男が出没します。
「イカは、おきらい?」と聞かれた女性は、スーツ姿に、特撮などに出てきそうな安っぽい着ぐるみを着た男の姿を見て、悲鳴を上げます。
怖い…というよりかは、変質者を見て、悲鳴を上げた感じでした。

イカ男の扮装をしていたのは、橋本俊樹という若い男です。
橋本は、都市伝説協会というところへ勤務していました。

都市伝説協会は、都市開発の進む高度成長期に、文部省によって設立された極秘機関です。
その目的は、失われつつある暗闇への畏怖の念を取り戻すことでした。
巷(ちまた)にあふれる都市伝説のすべては、この都市伝説協会が決定、運営、管理しています。

橋本は3か月前から「怪人課」に配属されて、自分が考えた怪人を広めようと努力しているのですが、いまひとつでした。
世間では今、「ワタ毛男」というのが有名だと、橋本は恋人の一瀬和和佳奈から聞きます。

そもそも怪人課で作られる都市伝説のたぐいは、一歩間違えると変質者扱いされてもおかしくないのです。
橋本の同僚の若原は、「真珠男」を広めようとしたのですが、地下駐車場でほぼ全裸状態(パンツ着用)でアコヤ貝に乗ってスタンバイしていたところ、警備員に見つかって逮捕されました。
現在は服役中で、都市伝説協会の協会員としては恥ずかしい例です。

和佳奈から聞いたワタ毛男というのを、橋本は調べてみました。


…ワタ毛とは、1970年代に東京・多摩(たま)地区のベッドタウンを中心に出没し、次第に関東全域にその活動範囲を広げた怪人です。
マント姿に、顔一面が綿毛に覆われている男です。
決めゼリフは「吹いて、みませんか?」
吹かないと時速60kmで走り、どこまでも追いかけてくるそうです。
もしワタ毛男の顔の綿毛を吹いて素顔を見た場合、正気でいられなくなるのだそうです…。


このワタ毛男を考えたのは、余木寛治という男でした。
余木の妻・陽子は「口裂け女」を発案した女性です。
妻が失踪したあと、余木は妙なことを言って会社を辞めてしまいました。
ワタ毛男の都市伝説が有名になってきているので、余木の様子を見て来いと、橋本は上司の矢澤順課長から言われます。

余木のところを訪問すると、橋本は変わった話を教わります。
都市伝説で一定のレベルを超えると、その怪人が実体化するというのです。
余木の妻・陽子は口裂け女が大ヒットしたために、実体化した口裂け女と会い、吸収されてしまったのでした。
それを知った余木は、ワタ毛男という都市伝説もヒットをし、実体化しそうだったので、協会をやめて封印したそうです。

しかし…最近懐かしくなって、ついネットの掲示板に書きこんでしまいました。
「ワタ毛男を知りませんか」と書き込んだところ、たった1週間で話題になり、ワタ毛男の伝説が広まります。

余木は、実体化したワタ毛男と対決し、橋本の目の前で本当に吸収されました。
橋本は対決の途中で気絶します…。

翌日。
トイレでワタ毛男を見た橋本は、そのワタ毛を吹いてみました。
ワタ毛男の顔は、余木でした…。


ワタ毛男の都市伝説には、新たな説が加わります。
いわく、「ワタ毛が脳に入って発狂する」「イカ男となって海に帰る」「この話自体も、都市伝説協会が流している噂らしい」…。
話はどんどん広がります…。



〝いかがでしたか? 今夜の5つの奇妙な物語。
決して触れてはいけないリュウの逆鱗。
皆さん方もお気を付け…あ、あーっ(触る)またやってしまった。
どうやら逃げ切れたようです。
皆さん、くれぐれもお気を付けください。
ほう、空想上の生き物など恐るるに足らないと?
いやいや、気が付かないだけで、案外、私たちのすぐ足元にいるかもしれませんよ。
(日本列島の下に伸びる、龍脈を示唆しつつ)〟

みんなの感想

ライターの感想

〔スウィート・メモリー〕ありがちなオチだったけれど、すごくよかった。
ストーカーが逆転していたところまでは読めるが、主人公の顔や職業も改ざんされていたという発想はナイス。
〔7歳になったら〕なんともブラックな話。処分されたあとのことは、想像したくない。
〔家族(仮)〕これもユニークで楽しかった。逆誘拐犯と主人公の会話もたのしい。
納得して小切手を切るのもよかった。
〔試着室〕ハッピーエンド、見て楽しいし、明るい気分になれる。
〔ワタ毛男〕不気味さがナイス。笑わせてもくれるし、これぞまさしく奇妙な話。

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