「富江」のネタバレあらすじと結末の感想

富江の紹介:1999年公開の日本映画。男たちをとりこにし、破滅へと導いていく美少女につきまとわれる若い女性の恐怖の体験を描くモダン・ホラー。監督は「日本製少年」の及川中。伊藤潤二による第一回楳図かずお賞佳作入選の同名コミックを基に、及川監督自らが脚色。撮影を「avec mon mari」の鈴木一博が担当している。主演は、「ファザーファッカー」の中村麻美と「EKOEKO AZARAK」の菅野美穂。98年度東京国際ファンタスティック映画祭参加作品。

富江の主な出演者

泉沢月子(中村麻美)、川上富江(菅野美穂)、細野辰子(洞口依子)、原田省二(田口トモロヲ)、斎賀祐一(草野康太)、吉成佳織(留美)、山本武史(水橋研二)、野村和美(奈良岡寿美)、佐々木大輔(小野嘉朗)、門倉直人(高嶋秀年)、田辺幸治(小林昭彦)、レストランの店長(温水洋一)、大谷(鈴木一功)、由美子(江川加絵)、船井刑事(山上賢治)、診療室の患者(松坂和歌子)、ウェイトレス(梶原阿貴)、監視係(伊藤潤二)

富江のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①カメラマン志望の月子は3年前の交通事故以来、記憶障害と睡眠障害に悩まされており、細野医師の元で催眠療法を受けていた。ある時細野は月子の口から「タナベ」「トミエ」という言葉を聞く。 ②原田刑事の訪問を受けた細野医師は、月子の記憶喪失の原因が交通事故ではなく、高校で起きた怪奇事件によるものだと知らされた。そこに「富江」なる女性が密接にかかわっていた。 ③富江は何度殺されても蘇って来る女性だった。富江は月子に接近して思い出させようとする。記憶を取り戻した月子は、自分もまた富江だと知らされた。

【起】- 富江のあらすじ1

プリクラの機械から出て来た男は、大事そうに紙袋を抱えていました。紙袋の中にはビニール袋が入っており、そこから目が覗いていました…。
…東京都小金井。
泉沢月子はカメラマンを目指す、20歳の専門学校生です。親元から離れ上京しています。
月子には悩みがありました。3年前に交通事故に遭い、その当時の記憶が欠落していました。睡眠障害もあり、現在は精神科医・細野先生という女医の元へ通って催眠療法を受けています。
毎晩のように悪夢を見て、起きるともう眠れない月子は、記憶が欠落したことから母親ともぎくしゃくしており、できれば早く記憶を取り戻したいと考えていました。
細野先生は月子に催眠療法を施し、なんとか手がかりを得ようとします。
光の明滅で月子を催眠状態に導いた細野先生は、月子が言った「タナベ君に何するつもりなのよ、トミエ」という言葉が気にかかります。
後日「トミエ とみえ」と書いた紙を月子に見せますが、月子からは何の反応も得られませんでした。
その細野先生のところへ、刑事の原田がやってくると、月子にまつわる妙なことを話し始めます。
表向きは月子の記憶喪失は、「3年前に交通事故で父親を亡くしたことによる精神的ショック」となっており、細野先生もそう聞かされていました。しかし原田刑事は意外なことを話します。
3年前、月子の通う高校に、ある女子生徒が転校してきました。その女子生徒は転校1か月にしてクラスを掌握し、3か月後にそのクラスが崩壊したというのです。
クラスの4人が自殺し、7人が精神科に通院し始め、残りの生徒は全員転校したそうです。そして当の女子生徒は現在もなお行方不明でした。
その女子生徒の名は「川上富江」と言い、「富江を殺してバラバラにした」という生徒の証言がありますが、物証は得られずのままでした。当然、未解決の事件です。
原田刑事はこうも言います。調べてみると、さらに3年前に同じようなケースが岐阜県の高校でもあったこと、そしてその時の被害者の女子生徒の名も川上富江だったということ。
もっとさかのぼると、明治初期まで川上富江なる人物は事件の捜査上にいるそうで、原田刑事の興味は富江にあるようでした。
月子のクラスメイトの加害者は田辺幸治といい、当時月子は田辺と交際していたそうです。原田刑事は月子が細野先生のところへ通っていることを知っており、何か知らないかと聞きます。

【承】- 富江のあらすじ2

細野先生は、月子が記憶障害で事件のことを全く覚えていないことを告げました。
月子は現在、斎賀祐一という男性と付き合っています。
斎賀はミュージシャン希望で、普段はレストランの厨房で働いていました。月子は知りませんが、斎賀は月子の親友・吉成佳織とも肉体関係にあり、二股をかけています。佳織は月子と斎賀が付き合っていることを知りながら、月子を裏切って斎賀と関係を持っていました。
月子のアパートの隣に、浪人生の男・山本武史が引っ越してきます。月子のアパートは段差のある形で、隣といっても「少し階下」でした。山本は右目に眼帯をしており、いつも暗くて会っても殆どしゃべりません。
ところが夜な夜な隣から山本が話す声が聞こえ、月子は気になりました。
山本は富江の生首を手に入れており(冒頭でプリクラの機械から出てきた男が山本)、部屋で富江を育てていました。最初は生首だった富江は、次には5歳ほどの少女に成長し、さらに18歳まで成長します。
18歳に成長した富江は、山本にある女性の殺害を指示しました。レストランのウエイトレスです。
富江は男を狂わせる天才でした。富江を見たものは富江の虜(とりこ)となるのです。
山本は富江が望む通りにウエイトレスを殺すと、近所の河原に捨てました。
帰ってそれを報告すると、富江は山本に「私たち、もう一緒にいない方がいいわね」と言います。「何があったんだよ」と追いすがる山本の顔に除光液をかけると、富江は「あなた、段々駄目になっていくもの。私、見てるとつらいわ」と答えました。
「捨てないでくれ。何でもするから」と懇願する山本に「なら、さっさと死んでよ」と言うと、富江は山本の元から去りました。
富江はその足でレストランに行くと、ウエイトレスの面接を受けて店に入ります。月子の恋人・斎賀のいる店でした。
富江が入った途端、レストランの店長もベテランの男性・門倉直人も富江の虜となります。
やがてレストランでは富江を巡って、互いが互いを殺し合う事態に発展しました。

【転】- 富江のあらすじ3

月子は細野先生に「事故のことはもう気にしない方がいい。今やらなきゃいけないことがいろいろあるのに、あなたは過去に戻ろうとしている」と言われます。
それでも月子は思い出したいのです。事故がきっかけで引っ越して、母は苦労してばかりだったので、月子はきっかけになる事故を少しでも取り戻したいと考えていました。
細野先生が「タナベ」という人物について質問します。それは月子がかつて付き合っていた同級生で「事故に遭ってすぐ振られた」と言いました。
その時、月子は同級生にとても仲の良い女性がいたと思い出します。左の目の下にほくろがある女性…でも名前までは思い出せませんでした。
原田刑事が再び細野先生を訪問します。月子の同級生・山本が見つかったというのです。細野先生は精神科医ということで、山本の元に案内されました。
山本は事件の後に精神病院に収容されており、入院中に錯乱して劇薬を自らかぶっていました。右目の眼帯は、その時の傷を隠すためのものです。
先月精神病院を脱走した後、行方不明になっていましたが、釣り銭荒らしの現行犯で逮捕されました。
原田刑事に3年前の事件について聞かれた山本は、泣き始めると「富江の頭が土の中で生きていた」と言います。
「富江はどうも人間じゃない気がする」と原田刑事は細野先生に言いました。地道な捜査で「富江は恐ろしく美しく、周りの男が狂っていき、やがて誰かが富江を殺してしまう」「しかし富江は肉体の一部からでも再生できる」「法律の及ぶ存在ではない」と結論づけた原田刑事は、それでも富江に会ってみたいと考えていました。
そして原田刑事は「富江が月子に何かしようとしている」と細野先生に言います。
レストランの店員たちの死体が発見されました。店長と門倉、大谷の3人が殺し合いをし、3人とも絶命しています。店長は傘が口に刺さった状態で発見されます。
レストランの履歴書を見た原田刑事は、川上富江の履歴書を見つけました。細野先生に電話で知らせます。
その頃、月子は隣室の部屋の扉が開いているのを見つけました。
入ると部屋の奥に親友・佳織の死体があります。富江の虜となったアパートの家主により、佳織は殺されていました。
家主が月子の顔を浴槽の水に沈め、その拍子に月子は記憶を取り戻します。高校時代に付き合っていた田辺が、富江を殺したことを思い出したのです。

【結】- 富江のあらすじ4

次に月子が目覚めると、細野先生の医院で拘束されていました。受付嬢は殺されています。
月子はそこで、蘇った富江と会いました。
3年前、月子は田辺と付き合っていましたが、田辺は転校してきた富江に心変わりしました。月子はそれが許せなくて、「バケモノ女」と書いた富江の写真を学校中にばらまきます。月子と富江は親友でもありました。
富江は斎賀も連れてきており「また月子の好きな男、とっちゃった」と言います。「でも私の他にも佳織ちゃんって子とも遊んでたんだから。知らなかったの? 相変わらずお人よしね」と言います。
月子が自分のことを覚えていないことが、富江にとっては一番腹立たしいことでした。
富江は「今日の晩ご飯」と言うと、ビニール袋に集めたゴキブリを月子に食べさせようとします。「一緒に写真撮ろうよ」と言うと、月子とのツーショット写真も撮りました。
「月子、私、あなたに言わなきゃならないことがあるの」と富江は言いかけますが、斎賀に首を切断されて倒れます。
斎賀は月子の拘束を解くと、更に再び狂ったように富江を包丁で刺すと、立ち去りました。月子は富江の遺体を持ち、医院を去りました。
医院の事件を聞いて駆け付けた原田刑事は、事件に富江が関与していることに気づき「また会いそこなったか」と呟きます。
月子は車を運転して森の中へ行くと、身体部分をおろします。続けて生首部分を車からおろそうとすると、富江の首なしの胴体が立っているのに気づきました。
朝には、すっかり富江は再生していました。
「私のこと忘れようとしても駄目よ。私たち、友だちでしょ」と言う富江に、月子は「憎んでた。友だちなんかじゃない」と返します。
「私、あなたに言わなきゃならないことがあるの。月子が忘れてる、大切なことよ」
そう言った富江は月子にキスをすると「私はあなたで、あなたは私なのよ。月子、それも忘れちゃった?」と聞きます。
月子は富江と笑い合いますが、次の瞬間、富江に発火筒で火をつけました。富江は生きたまま燃やされ、月子は「バイバイ、富江」と言います。
…後日、街頭で月子は写真を撮っていました。カメラマンになるという夢は捨てていません。
暗室にこもって現像をする月子は、写真に写った自分の顔の左目の下にほくろができていることを知りました。
「ほらねっ」と言わんばかりに、月子の後ろから富江が肩を抱いて覗きこみました…。

みんなの感想

ライターの感想

何度殺されても生き返る、ある意味最強のキャラクター『富江』シリーズ第1弾。
2016年4月現在で、劇場版は8作品、テレビドラマにもなった『富江』シリーズ。
しかし『貞子』や『伽椰子』に較べるとどうも影が薄い…それはたぶん「呪わない」からなんだろうな。
でも何度殺しても生き返って来るっていうの、考えてみたら怖いよね。
さて『富江』シリーズ、今作品がいちばん、ぬきんでてすばらしい。
詰めの甘さなどは残るものの、富江の顔を映し出すまでの「もったいをつけた」時間の、なんと長いことよ。
私は正直「こんだけハードル上げておいて、大丈夫か?」と心配したが、あっぱれ、菅野美穂! ナイス!
菅野美穂が出て来た瞬間、もうどうでもよくなった。そのくらい今作品での富江は美しい。
(そして菅野美穂の富江を見てしまうと…他のシリーズの富江が…いまいち…)
富江は2つに分断すると、2体に増殖するのだ。
月子は記憶を失ったが、その時点でどうやら「自分が富江である」ということを忘れてしまったようで…。
やや意味不明な結末になったものの、ラストは悪くなかった。特に富江が「ほらね」と覗きこむときの、いたずらっぽい表情。

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