「富江re-birth」のネタバレあらすじと結末の感想

富江 re-birthの紹介:2001年公開の日本映画。『富江』劇場版シリーズ第3弾。伊藤潤二による原作コミックを下敷きに、清水崇・監督がメガホンをとり、無邪気さと大人びた面をあわせもつ富江を描く。「ジュブナイル」の清純派女優・酒井美紀が謎の美少女・富江に扮し、妖しい魅力を放つ。

予告動画

富江re-birthの主な出演者

富江(酒井美紀)、青山巧(妻夫木聡)、青山理恵(邑野未亜 現・邑野みあ)、青山春夫(諏訪太朗)、青山孝子(冬雁子)、北村ひとみ(遠藤久美子)、細田俊一(黄川田将也)、細田朋子(中島ゆたか)、木股英雄(忍成修吾)、木股幸子(大塚良重)、佐野由美子(蜂巣友里)、バーテンダー(平井賢治)、レストランバーの店員(安田暁)、弔問客(薗博之&登場進&原ひとみ)、ノリカ(伊藤雅子)、まさる(日下慎)、ゆたか(伊藤俊輔)、ヒロアキ(鞍馬寛明)、サヲリ(伊藤絵美)、ユリ(斉藤麻衣子)、カヨ(中尾聖代)、ミサト(平岩紙)、クミ(並木理恵)、ケンジ(大内正樹)、敏朗(雑賀克郎)、サチエ(神原直美)

富江re-birthのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①美大生で新人画家・英雄はある時、モデルの富江を殺す。それを知った友人の俊一と巧は、英雄の犯罪を隠蔽するため、山奥に穴を掘って富江の遺体を埋めた。しかし富江は戻ってきて、英雄は自殺する。 ②富江は俊一にも魔の手を伸ばした。俊一は富江のとりことなり、思いつめた母・朋子が富江を殺してバラバラにするが、朋子も富江に取り憑かれて死亡。 ③巧の恋人・ひとみは富江の口紅を使ったために、富江に浸食される。巧は英雄が描いた富江の絵と戦って燃やし、俊一が燃える富江と心中。巧はひとみと滝に落ちて死ぬ。富江は巧の妹・理恵に乗り移る。

【起】- 富江re-birthのあらすじ1

木股英雄は、21歳で創美展大賞をとった、新星の若手画家です。その日も部屋にモデルを呼び、キャンバスに向かっていました。
モデルは富江と言い、左目の下にほくろのある美しい女性でした。しかし描きかけの英雄の絵が気に入らなかったのか、立って見に行った富江は、絵に大きくバツ印を描きます。
カッとした英雄は、衝動的にペイントナイフで富江を刺しました。富江は死にます。
その死体に白い布をかぶせて座りこんだ英雄は、死体を撫でつつ「愛しているよ、富江」と呟きました。
そこへ英雄の大学の同級生の親友・青山巧と細田俊一が遊びに来ます。「なんだよ、それ」と死体を見つけた2人は、英雄に協力して3人で死体を山奥に持っていき、埋めました。
巧が帰宅する頃には、もう明け方になっていました。同棲相手・北村ひとみは問い詰めますが、俊一たちと飲んでいたと巧は誤魔化します。
ひとみは前夜、巧の妹・理恵から電話があったことと、「明日来るって」と伝えました。
しかし友人の犯罪の隠蔽に手を貸した巧はまだ動揺していて気もそぞろで、ひとみはそれを「別の女がいる」と勘違いします。
脱いだ巧の服に赤い染みがあったのも、ひとみの容疑を深くするだけでした。染みは富江の死体を運ぶ時についた口紅ですが、ひとみは巧が浮気していると思います。
その頃、家に帰った英雄は、バツ印を描かれた富江の絵に、床の富江の血を塗りたくりました。
放心している英雄は、表向きは「ジレンマに陥っている」とみなされます。英雄を元気づけるために合コンが開かれ、同級生の佐野由美子が音頭を取って複数の男女が集まりました。英雄と共に俊一と巧も参加します。
合コンの最中に停電が起きました。電気が復旧した時、遅れて参加した女性が合コンに姿を出しますが、それは死んだはずの富江です。
合コンに参加していた男たちは、皆いっせいに富江を取り囲み、ちやほやし始めました。英雄は動転し、富江に話しかける男たちに怒声を浴びせます。
富江は英雄の耳元に「あたし、いつからあなたの女になったの? 人殺し」と囁きました。それを聞いた英雄は富江を殺したことを思い出し、トイレに逃げ込んで吐きます。
男性陣が富江ばかりをちやほやするので、女性陣は気分を害して途中で帰り、巧と俊一はトイレから戻ってこない英雄の様子を見に行きました。
トイレの個室の床に血が広がるのを見た巧は、ドアを開けます。中にはペイントナイフで首を切った英雄が自殺していました。

【承】- 富江re-birthのあらすじ2

その頃、巧の下宿アパートには巧の妹・理恵と共に、母・孝子も顔を出していました。母・孝子は巧がひとみと同棲しているのを知り、そのうち実家の湯の沢に遊びに来てくれと言います。
湯の沢はこれといった名物はありませんが、裏山に綺麗な滝があるそうです。しかし自殺の名所でもあり、自殺した人の霊が出るということで心霊番組などでは知られている場所でした。
英雄の葬儀が営まれます。参列した俊一は、英雄の母が英雄を放置していたから惨事が起きたのだと言い、「あの死体を確かめに行こう」と巧を誘いました。
巧は気味が悪いので拒否し、俊一は意地になってひとりで山の中を掘り返しに行きます。ひとりでシャベルで掘り返す俊一のところへ車がやってくると、車中から富江が出てきて「あなた、私のこと探してるんでしょ」と言いました。
俊一と別れたものの気になった巧は、遅れて山に行きます。そこで、俊一が富江をシャベルで撲殺する現場を目撃し、慌てて隠れました。
俊一はそのまま富江を埋めます。
バーで飲む巧とひとみのところへ富江が現れると、巧に親しげに話しかけました。「どうして助けてくれなかったの? 目、合ったでしょ?」…富江が俊一にシャベルで撲殺された時のことです。
自分の存在を無視して話しかけてくる富江に、ひとみは怒りました。ひとみは巧を連れて店を去りますが、富江は「また会いましょう」と声をかけます。
帰宅したひとみは、富江との関係を巧に問いますが、巧は話をはぐらかすことしかできませんでした。本当のこと(英雄や俊一が富江を殺したこと)は言えず言葉を濁したことから、ひとみは富江が浮気相手ではないかと疑います。
その頃、富江は俊一宅を訪問し、俊一は富江のとりこになりました。富江を部屋に住まわせる俊一に母・朋子が「そろそろ帰った方がいいんじゃない?」と声をかけますが、富江は朋子の弱みを突きます。
朋子は若い頃、俊一の父に捨てられそうになって殺しており、俊一には「父は死んだ」と言いました。それを知る富江に朋子は恐怖します。
母・朋子は富江を疎ましく思い、寝ている富江をベルトで絞め殺しました。その後、風呂場で富江をバラバラに切断しようとする母・朋子を見つけた俊一は、一緒に解体作業を手伝います。
2人で仲良く富江をバラバラにしながら「やっぱり男の子ね。力あるわ」「よく昔こうして工作、作ったわね」と朋子は言い、切り分けた富江の死体をごみ袋に分け、団地のゴミ捨て場に捨てに行きました。

【転】- 富江re-birthのあらすじ3

ところが富江の生首が2人を追いかけてきて、生首から両手が直接生えます。母・朋子は富江の生首をつかんで近所の焼却炉に入れると、火をつけました。
しかし母・朋子は妙な病気にかかり、他界します。葬式に行った巧は、朋子の顔一面に髪の毛が生えているのを見ました。
俊一は「大丈夫。心臓は止まってるんだ」と言います(注:富江解体作業の際に、母・朋子が顔についた髪の毛を払うシーンがある。この時に富江の髪の毛が朋子の口中に入り、それで富江の髪の毛が生えてきたのではないかと思われる)。
富江の魔の手は巧にも襲いかかります。
巧は、気になりながらも富江を恐れていました。合コンの音頭を取った由美子に問い合わせて、あの女性の名が富江だということを知ります。由美子は「誰もあの子を呼んでいない」と言いました。
英雄の家を訪問した巧は、英雄の母・幸子から「あの子の部屋でも見てやって」と言われ、部屋に通されます。
英雄の部屋で、巧はひとみの写真を見つけました。英雄は、巧の彼女のひとみに横恋慕していたのです。それを知った巧は驚き、ちょうどその時に英雄の母・幸子に声をかけられたことから、床に見つけた富江の口紅を反射的にポケットに入れてしまいます。
幸子は「ゆうべ夢に見てね。その絵、巧くんに渡してくれって」と言い、英雄が最後に描いていた絵を巧に託します。絵を見ると、富江の顔が2つに分かれて増殖している不気味な絵になっていました。
持ち帰ったものの気味が悪い巧は、絵を妹・理恵に渡して実家の納屋に入れておくよう頼みます。
巧は英雄の気持ちをひとみに告げますが、ひとみはそれを「富江との関係を誤魔化すために」「自分と別れたいために」言っているのかと誤解しました。巧とひとみは口論になります。
理恵が巧の脱いだコートから口紅を見つけ「浮気?」とひとみに打診しながら渡しました。ひとみは口紅を受け取って、ひとりでいる時に唇に塗ってみますが、すぐに拭きとります。
しかし…富江の使った口紅を塗ったことから、ひとみもおかしくなってきました。放心状態になったひとみは、段々記憶がなくなって行きます。富江に浸食されているのです。
俊一と朋子が富江を殺す夢や、富江を切断する様子なども夢に見ました。実際には夢ではなく、脳の回路が富江の本体と繋がっていて、同じ風景が見えたのです。
初めて巧とデートで行った場所を思い出せないひとみを見た巧はやっと異変に気づき、原因を考えました。
ひとみに「口紅を1度だけ使った」と聞いて、やっと巧はひとみが富江に侵されているのだと理解しました。
富江が死に、富江の名残りがひとみにしかなくなった時、俊一が巧宅に侵入し、放心状態のひとみにキスします。巧は俊一を殴って追い出しますが、「やきもち焼いてるの、巧」と言うひとみは既にひとみではなく、富江そのものでした。

【結】- 富江re-birthのあらすじ4

正気に戻ったひとみは、白い夢を見ていたと言います。巧は夢の詳細を聞き、ひとみは思い出すかぎり答えました。
犬が吠えていて、女の子が入ってきて、丸い棒と、タイヤのようなものが見えていた…そう答えたひとみの言葉で、巧は「あの絵だ」と思い至ります。
気味が悪いので妹・理恵に持たせた絵が置かれている、納屋の光景なのでした。
絵がなくなれば、ひとみから富江を追いだせるのではないかと巧は考え、ひとみを連れて実家の湯の沢に行きます。
外には俊一が待ち伏せしており、巧とひとみを車で追いかけてきました。しかし巧は俊一どころではありませんでした。
実家では、何も知らない両親と妹・理恵が平和に暮らしています。犬だけが異変に気づいて吠えていました。
犬に餌をやった妹・理恵は、ふと気になって納屋を見に行きますが、照らしていた懐中電灯が消えます。富江の絵から手と髪の毛が出てきました。理恵は消えます…。
…実家に着いた巧は、ひとみを助手席に残して納屋に入りました。絵を見ると、女性が描かれていた部分だけが空白になっています。
巧の背後に富江が立って「会いたかった。来てくれたのね。あなたは優しくしてくれた。友だちと喧嘩してまで私を守ってくれた」と言いました。巧は「違う。俺はひとみだけを」と答えます。
「お前は何者だ」と巧は聞きますが、富江は「じゃ、あなたは何者?」「自分のことさえ分からないくせに」と返しました。
車の助手席からひとみが出てくると富江と対峙します。富江はひとみに「あなたは私、まだできそこないみたいだけど」と言いました。
富江はひとみを、ひとみは富江を殺してくれと巧に頼みます。追いつめられた巧は富江に灯油を投げつけると、ライターで火をつけました。
燃える富江に、追いついた俊一が抱きつき、俊一もいっしょに燃えます。
巧はひとみを連れて裏山の滝へ行き、「行こう、2人で」と心中しようとしましたが、ひとみが正気に戻ったので巧は「生きよう」と決意しました。
しかしそれは一時的なものでした。ひとみの首から富江が生え、2つの顔ができます。ひとみと巧は滝に落ちました…。
…後日、裏山の滝に花を手向ける妹・理恵の姿がありました。理恵が滝に投げた花を、掴んで水中にひきずりこむ白い手が見えます。
それを見た理恵は微笑します。理恵の左目の下にほくろが浮かび上がりました…(巧が富江と対決する前に理恵が消えている。この時に理恵は富江に乗り移られたのではないかと思われる)。

みんなの感想

ライターの感想

やっぱり清水崇・監督だけあって、湿度の高い「日本的な怖さ」がよく表現できている。
関わった男たちの生活がどんどんおかしくなっていくさまを、きちんと描き分けているのも秀逸。
特に映画中盤で、母・朋子が富江を殺してバラバラにしている時、息子・俊一もその作業を手伝うというくだり。
バラバラに死体を切り刻みながら、会話している内容は母と息子の他愛ない昔話。
しかもそのあと、団地に捨てに行く途中も「いままでは富江ひとすじで母親を邪険にしていた息子」「憑きものが落ちたように、母親思いの息子」後者の部分がよく出ていて、なんとも気味悪い。
しかもそのあとに、生首&両手のバージョンの富江登場。こ、これは…ただの生首、ただの両手なのに、2つが加わるとこんなに気持ち悪いんだ…と唸ってしまった。
「富江の美しさと魅力を語らせたら『富江』(1作目)」「正統派のホラー的な怖さでいえば、今作品(re-birth)」「グロテスクな展開を望むなら『アンリミテッド』」だと思う。

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