「日本のこわい夜」のネタバレあらすじと結末の感想

日本のこわい夜の紹介:2004年公開の「感染」「予言」をはじめとしたJホラーブームに合わせ、TBS系列「水曜プレミア」の特番として制作、放映されたホラー・オムニバス作品。プロデューサーは一瀬隆重、監督は「ほんとにあった!呪いのビデオ」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋、「予言」「おろち」の鶴田法男、「呪怨」「ラビット・ホラー3D」の清水崇、「感染」「シャッター」の落合正幸。物語をけん引する”かたりべ”役を個性派女優白石加代子が演じている。

日本のこわい夜の主な出演者

かたりべ(白石加代子)、山崎(遠藤章造)、小寺(中村俊介)、管理人(嶋田久作)、大木真由(山田優)、石黒(杉本哲太)、俯川(香川照之)、白いコートの女性(小島聖)など。

日本のこわい夜のネタバレあらすじ

【起】- 日本のこわい夜のあらすじ1

◆イントロダクション「こわい話、聞きたいですか?」
監督・脚本/中村義洋、共同脚本/鈴木勝秀、出演/かたりべ(白石加代子)、運転手(森下能幸)

深夜、路線バスの停留所”夜ヶ丘霊園”から乗り込んできた和装の中年夫人。彼女は、最前列の席に座り、運転手に「怖い話聞きたいですか?」と何度か聞き、彼が嫌がるのもかまわず話を始めます。
それは深夜、乗客のいない路線バスが団地の停留所に女の子が1人立っているのを見かけ、乗せようとドアを開けるが誰も乗らず、見間違いだと思って走り出すと、甲高い声で「降ります」と言われ、見ると後ろの座席になぜか日本人形があったと言う話でした。
運転手は恐ろしさのあまり思わずバスを停めますが、夫人は視聴者に向かって「あなたも怖い話聞きたいですか?」と語り始めます。

◆「くも女」
脚本/監督/中村義洋、出演/山崎(遠藤章造)、長谷川(岡田義徳)、編集長(山口美也子)、朱美(杉原あんり)、紗枝子(小松愛)、朱美の母知子(深浦加奈子)、大学生の車の女性ゆかり(真木よう子)など。

深夜、男性4人、女性1人が乗った車が郊外を走っています。彼らは”ジェットババァ””人面犬”などの都市伝説の話をしながら、高架下のトンネルへと差し掛かります。が、トンネルの出口で四つん這いになった女を見かけ、見物しようとその脇を通り過ぎた途端、パニックになり猛スピードで逃げ出します。
話をしていた女子高生たちは「顔は人間」「足が8本あった」と言いますが実際に見た者はおらず、取材していた三流週刊誌の編集者山崎と長谷川は、全員死んだオチに脱力します。
編集部では”私も見た!!恐怖のクモ女”の続報企画が進んでいて、大反響だった第1弾に気をよくした編集長は満面の笑みで2人を励まします。ベテランの山崎は適当な情報をあったことにすればいいと言い、ホラー嫌いの長谷川は、俺こういうの苦手なんすよとビビッています。
山ほど寄せられたクモ女の情報とは、クモ嫌いの女がクモを殺すうちクモと合体しクモ女になった、昼間は普通の人間だが夕方になると変身する、襲われればクモの糸でぐるぐる巻きにされ、殺されるかクモ人間になる、二重瞼の人間を好んで襲う等々で、襲われた時には、その天敵の”ベッコウバチ”と大声で何度も唱えれば撃退できるとか。
また、多くの情報が千葉県神谷市から寄せられていたことから、山崎はそこを噂の発信源と限定し、長谷川に取材に行くよう命じます。
翌日、長谷川は具体的な目撃情報があった神谷市北部23号バイパスの下太田トンネルに取材に向かいますが連絡が途絶え、その翌日、山崎が向かう事に。
彼は、クモ女が出るというレストランに行きますが、噂の女は単なる辛いモノ好きの変わり者でした。が、下太田トンネル脇の「くもおんなさん、もう出てこないでください」の看板に花を供え手を合わせる女子高生紗枝子を見て、話を聞きます。

紗枝子は、実際にクモ女に友だちの朱美が襲われたが、警察が信じないと憤慨していて、彼を朱美のマンションへと案内します。彼女は部屋に勝手に上がり込み、自室のベッドで黙り込む朱美に、この人は雑誌の取材の人で、ちゃんと話を聞いてくれると紹介します。
朱美は、堰を切ったように自分の襲われた状況を超早口で語り、メモを諦めた山崎はレコーダーを回します。彼女は先月の部活帰りに噂通りの奇怪な女に襲われ糸で巻かれ、目覚めたらトンネルの天井に糸で逆さに吊るされていたと言いますが、レコーダーは不調となり、彼女の口にはねばねばの糸が絡みます。
そこに朱美の母親が帰宅し、山崎は焦って名刺を渡し先月の事故の取材だと言いますが、紗枝子はただノートを渡しに来ただけと言い、帰ってしまいます。怪訝そうにしていた母親は、彼が本当の記者と知るや態度を変え、リビングでお茶を出しスリッパを履かせます。
山崎はテーブルに自社の雑誌があるのを見てクモ女の話を切り出しますが、母親はいるわけないと笑い、あの子は困った子で、父親が早くに亡くなり寂しい思いをさせてるからかもとこぼします。けれど記事には興味を持ち、唐突にクモのメスはオスの何倍もあり交尾後に雄を食べてしまう、残酷ですよねとさも愉快そうに声を上げて笑います。が、それはカマキリじゃないですか?と言う彼に憤慨し、キッチンに駆け込んでしまいます。
山崎は西日に染まる窓を見て”夜になると変身する”と言う情報を思い出し、スリッパが糸で張り付いている事に気づきます。が、奥の部屋からは「マジ怖いんすよねぇ、止めてくださいよぉ、オレ、こういうの苦手なんすよねぇ…」という長谷川の声が響き、朱美の部屋のクローゼットの中で、糸で巻かれた彼を見つけます。愕然とする彼の背後で布団が蠢き、布団の左右が盛り上がり、歯を剥いた朱美がシューシューと威嚇します。
リビングには目が8つある母親がいて、”ベッコウバチ”と唱えながら粘つく部屋の中をよろよろと逃げる山崎の様子を、じっと見つめていました。
彼は車でトンネルまで逃げますが、クモ女と化した朱美に襲われトンネル脇のフェンスに激突、追って来た母親は巨大な肉色のクモに変身し、車から這い出した彼に襲いかかります。
深夜、トンネルを通り掛かった5人の男女が見たモノは、ジェットババアでもクモ女でもなく、クモ男に変身した山崎でした。

◆「すきま」
脚本/高山直也、監督/鶴田法男、出演/小寺(中村俊介)、管理人(嶋田久作)、清水(山崎樹範)など。

ある雨の日、友人の清水のアパートの管理人から連絡を受けた小寺は、3か月間家賃を滞納したので様子を見に行ったら妙な事になっていたと言われ、部屋に案内され、全ての隙間が赤いテープで目張りされているのを見て唖然とします。
彼は管理人と共に部屋を片付け、部屋を調べますが、デスクの引き出しには赤いテープが何本も入れてあり、ワープロには「見られてる」と言う文字が延々と打たれていました。また、旅行用カートや着替えはそのままで、取材旅行の可能性も無いようです。
管理人は、清水のビールを勝手に飲みテレビを見ながら寛ぎ、断わりも無く旅行に出ることは無かったと言い、小寺の分を取りに冷蔵庫に行きますが、缶の落ちる音がしてこつ然と姿を消します。小寺がこぼれたビールを拭いていると笑い声がし、テレビを消すと、暗くなった画面に彼の背後に立つ白い服の女が見えます。彼は「バカな」と呟き、テレビの上のハンディカメラを接続して見始めます。
それは所々砂嵐で途切れ、清水がどこだ!と叫び、狂ったように隙間を撮る映像とテープだらけの室内、そして狂った笑いを浮かべワープロを打つ彼が笑い声を聞いてパニックとなり、「止めろー!」と叫んで部屋のどこかに引きずり込まれる映像で、見終わった途端、ブツリと電源が切れます。
見るとコンセントが外れていて、手を差し入れると、何かが彼の手を掴み慌てて引っ込めると、腕には掴んだ手形が付いていました。同時に、部屋の至る所から笑い声がして、所々の隙間から不気味な手が這い出てきます。
彼はようやく事態に気づき、机から赤いテープを取り出し部屋中の隙間を塞ぎ始めますが、笑い声は一向に止まりません。
振り返った彼は、赤いテープの入っていた引き出しが開けっ放しになっている事に気づき、閉めようとしますが、中から出てきた手に掴まれ絶叫します。
引き出しの中には真っ暗な闇が広がっていました。

【承】- 日本のこわい夜のあらすじ2

◆「大生首」
監督/脚本/白石晃士、共同脚本/横田直幸、出演/大木真由(山田優)、鎌田玲子(白羽玲子)、福田係長(村杉蝉之介)、真由の父(モロ師岡)、母節子(浅丘めぐみ)、祖母照子(花原照子)など。

大木真由は、幼い頃奇妙な体験がありました。それは田舎の実家で深夜、仏壇に熱心に経を唱えていた祖母が、次の瞬間、巨大な首だけのオバケに咥えられているのを見た記憶でした。
東京でOLとなった彼女は、ネ暗な係長福田に告られ速攻断った事から、デスクにセミの死骸が置かれていたり、自宅マンションに呪術の儀式のような文様が描かれるようになります。同僚の礼子にも、福田をフッたことで呪われ、辞めた女子社員がいるから気をつけた方がいいと忠告されます。
季節は夏で、母親が倒れたと聞いた真由は休暇を取り帰郷します。彼女の実家は古い田舎家で、ただの過労だと言い布団に横になっていた母親と会い、胸をなで下ろします。
彼女は同じく休みを取った父親と共に仏壇に手を合わせるうち、ふいに、祖母が亡くなる前の晩、この仏間で大きな首だけのオバケを見て怖かったと打ち明けます。父親は、あの日は入院していた母親の容体が悪化して駆けつけたが持ち直し、その翌朝、布団の中で祖母が亡くなっていて大変だったとこぼし、母方の祖母なので何か因縁があるのかもと笑います。
が、そこに近所の年寄りが現れ、真由に「お前、母ちゃんよぉく見とけ、今のうちだ」「母ちゃんはお前のために死ぬ」と喚き、「もうすぐ出るぞ」ほらそこにと、仏間の隅、彼女が昔、首のオバケを見たまさしくその場所を指差します。年寄りはボケててすみませんと謝る孫の青年に連れて行かれます。
その夜から、母親は2人が止めるのも聞かず起き出し、仏壇に一心不乱に経を唱えるようになります。
翌朝、真由は、居間の天井にマンションの扉と同じ文様が浮き出ているのに気づき、用を思い出したから一旦帰るが今夜には戻ると言い、福田のアパートに向かいます。母親は真由の写真を見ながら一心に経を唱えていました。

福田のアパートに行った真由は、彼が大きな紙袋とリュックを持って出て行ったのを見て中に入ります。部屋は件の記号と無数の呪物、呪文が書かれたたくさんの女性の写真とビデオで埋め尽くされていて、彼女はその中に自分の写真とビデオを見つけ、これまでの不気味な出来事が彼の仕業だと確信し吐き気をもよおします。彼女の腕には、その記号がうっすらと浮かび上がっていました。
その夜、実家に戻ると、経を唱え続けていた母親は体調が悪化し寝込んでいて、居間の天井の記号はさらに大きくなっていました。
深夜、母親は再び起き出して経を唱え、その声に福田らしき男の呪文が被ります。福田の悪夢にうなされていた真由の寝床にはボタボタとセミや蛾の死骸が落ちてきて、腕の記号はさらに濃くなっていきます。やがて真由は「もうすぐ出るぞ!」という声で目覚め、虫の死骸に驚き飛び起きます。
腕の記号はミミズ腫れになり、居間の天井の記号も一層濃くなっていました。彼女は幼い頃と同じく仏間の扉をそっと開け、一心に経を唱える母の背に「お母さん」と声を掛けます。
その瞬間、仏壇の蝋燭が消え、母の姿も掻き消え、仏間の隅に巨大な生首が出現し、ぐったりした母親の下半身を咥えていました。その白く濁った眼の中に無数の眼が浮かぶのを見た彼女は悲鳴を上げます。
翌朝、彼女は虫の死骸だらけの布団で目覚めますが、腕の記号と天井のシミは消え、母親は仏壇の前で息絶えていました。同じ頃、福田も自室で謎の死を遂げていました。
彼女は、会社を辞めて実家に戻り、祖母は母を病気から守り、母は自分を福田の呪いから守ったと信じ、今日も仏壇に手を合わせます。

◆「こわい話、聞きたいですか?」②
かたりべ(白石加代子)、運転手(森下能幸)、中年男(我修院達也)、赤いスーツの女(山本ルミ)

深夜の路線バスに乗っていた男は、窓に映った反対側の席の和装の中年夫人と目が合います。すると夫人は彼の隣に移り、「後ろの席に座ってる20代後半の美しい女性とはどういったご関係?」と聞くと、最後尾の座席に前の席の背もたれを両手で掴み睨んでいる赤いスーツの女が現れます。
男は何年か前に見かけて、イイ女だと思って気になった、でも前の座席を掴んで揺らしていたので「大丈夫ですか?」と声を掛けた、女は「畜生!」と唸って消えたが、以来何年もつきまとわれて困ってると話します。
夫人はこのままにしてると取り殺されるから、私が言って聞かせると言い、女の隣に移り、女をじっと見つめます。女は夫人を一瞥すると黒い霧となって消えて行きます。
夫人は「彼女、解ってくれた。もう出てこないわ」と言い元の席に戻りますが、彼を見て微笑んでいる夫人の姿は窓には映っていませんでした。

【転】- 日本のこわい夜のあらすじ3

◆「金髪怪談」
監督/脚本/清水崇、出演/石黒(杉本哲太)、専務の愛人(Svetlana Oliveres)など。

社用でハリウッドに来た石黒は、目抜き通りを闊歩するアメリカ人女性を見て、やっぱ本物の金髪、パツキンは違うよなぁ!と大はしゃぎして、タクシーの運転手も渋い顔をしています。
彼は、宿代わりとなったバカンス中の専務の愛人宅で部長への連絡を終え、ルージュの付いた飲みかけのグラスや黒い下着、金髪の愛人の写真などを手に取り、いいなぁとため息をつき、ベッドでうたた寝を始めます。少ししてふいに目覚めますが、扉の影を金髪の女性が横切った事には気づきません。
彼は、棚に並んだ高級酒を一口すすってベッドに戻り、再びうとうとし始めますが、足に裸足の女性の足が絡み、ニヤつきながら寝返りを打つと、隣に豊かなブロンドの髪があるのに気づき飛び起きます。時はすでに夜で、彼はサイドテーブルにあった恋愛もののペーパーバックを何度も見ますが、関係が有ろうはずがありません。
その時部長からの電話が鳴り、バカンス中だったはずの専務が自殺したからホテルに移れと言われます。彼は慌てて支度を始めますが、ベッド脇の床にトランクを置き荷物を詰めていると、手に長い金髪が絡みつき、ベッドの下が血だらけな事に気づきます。そこには、専務の愛人の死体が隠されていたのです。石黒は泣き笑いで怯え焦りますが、スタンドライトが消え、ベッドの上は金髪で溢れています。
やがてその中心部から目を剥いた愛人が現れ、睨みつけられた彼は「パツキ~ン!!」と情けない悲鳴を上げます。

◆「予感」
監督/脚本/落合正幸、共同脚本/大野敏哉、出演/俯川(香川照之)、エレベーターの老人(梅野泰靖)、老女(大方斐紗子)、白いコートの女性(小島聖)、白手袋の男(山田明郷)、勝俣(伊藤正之)、エレベーター会社の監視員(近江谷太朗)など。

信販会社勤務の俯川は、残業のふりをして監視カメラの撮影範囲を調べ、社内の見取り図に上司の勝俣のデスクまでの経路を書き込みます。勝俣本人にも声を掛けられますが、デスク脇のカートを見せ、自分は明日から旅行だから残業しますと取り繕います。
やがて1人になった彼は、カートからデイバッグを取り出し、デスクの下を這い、勝俣のデスクへとたどり着きますが、胸ポケットの携帯からは、目的地に着いた妻と幼い娘から、予定通り明日の朝には来てと留守電が入ります。
彼は勝俣のパソコンのロックを解除し、顧客リストをDVDにコピーします。その時、留守電にはハルミから電話があり、ほんとに来てくれるのよね?!あなたを信じて9番線のホームで待ってます、でも19時49分の最終に来なかったら飛び込んで死んでやるから!とメッセージがあります。
彼がコピーしたのは約30万人分の顧客リストで、名簿屋に流せば500~1000万円もの価値があり、彼の脳裏には彼を取り逃がし慌てる上司たちと夫が行方知れずとなり戸惑う妻子の様子が浮かんでいます。

彼は廊下で警備員をやり過ごしエレベーターを呼びますが、中には和装の老女とスーツの老人、白いコートと帽子に白手袋の清楚な女性が乗っていて彼を見つめ、その視線に戸惑いつつ乗り込むことに。
けれど箱はなぜか上がって行き、彼が小声で「しまった」ともらし慌てて別の階を押していると、老人が声を掛けます。その時ハルミから電話があり、彼女は言い訳する彼にイラつき怒り出しますが、圏外となり切れてしまいます。その直後、電気が瞬き非常用電源に切り替わり、箱は15階で止まってしまいます。
けれど3人は取り乱す様子も無く、女性は懐中時計を見ていました。老夫婦は彼の待ち受けの娘の写真を見て、おいくつ?旅行にはお嬢さんも一緒に行くの?と聞き、彼が5歳だと答えると老人は「それは辛いな、愛する者を持てば、生きる事に喜びが生まれる、しかし同時にいつか来る別れに怯える事になる」と言います。すると女性がきつい口調で「この方に今その話をして何の意味があるんですか」と諌めます。老女は幼い頃に亡くした子がいたが今は一緒ですと微笑み、老人が今では心で通じ合えると言う事だとフォローします。
その時電波が入り、彼はエレベーターの連絡先に電話しようとしますが、ハルミから電話がありやむなく取ることに。
彼女はまだ会社にいると言う彼に激怒し、やっぱり来る気なんか無いんだ、19時49分に来なければ死んでやる!あなたとあなたの家族を呪ってやる!!と激怒しますが、携帯の充電が切れてしまいます。時間は18時42分、約束の時間までは1時間足らずです。電話の声は筒抜けで、老夫妻は呪うなどとと言う言葉は生きてる人間が使う言葉じゃない、たとえ死んでてもだと眉を顰めます。
彼は3人に携帯を貸してくれとすがりますが、老夫婦は持ってないと言い、女性には電話が使えないと言われます。彼は落ち着き払う老夫婦にイラつき、19時49分にはどうせ間に合わないと言う女性に、あなただって時間を気にしてたはずだと怒鳴り、予定はあるがここから出る必要は無いと言われます。

その時、インターフォンから声がして管理会社と連絡が取れますが、相手は大げさに状況を伝える俯川に、30分ほどで救出に行けると言い、再度人数を確認します。彼はイラつきながら4人だと訴えますが、相手は監視カメラにはあなた1人しか映ってないと言い、落ち着いて冷静に救出を待ってくださいと話し、途切れます。
老人は静かな声で「待ちましょう。いくらもがいても逆らえない事がある」と言い、老女はお嬢さんとはまた会えますと微笑んでいます。お嬢さんとはいつかきっと旅に行ける、人はいつでも旅を続ける…と。それは”カメラに映らない人々”の死への旅路を示唆した言葉でした。
怯えた彼は、カートからデータのDVDを出し、こんなこともうしません!と床に這いつくばり謝りますが、女性は「騒がないで!見たくない」と目を背け「あなたが悪い事したからじゃないの」と言います。
その時、エレベーターがガクンと揺れインターフォンから再び連絡が入ります。怯えきった彼は受話器に飛びつきますが、相手は冷静に箱を17階に固定したら救出すると話していました。箱は何度も大きく揺れ、3人はパニックになる彼を憐れむような目で見下ろして首を振り、老婦人は憐れみの涙すら浮かべています。
が、その時、エレベーターの扉がこじ開けられ、飛び出した彼はエレベーター会社の監視員に抱きつき、中に3人いるだろ?と聞きますが、彼はいませんと言い、閉所恐怖症ですか?こういう時幻覚を見る方もいると言われます。俯川はバツが悪そうに床に散らばったDVDを拾い集めますが、その鏡面に3人の姿が映っている事には気づきません。
1階に着くと彼は、病院に行きましょうと言う監視員に憤慨し、カートを押しながら足早に去って行きます。

【結】- 日本のこわい夜のあらすじ4

ビルの外は大掛かりな工事中でしたが、彼はその一角にあるテラスに座り、小心者が大胆なことするからだと呟き、幻覚だと思い込もうとします。また時刻も約束まであと数分と迫っていて、俺の人生終った!と呻きます。
が、次の瞬間、彼は向かいのテーブルに座るエレベーターの3人を見て愕然とします。その姿はウェイトレスにも見えておらず、彼はカートを大事そうに抱え再び歩き出します。
彼が去ったテラスには、黒いスーツに白手袋の男が現れ、3人に「先ほどは失礼しました。時に死の運命にはズレが生じます。でもワイヤーに絡んだ死であることは同じで、次の瞬間がその時です」と話しかけます。
その時俯川は、道路の前で立ち往生し、その上にはワイヤーで釣られた鉄骨がぶら下がっていました。老人は古いカメラを構え、老婦人はサングラス、女性はオペラグラスで彼をじっと見つめています。その瞬間、ワイヤーが切れ、俯川は崩れた鉄骨に頭を直撃され死亡します。
白手袋の男性は「死とは惨いものだが、死を知ることで命を実感できる」と大仰に語り、にっこりと微笑んで3人を次の現場へと誘います。が、老婦人が「次は19時49分の最終電車に飛び込む女の人?」と聞くと、あの女性は49年も先に3人の子供と7人の孫に看取られながら亡くなりますと笑います。
そして、次の死は、とある郊外の病院で一夜にして多くの看護師と医師が未知の病原体に感染して凄惨な死を遂げますと話します。
女性は俯川の遺体の傍らに立ち、「ねぇ信じて。そんな女ばかりじゃない、男のために真剣になる女もいるの。私は来ることの無かった男を待って自殺したの。銃で頭を撃ち抜いて。その男を愛し続けたかったから」と打ち明けます。白い帽子の下には無残な銃痕がありました。
3人は黒いスーツの男と共に消えて行きます。そして俯川もまた、破壊された肉体を離れ、歩き始めます。

◆「こわい話、聞きたいですか?」③
かたりべ(白石加代子)、運転手(森下能幸)、女子高生(笹岡莉紗)

路線バスでうたた寝をしていた女子高生は、最後部の座席の中年夫人に「怖い話聞きたいですか?」と言われて起き、聞きたい!と答えます。
夫人は彼岸に両親と墓参りに行った女子高生の話を始め、その晩から、女子高生の元に幼い頃彼女を可愛がっていた祖母が現れ、日を追うごとに彼女に近づいて行くと話しながら、夫人も祖母と同様彼女の座席に少しづつ近づいて行きます。
やがてバスは路肩に止まり、中から怯えた運転手と女子高生が謝りながら、ほうほうの体で逃げ出していきます。
夫人は、視聴者に向かって「怖い話、今夜はこれでお終いです。おやすみなさい」と微笑んでいました。

みんなの感想

ライターの感想

2004年と言えば清水崇監督の「THE JUON/呪怨」がハリウッドリメイクされアメリカで大ヒット、日本では、一般に知られていなかった清水監督が、堂々凱旋していきなり文化人扱いとなり、本作のプロデューサー一瀬隆重氏が仕掛けたJホラー旋風が吹き荒れ、OV版「呪怨」伝道師(自称)としてはなぜか会う人ごとに清水監督スゴイじゃなーい!とか、逆に「呪怨」(OV版)やっと見たけど大爆笑したといきなり揶揄されたりと苦い思い出の年で、期待度120%で本作を放映チェックして唖然としたと言う思い出の作品です。
こうして改めて見ると、クモ女の特殊メイクはイケてるし、朱美の母役深浦加奈子の嬌笑は耳に残るし、どれを取っても空気感最高だし、白石監督の呪いグッズのセンスも全開だし、なによりあの!白石加代子をホラー枠で登場させた偉業も外せません。
清水監督のドヤ顔的な「金髪怪談」と、落合監督の「予感」のラスト、同監督作「感染」(同2004年公開)へのあからさまな前振りはご愛嬌、今となっては懐かしいばかりの満腹の佳作です。

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