映画:楳図かずお恐怖劇場 ねがい

「楳図かずお恐怖劇場 ねがい」のネタバレあらすじと結末

楳図かずお恐怖劇場 ねがいの紹介:楳図かずおのデビュー50周年を記念し制作された2005年公開のホラー作品全6作の1本。手作りの不気味な人形”モクメ”が動き出すトラウマ漫画「ねがい」の実写化作品。監督は「蛇女」「ユメ十夜(「第四夜」)」の清水厚。脚本は「蟲師」(2007年実写版)、「スチームボーイ」などのアニメ作品の脚本で知られる村井さだゆき。主演は「身毒丸 ファイナル」(舞台)の笠原織人。オープニングテーマはルルティアの「蝶ノ森」。

楳図かずお恐怖劇場 ねがいの主な出演者

柚木等(笠原織人)、その母悦子(遠山景織子)、その父善郎(尾美としのり)、浦野智子(奥村夏未)、同級生(米谷真一)など。

楳図かずお恐怖劇場 ねがいのネタバレあらすじ

【起】- 楳図かずお恐怖劇場 ねがいのあらすじ1

-子ども部屋 そのドアの向こうは 自分だけの空想が 自由に羽ばたく独立国 そこでは時々 ”ねがい”が かなうという -

◆1日目
都内近郊に住む小学6年生柚木等(ヒトシ)は、真面目で成績優秀な良い子ですが、消極的なため友だちがいません。帰り道にある廃品置き場では、ゴミを漁っていたホームレスの老婆にも挨拶しますが、無視されます。
母親は優しい専業主婦で、帰宅した等におやつを勧めますが、等は真っ直ぐ2階の子供部屋に行き、夜には雨で曇った窓に、指で”ともだち”と書いていました。
◆2日目
下校の時、等は工作の本立てを女子に誉められ、あげようか?と言いますが断られます。また、廃品置き場では老婆が倒れて笑っていたため、遠回りして帰ることに。
それは初めて通る道で、細い路地や木造の古い建物や広場があってワクワクしますが、薬屋の前のゴミ置き場では丸い木片を見つけ「目をつけたら人の頭みたいだ」と考え、持ち帰ります。
彼は自宅に戻るなり彫刻刀で彫り始めますが、母親に呼ばれて驚き、指をケガしてしまいます。しかし、痛がる彼や机の上の削りカスを気にする母親を「大丈夫だから出てって!」と追い出します。

◆3日目
学校の掃除時間、等は理科準備室を探して眼球模型などを持ち帰ります。
◆4日目
等が針金を買いに行くと出て行った後、母親が子供部屋の様子を見に行きますが、机の上には釘の尖った方が突き出るようにぐるりと打ちつけられた、かまぼこ型の板が置いてあるだけで、机の下の丸い物には気づきませんでした。
その夜、母親は父親に「等には友だちがいないようだから、学習塾に入れたらどうか」と相談しますが、「成績がクラスで一番なのに、”友だち作り”のために塾にやるなどばかばかしい」と聞き流されます。
等は部屋で、丸い木片に白いビニールを打ちつけていました。

◆5日目
等の部屋を見に行った母親は、等のシャツを着た誰かが椅子に座っているのを見て振り向かせ、悲鳴を上げて腰を抜かします。
それは等と同じ背丈の人形で、等の服を着ていましたが、頭部には白いビニールがステープルで貼り付けられ、髪はまばらに打ちつけられた長い革紐、目は眼球模型、口は釘を歯に見立てた板で出来ていて、体や手足は針金で繋がれた木片という不気味なモノでした。
そこに等が帰ってきて「母さん!ダメじゃないか!」と叫んで人形を助け起こします。
彼女は咄嗟に「そんな気味の悪いモノじゃなくて、友だちと遊んだらどうなの?」と言いますが、等は「気味悪くなんかないじゃないか!髪の毛なんかつけるの大変だったんだぞ!こうすればちゃんと口だって動くんだ!」と怒鳴って、人形のアゴに付いた紐を引っ張って見せます。
そして人形を庇うように仁王立ちになり、「友だちなんてべつに欲しいと思わない!いなくたってちっともさびしくなんかない!」と怒鳴ります。
母親はただ怯えて、逃げ出すしかありませんでした。

【承】- 楳図かずお恐怖劇場 ねがいのあらすじ2

◆6日目
等は、部屋では人形と並んで過ごし、学校でも人形の事ばかりを思ってモクメと名付け、母親にも「もう2度とモクメに乱暴しないで」といい、「本当に動いたらいいのに」と思い始めます。
その夜、母親はテレビの”超能力スペシャル”を見ていた父親に等の人形の事を打ち明けますが、彼はむしろ等が1人で人形を作り上げた事に感心します。また等に「”ねがい”ってどうやったら叶うの?」と聞かれ、「父さんが子供の頃は、流れ星が消えないうちに願い事を唱えたりしたもんだ」と答えます。
テレビでは、超能力者の念力で、自動車が動き始めていました。

◆7日目
翌日、学校は超能力番組の話でもちきりで、手品だと言う子もいましたが、等は「あれは宇宙のエネルギーだ」「大昔の人は誰でもそのエネルギーによる念力が使えたが、現代人が忘れてしまっただけ」と断言する同級生に、その力を使って願い事を叶える方法=「精神統一しやすいなにかを見つめて念力をかけ、触りもしないのにそれが勝手に割れたら願いが叶う」と教わります。
等はその晩から、机の上のスタンドを見つめ「モクメが動きますように」と念力をかけるようになります。
◆8日目
朝、母親はその事を父親に打ち明け、父親は「子供の頃は誰でもそういった空想に夢中になるが、大人になるにしたがって空想と現実の区別がつくようになり、いつの間にか空想していた事さえ忘れてしまうものだ」と話しますが、「心配なら塾にやってもいいよ」と言います。

◆9日目
等は塾に通い始め、女の子の隣の席になりますが、家では相変わらずモクメと並んで座り、スタンドに念力をかけていました。しかしスタンドはなかなか割れず、諦め始めます。
◆10日目
塾の隣の席の子は、赤いカーディガンにフリルのスカートの可愛い少女で、すらすらと問題を解く等に感心し「なんで塾に来てるの?」と聞きますが、帰りがけ「さようなら。また明日」と声を掛けます。等は少し照れて「うん」と言っただけでした。
彼は少し浮かれて家に帰り、元気にただいまの挨拶をして部屋に入りますが、モクメが倒れてもそのままで、念力の事も忘れているようです。
◆11日目
塾の女の子=浦野智子は、「等くんと同じ中学に行こうかなぁ」「今度の日曜、等くんちで一緒に勉強しない?」と言い出します。
等はしぶしぶの体を装いますが、モクメの頭部を拾った薬局の前で立ち止まり「この道を通るようになってから、楽しい事が起こるようになった」と呟きます。
また、部屋では壁とベッドの間に落ちていたモクメを見て驚き「やっぱりこいつ、気味悪いや」とこぼします。

【転】- 楳図かずお恐怖劇場 ねがいのあらすじ3

◆12日目
智子はベージュのジャンパースカートで等の家にやってきます。母親は「可愛いガールフレンドができて良かった」と喜んでケーキを振る舞い、等は慌ててモクメをクローゼットに隠してから、智子を部屋に入れます。
しかしそれをごまかすため座らせた場所にモクメの歯の釘があって、智子の指に刺さります。彼女はその血の玉を吸いながら「等くんが初めて塾に来た日、指にケガしてたよね。私も同じになった」と笑っていました。
その晩、等は布に包んだモクメを自転車の荷台に載せ、ビルの工事現場の大穴に投げ捨て「さようなら」と呟きます。

◆数ヵ月後 13日目
等は智子を自転車の荷台に乗せて一緒に帰りますが、ふとモクメの事を思い出し、工事現場を見に行き、ビルが完成しているのを見てホッとします。
しかしその夜、突然スタンドが割れて目が覚め、蒼褪めます。それは数ヵ月前に彼が念じた”ねがい”が叶ったという印でした。

◆14日目
塾の階段で、智子は元気のない等を心配し「次の日曜、家に来ない?」と誘いますが、等は生返事で下りて行きます。
智子は階段の上から呼んでいましたが、突然1階まで転がり落ちて動かなくなります。皆が駆けつけ大騒ぎになる中、等は、階段の陰に隠れたモクメの足を見てゾッとします。
その夜、等は、モクメとの思い出、彼こそが初めての”ともだち”だった事を思い出しますが、窓を叩く音がして、モクメが窓をこじ開け入ってくる悪夢に変わり、飛び起きます。
等は両親の寝室に行き「一緒に寝てもいい?…モクメがやって来たんだ…(スタンドが)割れたんだ…来たんだ!…バラバラに壊して捨てればよかった!」と泣き出します。
父親は優しく「怖い夢を見たんだな」と言って彼を布団に入れ、母親はその背中を優しく叩いていました。

【結】- 楳図かずお恐怖劇場 ねがいのあらすじ4

◆15日目
智子は塾に来ておらず、等は「いつもと違う道を通ったからだ!」と叫んで、薬局の前の道から家まで逆順で走って家に帰りますが、雲は重く垂れ込め雷の音が鳴り響いていました。
彼は家に上がるなり「お母さん!」と呼びますが、テレビはつけっぱなしで、少し開いた窓からは風が吹き込み、作りかけの味噌汁も火にかかったままなのに、母親だけがいませんでした。
外は激しい雷雨となり雷の音がして停電になります。
等は「お母さんはモクメに殺されたんだ!きっと僕も殺しにやってくる!」と叫んで震えていましたが、2階で何かが割れる音がしたため、様子を見に行きます。

等の部屋では窓が割れ、椅子に座って名前の書き取りをしていたモクメが振り向き、1人で立ち上がって近づいてきます。
等はモクメに足を掴まれながらも、必死で廊下に逃げて階段を転げ落ち、追ってきたモクメに釘の歯で噛まれます。彼はそれを必死で振り払い階段を上って逃げますが、稲光で照らされたモクメの首は、折れて背中側にぶら下がっていました。
モクメは、等を逆さまに見ながら後ろ向きで階段を上り、等の前に立ちはだかると首を元に戻して襲いかかってきます。

等はモクメを突き落としてリビングへと逃げ込み、テレビと食器棚の隙間に隠れますが、テレビが点いてモクメに見つかり、ダイニングで掴まって肩を噛まれ、「僕がモクメを裏切ったんだ!ずっと友だちでいるよ!だから許して!ごめんね!ごめんね!」と泣き叫びます。
モクメは噛むのを止めて手を差し伸べますが、等は振り返りざまにイスで殴りつけ、何度も何度も謝りながらモクメを殴り続けます。
「ごめんね!許して!…でもお前がいると、友だちができないんだ!」「お前は僕が作ったんだ!僕が願いをかけたんだ!ごめんね!ごめんね!!」…等は、首が落ち、動かなくなったモクメにすがって謝り、泣き続けていました。
その時一枚の紙切れが床にはらりと落ちます。それは「智子さんを迎えに行ってきます。すぐに戻ります。母より」というメモでした。

ほどなくして玄関でただいまという声がします。
それは帰宅した両親と智子で、母親は嵐の中、引っ越しの挨拶に来た智子を駅まで迎えに行き、駅で会社帰りの父親と偶然会って、一緒に帰ってきたのです。
3人は、血だらけで泣きながら出てきた等に驚いて事情を聞きますが、彼はただうつむいて座り込み、ごめんなさい…ごめんなさい…と泣き続けていました。

-そして子どもの頃の この素晴らしい”ねがい”は もう二度と奇跡を 呼び起こすことは無いだろう-

みんなの感想

ライターの感想

原作ではなによりモクメの造作が、妙にリアルで凶悪で不気味なんですが、本作ではその物語のカナメともいえるモクメの再現度がなにより素晴らしく、少年時代の苦く甘酸っぱい原風景と合わせて大好きな作品です。
等役笠原織人は、子役時代蜷川幸雄の舞台でも活躍していたそうで「お前がいると友だちができないんだ!」と泣きながら殴り続けるクライマックスシーンは、何度見ても胸に迫ります。
智子を演じたのは「仮面ライダーカブト」の樹花役を演じた奥村夏未、”ねがい”の叶え方を伝授する同級生を、2006年の実写版「ちびまる子ちゃん」のはまじ役を演じた米谷真一が演じています。
前説では「子供は哀しみをやってても怖いに繋がる」、木の温もりとそれに(子供が)「尖ったモノを打ちつけるのを見ると怖い」等々語られています。
昔ながらの”学習塾”、アンティークな掃除機、帰ると小洒落たおやつを出してくれる専業のお母さんと優しいお父さん。等はイジメられてるわけでもなくただ純粋に”ともだち”がほしい良い子だった事を懐かしく思い出しました。

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