「殺人漫画」のネタバレあらすじと結末の感想

殺人漫画の紹介:大人気のウェブトーン(Webコミック)に描かれた通りの謎の自殺が相次ぎ、その女性作家が犯人と疑われるが、彼女の創作方法には重大な秘密が隠されていて…という2013年公開の韓国のホラー映画。ハイクオリティなウェブトゥーンのリアルな殺害シーンが現実と交錯し犠牲者の隠された過去を暴いていく展開もおもしろい。主演は「カップルズ 恋のから騒ぎ」のイ・シヨン。監督は「赤い靴」(2005年)のキム・ヨンギュン。脚本はイ・サンハク。作中のコミックは韓国のウェブトゥーン作家キム・デイル。音楽は「泣く男」「チェイサー」のチェ・ヨンラク。

予告動画

殺人漫画の主な出演者

カン・ジユン(イ・シヨン)、ギチョル刑事(オム・ギジュン)、ヨンス刑事(キム・ヒョヌ)、チョ(クォン・ヘヒョ)、その娘ソヒョン(ムン・ガヨン)、ミスク編集長(キム・ドヨン)、班長(オ・グァンノク)、少女ミジン(キム・ソヨン)など。

殺人漫画のネタバレあらすじ

【起】- 殺人漫画のあらすじ1

深夜、大人気ウェブトゥーン(Webコミック)作家カン・ジユンは、新作の「黒いベール」の最後に血文字のサインをして仕上げ、ウェブトゥーン”パート”の編集長ソン・ミスクに送信します。
編集部に1人残っていたミスクは、自動的に始まるのを不思議に思いながらも読み始めますが、今その瞬間の彼女の様子が描かれているのに驚きます。漫画は続けて1987年のサンホ小学校の卒業式の場面となり、崩れた顔を黒いベールで隠した彼女の母親が皆にバケモノだと気味悪がられ、自殺する様子が描かれていました。作品の中でミスクは母を恥じて嫌い、首を吊っても死にきれない母親を見捨てる場面が描かれていました。
怒ったミスクはジユンに電話をかけますが留守電になっていて、「どうやって私だけしか知らない秘密を知ったの?!」と怒鳴ります。
が、その時、突然明かりが消え、真っ暗になったフロアに呻き声が響き、カッターを構えますが、その様子までもがすでに描かれていて、完全に閉じ込められた彼女は母親の呻き声を聞き、振り向いた途端何者かに惨殺されます。
翌日、編集部に捜査に来た刑事たちは、死亡推定時刻は午前1時、昨夜23時から今朝6時まで誰も出入りした記録が無いと話しています。
ギチョル刑事は自殺と決めつけ、若手のヨンス刑事に捜査を押し付けますが、モニターに映った殺害現場とそっくりの漫画を見て言葉を失います。
ミスクの検死を担当した解剖医は、直接の死因は頸動脈の切創だが、顔面を執拗に切りつけてるのは正気を失っていたためで完璧な自殺だと言いますが、ギチョルは班長に完璧な殺人事件だと言い、ウェブトゥーン通りの殺人事件なんて話題性もあって我々の株も上がると進言します。また、妻が出産間近で捜査を早く切り上げようとするヨンスにも殺人事件として捜査を進めると言い、ジユンへの事情聴取を急かします。

一方、ジユンは深夜町外れを車で走行中、1人で歩く少女を見かけて乗せますが、少女はミジンと名乗り家はその先の豚舎で16歳と言いますが10歳くらいに見えると笑うと「その年で死んだから」と答え消えてしまいます。急ブレーキで止まると、目の前には”口蹄疫汚染地域 豚舎”の立札があり、ラジオからは「助けて、お姉さん」という不気味な声が聞こえます。彼女は怯えて車から飛び出しますが、手に覚えの無い傷跡ができ指輪を落とします。が、再び血塗れの少女が現れて気を失い、翌朝道路脇の車の中で目覚めます。
彼女は少女の悪夢を作品に描きつつも、カウンセラーにかかり、運転した覚えも無いのに見知らぬ場所で目覚め、現実に傷跡が残り指輪を無くしたと言いますが、カウンセラーはそれは芸術家が作品世界と現実を混同する”アリス症候群”で一種の自己否定だと言い、休息が必要だと言います。
ジユンは作業を切り上げ室内プールでうたた寝をして、血塗れの編集長に襲われる悪夢を見て飛び起きます。
そこへギチョルとヨンスが訪ねてきて、「黒いベール」はこの家で1人で描いたのかと聞かれ、血のサインは自分1人で描いた証だと話します。ギチョルは殺害現場の写真を見せ、殺害方法も状況もあなたの作品と酷似してる、ミスクの最後の通話記録もあなただと問い詰めますが、彼女は携帯を切っていたから知らないと答えます。2人が帰った後、ジユンはミスクの留守電を聞いて、自分の夢が現実化している事に愕然とします。
夜のカフェで、ヨンスはギチョルに、遺族から預かったミスクの昔の日記を見せ「黒いベール」と同じ過去があったと報告します。ギチョルはジユンを疑いますが、殺害現場は完全な密室で監視カメラや入室記録にも残っていないとヨンスに言われ行き詰ります。
が、その時、ギチョルは街頭ビジョンのニュース映像が彼女の新作「納棺師チョ氏」のワンシーンと同じ事に気づきます。それは保線作業中に感電死した作業員の遺体処理をする納棺師の話でした。

【承】- 殺人漫画のあらすじ2

その頃、チョウン葬儀社の社長チョは感電死の遺体の連絡を受けますが、ジウンのウェブトゥーンにはまっている助手には逃げられ、遺体処置室で1人酒を飲みながら、黒焦げの遺体の処置をしていました。が、目を離した隙に遺体の位置が変わり眼が開いているのに怯えるうち、助手が忘れたタブレットが起動し「納棺師チョ氏」が始まり読み始めます。
それには彼が寝たきりの妻を5年以上に渡り介護した日々と、その遺体を処置する際、苦渋の介護を思い出し遺体に血が滲むほど包帯を巻きつける彼が描かれていました。
その頃、自宅にいたジユンは「納棺師チョ氏」に描いた時間が11時で、場所が国立警察病院であることに気づき、車を飛ばして向かいます。また刑事たちも現在遺体処理が行われている病院を探していました。
11時となった時、遺体処置室では逃げようとしたチョが黒焦げの遺体に服を掴まれ叫び声をあげていました。保管庫からは不気味な声が響き、金槌を振り回して暴れますが、ドアは閉まり保管庫から血が溢れ、保管庫の扉が開き、奥から現れた包帯だらけの妻に引き込まれ包帯で締め付けられます。
病院に着いたジウンは、遺体処置室に向かいドアノブを消火器で壊して中に入ります。遺体保管庫の中では、チョが自分の首を絞め苦しんでいました。ジウンが保管庫を開け転がり出たチョは錯乱し、彼女が亡くなった妻に見え必死で謝り続けるうち、妻に首を折られ、実際には自分で首を折り死亡します。その瞬間、ジウンはその背後に妻の亡霊を見ますが、刑事たちが現れ、ギチョルは彼女に銃を向け殺害の現行犯で逮捕すると言います。

ジウンはギチョルに取り調べを受け事実を話しますが、妻の亡霊がチョを殺したと言うと鼻で笑い、2作品とも漫画に書いてあったことは全て現実だと言い、ミスク殺害日のオービスに写った彼女の車のナンバーを見せ、外出してないと言うのは嘘だと責め、ミスクの留守電を聞かせ日記を見せます。
彼女は想像の話なのよと呟きますが、ギチョルは他人の恥部を漫画に描き、その通りの殺人事件を起こせば話題になると思って殺したんだろう!と迫ります。
すると彼女は、「私が創った話じゃないわ!」と叫んで泣き出し、全て借り物だと言い出します。
去年、「狂気の歴史」が大ヒットして一躍トップに登りつめたもののアイデアが無く、焦りと苦悶の日々を送っていた時、これまでの作品が発信者不明のメールで届いたため、それを盗作して作品として発表したと。ヨンスは女性刑事と共にジウンの家宅捜索をし彼女の証言の裏を取りますが、パソコンに残された彼女の作品の元となった少女の画像に見入っていました。

ヨンスはメールの送り主のIPアドレスから居場所を割り出し向かいますが、駐車場に車を止め、ある事を思い出していました。
6年前、ようやく警察官となった彼は、携帯で恋人のジョンウンにプロポーズし浮かれて深夜の林道を車で飛ばしていました。が、突然車が何かを撥ね車を止めると、そこは”豚舎”の看板があるあの道路で、足元には少女が持っていた袋が落ちていたのです。
彼は作業員に呼ばれ我に返ります。彼らはケーブルがその近くの”幸福マンション”から違法に引き込まれてると言いますが、怯えて近づこうとしません。事情を聴くと、以前、住人の少女が描いた絵の通りに子供が死に、亡霊に取り憑かれてると噂になり、イジメられ火を着けたが行方不明で、以来幽霊の噂が絶えない、その子は納棺師の娘でチョという姓だったというのです。
マンションは古く無人で取り壊し寸前でしたが、少女が壁に描いた絵の一部は残っていました。

女性刑事はギチョルに、あの納棺師のチョが以前そのマンションに住んでいて、娘のソヒョンは行方不明で捜索願が出されているが、ジユンもそこに住んでいたと話します。彼はヨンスと合流すると言いますが妻の病院に行ったと言われます。
ギチョルは取調室のジユンにマンションの件を確認し、ソヒョンの写真入りの捜索願いを見せます。
ジユンは5年前、作品が認められず絶望していた時、そのマンションに住んでいて、苛められていたソヒョンを助け知り合ったと話します。ソヒョンは明るい少女でしたが、突然取り憑かれたように壁に絵を描き始める変わった子でした。一度描き始めれば我を忘れ、手が血だらけになっても意識を失うまで描き続ける彼女を救ったのはジユンでした。

【転】- 殺人漫画のあらすじ3

ギチョルはジユンをマンションに連れて行き、絵の好みが似てたからかと言いますが、ジユンは、彼女は絵の話すら嫌がった、互いに必要だったのは友達で、貧しいながらも姉妹のように仲良くしていたが、死んだ少女の家族が突然やってきて脅されもしたし、放火の話も、いなくなったソヒョンを放火犯だと決めつけたでっち上げだと話します。が、焼けたソヒョンの部屋の奥には、パソコンがあり電源も入っていて、ジユンに送れらた画像が残されていました。
その後食堂で、ソヒョンの捜査を指示するギチョルに、ジユンはソヒョンを疑っているのかと聞きますが、彼女は父親のチョに虐待されていたらしい、どちらにせよ始まりは彼女の絵で、問題はなぜそれをあなたに描かせたかだと言われます。
が、その帰りがけにジユンの携帯に「裏庭で待ってる」というソヒョンのメールが届き、ジユンは車を奪ってマンションの裏庭に行き呼びますが、駆け寄ってきた誰かに襲われます。

ギチョルはマンションの前に停まっていた車を見つけ、ジユンの携帯のメールを見て、ずっと連絡が付かなかったヨンスに電話を入れます。
ヨンスはすぐに出て初産の妻に異常が見つかってと言い訳を始めますが、事情を話すと「食堂の前で逃げられたのか」と口にしたため、不審に思ったギチョルはヨンスを追跡します。
ヨンスの車の後部座席には、ジユンが縛られ気を失っていました。彼は彼女を豚舎に運び、椅子に縛りつけて脅しソヒョンの居場所を聞き、僕の人生をダメにする気か!と怒鳴ります。彼は、撥ねられて大ケガをして車体の下で助けを求める少女を一旦は助けようとしましたが、父親に承諾されたと喜ぶ婚約者の声を聞き見捨てたのです。けれど、彼が亡霊などいないと言い斧を振り上げた瞬間、少女の末期の声がして灯りが消え、血だらけの少女が現れ、怯えた彼は何度も拳銃で撃ちます。
その時、銃声を聞いたギチョルが駆けつけジウンを助け起こしますが、ヨンスは座り込み自分の頭に銃口を向け、助けを求めていました。
ギチョルは自殺を思いとどまるよう懸命に説得しますが、ヨンスの手は少女の亡霊に掴まれて操られ「ミジン…亡霊…」と呟き頭を撃ち抜きます。

翌朝大雨の中、騒然とする現場に来た班長に、怯えたギチョルは亡霊がやったと訴えますが、班長は逃亡した容疑者をヨンスが拉致して自殺したんだな!と念を押し、他殺なら最重要容疑者はお前だ、亡霊などと二度と口にするな、俺まで共倒れになると往なします。また、ジユンには自宅待機を命じ、ソヒョンは指名手配したと話します。
ほどなくして、ヨンスの死のショックに打ちひしがれていたギチョルに女性刑事が少女の名前が入った絵を渡し、ヨンスの自殺現場にあった遺留品だが、ジユンの家宅捜索の際、ヨンスが見入っていたと話します。ヨンスは最期にその少女の名前”ミジン”と言ったのだと気づき、ジウンの「狂気の歴史」に描かれた事件を調べ、その全てが殺害現場の写真や状況と完全に一致している事を確認し、ジウンの家に向かいます。
その頃、送られてきた画像をシュレッダーにかけていたジウンは新着メールに気づき、震えながら開封します。
それはジユンとソヒョンの話でした。

【結】- 殺人漫画のあらすじ4

ソヒョンは、母親の死後、チョに母親に似てると責められ、霊安室に閉じ込められる日々を送るうち、”死者の話”を聞くようになります。
ジユンは描き始めると我を忘れるソヒョンを一旦は止めますが、ある日ふとした出来心でそれを盗作し、ミスクに見せたところ、絵もストーリーも良くなったと褒められ入賞を果たします。が、ミスクは急激に進歩した彼女の作品を訝しみ盗作ではない事を確認し、ジユンはうろたえながらも否定し大ヒット作「狂気の歴史」の出版が決まったのです。
けれど大喜びで帰った彼女は、ソヒョンの部屋が燃えているのに驚き駆けつけます。その頃彼女はほとんどの原稿をソヒョンの絵を盗作し、その部屋で描いていたからです。

放火したのは、彼女の盗作に気づいたソヒョンでした。ジユンは燃え上がる原稿を見つめて愕然としますが、ソヒョンは、これは怨霊たちの話で、外に出せば怨霊に恨まれている人間が殺される、絶対に発表しちゃいけないと言いますが、自分の原稿だ!と狂乱するジウンは置物で彼女の頭を殴打し、スチールの箱に入れたソヒョンの原画を運び出そうとします。ジユンは狂った眼で、これがあれば幸せになれる、誰が死のうと殺すのは自分じゃない!と叫び、すがるソヒョンを突き飛ばした拍子にソヒョンの爪が引っ掛かり出血します。
その血を見た彼女はソヒョンの首を締め「あなたはどうして努力もしないのに描けるの? その才能を腐らせる気なら私にちょうだい、その怨霊たちを必要としているのは私なの、私に絵を譲って!」と絶叫し殺害します。原画の箱を持ち出した彼女は火事に駆けつけた住民にソヒョンの事を聞かれ、今日は見てないと答えたのです。
気づくとジユンはマンションの部屋にいて、燃え上がる部屋とソヒョンを殺害した直後の自分の姿を見ていました。ソヒョン殺害以降、作品に追われる彼女は直接死者の声を聞くようになり、制作を続けていたのです。彼女はソヒョンの亡霊に謝りため息をつき、無事に続編を出版し終えてTVのインタビュー番組に出演し「亡霊は存在しない」「人間みな過ちを抱えているものでそれを亡霊に例えるだけだ」と語る幻影を見ます。

彼女は、彼女の自宅のメールでソヒョン殺害を知り、凶器にはジユンの指紋しかなかったと言う報告を聞き駆けつけたギチョルに、斧で襲いかかり、ガラス片を突き刺します。
彼は「おまえが犯人だ」と呻きますが、彼女は、なぜみな自殺に見えるか考えて、欲にまみれた人間に復讐するために怨霊は自分を必要としてるのと嘯きます。が、彼は、怨霊を必要としているのはお前で、そのためソヒョンも殺した、おまえの欲が全ての始まりだ!と言い拳銃で応戦します。
「私の欲?」…彼女は薄く笑って壁を示します。そこにはあの日豚舎で起こった事実が描かれていました。
ギチョルはあの時、怯えるヨンスから拳銃を取り上げ、このイカレ野郎!といつもの調子で蹴るうち、誤って撃ってしまい、直後に満足して消えるミジンの亡霊を目撃し、ヨンスの拳銃から自分の指紋を拭き取って握らせたのです。
ジユンは、取り乱すギチョルに背を向けますが、彼女に拳銃を向けた彼の手をヨンスの亡霊の腕が掴み、銃口をギチョルの頭に向けさせ、撃ち抜きます。
彼女はそれでも振り向かず去って行きますが、それはすぐにウェブトゥーンとなり、その背後に無数の怨霊が迫るラストシーンとなり、カン・ジユンの血文字のサインが描き込まれます。

みんなの感想

ライターの感想

ジユンを演じたイ・シヨンはこのキュートで可憐な顔立ちでありながらアマチュアボクシング韓国代表級のボクシング選手でもあるそうで。刑事ギチョル役は「破壊された男」のオム・ギジュン。冒頭殺害され強烈なインパクトを残すミスク編集長には 「人形霊」で人形作家を演じたキム・ドヨン(キム・ボヨン)。ギチョルの上司班長役にパク・チャヌク監督作品常連のオ・グァンノク、納棺師チョに「冬のソナタ」で知られるクォン・ヘヒョなどのベテランがあたっているのも嬉しいところです。
本作中のコミック作品は日本で言うウェブ漫画とはちょっと異質の”ウェブトゥーン”と呼ばれるものだそうで、(コマ割り)漫画をモバイルで読むと言うより、奇志戒聖の「都市伝説物語 ひきこ」とかゲーム「サイレン」のリアリティと動きに、往年のモノクロアニメ「佐武と市捕物控」やショートアニメ「闇芝居」の見せ方を兼ね備えた感じの作品で、本作の超絶ハイクオリティな作画は、ウェブトゥーン作家キム・デイル氏によるものだとか。
諸々ツッコミどころはあるものの内容は見た目より軽く解りやすく、何よりシュールなコミックと連動する見せ方に★3こはつけたい佳作です。

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