映画:あこがれ(1958年)

「あこがれ(1958年)」のネタバレあらすじと結末

ラブストーリー

あこがれの紹介:1958年の仏映画。ヌーヴェル・ヴァーグを代表するひとりである巨匠フランソワ・トリュフォーの初期作品。トリュフォーが本格的に手掛けた初めての作品で、原作はモーリス・ポンスの短編小説。原題は悪ガキという意味合いの『Les Mistons』。フランスの片田舎の5人の少年たちが、憧れの年上女性に夢中になる姿を甘酸っぱく綴った珠玉の短編映画。

あらすじ動画

あこがれ(1958年)の主な出演者

ベルナデット(ベルナデット・ラフォン)、ジェラール(ジェラール・ブラン) 、少年(アラン・バルディ)、少年(ロベール・ビュル)、少年(アンリ・ドマエグト)、少年(ディミトリ・モレッティ)、少年(ダニエル・リコー)、ナレーション(ミシェル・プラティニ)

あこがれ(1958年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- あこがれ(1958年)のあらすじ1

南フランスののどかな田舎町。わんぱく盛りの5人の少年たちは、町で見かけるちょっと年上の娘ベルナデットに夢中でした。
ベルナデットが颯爽と自転車を漕ぐ度に、スカートがひるがえり、脚があらわになりました。ベルナデットを眺めている少年たちは、彼女に夢と欲望を発見したのです。まさにそれは官能のうずき、そして目覚めでした。
少年たちはあこがれのベルナデットを追い続けます。ベルナデットが自転車を降りた際、密かに自転車のサドルの匂いを嗅いで、彼女の香りを味わったりもしました。少年たちにとって、まさに初めての心のときめきなのです。しかしベルナデットからすれば少年たちは幼すぎます。少年たちは故に、ベルナデットを憎みました。

【承】- あこがれ(1958年)のあらすじ2

ベルナデットがある男性に心を寄せていることを少年たちは知っていました。よその町から来たジェラールという青年で、体育の教師をしていました。
少年たちはベルナデットとジェラールのデート現場まで尾行しました。唇を重ねるベルナデットとジェラール。その様子を見た少年たちは興奮のあまり、2人を冷やかし、ちょっかいも出しました。でも所詮は子供。2人のデートの現場は、少年たちにはとっておきの遊び場に変わってしまうのです。

ベルナデットとジェラールは、休日はテニスを楽しみました。少年たちは2人が利用するテニスコートにも集います。ラケットを振るベルナデットの短いスカートが揺れて、むき出しになった彼女の美しい脚を少年たちはコートの脇から眩しそうに眺めました。
時々ボールがコートから外れると、ベルナデットが少年たちの近くまで来ました。ベルナデットの汗ばんだシャツの匂いを嗅ぐことは、少年たちにとって気が遠くなるほどの陶酔の瞬間。その一瞬の幸福のために、少年たちは毎週テニスコートに集うのでした。

【転】- あこがれ(1958年)のあらすじ3

ベルナデットの家に彼女を迎えに行くほど親しいジェラールを見て、少年たちは2人に敵意が沸きました。あこがれのベルナデットを独占された少年たちは悲しさのあまり、街中の橋や壁にいたずら書きをして2人の婚約をばらしました。
こうして少年たちは復讐したつもりでいました。その想いは、子供の本能よりも強い何かだったのです。しかしこの気持ちが恋だということを、少年たちは気づいていませんでした。幸福に向かって走り続けるベルナデットを、少年たちは自転車で追いかけました。

次第に少年たちの敵意は増していき、行動がエスカレートします。ベルナデットとジェラールが入った映画館にまでついていきました。2人が暗い館内でキスをするのを目撃した少年たちは、大声ではやし立て、かなりの打撃を与えて逃げました。

8月。少年たちの戦闘が始まりました。ベルナデットとジェラールが近くの森に自転車で出掛けたのです。不意を狙う絶好のチャンスで、少年たちはまるで獲物を狙う猟師のようでした。少年たちの目的は、2人をはずかしめること。木陰で体を寄せ合う2人にそっと近づき、騒ぎ立てました。怒ったジェラールに「悪童め!」と1人の少年が頬を叩かれます。彼らは一斉に逃げ出しました。


【結】- あこがれ(1958年)のあらすじ4

ベルナデットとジェラールにしばしの別れの時がやってきます。3か月後に戻ってきたら結婚しようと約束し、ジェラールは汽車に乗って自身の町へ帰って行きました。
それでも少年たちは2人への復讐を止めません。夏休みのうちに決着をつけるために、最後の手段として2人の幸福をぶち壊す行動に出ました。
男と女が抱き合う写真のポストカードを買った少年たち。それはとてもみだらな写真でした。少年たちはジェラールのフリをして卑猥な言葉を綴ったポストカードを封筒に入れ、ベルナデット宛てに送りました。あこがれと復讐の想いを込めて…。

ところが人生は過酷な返事を与えました。ジェラールが山の遭難事故で亡くなったニュースが飛び込んできたのです。少年たちに決して悪意はなく、恋に目覚めた苛立ちによるいたずらにすぎませんでしたが、少年たちは「僕らが何をしたのだろう」と悩みました。

しばらくすると少年たちはジェラールの死を忘れ、いつも通りの生活に戻っていきました。しかし秋色の深い10月のある日、黒衣を身に纏ったベルナデットが少年たちの前を通ったのです。少年たちの思い出が蘇ります。彼女の美しい面影、さわやかに走る自転車、ひるがえるスカート…。少年たちは喪に服すベルナデットをただ静かに見つめるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

ベルナデット・ラフォンがうるわしくて、艶っぽくて、まさに配役にぴったり。あの細いウエスト!わたしにとっても”あこがれ”です。
思春期にかかりかけた少年たちの純粋さとひよっこ感が、愛くるしく、そしていじらしい。自分の若かりし頃が蘇るような感覚もあり、国籍も性別も生きた時代も違うのに、なんだかすごく懐かしい気持ちに包まれました。トリュフォー作品を初めて拝見したのですが、もしやこの感覚にさせてしまうことこそが巨匠と称えられる所以なのでしょうか。

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