映画:けんかえれじい

「けんかえれじい」のネタバレあらすじと結末

けんかえれじいの紹介:1966年製作の青春映画。鈴木隆の同名小説を映画化した作品で、昭和初期の岡山と会津を舞台に喧嘩に明け暮れる中学生の青春の日々を描く。監督は鈴木清順、主演は高橋英樹が務めた。

あらすじ動画

けんかえれじいの主な出演者

南部麒六(高橋英樹)、道子(浅野順子)、スッポン(川津祐介)、麒六の父親(恩田清二郎)

けんかえれじいのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- けんかえれじいのあらすじ1

物語の舞台は、昭和10年頃の岡山県。岡山第二中学校に通う南部麒六は大の喧嘩好きで、日々修行に明け暮れていました。麒六は下宿先の美しい娘、道子に恋心を抱いていましたが、それを先輩のスッポンに明かすと、煩悩を断ち切るためにさらなる喧嘩修行が課せられました。

麒六が厳しい修行を乗り越えると、スッポンは麒六に度胸をつけさせるため、中学校内の学生組織OSMS(オカヤマ・セカンド・ミドル・スクール)団に入団させました。麒六はOSMSの一員として修行の成果を実際の喧嘩で実践していきました。しかし、派手な喧嘩騒ぎを起こしたことが原因で、麒六は停学一ヶ月の処分を受けてしまいます。

一日中家で過ごす麒六を心配し、道子はなにかと麒六のことを気にかけました。ピアノを教えたり、夜道を一緒に歩いたりと、麒六は道子と過ごす時間に幸せを実感し、やがて道子を「聖女」と思い慕うようになっていきました。

ところが、麒六は道子と仲睦まじくしている様子をOSMS団の団長タクアンに見られてしまいます。タクアンは女といちゃつく麒六をだらしないと批判し、すぐに麒六を呼び出しました。タクアンらOSMS団は麒六に喝を入れようと待ち構えていましたが、そこにスッポンが助太刀に現れました。大勢のOSMS団に囲まれながらも、麒六とスッポンはなんとかその場から脱出することに成功しました。その後、すぐにタクアンから果たし状が届き、麒六とスッポンは仲間を集め、決戦に向けて準備を始めました。

【承】- けんかえれじいのあらすじ2

そして決戦当日、町外れの荒野でOSMS団とスッポンの仲間たちは対峙しますが、戦いが始まってすぐに一人の警察官と道子が喧嘩を止めに入りました。タクアンたち、スッポンたちは警官の姿を見て、動きを止めました。警察官をよく見ると、麒六はそれが変装した自分の父親であることに気づきました。道子は麒六の危険をすぐに麒六の父親に伝えたといい、警察官に変装して止めるというのも道子のアイディアでした。道子の亡くなった父親は警察署長で、麒六の父親が着ていたのは道子の父親の遺品でした。道子はそうまでしてでも麒六の喧嘩を止めたかったのです。道子の思いに心打たれる麒六でしたが、その後間もなくOSMS団の副団長に抜擢されることに。麒六にとって、道子が望む人生を歩むことは難しい状況となっていました。

そんなある日、岡山第二中学校に陸軍将校が配属されました。麒六はOSMS団の理念を実践すべく反抗的な態度を将校に取りますが、このときの行動が大きな問題を起こしてしまいます。陸軍将校は麒六に激しく憤り、麒六は親戚のいる会津の学校に転校せざるをえなくなってしまったのです。麒六は道子との別れを名残惜しく感じていましたが、道子はそれ以上に悲しんでいました。道子が弾く悲壮感あふれるピアノのメロディを聴きながら、麒六は道子の名前を叫ぶのでした。

会津に行った麒六を待っていたのは、会津魂の実践を強制する学校教育でした。会津魂は質実剛健を旨としており、麒六はその考え方に閉鎖的な地域性を感じ、違和感を覚えました。そのうえ、麒六はクラスメートに早速嫌がらせを受け、転校初日から椅子を隠されてしまいました。しかし、麒六は根性で空気椅子状態を維持し、クラスメートを驚かせました。その後、麒六は保守的な教師の考え方に我慢できず、「山猿!」と吐き捨てて教室を出ていってしまいました。

【転】- けんかえれじいのあらすじ3

その後、橋谷田というクラスメートが麒六を追いかけてきました。橋谷田は教師に大胆にたてついた麒六に一目を置いていましたが、麒六は橋谷田にもきつい態度をとりました。「弱いもんには胸を張り、強いもんにはペコペコするのが会津魂ちゅうもんかのう」…麒六が橋谷田に淡々とそう語ると、橋谷田は麒六に殴りかかってきました。二人は畑の中で泥まみれになりながら激しい乱闘に及びました。この大喧嘩をきっかけに、麒六と橋谷田は友人として親しい仲になりました。

麒六は会津に来てから道子と文通を始めていました。あるときの手紙で、麒六は橋谷田との喧嘩騒ぎを綴ると、手紙の最後に「お気が向きましたら次のマークに接吻をして送り返して下さい」と書き、その隣に大きな丸を描きました。ところが、道子からの返信には丸の中に接吻がされておらず、「気が向きません」とだけ書かれていました。

その後、麒六は橋谷田から恋の相談を受けました。橋谷田が恋していたのは、橋谷田に俳句を教えるミサという女性でした。麒六は橋谷田に連れられ、ミサがいる喫茶店に行きました。橋谷田はしばらくミサに見とれていましたが、麒六は喫茶店の片隅にいる初老の紳士のことばかり気になっていました。すると、麒六たちは昭和白虎隊と名乗る他校の生徒に喧嘩を売られてしまい、店を出て行きました。麒六たちが出て行くと、ミサは初老の紳士と短い会話を交わしました。東京者と思しき紳士がここで何をやっているのか…ミサは不思議に思いました。

その後、麒六たちは昭和白虎隊と決戦をすることとなりました。竹刀で向かってくる昭和白虎隊に対して、麒六たちは飛び道具を使ったり、相手の耳をかじったりと、正攻法とは言い難い戦い方で応戦しました。しかし、麒六たちは力及ばず敗北し、手足の自由を奪われ拘束されてしまいました。

【結】- けんかえれじいのあらすじ4

その夜、麒六たちは監視役の学生を倒し、なんとかその場から脱出しました。その後、麒六たちは近くの寺で集会を開いていた昭和白虎隊を襲撃、隙をつかれた昭和白虎隊たちは次々と倒されていきました。この大喧嘩の後、麒六は校長室に呼ばれましたが、校長は敵対する中学の学生に勝利を収めたことに満足していました。麒六はなんの処分も受けることなく、喧嘩騒動はもみ消されるのでした。

そのすぐ後のことでした。雪が降る中、道子が麒六を訪ねてきました。道子は思いつめた様子を見せ、長崎の修道院に入る決意を固めたことを麒六に明かしました。結婚できない体であることがわかり、神に仕える道を泣く泣く選んだといいます。道子は最後に麒六が好きと泣きながら告白すると、家を出て行きました。

その後、麒六は道子が部屋に置いていった手紙があることに気づきました。それは、かつて麒六が接吻して欲しいと書いた手紙で、丸の中には道子の真っ赤な唇の跡がついていました。そして、その隣には「お許しください」と書かれていました。

その後、道子が細い道を一人で歩いていると、後方から大勢の兵士が走ってきました。道子は必死によけようとしますが、兵士は次々とそんな道子を押しのけ、道子は激しい衝撃に苦しみました。道子は道のはずれに倒れ込み、よろよろと歩き始めました。道には、兵士に踏みつけられた道子のロザリオが雪の中に埋もれていました。

このとき、東京では二・二六事件が起き、会津にもその不穏な知らせが伝わっていました。麒六はその首謀者である北一輝の写真を見て驚きました。それは、喫茶店で見かけたあの紳士だったのです。写真を見た麒六はすぐに列車に乗り込みました。行き先は、二・二六事件に激震が走る東京でした。

みんなの感想

ライターの感想

喧嘩好きだけど、恋する女性には照れてしまうというキャラクターを高橋英樹がチャーミングに演じています。中盤までは青春コメディ映画の印象があったのですが、突然訪れる結末は少しショッキングでした。道子の長崎行きと二・ニ六事件という大きな出来事が一気に描かれおり、この後日本を襲う戦争の悲劇を暗示しているかのようで、空恐ろしさを覚えました。

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