映画:アデルの恋の物語

「アデルの恋の物語」のネタバレあらすじと結末

アデルの恋の物語の紹介:1975年のフランス映画。フランスの文豪ビクトル・ユーゴーの娘アデルの執念に満ちた狂気的な愛を綴った実話。原作はフランセス・V・ギールの『アデル・ユーゴーの日記』で、壮絶な偏愛のストーリーをヌーヴェル・ヴァーグの巨匠フランソワ・トリュフォーが映像化した。

あらすじ動画

アデルの恋の物語の主な出演者

アデル(イザベル・アジャーニ)、アルバート・ピンソン(ブルース・ロビンソン)、サンダース夫人(シルヴィア・マリオット)、ホイスラー(ジョゼフ・ブラッチリー)、催眠術師(イヴリー・ギトリス)

アデルの恋の物語のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- アデルの恋の物語のあらすじ1

時は1863年、南北戦争が勃発。イギリスは植民地であるカナダのハリファックスに軍隊を送りました。港には密猟者や密航者、スパイなどが絶えず、入国時には厳しい取り調べが行われていました。
ある夜、ヨーロッパから辿り着いた商船の乗客の中に、美しく上品な娘がいました。娘の名はアデル。この地に身寄りもないアデルでしたが、古くひなびたホテルは彼女の趣向には合わず、下宿を営むサンダース家に身を寄せることに。なぜかアデルは下宿先で”ルーリー”と偽名を名乗りました。

翌日アデルは公証人の事務所を訪ねると、第16英軽騎兵連隊のピンソン中尉の捜索を依頼します。彼女の姪がピンソンと結婚の約束をしたのに、彼から音沙汰がないとのこと。姪のためにとアデルは訴えましたが、実は彼女こそがピンソンを追って、たった1人この地までやって来たのです。アデルにとって心操を捧げた男がピンソンでした。
アデルは女連れで町の本屋から出て来るピンソンを見かけると、本屋の主人ホイスラーに彼の噂を聞き出します。彼は借金だらけと専らの噂ですが、アデルにはそんなことはお構いなしでした。彼女は手紙や執筆をするために、この店で大量の紙を購入し上客となります。

サンダース家の主人が第16連隊の歓迎会に出席をすると聞いたアデルは、ピンソン宛の手紙を主人に託します。「この町にいる」とピンソンへの愛を綴ったアデルでしたが、彼から返事は来ませんでした。封筒を見たピンソンは中身も見ずに手紙をポケットにしまい込んだのです。

【承】- アデルの恋の物語のあらすじ2

アデルはハリファックスでの生活費を両親からの送金で賄っていました。と言うのも、アデルの父親は『レ・ミゼラブル』の著者ビクトル・ユーゴー。金に困ることはない境遇なのです。フランスから亡命を余儀なくされたユーゴーは、現在英領のガンジー島におり、アデルは両親の許可も得ずに遠いハリファックスに足を踏み入れたのでした。

ある日ピンソンがアデルの下宿先を訪ねて来ます。まさかの彼の行動に驚き胸を高鳴らせたアデルは、悩み抜いた末に目いっぱい着飾って彼の前に現れます。それなのに冷たい態度をとるピンソンに、「結婚で全てが収まる」とアデルは迫りました。既にアデルへの愛情を失っていたピンソンは「君にもう会う気もない」と言い放ちます。それを聞いたアデルは発狂し脅迫したかと思えば一転、「借金の足しに」と金を渡して、彼の気を引き留めようとするのでした。
ピンソンに突き放されてもアデルは「私はあなたの妻」と手紙を綴ります。まともとは思えない彼女の言動ですが、それには理由がありました。アデルは新婚の姉夫婦を水難事故で亡くしており、それ以来悪夢にうなされ、近くに姉の気配を感じ取るなど、精神が不安定だったのです。

その後もアデルはピンソンを尾行し、他の女性との情事さえも目に焼き付けました。そして一心不乱に彼への想いや思想を綴る日々。そんな生活を続けていたアデルはある大雪の日、毎週通っていたホイスラーの店の前で倒れてしまいます。
それからというものアデルは床に臥す生活が続き、サンダース夫人が看病しました。ある時手紙の投函を依頼されたサンダース夫人は、往診に来た医師に投函を託そうとします。宛先を見た医師は、アデルの父がユーゴーであることに気付き騒ぎます。しかし思慮深いサンダーズ夫人は、偽名を使うアデルの意思を尊重し、父の存在には触れないことにしました。しかしその手紙に“ピンソンと結婚する”と綴られているとは、まさか彼らには思いもしないこと…。

【転】- アデルの恋の物語のあらすじ3

体調が回復したアデルの行動はエスカレートし、ピンソンの部屋に忍び込んで軍服に手紙を忍び込ませるまでに…。やがてアデルからの結婚報告を受けたユーゴーからは、結婚の同意書と仕送りが届きます。アデルはその一報を知らせたいがために、男装姿でピンソンが出席するパーティに潜入しました。ところがつれない態度のピンソンに、アデルは取り乱します。ピンソンから「愛ではなくエゴイズムだ。愛してるなら自由にしてくれ」と決定的なセリフを叩きつけられまたアデルは、必死に彼に縋りつきます。“もう会わない”との条件でキスを求められたピンソンは、渋々彼女の要望に応えるのでした。

ショックのあまり、アデルは奇行に走ります。下宿先の部屋に作った祭壇にはピンソンの写真を祀って手を合わせ、両親に送った手紙には、今後は“ピンソン夫人”充てに金を送るよう書き記しました。娘の報せを真に受けたユーゴーは、新聞にアデルとピンソンの結婚を知らせる記事を掲載します。新聞を読んだ大佐から指摘を受けたピンソンは、記事内容を完全否定。ピンソンは即座にユーゴー本人に手紙を送り、娘の嘘にユーゴーは大きく落胆しました。ところがこの期に及んでもアデルは、ピンソンへの想いを募らせるのです。

町ではアデルがユーゴーの娘であるとの噂が広がり、彼女は増々追い詰められていきました。催眠術のショーを鑑賞したアデルは、“男を結婚させる”術をかけてほしいと催眠術師に依頼します。大金を要求してきた催眠術師でしたが、交渉決定寸前にインチキだったことが判明し、アデルは事なきを得ました。
更にアデルは、ピンソンが結婚したことを知ると、相手の令嬢の実家に強引に上がり込みます。結婚相手の父にピンソンの好色さや不実さを教唆し、彼の子を妊んでいると偽りました。これによりピンソンの結婚は破談に。

【結】- アデルの恋の物語のあらすじ4

結婚したと嘘をついたアデルは、両親に無心することが出来ず下宿先を出ることに。最後まで温かく接したサンダース夫人は、アデルに立派なコートをプレゼントしました。アデルは貧しい人々が集まる簡易宿泊所で寝泊まりしますが、もはや正常な精神状態ではありません。アデルはいつも通っていた銀行でさえ、彼女だと気付かれないほどに急速に老け込みました。そしてその頃新聞には、アデルの母の死と、第16連隊のバルバドス島への派遣を知らせる記事が掲載されていました。

1864年。カリブ海にあるバルバドス島の黒人地区には、乱れた髪でボロボロのドレスを纏うアデルの姿がありました。精神をすり減らした状態でも、アデルはピンソンの後を追ってきたのです。一方大尉に昇進していたピンソンは、黒人地区で倒れた白人女性が、“ピンソン夫人”と名乗っているとの情報を聞き憤ります。アデルを成敗するためにピンソンはあえて彼女と対峙しますが、高熱の影響もあって正気を失った彼女は、目の前に現れたピンソンに気付くことはありませんでした。アデルを助けた島の女性が、アデルがユーゴーの娘と知り、父のもとへ連れ帰しました。

ユーゴーは18年の亡命生活の後、パリに戻りました。ユーゴーは“黒い光が見える”と言って、1885年に亡くなりました。偉大な彼の死は国葬となり、盛大な葬儀が行われました。精神病院に入院したアデルは、その後40年間病院で過ごし、暗号で日記を書き続けます。そしてヨーロッパを引き裂いた大戦中の1915年に息を引き取りました。

みんなの感想

ライターの感想

偉大過ぎる親を持ったプレッシャーが常にアデルにあったのでしょう。一方的にアデルを狂人扱いしてはいけないと感じました。
当時新人だったとは思えぬイザベル・アジャーニの演技が壮絶で、恐怖さえ感じました。ピンソン役のブルース・ロビンソンもまた、この役のために生まれたのかな?と思えるような冷淡な麗しさで(苦笑)。粘っこいアデルの姿やプレイボーイな軍人の振る舞い、過保護な親の接し方が生々しくて、胸が苦しくなりました。このリアルさこそ、トリュフォーの手練手管なのでしょう。

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