「オアシス」のネタバレあらすじと結末の感想

ラブストーリー

オアシスの紹介:2002年製作の韓国映画。監督・脚本は「シークレット・サンシャイン」などで知られるイ・チャンドン。主演はソル・ギョングとムン・ソリ。前科のある男性と、脳性麻痺の女性との特異な恋愛模様を描く。日本公開は2004年。

予告動画

オアシスの主な出演者

ホン・ジョンドゥ(ソル・ギョング)、ハン・コンジュ(ムン・ソリ)、ホン・ジョンイル(アン・ネサン)、ジョンイルの妻(チュ・グィジョン)、ホン・ジョンセ(リュ・スンファン)、ハン・サンシク(ソン・ビョンホ)、サンシクの妻(ユン・ガヒョン)、隣家の女性(パク・ミョンシン)

オアシスのネタバレあらすじ

【起】- オアシスのあらすじ1

清掃員をひき逃げで死なせてしまったホン・ジョンドゥは、2年6カ月の刑期を終えて、刑務所から出てきたばかりでした。
バス停に降り立った彼は、寒い季節なのに何故かアロハシャツ一枚で、自分の上着を買わずに母親の服を購入します。
さっそくジョンドゥは兄のジョンイルを訪ねますが、すでに引っ越した後でした。その後、食料品店の前で豆腐にかぶりつき(韓国の風習で、出所した人間は身を清めるために白い食べ物を食すことになっている)、金がないため飲食店で無銭飲食をしてしまいます。
ジョンドウはあっという間に警察に捕まり、身柄を引き取りにきた弟のジョンセによって、やっと家族と会うことができるようになるのでした。

ジョンイルは会社を辞めて修理工場を経営していました。兄嫁はジョンドゥの存在を疎んでおり、露骨に態度に示します。
母親でさえも出所を喜んでいるようには見えません。そもそも刑務所に入っていたジョンドゥに居場所を知らせず、誰も出所の迎えに来なかったのです。
ジョンイルはジョンドウに「大人は社会に適応しなければならない」と説教をして、中華料理屋の仕事を見つけてやります。しかし、ジョンドゥは店主が仕事の説明をしているときも、関係のないことを話し始める有り様でした。
結局中華料理屋の仕事も、数日足らずで辞めてしまいます。

ハン・コンジュは重度の脳性麻痺患者で、身体も言葉も自由ではない女性です。手鏡で光を反射させて、その光が白い鳥や蝶のように見えるのを楽しんだりして、日々を過ごしていました。
彼女はジョンドゥが死なせてしまった清掃員の娘で、古びたアパートで兄夫婦と一緒に暮らしていました。
あるとき、ジョンドゥがフルーツの詰め合わせを持って、被害者の家族にお詫びにやってきました。ジョンドゥはコンジュの兄のサンシクに挨拶をしますが、二度と来るなと追い払われてしまいます。
サンシク夫妻は別のマンションへ移り住む準備を進めており、アパートの部屋にはコンジュが一人取り残されてしまっていました。

【承】- オアシスのあらすじ2

コンジュのことが気になったジョンドゥは、翌日花束を持って再びアパートを訪ねます。
緊張すると言葉を出せなくなるコンジュを前に、ジョンドウは連絡先を書いたメモを渡して、友達になりたいと言います。
コンジュに話しかけているうちに、あろうことかジョンドゥは欲情して、不意に彼女を抱きしめます。必死に抵抗するコンジュの身体を触り、「その顔なら十分だよ」と言いながらズボンを脱ぎます。
やがてコンジュはショックで気を失ってしまいます。驚いたジョンドウは彼女を風呂場まで引っ張っていき、シャワーをかけて目覚めさせます。コンジュの意識が戻ったことを確認したジョンドウは、逃げるように立ち去ります。

翌日、コンジュは鏡の前で口紅を塗っていました。
サンシク夫妻はコンジュをアパートに置き去りにして、障害者向けに国が用意したマンションに、2人だけで住んでいました。
コンジュの名義でマンションを手に入れた夫妻は、監査の入る日だけ身なりを整えたコンジュを連れて来て、一緒に暮らしているように装っていたのです。
コンジュはアパートの隣に住んでいる夫婦に面倒を見てもらっていました。もっとも彼らはサンシクから毎月二十万ウォンを受け取っており、コンジュが見ているのも構うことなく、勝手に部屋に上がり込んでセックスをしていたのです。

あるとき、コンジュはジョンドゥが置いて行ったメモを手に取ります。そして、「聞きたいことがある」と、彼に電話をかけたのです。
やってきたジョンドゥに、コンジュは何故自分に花束を渡したのかと尋ねます。ジョンドゥはわからないと答えて、「君の名前はコンジュ(公主)だからお姫様という意味だね」と話しかけます。
そして、自身もホン・ギョンネという将軍の子孫であると自慢します。しかしコンジュは、ホン・ギョンネは反逆者だと突っ込みを入れます。ジョンドゥは笑いながら、「これからは君のことを姫様と呼ぶよ」と言います。コンジュもジョンドゥのことを「将軍」と呼ぶようになります。

コンジュはジョンドゥに何の仕事をしているのかと尋ねます。
ジョンドゥは咄嗟に兄の工場を手伝っていると答えて、コンジュは仕事をしているジョンドゥをうらやましがります。
それ以来、ジョンドゥはジョンイルの仕事を手伝うようになるのでした。

コンジュは自分の部屋に、インドの象や子どもが描かれた「オアシス」という絵を飾っていました。
夜になるとその絵に外の木の枝の影が映り、怖くなったコンジュはジョンドゥに電話をかけます。ジョンドゥは電話越しに変なまじないをかけて、コンジュは安心したようにベッドの中で微笑みます。

【転】- オアシスのあらすじ3

ジョンドゥはコンジュのアパートを頻繁に訪れて、洗濯を手伝ったりするようになります。
コンジュは「好きな色はなに?」と彼に質問して、自分は白色が好きだと答えます。ジョンドゥも白色が好きだと言うと、うれしそうな表情を浮かべます。
続いて「好きな季節は?」と聞いて、ジョンドゥがコンジュの嫌いな夏だと答えると、がっかりした様子を見せるのでした。

ある日、ジョンドゥは義姉の財布から金を黙って抜き取り、コンジュを電車に乗せて外へ連れ出します。
2人で電車に乗っているとき、コンジュは車内でいちゃつくカップルを見つけます。
次の瞬間、歩けないはずのコンジュが、吊り革につかまっていたジョンドゥの横に立っていました。さらに、ペットボトルで彼氏の頭を叩いた彼女の仕草を真似て、ジョンドゥの頭を小突きます。これらは全てコンジュの空想なのです。

その後、2人は食堂に入りますが、まだ客がたくさんいる中で「営業時間が終わっている」と追い出されてしまいます。ほかの客たちは2人が去った後、安堵の吐息を漏らしていました。
ジョンドゥはジョンイルの修理工場にコンジュを連れて行き、ジャージャー麺を食べさせてあげます。
そして、客から預かっていた車でドライブに出かけて、途中渋滞に巻き込まれてしまいます。ジョンドゥはコンジュを抱え上げて、車から飛び出してクルクルと踊り出すのでした。

ジョンドゥはコンジュをアパートまで送り届けます。
ここから再びコンジュの空想シーンになります。オアシスの絵の中の象や子ども、女性が出てきて、コンジュたちと一緒に踊り出すのです。それから2人はキスをします。

ジョンドゥが帰宅すると、客の車でドライブに出かけたことと、無免許運転をしたことをジョンイルが叱責します。ジョンドゥは尻を棒で叩かれてしまうのでした。

またある日、ジョンドゥはコンジュの髪を洗います。それからドライヤーをあてて、オシャレな服を着せてあげます。
行き先は高級レストランで、ジョンドゥの母親の誕生会が開かれていました。突然コンジュを連れて来たジョンドゥに、一族は困惑します。「誰なの?」と問われたジョンドゥは、清掃員の娘だと答えます。
母親はパニックになり、激怒したジョンイルはジョンドゥを連れ出します。ジョンイルは自分へのあてつけのつもりかとジョンドゥをなじります。すかさずジョンセが間に入り、「ジョンドゥ兄さんは身代わりを申し出たはずだ」と言います。
実はコンジュの父親をひき逃げで死なせてしまったのは、ジョンドゥではなくジョンイルだったのです。ジョンドゥは自分が2回も刑務所に入っていること、無職であることを理由に、身代わりとなって刑務所に入っていたのでした。
その上で、ジョンイルたちは出所してきたジョンイルを避けるように、引っ越しをしていました。

その後、ジョンドゥは車椅子を片手に、コンジュをおんぶして地下鉄の階段を走ります。
電車に乗り遅れてしまい、息を切らすジョンドゥをコンジュは車椅子に乗せます(ここから空想シーンです)。そして、ジョンドゥのために優しい声で歌い出しました。

【結】- オアシスのあらすじ4

その夜、コンジュはジョンドゥに帰らないでほしいとせがみます。
戸惑うジョンドゥに、コンジュは一緒に寝てほしいと懇願します。そしてコンジュを気遣いながら、ジョンドゥは身体を重ね合わせます。
そこへその日に限って、サンシク夫妻が訪ねてきてしまいます。2人の姿を見た夫妻は悲鳴を上げて、ジョンドゥは強姦の犯人として警察に連行されてしまいます。

取り調べの刑事は、「よく性欲が湧いたな」とジョンドゥをせせら笑います。
駆け付けたジョンイルは「ろくでなし」と言ってジョンドゥに殴りかかります。しかし、彼は同意の上であったことを話そうとしませんでした。
一方、極度の興奮状態になったコンジュも、何も話すことができなくなっていました。
取り調べの際に刑事や兄嫁から言葉を遮られて、必死に「違う」と言いたいのに、上手く言葉にできません。わかってもらえない苛立ちをぶつけるように、コンジュは車椅子ごとロッカーにぶつかって、叫び声を上げます。
サンシクはジョンイルを呼び出し、裁判をしても妹が傷付くだけだと言って、示談を持ちかけてきました。
その後、牧師がやってきて、祈るためにジョンドゥの手錠を外します。その隙に、ジョンドゥは逃げ出しました。

ジョンドゥが向かったのは、コンジュのアパートでした。
彼はアパートの前にある木に登って、枝を切り始めます。それはコンジュが夜中オアシスの絵に影がかかって怖がっていた、あの枝でした。
外の喧騒でそのことに気付いたコンジュは、必死の形相で窓を開けます。そして、ジョンドゥを応援するかのように、ラジオをフルボリュームでかけるのでした。

こうしてジョンドゥは刑務所生活を送ることになります。
しかし、コンジュの元にジョンドゥから手紙が送られてきます。そこには「刑務所でサッカーや卓球をして、健康的な生活を送っています」と書かれていました。
コンジュは日差しに照らされたアパートの床掃除をしており、どことなく幸せそうな彼女の姿が映し出される場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

社会から疎外されたような男女の壮絶な恋模様を描いた作品でした。思うように身体を動かせず、言葉を伝えられないコンドゥと、常識はずれで間が抜けているジョンドゥのやりとりは、何とももどかしいのですが、じわじわと温かい気持ちにさせられました。なかでも本作で何度も出てくる、コンジュが脳性麻痺のない姿となってジョンドゥとのデートを楽しむ空想のシーンは、切なくもあるのですが、愛する人がいるだけでこんなにも日常が鮮やかになるのかとハッとさせられました。本作で圧巻の演技を見せたムン・ソリさんは、撮影後骨盤が曲がってしまったというエピソードもあるそうです。

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