映画:シシリアンゴーストストーリー

「シシリアンゴーストストーリー」のネタバレあらすじと結末

シシリアン・ゴースト・ストーリーの紹介:2017年制作のイタリア、フランス、スイス合作映画。1993年、シチリアで実際に起きた陰惨な誘拐事件を元にした寓話的なラブストーリー。主演の2人には演技未経験のユリア・イェドリコブスカとガエターノ・フェルナンデスが選ばれた。

あらすじ動画

シシリアンゴーストストーリーの主な出演者

ルナ(ユリア・イェドリコフスカ)、ジュゼッペ(ガエターノ・フェルナンデス)、ロレダーナ(コリンヌ・ムサラリ)。ニーノ(アンドレア・ファルツォーネ)、ルナの父親(ビンチェンツォ・アマート)、ルナの母親(サビーネ・ティモテオ)

シシリアンゴーストストーリーのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- シシリアンゴーストストーリーのあらすじ1

シシリアンゴーストストーリーのシーン1 フクロウがいる薄暗い鍾乳洞に、水がしたたり落ちます。
幾筋もの光が差し込んできて、水をくぐり抜けると井戸水を飲む少年の顔が浮かび上がりました。
下校途中の少年ジュゼッペは、近道のために森の中へ入ります。あとを追うように、少女ルナも森へと入っていきました。
シチリアの山間部の小さな村で暮らすルナは、同級生のジュゼッペに片想いしていました。自身の想いを綴った手紙を、勇気を振り絞って彼に渡そうとしていたのです。

自然豊かな森の中で蝶とたわむれるジュゼッペを、ルナは木に身を潜めて眺めます。
足下にイタチがすり寄ってきて驚いたルナは悲鳴を上げ、ジュゼッペも彼女の存在に気づきます。
ジュゼッペはルナの背後から忍び寄り、手紙を取り上げました。宛名を確認して「僕への手紙?」と尋ねますが、照れくさくなったルナは別のジュゼッペだと言ってごまかそうとします。
ジュゼッペは笑顔を見せますが、ルナはいじけてしまい彼を置いて帰ろうとします。しかし、獰猛な犬と鉢合わせたルナは吠え立てられ、そこへジュゼッペが駆けつけて犬を威嚇します。
ジュゼッペはルナを逃がし、執拗に追いかけてくる犬に自分のリュックを投げつけて、どうにか逃げ切るのでした。

辿り着いた先はジュゼッペの家でした。
ジュゼッペは誕生日に買ってもらったバイクを自慢して、ルナを乗せてあげることにします。13歳で運転をすることに文句を言うルナでしたが、うれしそうに彼のバイクの後ろに乗り、山にある牧場へと向かいました。

ルナはジュゼッペの趣味である乗馬を眺めて、彼のかっこよさに惚れ惚れします。
それからルナは改めてラブレターを渡して、ジュゼッペとキスをしました。
ジュゼッペが馬を厩につなぎに行っている間、ルナは野原を歩きながら待ちます。このとき、彼女の背後で2台の車が通り過ぎ、ジュゼッペは忽然と姿を消してしまったのです。
置き去りにされたバイクを見て、ルナは不審に思いながらも一人で歩いて帰りますが、途中で心配した父親が迎えにやってきました。

ルナが帰宅すると、母親がジュゼッペと一緒にいたことを叱ってきます。
ジュゼッペの父親はマフィアで、そんな彼と関係を持つことに母親は賛成しておらず、ルナはただの同級生だと説明します。しかし母親は、ルナの部屋で見つけたジュゼッペの絵や、彼への想いを綴った詩を持ってきます。
怒ったルナは反抗しますが、母親は平手打ちをして、勉強のことだけ考えていればいいと圧をかけるのでした。
母親はルナの成績と世間体にしか興味がなく、普段はサウナにこもりっぱなしでした。また、父親と結婚したことを後悔しており、そのことを家族の前で平気で口にしていました。
父親はルナの理解者になろうとするものの、母親に頭が上がらず黙って見ているだけで、ルナもあまり心を開きませんでした。

その夜ルナは窓際に立ち、船舶で使われる発光信号を使って、同級生で親友のロレダーナと通信し合います。
ルナは「ジュゼッペに手紙を渡してからおかしなことが起きた」と伝えました。

【承】- シシリアンゴーストストーリーのあらすじ2

シシリアンゴーストストーリーのシーン2 翌日、ジュゼッペは学校を欠席します。
気になったルナはジュゼッペの家を訪ねますが、誰も応答しませんでした。
帰宅したルナは、地下から不審な音がして様子を見に行きます。すると、そこには小さくてかわいいフクロウがいました。

さらにその翌日になっても、ジュセッペは学校に現れませんでした。
ジュゼッペが欠席するようになってから17日が経過し、ルナは彼が学校に来ない理由を教師に尋ねますが、口を閉ざされるだけでした。
その日の帰り道、ルナはジュゼッペが投げ捨てたリュックを拾いに森へ行きます。ジュゼッペが大好きな青い髪の毛のドラゴンボールのフィギュアは、犬に噛まれてバラバラになっていました。
そこでルナは、自分の手紙を読みながらほほえむジュゼッペの幻を見るのでした。

後日の放課後、ルナがジュゼッペの自宅を訪ねると、ついに彼の母親が応対します。
ルナはジュゼッペのリュックを渡して欠席の理由を尋ねますが、嗚咽をもらす母親に抱きつかれます。
そこへ彼の祖父が現れ「病気だから会えない」と告げて、ルナを強引に追い返そうとします。
ルナは去り際にジュゼッペの母親が泣き叫ぶ声を聞くのでした。

またあるとき、ルナはジュゼッペの自宅の納屋から家の中へと忍び込みます。
母親は相変わらず憔悴しきっており、ルナはジュゼッペの部屋に入り、彼の乗馬用の帽子と写真を見つけて、あの日のことを思い出します。

あの日、ジュゼッペは警官の制服を着た男3人組に声をかけられました。
男たちは「君の父親が警察の捜査に協力しているので、そこへ連れて行ってあげよう」と持ちかけてきました。何カ月も父親の顔を見ていなかったジュゼッペは、当然のように車に乗り込んだのです。
ところが彼らの正体はマフィアで、ジュゼッペは目隠しをした状態で車から降ろされます。父親と対面したジュゼッペは「父さん」と呼びかけますが、父親は何も言わず、そのまま粗末な小屋へ連れて行かれました。
ジュゼッペの父親は警察の司法取引に応じて、内部告発をする裏切り者でした。マフィアは彼の告発を撤回させるために、ジュゼッペを誘拐したのです。
誘拐を指示したのはマフィアの首領であるジョヴァンニ・ブルスカで、ジュゼッペを赤子の頃から知っている人物でした。
ジュゼッペは首に鎖をつけられて拘束され、彼の家族への見せしめとして写真を撮られます。そして暗い部屋で監禁されることになったのです。

マフィアから写真を受け取った祖父は、ジュゼッペの部屋へ向かいます。
そこではルナがベッドで横になって眠っており、彼女を揺り起こそうとします。
しかし、ルナが目を覚ますと何故か自室におり、父親に「ジュゼッペは警察が捜索している」と抱きしめられるのでした。
ルナは腹痛を理由に学校を休み、地下のフクロウに会いに行きます。ルナは成長したフクロウのために、エサとなるネズミの駆除剤を捨てました。

大人たちを頼りにできないルナは、独自にジュゼッペの捜索を開始します。
ロレダーナと一緒に髪をドラゴンボールのように青く染めて、ジュゼッペが行方不明になったことを知らせるチラシを作成し、街中に配ります。
通行人は皆怪訝そうな顔をしながら受け取るのでした。

しかし、ジュゼッペに関する情報は一向に得られず、ルナの行動を知った母親は「髪を染めてもジュゼッペは戻らない」と嫌味を言います。
ルナは「じゃあ皆と一緒に知らないふりをしろと?」と言い返します。さらに、ジュゼッペが自分の全てであること、彼のことを考えて毎晩寝る前に涙が出ることが理解できるのかと、母親に詰め寄るのでした。

ある日、焦りや苛立ちを募らせたルナへの嫌がらせのように、授業中クラスメイトのロンバルディがジュゼッペの席に座ります。
ルナがどくように促すと、ロンバルディは「恥知らずの息子はもう来ない」と憎たらしい態度をとるのでした。
ルナはロンバルディにビンタを食らわせ、逆上した彼は掴みかかってきますが、ロレダーナが取り押さえました。
その後、母親に叱責されたルナは、罰として頭を丸坊主にさせられてしまいます。
それをロレダーナに報告すると、彼女はベランダに出てルナの前で断髪を披露しました。

【転】- シシリアンゴーストストーリーのあらすじ3

シシリアンゴーストストーリーのシーン3 息子を誘拐したら内部告発を止めるという目論見があったマフィアでしたが、ジュゼッペの父親の決意は揺らぎませんでした。
手持ち無沙汰となったジュゼッペの監禁は続きました。体や服が汚れたまま、食べ物も満足に与えられないジュゼッペは、次第に弱っていきます。
ジュゼッペは暗い部屋で、ルナからの手紙を読みます。ルナはジュゼッペの夢を見ること、長い間彼への想いを日記に綴っていたことを打ち明けていました。
するとマフィアが入ってきて、ジュゼッペは慌てて手紙を隠します。鎖をつけられた足は化膿しており、手当てを受けることもなく用意された粗末な食事をとります。
マフィアから父親宛に手紙を書くように言われますが、「僕がここにいるのはもう家に帰れないからだ」と拒否するのでした。
それでもマフィアから脅されたジュゼッペは、仕方なくペンを取りました。「君みたいに夢を見られたらいいのに、ここじゃ無理だ」と、ルナへの気持ちを綴ろうとします。
ジュゼッペはマフィアが去ると、誰にも見られない部屋の隅に隠れてすすり泣きました。

時は流れ、ルナの髪はショートヘアまで伸びました。
無事に進学できたルナは、気分転換のために父親と釣りに行きます。その際、母親に持たされたヘルシーなランチボックスを捨てて、2人でピザやコーラなどのジャンクフードを買い食いするのでした。
父親が昼寝をしている間、ルナは湖を眺めます。すると、乗馬するジュゼッペの写真が掲載された新聞記事が浮かび上がってきました。
対岸には彼の母親が佇んでおり、ルナは彼女のあとを追って冷たい水に入り、森の中を駆け抜けていきます。
ルナはジュゼッペが監禁されている小屋に辿り着きました。小屋に入ると中は洞窟のようになっており、ルナは地下へと続く水没した階段を下りていきます。
頭まで水に浸かると、ルナの前にジュゼッペが姿を現しました。彼が差し伸べた手をとろうとした瞬間、現実へと引き戻されます。
溺死寸前だったルナは父親に助けられますが、「行かせて」と叫び続けるのでした。

ジュゼッペは伸びきった髪をマフィアに切られていました。明かりを消されると、ルナからの手紙を読み返します。
ルナは手紙の中で「悲しいときも楽しいときもいつも夢見ている。私を救えるのはあなただけ」と訴えます。そして「私と付き合ってくれる?」と告白し、「ノーならあきらめる。イエスなら世界一素敵なこと」と綴るのでした。
ジュゼッペはルナの手紙を丸めて、地面に埋めようとします。しかし再び取り出して、いとおしそうに手紙にキスをするのでした。
やがてジュゼッペはルナのように夢を見て、置いてきた愛馬と再会します。その馬に導かれるように森の中を進んでいくと湖があり、水面には自分とルナの顔が映っていました。
その後、ジュゼッペは「出してくれ!」と叫び、監禁部屋の鏡を割ってマフィアに襲いかかります。ところがあっけなく押さえつけられ、鎖で拘束されてしまうのでした。

隠れ家から別の隠れ家へ移送される途中、ジュセッペは海の匂いがすると叫びます。運転手はジュゼッペを車から降ろしますが、そこは山道でした。
ジュゼッペは運転手に「父さんの友達だろ?」と尋ねます。運転手は何も言わずに車を発進させ、しばらく行くとそこにはないはずの海が広がっていました。
小屋に到着すると、ジュゼッペはエレベーターで地下まで運ばれて監禁されます。待ち受けていた父親はやはり何も言わず、ジュゼッペを助けようとしませんでした。

ルナの行為は自殺未遂とみなされ、長い間精神科の施設に入れられてしまいました。
退院したルナは待っていたロレダーナに抱きしめられ、薬漬けにされたことを打ち明けます。ロレダーナはカロージェロというラップが趣味の彼氏ができたことを報告します。
ルナは近々引っ越しをすることが決まっていました。

【結】- シシリアンゴーストストーリーのあらすじ4

シシリアンゴーストストーリーのシーン2 湖の中で幻を見たルナは、誰も知るはずのないジュゼッペの監禁場所の情報を手に入れていました。さらに、ジュゼッペの家の前で見た「豚ヅラの男」の存在を思い出したのです。
さっそくロレダーナとカロージェロ、彼の男友達のニーノと共に、監禁場所を突き止めようとします。
ニーノはなぜかマフィアが建てた違法建築がルナの自殺を招いたと勘違いしており、「建物がなくなって自然が復活して、昔の美しい世界がよみがえったらいいのに」と語ります。それを聞いたルナは、久しぶりに笑顔を見せるのでした。
ルナたちは森をさまよい、夢の中で見た場所に辿り着きますが、すでに建物は消えて池になっていました。

帰り道、ルナは例のブタ面の男が乗った車とすれ違います。
すぐさま警察に出向き、ジュゼッペの誘拐に関わっているのは確かだと報告しますが、全く取り入ってもらえません。
ロレダーナはルナの両親に連絡しており、父親に連れ戻されてしまいます。ルナはロレダーナに怒りをぶつけ、母親は「娘はご覧の通り普通ではない」と、警察相手に涙を浮かべるのでした。

長期間にわたり監禁されているジュゼッペは、衰弱してほとんど生気を失っていました。
ベッドに横たわるジュゼッペは、傍らにたたずむもう一人の自分の幻を見ます。幻は美しい姿でジュゼッペにほほえみかけていました。

引っ越しの準備を済ませたルナは、部屋の壁に木のトンネルの絵を描きます。
両親が寝静まってからこっそり家を抜け出したルナは、倉庫のような場所でブタ面の男を見つけて、一人で彼の車に乗り込みます。
ついにジュゼッペが監禁されている小屋を探し当てたルナは、マフィアが出て行った隙に中へ入り、エレベーターで彼を救出します。
しかし助け出されたジュゼッペは、瀕死の状態の彼を見下ろす幻の姿をしていました。ルナはジュゼッペにコートを着せてあげて、一緒に森へ向かって走ります。
湖に辿り着いた2人は、ボートに寝転がり追っ手から逃れました。ルナはジュゼッペに「一生離さない」と笑顔で語りかけ、彼とキスをして目を閉じます。
ジュゼッペは「一緒に来ちゃいけない」と諭しますが、眠ってしまった彼女にコートをかけて、一人去って行きました。

その頃、生死の境目にいるジュゼッペはマフィアに囲まれていました。
壁を向くように指示されたジュゼッペは、マフィアの手で背後から首を絞められます。
その後殺害されたジュゼッペの体はドラム缶に入れられて、酸で溶かされます。
マフィアはドラム缶の中身を湖に捨てて、ジュゼッペは白い物体となって細かく散っていきました。

その頃、ルナは自宅の地下でジュゼッペのポスターを燃やしながら、ネズミ駆除剤を食べて自殺しようとしていました。
湖に放り出されたジュゼッペは、遠く離れたルナの家の地下室へと向かっていました。そして、朦朧とした意識の中横たわるルナの頬に、水滴となって流れ落ちるのでした。
ルナが目を開けると、そこには乗馬姿のジュゼッペが優しい顔でのぞき込んでおり、「眠っちゃダメだ」と声をかけられます。
さらに、ジュゼッペはフクロウとモールス信号を通して、ロレダーナに異変を知らせます。駆けつけたロレダーナと両親がルナの部屋へ向かうと、壁の絵の中でルナとジュゼッペが再会を果たしていました。
地下へと急ぐとルナが口から血を流して倒れており、ロレダーナは彼女の手を握るジュゼッペの姿を見ます。
父親が車でルナを病院へと運んでいきました。

海を眺めるルナの元に、ロレダーナとその彼氏たちが駆け寄ってきます。
ルナはすっかり笑顔を取り戻しており、ふと遠くを見ると勢いよく海に駆け込む少年の姿がありました。
それは生前海が見たいと言っていたジュゼッペの魂だと確信したルナは、静かに見守るのでした。

物語の最後には「マフィアに誘拐されて779日間監禁された挙げ句、1996年1月11日に絞殺され酸で溶かされた少年、ジュゼッペ・ディ・マッテオにこの作品を捧げる」とエピローグが流れました。

みんなの感想

ライターの感想

ルナの書いたラブレターがあまりにも美しくて、もう会えないことがわかっている中何度も読み返すジュゼッペは、一体どれほど苦しかったのだろうと感じずにはいられませんでした。淡い恋心を成就させた少年少女に起きてしまった現実の残酷さに、やりきれない思いでいっぱいになります。実際のジュゼッペには、ルナのような心のよりどころとなる存在がいたのかどうかはわかりません。しかし、彼の人生を相思相愛の少年少女が幻想の中で結ばれるという美しいファンタジーとして描くことで、死を悼むことにつながってほしいですし、より多くの方々の記憶に残ればいいと思いました。

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