映画:マチネの終わりに

「マチネの終わりに」のネタバレあらすじと結末

マチネの終わりにの紹介:2019年の公開作。芥川賞作家平野啓一郎の同名小説を『容疑者Xの献身』『昼顔』の西谷弘が映像化。社会背景を織り交ぜながら、40代を迎えた男女の愛の物語を上質に描く。クラシックギタリストの蒔野はパリの通信社に務めるジャーナリストの洋子に出会う。強く魅かれ合った2人だったが、洋子には既に婚約者がいた。それでも蒔野は洋子に愛を告げるが、あることをきっかけに、2人は決定的にすれ違ってしまう…。

あらすじ動画

マチネの終わりにの主な出演者

蒔野聡史(福山雅治)、小峰洋子(石田ゆり子)、リチャード新藤(伊勢谷友介)、三谷早苗(桜井ユキ)、中村奏(木南晴夏)、小峰信子(風吹ジュン)、是永慶子(板谷由夏)、祖父江誠一(古谷一行)

マチネの終わりにのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- マチネの終わりにのあらすじ1

2013年。
若い時分から、世界的に名の知れたクラシックギタリストの蒔野は40代を迎え、満足のいく演奏が出来ずに苦悩を続けています。
コンサートツアーの最終日。自身の実力に愕然とした蒔野は終演後、関係者が去るまで楽屋に籠りました。この時最後まで残っていたレコード会社の社員で蒔野担当の是永は、公演に連れてきたパリ在住の友人の洋子を彼に紹介します。瞬時に洋子に魅かれた蒔野は、目の色を変えて楽屋から出て来ました。奇遇にも洋子は、蒔野がギターを始めるきっかけになった『幸福の硬貨』という映画の監督イェルコ・ソリッチの後妻の連れ子でした。そしてこれまた偶然にも洋子は、蒔野がN.Yで開催したデビューコンサートを鑑賞していたのです。不思議な縁を感じる2人でしたが、洋子には既に婚約者がいました。

洋子の存在の影響か、打上げ会場での蒔野は饒舌でした。改めて洋子と会話した蒔野は、彼女と感覚が似ていると実感します。そこへ蒔野のマネージャーの早苗が割って入りました。早苗は蒔野の才能に惚れこみ、仕事を越えた感情で蒔野に接しているため、彼が洋子に恋心を抱いたとすぐに見抜いたのです。
祖母の葬儀のために帰国した洋子は、幼少期にままごとに使っていた庭の大きな石で、祖母が頭を打って亡くなったことが胸につかえていました。それを聞いた蒔野が、洋子の気持ちを察して「未来が過去を変えることもある」とぽつりと語ります。その言葉は洋子の心に響きました。互いに魅かれるものがある2人でしたが、パリの通信社に務める洋子は翌朝には出国予定で、後ろ髪を引かれながらも2人はここで別れました。

冬。
蒔野は唐突に、“嫌になった”とだけ言って、レコーディングやツアーの中止を申し出ます。蒔野の意思を尊重する早苗は、彼の行動が身勝手だと理解しつつも、困惑する是永に必死に弁明しました。ところが蒔野のドタキャンの理由は、テロが発生したパリの洋子の安否が分からないからだと判明します。

蒔野はしつこいまでに洋子にメールを送っていますが、全く返信をもらえずにいました。当の洋子はメールに答える暇も無く、取材に明け暮れていたのです。どうにかして返事を貰おうとした蒔野は、話題を変え『幸福の硬貨』についてのメールを送ってみました。
ちょうど取材を終えて会社に戻った洋子は、蒔野のメールが目に留まるものの、同僚に話しかけられてまた後回しに。洋子が同僚と別れてエレベーターに乗ると、その瞬間に爆破が起きました。今度は通信社がテロの標的となり、洋子の同僚も犠牲になったのです。エレベーターに閉じ込められた洋子は混乱しながらも、その場で動画を配信します。“未来が過去を変える。犠牲に遭わなかった者が、テロの無い未来を作らなければならない”と。2014年2月のことでした。

【承】- マチネの終わりにのあらすじ2

3月。
蒔野は13歳から師事している祖父江の公演を鑑賞します。現在の心境を吐露した蒔野は、祖父江も蒔野と同じ年代の頃に悩んでいたと励まされました。祖父江は6月に開催されるマドリッドでのコンサート共演を蒔野に持ち掛けますが、当然今の彼では乗り気がしません。

その頃洋子は、テロのショックで仕事を休んでいました。洋子はN.Y在住の婚約者のリチャードから、結婚し渡米することを勧められました。リチャードは洋子の留学時代からの友人で、現在は経済学者として成功を収めています。しかし同僚の死に直面した洋子は、とても結婚する気分にはなれずにいました。
テロ以来、蒔野のCDで心が救われていた洋子は、久々に彼にテレビ電話を試みます。洋子は利己的なリチャードには話せない本心を蒔野に打明けました。蒔野は洋子の無事に安堵しますが、彼女は通話中にも大きな音に取り乱しました。そんな洋子の状況を知った蒔野は、薬指に輝く指輪に気付きながらも、彼女を落着かせるために笑い話をします。洋子は蒔野との会話で落着きを取り戻しました。洋子に会いたい一心で蒔野は、通話中にマドリッド公演の出演を決め、パリまで足を運ぶことにしました。

3ヶ月後。
洋子は蒔野と待ち合わせしたレストランに向かいます。人を待たせても走らないのが洋子の特徴ですが、その足取りは実に軽やかでした。洋子と再会し、想いが溢れた蒔野は「結婚を止めに来た」と彼女への愛を告げます。洋子は一般論で蒔野を制しようとしますが、彼の情熱は揺るぎません。洋子は蒔野の公演まで時間をもらうことにしました。1人になった洋子は自分の正直な気持ちを見つめなおすと、リチャードに別れを告げました。

一方の蒔野は久々の舞台に立ちますが、会場には洋子の姿もなく、演奏も大失敗します。部屋でうなだれていた蒔野は洋子から連絡を受けると、蘇ったようにすぐパリの彼女の部屋へ向かうのでした。
洋子が公演に行けなかったのは、仕事のパートナーのジャリーラが、同僚の仇をとるために容疑者を1人で追って、怪我を負ったからでした。心身共に傷ついていたジャリーラは、蒔野に心を閉ざします。そんなジャリーラに蒔野は、“人を笑顔にするもの”と言って、温かな料理をふるまい、ギターを奏でて聞かせました。
落ち着いたジャリーラが眠りにつき、蒔野と洋子は改めて語り合いました。洋子は蒔野への想いを伝え、リチャードとの全てが終わったら自分が日本へ行くと約束します。2人は初めて唇を重ねました。ジャリーラが物音を立てたため、それ以上はおあずけになりましたが…。

【転】- マチネの終わりにのあらすじ3

洋子が帰国する日。蒔野は彼女を迎える用意を意気揚々と行っていました。2人は空港近くのバスターミナルで、合流することに。
ところがその矢先、祖父江が脳出血で倒れたとの連絡を受けます。慌てた蒔野はタクシーに携帯電話を置き忘れてしまったため、早苗が代理で取に行くことになりました。無事に携帯電話を回収した早苗は、洋子からの着信に気付きます。早苗は罪悪感に苛まれながらも、ロックを解除して中を見ました。蒔野が胸を躍らせて洋子とやりとりしていること、洋子の故郷の長崎に一緒に行く予定であることなどを早苗は知ります。蒔野に恋心を抱いていた早苗は、彼に成りすまして「もう会えません。あなたに会って自分の音楽を見失ってしまった。さようなら」とのメールを洋子に送りました。

病院に戻った早苗は、蒔野の携帯電話を故意に壊し、代わりに自分の会社用の携帯を差し出しました。焦っていた蒔野は、とりあえず洋子の連絡先を尋ねるように早苗に依頼します。しかし早苗は、自身の私用の携帯番号を洋子の番号として登録。何も知らない蒔野は洋子の番号だと信じて留守電を残しますが、もちろんそれが彼女に届くことはありませんでした。一方の洋子は、蒔野からの突然の宣告に失望していました。

祖父江は半身に後遺症が残ったものの、一命を取り留めました。新しい携帯電話を入手した蒔野は、早速洋子に連絡しますが、2人のやりとりはかみ合いません。「会って相談しよう」と蒔野は必死に語り掛けますが、洋子からしてみれば都合のいい話で…。「これ以上は無理」と洋子から返信が来たきり、連絡は途切れました。長崎へ行けなくても、せめて東京で会いたいと願っていた蒔野は、空港で洋子を待ち続けましたが、彼女が現れることはありませんでした。

1人で長崎に帰省した洋子は、イェルコが最後まで家族に付き添ってくれなかった不満を、改めて母に零してみます。すると母は、初めて真実を教えてくれました。イェルコの映画は政治思想に利用され、彼は脅迫を受けていたのです。イェルコは家族を守るために、洋子たちとの別れを決めました。最後は一緒にいられなかったけど、後悔は無かったという母は「会えんことが、イェルコの愛情やったっけね」と、しみじみ語りました。

【結】- マチネの終わりにのあらすじ4

4年後。
蒔野は早苗と結婚し、娘を設けていました。妻となった早苗は蒔野のことを苗字ではなく“聡史さん”と呼んでいます。ギタリストとしては未だスランプの渦中にいる蒔野でしたが、亡くなった祖父江が遺した温かな言葉に背中を押されました。蒔野は祖父江の追悼CDへの参加を是永に乞われたうえ、レコーディング後は復帰コンサートも検討中との彼女の構想に、久々に奮起します。
一方の洋子も復縁したリチャードとの間に息子を授かります。表向きはN.Yでの華々しい生活を送る洋子でしたが、リチャードは彼女への当てつけのように浮気をしていました。リチャードは一度自分を捨てた洋子を憎んでいたのです。この生活に耐えられなくなった洋子は、離婚手続きと再就職活動を始めました。

蒔野は無事にレコーディングを終え、再び舞台に上がるために必死にギターに向かい合います。そんな蒔野を見た早苗は、“実家に帰る”と置手紙を残して留守にしました。実は早苗は、蒔野の復帰コンサートを実現するために、デビューと同じN.Yの会場に直談判に行ったのです。蒔野の復活のため、懸命にアピールして会場を抑えた早苗でしたが、渡米にはもう1つ大きな理由がありました。

早苗は洋子に会いに行きました。ひとまず早苗は蒔野が参加した追悼アルバムを洋子に手渡すと、4年前のメッセージは蒔野ではなく、自分が送ったものだと告白します。今更と思われてでも真実を打明けた理由は、嘘をついたままでは、蒔野が復活できないと思ったから…と。悔しさがこみ上げた洋子でしたが、それを堪えては「あなたの幸せを大事にしなさい」と言って席を立ちました。帰り道で洋子は、実家の庭の石と同じような石を見つけると、それに腰を掛けて大声で泣きました。
4年前の真相を早苗からメールで伝えられた蒔野は、ショックで呆然とします。もどかしさ故に、蒔野は奇声をあげてみるものの、今更現実をどうすることも出来ませんでした。

5か月後。2019年11月。
公演のためにN.Yに旅立つ蒔野に早苗は、「“蒔野さん”、私のことは気にしないで。好きなようにして」と別れを告げました。

離婚が成立した洋子でしたが、親権はリチャードに渡りました。息子と会える月1回の面会日。息子と別れた後の洋子は、淋しさに勝てずにぼんやりとしていました。気を取り直して転居の作業に取り掛かった洋子は、早苗から渡された追悼CDを見つけます。初めてCDを開封した洋子は、ブックレットに記載された蒔野のコメントが、自分充てのメッセージだと知りました。蒔野への想いが溢れ出します。

蒔野のN.Yでの公演日。いつもは急がない洋子が、珍しく走って会場へ向かいました。
コンサート終盤。会場内に洋子の姿を見つけた蒔野は、「公演後にセントラルパークの池の周りを散歩し、大切な友人に会えることを願います」とMCで語りました。そして「マチネの終わりに特別な曲を演奏します」と言い出すと、急遽予定を変更して『幸福の硬貨』を演奏したのです。
終演後、洋子がセントラルパークへ足を運ぶと、本当に蒔野の姿がありました。蒔野と洋子は、噴水の向こう側に互いの存在を確認します。微笑み合った2人は、同じ方向に歩み寄るのでした。

みんなの感想

ライターの感想

クラシックギターの音色が包み込むしっとりとした恋のおはなしでした。
原作は未読ですが、すれ違ったり恋敵がいたりして、恋物語としては鉄板の展開でした。しかしながら主演のお2人に年代が近い人にとっては、青春時代に見たドラマや映画を彷彿とさせるロマンチックなストーリーに、夢見心地にさせられるのではないでしょうか。
忘れられないお相手が心の中にいる人は、自分の夢を乗せてしまうかもしれません。そんな映画も、たまにはいいものですね。

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